見たこともない景色

 

菅田将暉オールナイトニッポン 2023年2月19日

 

菅田将暉 LIVE TOUR “クワイエットジャーニー”で)一個、途中ハプニングというか、本番を止める、歌っている途中に楽曲を止めるというハプニングは一個あったんですけど、来てくれた方は目の前で見てたとも思うし、あと、ニュースとかにもなってたから、それで知ってた人もいるかもしれないですけど、僕のボイストレーナーの平子先生による歌唱指導というのが途中入りまして。『見たこともない景色』を「どうしてそんなに♪」と歌い始めたところで一回止められて、指導が入り、「そんなもので武道館ええのか?」っていう。先生も苦渋の決断で入ってきてくれたんやとは……。(福田さん笑)

なかなか武道館のライブ中、本番中に楽曲を止める人なんていないですから。ハハハハハ笑 先生もよほどやったんでしょうね。俺の状態が。このままやとコイツのライブが台無しになると思ってくれたんでしょうね。

でも、おかげさまで、「菅田にちょっと時間くれるか?」ということで、お客さんも巻き込んで、指導を経たおかげで、何とか……。何とかどころかめちゃくちゃ盛り上がって(笑)凄かったんですよ、ほんとに。いやあ、あんなことになるんですね。いやあ、やってよかったね。本当に。俺、本当に感動したもんね。あんだけ「菅田の歌唱指導やります」。

来てない人もいっぱいいると思うので、状況をちょっと説明すると、イントロ始まって、「どうして♪」ぐらいで入ってきて、僕の歌指導をやって、今までのツアーで、映像でお見せしてたりもしてたんですけども、その後、お客さんにも先生が指導してくれて、「菅田も菅田やけれども、やっと3年越しに声出しオッケーの状況になった。お客さんもマスクしながらやったら声援上げていい状況になった中で、おまえらの元気っていうのはそんなものなのか? いま一度練習の場を設けさせてやる」つって、先生からお客さんへの歌唱指導。「どうして、セイ!」って1万人が「どうして♪」「そんなに走れるの、セイ!」「そんなに走れるの♪」「アリーナだけセイ!」「1階席セイ!」「2階席セイ!」ブワー盛り上がって。「おまえらの鬱憤(鬱屈)としてたこの3年間をどこにぶつけるんだ? それが一つの日本の風になっていくんだろう? それでみんなで何を見るんだ、菅田! 見たこともない景色。ゴー!」って始まって、ボーン盛り上がって。

俺、ほんまそこからの出だし歌えなかったもんね。歓声が凄すぎて。こっち側のミキサーとかPAもそんなことになると思ってないから。イヤモニをしてんねんけど、イヤモニって、要は耳の中で俺が歌うために特化してここの音を作っているわけなんやけど。だから、基本的に外の音はなるべく聴こえないようになってるわけよ。それをつんざくお客さんからの歓声によって、ほんまに、見たこともない景色ってこういうことなんやなっていう。マジで涙出るかと思ったっていうか。ありがとうございました。あんなことになるとは。

ほんまにギリギリまでやるかどうかは悩んでたけどね。みんな。あれに関しては(笑)。スケジュール表、香盤表というか、ライブの流れに書いてあるわけですから。プランが。「一度止める」って(笑)。先生、これはやるべきかどうかな。

言ったらラジオからのノリなわけですよ。ラジオつながりでのアルピーさんとのつながりというのもあっての、最初は、ほんとに細々とライブの幕間映像としてやってて、来た人とラジオ聴いてる人だけの楽しみでやってたのが、平子さんが出てきた、先生出てきただけで、今日イチの盛り上がりやったから。いやあ、ちょっと凄かったっすね。

直接は聞いてないですけど、松坂桃李くんが観にきてくれてたらしいんですけど、桃李くんが一番感動したのはその部分だって言ってましたね。その現象も含め、先生の立ち居振る舞いも含め、これはステージに立つ人間として器が違ぇつって。いやあ、熱いライブでした。ありがとうございました。

そんで、その後、Creepy Nutsのお2人も来てくれて。『日曜日よりの使者』と『サントラ』をやってと歌えました。それこそほんとにこのラジオでの生まれたやりとりというか、曲なので、いろいろいざこざがあって、言い合いして、ビーフからの曲だつって、半ば笑いながら曲ができて。そこから、これ、ライブ向けの曲だよねつって、ライブで一緒に盛り上げたいねって言って、コロナ禍に入り、ライブ自体もなくなり、なかなかできへんな言ってたのがやっとできて、しかも武道館でっていう。いやあ、ほんとに胸熱で。

胸熱でしたし、これはほんとの俺の素直な感想ね。ステージ上で会うCreepy Nutsの頼もしさたるや。あの人ら凄いんやな、やっぱな。安心感半端なくて、俺、間違えまくったもんね。ここは任せよう、みたいな。だし、Rさんの登場して一発目に握手を求めてきてくれたんやけど、ラッパーの圧やったわ、これが。ハハハハハ笑 ドン!ていう握手が、ガン!という、からだデカぁっていう。なんか、でっかい。身長で言うと俺のほうがデカイはずやんなねけども、一枚岩。でっかい岩に見えるようなガーン!ていう。頼もしいし、なんかそれもやっとやれてよかったなっていう。よかったっすね。

だから、積み上がってるものですよね。ラジオでの積み上がっているものというか。それがライブ上で、しかもそれをお客さんが求めているという。ハハハ笑 それだけがちょっとな。俺、武道館の前にツアーやってたんですけど、ツアーのときは声出しはできなかったですけど、そのときに同じくだりを幕間映像としてやってたわけなんですけど、大阪で地元でなんでうちの親観に来たんですけど、ほめられたのそこだけやったからね。マジで。「なんでやねん」と思いなから。「あれはよかったねぇ」つって、裏に観に来て「お疲れさん。いや、あれはよかったね」つって言われて。「どの曲?」つったら「あの幕間映像のさ。やっぱあれがないとね」って言われて。なんであれがないとやねん。

そういう現象になってるっていうのも不思議なアイデンティティーだなとは思いましたけど、ほんとありがとうございました。

 

 

桃李くん、やっぱり観に行ってたんだっていうのと、それをさり気なくお知らせしてくれる菅田くん、勝手に胸が熱いです。