オピニオンリーダー

 

爆笑問題の日曜サンデー 2019年3月24日

 

武田真治:今日、僕、お二人にお伺いしたいなと思ってたことがあるんですけど、いいですか。

太田光田中裕二:うん。

武田:僕も、子どもの頃というか、芸能界を始めた頃、俳優とか音楽のほかに、北野武さんなんかも見てた影響もあって、オピニオンリーダーになってみたい、そういうふうな責任を背負える男になってみたいなあ、みたいに思ったことがあるんですけど、いま実際に、本来それぐらいの年齢に差しかかった時に、いかに自分が世の中を知らなくて、何もそこに到達できている中身が伴っていないかということを考えたりするんですが、『サンジャポサンデー・ジャポン)』とかされていて、いままさにお二人はオピニオンリーダーですよね?

太田:俺はそうかもしれないけど、田中は違う。

田中:何なんだよ!

太田:(笑)

田中:俺はそうじゃないけど、「二人ともそうじゃない」でよくねえか(笑)。

太田:全然その意識はない。

武田:その意識はないですか。

太田:うん。

武田:あ、そうですか。

太田:それはなりかったよ。すごいなりたかったけど、いまだに、たけしさん、さんまさん、大活躍してるわけじゃん。目の前で共演もしてるし。俺、談志師匠も見てると、ああ、これはもう全然レベルが違うなというのは、まざまざと見ちゃうから。

武田:でも、お二人の発言が、世の中に起きたニュースの一般的な皆さんの捉え方の方向性を決めているなという実感はあったりするでしょう?

太田:いやあ、全くないね、それは。

武田:ああ、そうですか。だとしたら、ものすごく無責任な(笑)。

田中:ははは(笑)

太田:そういうこと! そっちにシフトチェンジしないとやってけない(笑)。

田中:確かにね、無責任はあるよね。

太田:そう。どうでもいいやっていう、あとは野となれ山となれ、みたいな感じだね。

武田:例えば、テリー伊藤さんなんかと接するというのは、それ自体がオピニオンリーダーとしての自覚がないと。

太田:オピニオンリーダー好きだね(笑)。

武田:自覚がないとできないというか。

田中:テリーさんも、あの人は楽しいことを第一に考えるから、世の中をこうしようとか、こういうふうに人々に言いたいというよりも、何がおもしろいかが最優先の人。ある意味無責任。

太田:そうかもしんないね。

武田:なるほど。

田中:責任感を持って僕の、例えば、年代が、こうして次の若い人たちにこういうことを言いたいとかっていうことよりも上にあるのは、“おもしろい”。

武田:おもしろい。基準はずっと“おもしろい”。それはお二人も変わらないですか。

田中:そうかもしれない。

太田:変わんないねえ。

田中:我々は特に、わかりやすくそれを漫才とかでやるから。

太田:特にね、俺は談志師匠とずっと晩年近くにいさせてもらって、あの人に憧れてたんだけど、あまりにも天才過ぎて、毎日「死にたい」って言ってたの。師匠がね。それこそ考えるの、いろんなことを。落語と格闘して。そうするとね、こんなに凄いのに、まだこんなに悩むんだというのが、俺が50から60になった時に、これはちょっと耐えられないだろうな、俺にはっていう。もちろんその技術もないけども、だったら、もうこの道は、むしろ幸せじゃないんじゃないかっていうぐらい悩んでたね、談志師匠は。俺はそうはなりたくない。もっとゆったりと、孫と一緒に公園で、釣り堀で釣りをするような余生を送りたいな。

田中:そんなわけねぇーだろ!おまえ(笑)。それは考えてねぇーだろ。

武田:だとしたら、なかなかの遠道を今歩いていらっしゃいますね。

田中:(笑)ほんとだよね。

太田:子どもがいないからね(笑)。

田中:相当遠回りだと思うよ、それは。

太田:どっかで連れ……。

田中:連れてきちゃダメです。

太田:(笑)

武田:でも、そういう、あ、じゃあ、やっぱり……。

太田:そういう時期もいろいろあったね、でも。

武田:楽し…それこそ『総理(太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。)』。

太田:『太田総理』をやってた時。

武田:あの頃っていうのはそういう意識強かったですかね?

太田:あれは逆にね、戸惑いながらやってたの。こんなことやってていいのかなって。お笑いじゃないじゃない、あれって。マジになっちゃってるから。あれは結構日テレから「あれをやりましょう」って言われて、俺はちょっと躊躇して、踏ん切るまでに結構時間がかかったね。

武田:へえ。

太田:でも、もうどうでもいいやって、今は思ってるかな。

武田:そうなんですね。

太田:あまり期待した答えじゃなかったと思うけど。

田中:そんなことはないでしょ。

武田:“楽しいが一番”響きました。“おもしろいが一番”。

太田:全然響いてないよね(笑)。

田中:(笑)

武田:そんなことないです。そんなことないですよ。お葉書1枚お願いします。