『ゆとりですがなにか インターナショナル』岡田将生/松坂桃李/水田伸生監督インタビュー

 

KBCラジオ パオ~ン 2023年10月11日

 

 

ルーシー:2016年のドラマから7年が経ちました。最初に映画化の話を聞いた時の率直な感想をお伺いしたいんですが。

岡田将生:もうそれは嬉しいですよ。またみんなと集まってあの世界観にひたれると考え方ると、「うわあ嬉しい」というのがまずあって、そこから「大丈夫か、戻れるか。6年ぶりだぞ、7年ぶりだぞ。正和も大丈夫か」というふうになってきましたね。

松坂桃李:僕は、そもそもこの映画が決まる前に宮藤さんに、僕はたまたま『ハングオーバー』という映画を観ていた時に、これを“ゆとり”でやったらおもしろいんじゃないか、みたいなことを、違う作品の打ち上げ会場で宮藤さんに雑談交じりで喋ったんですよね。そしたら宮藤さんがそれを面白がってくださって、気づいたらそれが本になっていて、それが映画化になるらしいんだということを聞いたときに、ちょっと緊張しましたね。「あ、すごい。ここまで話が進んだぞ」という。最初は「柳楽優弥岡田将生安藤サクラと僕の4人で、こういうのを“ゆとり”でやったら面白いよね」みたいなことを喋っていたものが、だんだんだんだん具現化していって、言霊じゃないですけど、そういうものって本当にあるんだなというのは実感しましたね。だから、これからも僕はちゃんと口で発信していこうと思いました。

水田監督:「言葉に出して言おうよ」は、実はこの映画の一つのテーマでもあるじゃないですか。

松坂桃李:はい、はい、はい、はい。

岡田将生:そうですね。

水田監督:「思ってるだけじゃなくて、ちゃんと言葉で伝えよう。そばにいる人ほど、大事な人ほどそうしようよ」という。

ルーシー:まさに今回、7年ぶりだったということなんですけど、もちろん現場の雰囲気はすごくよかったと思いますけど、水田監督から見てどうでしたか。

水田監督:えっ?よかったって、どうしてそう思うんですか?

ルーシー:あれ?(笑)だって、今このフリートークからでも、絶対にそれはうかがえたので。ごめんなさい。すいません、ちょっと勘違いしたかもしれないです。どうでしたか?

松坂桃李岡田将生:(笑)

水田監督:わからないですよー。

松坂桃李:ピリピリピリピリしてたかもしれない。

水田監督:ピリピリかもしれませんよ。

ルーシー:そんなはずはないと思います(笑)。

松坂桃李:6年ぶりですからね。

ルーシー:そうですけれども。そこはじゃあ「ピリついてた」でよろしいですか?

松坂桃李岡田将生:(笑)。

岡田将生:それはそれで。

松坂桃李:それはそれで。

ルーシー:違いますもんね?

水田監督:さまざまなドラマや映画や作品があると思うんですけれども、その中で友情を育んだり、愛情を育んだりという物語を演じてくれているわけですけれども、それが本当に友達になってしまったという、とてもレアケースだと思うんですよね。それは、安藤サクラちゃんも含めて、男女を超えてなので、これが、ひょっとしたら『ゆとりですがなにか』の一つの特色なのではないかなと思うんです。

ルーシー:普段のドラマとか映画とかって、感情移入じゃないですけど、そこに自分を置き換えたりとかっていう気持ちが沸くんですね。だけど、『ゆとりですがなにか』に関しては、ただただ皆さんの生活をずっと見ていたいというか、あ、また戻ってきてくれた、じゃないでけど、また見れるんだというのぞき見感覚がすごいあったんですよね。

でも、その中で実際には7年経ってるわけじゃないですか。7年ぶりの『ゆとりですがなにか』。何か変わったことってありますか?

水田監督:それは桃李くんが一番変わったね。

松坂桃李:ま、そうですね。僕は結婚して子どもがきたことが一番大きな出来事ですかね。これ以上でかいこと、まだあるのかどうかわかんないですけど、相当大きい出来事でしたね。

水田監督:産まれたとわかったというか、立ち会ったかどうか知らないけど、産まれた瞬間、まず最初に何を思ったんですか?

松坂桃李:ちょっと世界が変わった感じが。大げさに言うとですけど。外を出て歩くと、ものすごい景色がキラキラして見えるんですよ。

岡田将生:なるほど。

松坂桃李:不思議と。

岡田将生:へー。

松坂桃李:あるんだよ。そういう現象が。

岡田将生:本当ですか?

松坂桃李:キラキラ現象が。

岡田将生:僕、今ちょっと澱んでいるかもしれない(笑)。

松坂桃李:(笑)。

水田監督:まだ見たこともないもんね。

松坂桃李:それはちょっと自分でもびっくりしましたね。何とも言えない感情が自分の中に渦巻いて。奥さんに対してのリスペクトと、子どもができたことへのこのうえない喜びとか、責任とか、いろんな感情がない交ぜになった感じといいますかね。ちょっと一言では言い表しにくいものがありましたね。

岡田将生:桃李さん側なんだけど、ハンコを押させてもらったじゃん。

松坂桃李:ああ、そうだね。

ルーシー:えっ?

岡田将生:そうなんです。

松坂桃李:証人の名前ですね。

岡田将生:実は、その時、僕、車で桃李さんのところに向かってたんですけど、最愛の友達が大きな旅に出る瞬間だっだという。涙が止まんなくて。

松坂桃李:へー。来る道中に?

岡田将生:そうそう。

松坂桃李:そうだったの?

岡田将生:あーと思って。停めて、ちょっと一息ついて。そういう時って大体早く着くじゃないですか。はあっとちょっと落ち着いて。いざハンコを押させてもらって。そうそう。あの時すっごい嬉しかったんですけど、それを上回るのが「子どもが産まれました」という連絡が来た時に涙が止まらなかった。

松坂桃李:そうですか(笑)。

岡田将生:それは、僕、友人からそういうのを聞いて、そういう感情になるってなくてですね。それは自分の中でもすごい大きな変化で、桃李さんのことが自分のことのように嬉しかった。

松坂桃李:ちょっとそれは。今の裏エピソード、初めて聞いたんで(笑)。

岡田将生:(笑)

水田監督:あまり言わないよね。

松坂桃李:泣いてきちゃったんだよね。

岡田将生:確かに、変化って、でも。

水田監督:『ドライブ・マイ・カー』だね。

岡田将生:(笑)

松坂桃李:『ドライブ・マイ・カー』ですよ。本当にレッドカーペットかっこよかったですからね。歩いた時。

岡田将生:それも大きな変化でしたね。

松坂桃李:それ、でかいですよ。大きな出来事ですよ。

岡田将生:あっちの映画祭に出させてもらったことは本当に大きい出来事。

松坂桃李:あの歩いている姿、僕は本当に嬉しかったですからね。誇らしいというか。

岡田将生:(笑)

松坂桃李:自分の友人が世界の人たちに注目されている瞬間を見ると、自分のことのように嬉しいし、そこは「見ろ!岡田を」とずっと思いながら、テレビの画面を食い入るように見てましたね。

ルーシー:監督も完成披露試写を見てから、一番笑ったポイントというか、監督の中であります。

水田監督:笑ったポイント? 自分の映画を?

ルーシー:はい。撮ってる時と、流れで観た時の。

水田監督:撮ってる時も既に現場で声を出して笑ってしまうタイプなので。

松坂桃李:(笑)

岡田将生:それがすっごい嬉しい。

松坂桃李:嬉しいですよね。あ、監督も笑うんだってね。

水田監督:叱られるんですけどね。「何笑ってんだよ!」って録音技師に叱られるんですけど。

岡田将生:(笑)

水田監督:声出して笑ってしまうんですよ。それは、つまり、想像を超えているからなんですよね。完成した後は今度は逆ですね。泣けるポイントが発見できる。

松坂桃李:あー。

水田監督:コメディとしてつくっているつもりなんですけど、泣けるポイントがどんどん対比として生まれてきているんです。

ルーシー:3人のフリートークをずっと聞いていたいんですが、すいません、お時間が来てしまいました。

岡田将生:えっ、うそ、まだ何にもほとんど答えていない(笑)。

ルーシー:最後にお1人ずつ、皆さんに一言ずつお願いしたいんですが。

岡田将生:とにかく皆さんが観て満足できる映画になっていますし、先ほど監督も言ってくださっていたように、笑えるところもあり、泣けるところもあり、落差が急に、ゆとりの世界観にマッチしていまして、決して映画館に足を運んだことを後悔させない映画になっておりますので、ぜひ映画館で観ていただけたら嬉しいなと思います。

松坂桃李:先ほど岡田が言ってくれたように、笑って泣けるし、それ以外にもちゃんと観終わった後にしっかりとプレゼントがもらえるよううになっています。それだけ宮藤さんの書いた本というものは、受け取るものがたくさんあって、共感できるところがたくさんあって、それぞれの登場人物からも、女性だったらサクラさん目線で観ることができたりとか、男性だったら、(吉田)鋼太郎さん世代の方だったら、その目線でも見れるし。僕らよりちょっと下の世代だったら(仲野)太賀の目線で見ることもできたりするし、いろんな目線から観ることもできる作品でもあるので、ぜひ、笑って泣いて、最後にプレゼントを持って帰ってください。よろしくお願いします。

水田監督:もし内容面で足りないところがありましたら、今夜の夕飯会場に来ていただいて、録音し直すというのはいかがでしょうか。

ルーシー:(笑)

松坂桃李:飲みながらのナイトトーク

岡田将生:いくらでも答えられますね。

ルーシー:番組つくりたいですけどね。

岡田将生:ゆとりのよさはずっと語れますね。

松坂桃李:ぶっちゃけトークみたいな感じになりそうですね。

岡田将生:裏話を(笑)。

松坂桃李:裏話。

岡田将生:ほとんど使えない(笑)。

松坂桃李:使えないでしょうね。目に見えてるな。

 

これはラジオで話していたことだったんですね。