砂鉄さんに聞きたかったこと


武田砂鉄のプレ金ナイト 2023年10月27日

 

黒沢かず子:すごい聞きたいことがあって、昨日の夜考えていたんです。砂鉄さんにいっぱい聞きたいことがあるけど、聞いていいのか。

武田砂鉄:何でも大丈夫ですけど。

黒沢かず子:本当に何でも言っていいですか?

武田砂鉄:何でもいいですよ。

黒沢かず子:私、あんまり勉強してこなかった。偏差値っていう時代があった時に、私、40なかったんですよ。30台だったんです。それでも何とか東京で飯食っていけてるっていうありがたい環境なんですけど、わからないことがたくさんあって。聞いていいですか? 今それを思い出しながら。本当に世の中を変えたかったら何になるべきなんですか?

武田砂鉄:ああ。どうなんでしょうね。

黒沢かず子:政治家さんは嘘をつく方も多いじゃないですか。

武田砂鉄:多いですよね。

黒沢かず子:とか、周りの票を稼ぐために、始まる前は「よろしくお願いします」ってやるじゃないですか。でも、いざなったらツンデレじゃないですか。なんかこう、ウーみたいな感じで。

武田砂鉄:うーん、そんなのやらないけどね。

黒沢かず子:みたいな感じになるじゃないですか。ああなってしまう場合――。でも本当は最初は世の中のことを考えてたのかなと思った時に、世の中のことを変えるには何になるのが1番いいのかなと思ったんです。

武田砂鉄:でも、「世の中を変える」ってどういう状態かってのはありますよね。

黒沢かず子:その部分部分ですか?

武田砂鉄:部分部分。どこかのことを何か変えたいっていうんだったら、それはどんな職業でも、どんな立場でも、別に仕事に就いていなかったとしても変えられるというふうに思うんですよね。どういうふうに世界を設定するかじゃないですか? 目の前にいる人をなんとか説得させたいのか、地域を変えたいのか。

黒沢かず子:政治家さんは何を目的でやるんですか?

武田砂鉄:彼らはね、マイク向けたら「世の中を良くしたいんです」っていうふうに言うんだろうけど、でも、実際にやってることを見たら、すげえ身内だけをよくしようとか、そういうことをやられているから、世の中っていう仕事を本当に考えてますか?って疑いを持っちゃいますけどね。

黒沢かず子:なんでそれをお喋りできないんですか? 皆さんは。そんな時間はないよっていうことなんですか?

武田砂鉄:優先順位がすごく低くなってんじゃないですか? それの。本当に世の中のことを考えるということがね。だからけしからんと思うことが多かったりしますけど。世の中を変えたいですか?

黒沢かず子:「世の中を変えたい」まで私は。とりあえず1人の人を元気にさせるのが今の私の目標というか。という時に、なんかいろいろ乗っかってくるわけですよ。介護保険とかいろいろ考えたりとか。何でだ?とか。なんでこのお医者さんはここまで診てくれなかったんだろうとか、すぐ退院させなきゃいけない世の中だし、とかいろいろ考えて。そういう細かいことなんです。
でも、私の場合は、世の中を変えるよりも、まずそこで働いてる人を笑顔にしていったら、その笑顔が患者さんだったりとか利用者さんだったりとかに行くのかなと思ったら、まずはその働いてる方を笑顔にできないかなっていう考えなんで、たぶん私には政治は難しいんですけど。

武田砂鉄:いやいや、でも、働いてる人を笑顔にするために、直接そういう人に話をするというのもそうだし、もし例えばその人がなかなか賃金が厳しい状態で働いていて、辞めたくなっちゃうみたいなことを思っているんだったら、外から、こういう人たちの仕事ってこれだけ大事な仕事なんで、もっとこういう人たちにお金を払うべきじゃないですかっていうふうに政治家に対して言ったりとか、あるいは政治家になってそれを変えるとかっていう。だから、その人を笑顔にする方法というのはたくさんあると思うんですよね。

黒沢かず子:お金は確かにもっと上がったらいいのになと思います。

武田砂鉄:そうですよね。

黒沢かず子:けど、物価は高くなるし、でもお金はそんなに上がらないし、なんかなあと思いながら。みんな笑顔がウーンてなかったりもするので。

武田砂鉄:そうですよね。そのしょぼんという感じというのは、今いろんなところに広がっているか、そういう人たちに1人1人話を聞いていくことってなかなかできないから、どうやったら変えられるんだろうかなっていうのは思いますけどね。

黒沢かず子:本当ですね。TBSで今やってる宮藤官九郎さんのラジオ、宮藤さんに聞いて……というのがありますよね。

武田砂鉄:『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』という番組ね。

黒沢かず子:すごい! すぐ出てくる。TBS。TBSっ子ですね。

武田砂鉄:TBSっ子ですね(笑)。

黒沢かず子:その中でそういう身近なこととかもお話しされてますもんね。

武田砂鉄:そうそうそうそう。あの番組は素晴らしい番組だなといつも思って聴いてますけどね。こんなことあるんですけどというのを言って、解決するんじゃなくてただ聞いとくだけっていう。それが大事ですよね。

黒沢かず子:知らないこととかあるから。そうですね。聞いてみないとわかんないなと思いました。

武田砂鉄:でも、それこそ芸人さんって、そういうある種しょんぼりしてる人を、一瞬だけでも笑わせるというか。それこそ、『しゃべくり007』でのパリパリ攻撃は、僕、幸せになりましたけどね。

黒沢かず子:そうですか。ありがたいです。でも、ああ嫌だなって自ら命絶ちたいなっていう時に、ふと目に入ったところでなんか変なことやってるおばさんがいたら、ちょっとでもクスッと笑ってもらえたらなと思って。

武田砂鉄:そういう人はたくさんいると思いますけどね。

黒沢かず子:なのかなとは思います。自分に似たような、あんまりこう――。私は一人っ子で、未婚で、親が高齢者で、今まで人と付き合ったことがないんですけども、そういった人間の方でも、あ、あいつが生きてるからなと思っていただけたらなと思います。

武田砂鉄:テレビでの所作とか、ラジオでの発言とかを聴いてる方ってたくさんいらっしゃると思うので。

黒沢かず子:聴いてくださったらなと。