『初耳学』の桃李くん

 

日曜日の初耳学 2022年10月9日

 

ナレーション:インタビュアー、林修。今夜のカリスマは……

朝ドラからミステリアスな役までこなす、進化を続ける俳優・松坂桃李日本アカデミー賞を3度も受賞。俳優として成功を収めているが、実は私生活ではある致命的な欠点が。それは、2012年、あの人気番組で露呈した。

林修:前(2012年)の『情熱大陸』の密着取材のときに、プライベートが地味すぎて問題が起きたというのは本当なんですか?

松坂桃李:もともと『情熱大陸』の撮影期間、密着期間は、たしか3カ月とかの予定だったんですけど、あまりにも何もなさ過ぎて、5カ月弱に伸びたんですよね。

林修:そんな長く?

松坂桃李:怒るとか泣くとか、何かテンションというか、感情の起伏がワーッとなるからこそ、『情熱大陸』って面白いじゃないですか。

林修:そうですね。

松坂桃李:僕、それがなくて、このまんまだったんですよね。それこそ『情熱大陸』内でたぶん使われていると思うんですけど、マネージャーさんの声だけが入ってるんですけど、「お通夜じゃないんだから、もうちょっと元気よくしゃべりなさい」。

林修:そんな厳しい指示が。

松坂桃李:ありましたね。

ナレーション:実際の放送を見てみると……

(VTR)

ナレーション:ドキュメンタリーとはいえ、あまりにもしゃべらない。その結果……

  マネージャー:暗い。暗い。お通夜じゃないから。

  松坂桃李:そうですね。すいません。

  マネージャー:「元気ないんですか?」ってなっちゃうよ。

ナレーション:なんと、3カ月間密着しても、たった30分のVTRが作れなかったため……。

松坂桃李:最後の手段が、ディレクターの方から言われたのが「ちょっともう家行っていいですか? 何もないんで」。

林修:ご自宅に入れたのはあのディレクターさんが初めてだったんですか?

松坂桃李:そうですね。それこそ一人暮らしをしてから誰かを入れるということがなかったので、ディレクターさんが初めてで。

林修:そうなんですか。でも、僕はあれを拝見して、普段ああいうちょっと抑制されたような方が役になったときに逆にボーンと爆発するから、素敵な日常だなというふうに受け取ったんですけどね。

松坂桃李:もっと言ってほしいです、それ(笑)。

 

ナレーション:あれから10年。今夜の松坂桃李は何でも話す。芸能界に興味がなかった大学生が、日本アカデミー賞俳優に上り詰めるまでにあったマネージャーとの二人三脚。そして、人生の大きな転機となった結婚の話。さらに、後輩・菅田将暉が、芸能界一プライベートが謎に包まれている松坂桃李の素顔を暴露。まず、林修が切り込むのは、多彩な役を演じきる、俳優・松坂桃李の原点について。

 

松坂桃李の原点

林修:小さいころ、どんなお子さんだったんですか?

松坂桃李:3人きょうだいで、姉と妹がいて、女性に挟まれて育っていったので、基本1人で遊ぶことが多かったんですよね。誰も来ないようなところに秘密基地作ったりして、猫飼ったりとか。隠れてミルクあげたりとか、1人遊びが多かったかもしれないですね。

林修:中でもお姉さんが大変積極的、アクティブな方だったと。

松坂桃李:わりとそうですね。ちょっと男勝りといいますか。「桃李、牛乳買ってきて」とか。何ていうんでしょう。下僕のような関係性でもありました。

林修:女性関係のアドバイスもあったとか。

松坂桃李:彼女ができたら家にまず連れてこいっていうルールがありまして、うちの姉とか母親とかが見て、「あの子はやめな」とかというのを陰で言ってくる、みたいな。

林修:合格と不合格はどっちが多かったですか?

松坂桃李:僕はそのジャッジをされるのが嫌だったので、隠れてつき合ってました。でも、登下校とかで姉に見られるんですよね。「あんた、女の子と歩いてたけど、あの子はちょっと……」というのを結構言われたりしてました。

林修:じゃあ、逆に「あの子はいいわね」って認められたこともあったんですか?

松坂桃李:……ないですね。

林修:そういうふうに強い女性陣が3人いて、お父様はどうだったんですか?

松坂桃李:うちの父は本当に物静かなタイプで、すごく優しい人なので、僕と父が2人きりになる瞬間が家の中であって、父がボソッと一言言ったのが「桃李、男っていうのはな、耐える生き物なんだ」(笑)。

 

ナレーション:そんな環境で耐え忍ぶ力を育んだ桃李少年だが、大学生のとき、友人の勧めで雑誌『FINE BOYZ』のオーディションに応募すると、2000人以上の応募者の中からグランプリに。そして、2009年放送、『侍戦隊シンケンジャー』。当時22歳。ドラマのデビュー作ながら、主人公レッド役に抜擢された。

松坂桃李:爆破ができるところに毎朝行くんですよ。なので、そこで爆破やって帰ってくる、みたいな毎日なので、大学も休学をしなきゃいけないというところまで話が進んでしまって、親に相談して。「大学は絶対卒業しろ」みたいなことを言われて。

林修:それはお父さんが。

松坂桃李:そうですね、父が。物静かな父が、そこは頑なに。芸能の仕事に対して疑問があったんでしょうね。それに僕も反発しちゃって、そこで「俺1人でやっていくんだ!」みたいな啖呵を切って、半ば強引に家を出る、みたいなのが一つの転機といいますか、きっかけみたいなものはありましたね。

 

マネージャーから言われたこと

林修:マネージャーさんに伺ったところですと、ある時期からインタビューの内容が変わったと。それも何かきっかけがあってのことなんですか?

松坂桃李:ありました。マネージャーさんから「あなたのインタビュー内容がつまらなさ過ぎる」。

林修:なかなか辛辣な。

松坂桃李:そうなんですよ。結構はっきり言ってくださるマネージャーさんなので。テンプレートな受け答えばかりなのでつまらないということを言われて、すごいショックだったんですよね。そこから、だんだん自分の中でも、インタビューをしてもらっている以上、その場の空気を楽しく時間を過ごせるようにしたいなと思ってからは、しゃべったことないようなこともしゃべったりするようになりましたね。

ナレーション:時にシビアなアドバイスもしてくれるマネージャーの存在が、受け身だった彼の仕事への向き合い方を徐々に変えていく。そんなマネージャーの言葉の中で、松坂桃李が今でも忘れられないものがあるという。

松坂桃李:戦隊を終わってからマネージャーさんにまず最初に言われたのが、戦隊を終わって2年間は戦隊特需というものがあると。そのときやっていた戦隊のヒーローとして多少なりとも需要があるから、仕事はある。ただ、2年を過ぎるとその特需がなくなるから、そこから先、その2年間の間で自分がどれだけ仕事をとってこれるかが勝負です。

林修:すごく明確な戦略を示してくださったんですね。

松坂桃李:そうなんですよね。なので、戦隊を終わってから初めてドラマに出させていただいたのがあるんですけど、『チーム・バチスタ2』に研修医役で出させていただいたんですけど、そのときもマネージャーさんに言われたのは「これはバーターです」。

林修:はっきりと。

松坂桃李:はっきりと。そこから先はあなた次第なので頑張ってくださいと。

林修:はっきり「バーターです」と言われたとき、まだお若いですよね。

松坂桃李:でも、ここまではっきり言ってもらえると、自分も頑張る目標が明確にどんどんなってくるので、そこはすごくありがたかったなとは思いますね。毎年言われます。「今年が勝負です」と。

ナレーション:あなたは人気俳優の抱き合わせで出演ができている。マネージャーの言葉で松坂桃李は本気になった。その結果、2012年には朝ドラ『梅ちゃん先生』でヒロインの夫という大役に抜擢された。

 

朝ドラの出演が決まって

林修:そういう緊張感を持った月日の中で、朝ドラ『梅ちゃん先生』が決まったときはどう思われました?

松坂桃李:うれしかったですね。「ああ、来た! 朝ドラだ」みたいな。

林修:『シンケンジャー』のときにはお父さんちょっと厳しいことをおっしゃったと伺っていましたけど、朝ドラが決まったときにはどんな反応だったんですか?

松坂桃李:そのときは、「ようやくこれでご近所さんにお前の仕事が何なのか言える」というのを言っていたので、あ、NHKってすげぇな。

林修:いよいよ朝から夜へで、その2年後には大河に。

松坂桃李:はい。

 

岡田准一さんに教えてもらったこと

ナレーション:2014年には大河ドラマ軍師官兵衛』で黒田官兵衛の息子、黒田長政を好演。抱き合わせ出演と言われてから2年。見事、2つの国民的ドラマへの出演を自力でかち取った。そして、この大河ドラマで俳優、松坂桃李が多大な影響を受けた、もう一人の人物との出会いが。

松坂桃李:そのときの主演が岡田准一さんだったんですけど、初めての時代劇だったので、いろいろ教えてくださって。脇差しはこういうふうに差すんだとか、歩き方一つとっても、本当にいろいろ詳しくて、そこでたくさん教えてもらいましたね。

林修:半ば師匠のような。

松坂桃李:そうですね。時代劇を初めて教えてくださったのは岡田さんでしたね。『軍師官兵衛』のオールアップのときは、クランクアップの挨拶のときに岡田さんが泣かれたんですよ。その涙を見た瞬間に、「ああ、この人も気丈に振る舞っていろいろ教えてくださったけど、いろいろ思うことあったんだな」というふうに感じ取った瞬間に、こっちもブワーッと出てきて、もらい泣きというか。大河の主演の大変さというものをあの涙を見たときに、ここまで壮絶なものだったんだというのを感じ取ったときに、泣いてしまいましたね。

 

俳優人生での葛藤

ナレーション:主演のあるべき姿、覚悟を岡田准一から学んだ松坂桃李。その後、出演作のほとんどが主演と、俳優として着実にステップアップしていったのだが、20代後半、松坂桃李は一人大きな葛藤を抱えていた。

林修:仕事が一気に押し寄せて、逆に悩まれたというお話も伺ったんですけれども。

松坂桃李:ありましたね。その当時、主演を張らせてもらえることが多かったので(すが)、周りで脇を支えてくださる人がすごく上手い方ばかりだったので、今の自分の実力と立たされている場所に対しての誤差みたいなものが自分の中ですごく引っかかるものがあって。それこそ舞台『ヒストリーボーイズ』で中村倫也さんと一緒に立たせてもらったんですけど、やっぱ上手いんですよ。そんな中で自分がすごくありがたいポジションでその舞台の中で役を演じるというのが、すごく引っかかる部分がたくさんありましたね。

林修:それはどのあたりで解消されたんですか? それとも、今でもそういうのがおありなんですか?

松坂桃李:今でもありますけど、事務所に相談して、主演以外でも脇で何本か作品に参加させてもらえないかというのを話し始めてから、だんだんそこのストレスみたいなものはなくなってきたという感じはしますね。何でも、どんな役でもやるんで、20代の後半はいろんな役に挑戦させてくださいということでやらせてもらったんですよね。

ナレーション:実際、さわやかな役柄が多かった20代前半に比べ、20代後半からあえてクセのある役柄に挑み続けた。中でもターニングポイントとなったのが映画『孤狼の血』シリーズ。ヤクザと渡り合うアウトローな刑事という難しい役を熱演し、このシリーズで日本アカデミー賞の男優賞を2度も獲得した。

 

鈴木亮平との秘話

林修鈴木亮平さんと3日3晩、殴り合いのシーンを撮り続けたと。

松坂桃李:ありましたね。カメラも1台しかなかったので、時間がかかるので、撮っていくうちに朝になってくるんですよね。きつかったですね、そのときは。亮平さんと僕、お互い満身創痍で、「オラー!」「アー!」とかってやってたんで。

林修:これ、伺ったところによると、予定よりもパンチが1発、亮平さんは多かった。

松坂桃李:そうですね。ここのシーンではないんですけど、テストでは3発顔に入れるというのを、本番で4発入れてきたんですよね。

林修:その1発って結構大きいですよね?

松坂桃李:大きいですね。その後に「ごめん、気持ちが昂ぶっちゃって」。

林修:それ、対応できたんですか?

松坂桃李:亮平さんから来る殺意みたいなものが、「あ、これ来るな」というのが何となくわかったというのが大きかったですね。

 

演技をするときに大切にしていること

林修:演技をされるときに、何かこれだけはというふうに大切にしていることというのはどんなことでしょうか?

松坂桃李:聞くこと。聞く力。年齢や経験を重ねていくと、自分の物差しってでき上がってくると思うんですけど、その物差しで正解を導くことが多くなってくると思うんですけど、それ以外の周りからの言葉を大事にしながら生きていくというのが大事なのかなと思ったりとかして。

林修:だから、まだまだ成長を続けていかれるんですね。

松坂桃李自分にしかできないことを突き詰めてやっていこうとは思いますね。

ナレーション:自分の中に確固たる思いがあっても、マネージャーや周りの人の意見を聞き、貪欲に取り入れるという柔軟さが、俳優、松坂桃李の強さ。

 

妄想力

ナレーション:役柄によって印象を変え、演技の振り幅を持つ俳優として進化を遂げる松坂桃李だが、実はその裏には……

林修:松坂さんは妄想がお好きだということで。

松坂桃李:(笑)はい。もともと子どものころから何かを想像するというか、考えるのが好きだったんですよね。

林修:でも、その妄想が雑誌の連載になる方はめったにいないと思うんですけど。

松坂桃李:よくご存じで(笑)。

林修:それだけじゃなくて、本にもなりましたよね?

松坂桃李:本にもなりましたね。「だいぶ連載も続いたから本にしましょうか」という話をいただいて。

林修:妄想ビジネスをこんなに上手に展開されている。

松坂桃李:いやいやいやいや。本当に、ねえ。いい妄想をするときもあれば、基本、ネガティブ思考でもあるので、悪い妄想というか、現実的にもしかしたらこうなるかもしれないというのをしょっちゅう考えたりしちゃうので。

林修:確かに、犯罪系の妄想、多いですね。

松坂桃李:(笑)

ナレーション:松坂桃李の妄想には、確かに連続殺人、囚人、殺し屋など、過激なものが多い。

松坂桃李:この間、自分のDNAを海外に持っていって、それを鑑定してもらったことがあったんですよ。そのときに結果が返ってきて、海外の殺人犯特有のサイコパスの要素がある、みたいなことが。あ、だからこんなにそういう妄想が多いのかと。

林修日本国憲法内心の自由は保障されていますからね。

松坂桃李:自分の中でおさまっているんで。

林修:何の問題もないですね。

松坂桃李:何にも問題ないはずなんで。

 

映画『耳をすませば』について

ナレーション:幼少期から頭の中で張りめぐらせてきた妄想力で演技の幅を広げ、31歳のとき、映画『新聞記者』でついに日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。そんな快進撃を続ける松坂桃李の最新作が、10月14日公開の映画『耳をすませば』。清野菜名とダブル主演で普及の名作漫画を実写化。10年後のオリジナルストーリーを加えた話題作。

林修:オファーの話があったときには、どんなふうに思われました?

松坂桃李:僕、もともと『耳をすませば』がすごい好きで、観ていたんですけど、10年後の設定の聖司くんと雫ちゃんを見れるのかと思うと、ちょっと興味がわいたんですよね。

林修:たぶん多くの人が思うと思うんですけど、少年時代は別の役者さんが演じられましたけど、きれいにつながりますよね。よく似ていらっしゃるというか。

松坂桃李:本当ですか? それはよかったです。

林修:あれと設定の違う10年後を演じるというのは、いろんな複雑な操作が必要だったと思うんですけど。

松坂桃李:そこは、今まで培ってきた妄想の出番かなと(笑)。

 

謎過ぎる私生活

ナレーション:日本アカデミー賞を3度も受賞。俳優として成功した松坂桃李だが、そのプライベートは謎に包まれている。この後、後輩・菅田将暉が松坂の素顔を語り尽くす。10年来のつき合いがある後輩・菅田将暉松坂桃李の素顔をこう語った。

菅田将暉:地の面白さが桃李くんはすごいんですよね。好きなものに出会って、そこにのめり込む力が、桃李くん、凄まじくて。一回、水墨画にハマってるっていって。仙人みたいじゃないですか。しかも、それ、20代前半とかですよ。

林修:あの世界へ行ったんですね?

菅田将暉:そうなんですよ。濃淡だけの世界に行って、どんなんか気になるじゃないですか。「どんなんか見せてください」って言ったら、「描いたら全部僕は捨てるんだ」と言うわけです。本当の先生みたいなことを言うわけです。「今、欲しい筆があるんだ」って。「なんていう筆なんですか?」言ったら、「隈筆。でも、それが高いんだよ」って。その筆が4000円とかって言うわけです。筆としては高いんでしょうけど、いや、お前穿いてるジーパン何万するんだ?って話で、それ穿けるんだったら、その4000円のやつ買えばいいじゃん、なんて俺は思うんですけど、そこで真剣に悩んでる桃李くんというのが、やっぱ僕は桃李くんだなと思うんですよね。

林修:菅田さんはこうおっしゃっていますけど。

松坂桃李:はい。そうですね、悩みましたね。やっぱ高いじゃないですか。

林修:結局買われたんですか? 買われないんですか?

松坂桃李:ちょっと低い3000円のやつを買いました。

 

蕎麦打ち

ナレーション:ほかにもさまざまなものに興味があり、今、続けている趣味の一覧がこちら。

林修:蕎麦。

松坂桃李:蕎麦打ちにハマっていて。

林修:ちょっと早くないですか?

松坂桃李:いや、面白いんですよ。友達の家で年越し蕎麦を食べるというのをやっていたんですけど、ある年から自分たちで作ったんですよ。そしたら、劇的にまずくて。これじゃいかんと。そこから蕎麦打ちの一式をアマゾンで買って、You Tubeの動画を見ながら、こうやってこねて、早くちゃんと菊練りができるようになりたいなと。

林修:次に『情熱大陸』に出られるときは、オープニングそれですよ。

松坂桃李:(笑)

 

デュエリスト仲間

ナレーション:趣味に没頭し、友人が少ないという松坂桃李だが、ここで、そんな松坂の親友を自称する人物からタレ込みが。

松坂桃李:友達?

Mr.シャチホコ:イェイイェイ、ハロハロー! ごぶさたしております。Mr.シャチホコです。桃李さ~ん、お久しぶりで~す。ごぶさたしてます。

松坂桃李:お久しぶりです。

林修:お知り合いなんですか?

松坂桃李:知り合いです。友達です。

ナレーション:松坂桃李の友人、Mr.シャチホコ。同じゲームアプリにハマっていることがきっかけで仲よくなった2人。そんなシャチホコだけが知る松坂の秘密を教えてもらうと。

松坂桃李:何だろう。

Mr.シャチホコ:『遊☆戯☆王』のデュエルリンクスというカードゲームのネットアプリです。ネットでカードを使って対戦するみたいな。正直、そのゲームに関して、よくイベントとかに呼んでもらったときに、私は「芸能界最強デュエリスト」って言われているんですけど、本当は、ここだけの話、最強は桃李さんなんです。勝てないんです。ゲームとかする際とかの“あるある”でもあるんですけど、最初に本気を出さないというのが。だから、ゲームをやるじゃないですか。1試合目に僕が勝ったんですよ。来たLINEが「お強い」。で、2戦目、3戦目でボコボコにされるっていうのを見て、ああ、こういうことをする(笑)。

松坂桃李:(笑)

 

結婚後の変化

ナレーション:そんな松坂桃李は、2020年、32歳のときに結婚。心境にも大きな変化が。

林修:ご結婚されて生活に変化はありましたか?

松坂桃李:より時間がゆっくり感じるようになったというか。今まで、いろんなお仕事をさせていただいて、家と仕事場での行き帰りの毎日みたいなものが、そこに「家庭」というものが一つ入ることによって、時間の流れるスピードが、一個「家庭」を挟むことによって、ちょっと緩やかになるというか。

林修:そういう感覚が。実際、オンエアをもう一回見直して、あの淡々とお話しされる感じだと、今日、きついかなともちょっと思っていたんですけど、全然違いますよね?

松坂桃李:本当ですか? よかったです(笑)。

林修:あのときのスタッフ、結構きつかったと思うんです。

松坂桃李:やっぱりかぁ~。

林修:とっても社交的。それは結婚されたということもあるんですかね? どうなんですか?

松坂桃李:あるかもしれないですね。

林修:結婚されてファッションがだいぶ変わったと。

松坂桃李:ああ。ニットとかを着ててもおじいちゃんみたいな感じ。結構、それで周りから本当に言われてました。すごく言われましたね。でも、結婚したからには、ちゃんと身なりのいい格好をして、出歩くんだったら出歩くしというのを大事にしようかなとは思いましたね。

 

役者としての未来

ナレーション:人生の節目を迎え、役者としても進化を続ける松坂桃李。そんな彼が目指す40代、50代の未来とは?

松坂桃李:役者さんとしては、再会が多い役者さんにはなりたいですね。今までは出会いをふやすためにがむしゃらにやってきた部分はあるんですけど、今後、年を重ねていくと、出会いよりも再会のほうが多くなると思うんですよね。なので、再会が多い役者にはなりたいなと思いますね。それは、スタッフさん、監督、共演者含めてですけれども。

林修:『情熱大陸』のスタッフとの再会も間近かもしれないですね。

松坂桃李:本当にリベンジしたいですね(笑)。

 

スタジオ

林修:順調過ぎると自分を見失う人も多い中で、客観的に自分を見ることができて、大きいのは、いいマネージャーさんにめぐり合ったということですかね。周りの人の言うことを素直に聞く力、そこに耳をすまして自分の今の立場をつくってきたんだな。ますます活躍してくれるんじゃないかと思いましたね。