岡田将生の人生の分岐点

 

ニュースLIVE!ゆう5時 2023-07-05

 

(ナレーション)今日のゲストは俳優の岡田将生さん。主役を務める2本の映画(『1秒先の彼』ほか)がこれから公開予定。ちょっとクセが強い演技で定評があります。そんな岡田さん、実は意外な一面があるのです。

岡田:人前に出るのもあまり得意ではないので、結構恥ずかしがりやで、自分自身を「俳優です」となかなか言えなくて。

(ナレーション)それでも活躍を続ける原動力となった人生の分岐点とは?

 

池間アナ:ずっと最前線で演技をされているなというイメージがあります。岡田さんといえば、正統派の二枚目の役というよりは、ちょっと変わった個性的な役が多いイメージもありますね。例えば、映画『告白』ですと、空回りしている熱血教師の役だったり、アメリカのアカデミー賞も獲りました『ドライブマイカー』では、自分の衝動を抑えられない俳優の役を演じたしてきました。クセのある役、個性的な役が多いです。

そんな岡田さんのプロフィール。

2006年、16歳のときにドラマ初出演。その後、順調に仕事を重ねまして、2011年、21歳の時には日本アカデミー賞、優秀助演男優賞を獲得しています。

そんな岡田さんの人生の転機。2016年、26歳のときでした。

 

(ナレーション)デビュー以来、順調にキャリアを積んできた岡田さん。23歳のときには大河ドラマ平清盛』で源頼朝役に抜擢さるなど、活躍を続けていました。ところが、その裏で、日に日にある思いが募ったといいます。

岡田:20代前半、いろんな現場に行かせてもらってはいたんですけど、多々、責任というか、プレッシャーに負ける日々がたくさんあって。人前に出るのもあまり得意ではないので、結構恥ずかしがりやで、自分の実力と伴わないことがものすごく自分では現場で感じることが多くて。ずっと感じていました。自分自身に焦ってしまうときがあったり、あまり心を開かなくなってしまっている時期があったりして、人にあまり言っていなかったですね。だから、コミュニケーション不足だったんでしょうね。

(ナレーション)そして、26歳の時、事務所にあることを申し出ます。

岡田:辞めるかお休みしたい、どっちかなんだという状況を、自分の精神状態を知ってもうために、初めて事務所の方に伝えた瞬間だったんですよね。

(ナレーション)俳優を辞めることまで考えていたまさにその時、人生の分岐点が訪れます。

岡田:事務所の方もそういう状況を察していたのか、「休んでいいよ」と言ってくださっていて、それで休暇をしましょうとなったタイミングで、『ゆとりですがなにか』の監督に「休むんだったらこの作品をやろう」と言ってくれたのが、僕にとっては人生の転機ですね。

(ナレーション)届いたオファーは、岡田さんが属するゆとり世代の男性を主人公にしたドラマでした。ひょんなことから知り合った3人の男性たちが人生のピンチを乗り越えようとともに支え合う物語。共演は、同世代の松坂桃李さん、柳楽優弥さんです。

――休みたかったタイミングで仕事がきて、現場に行くのは憂鬱じゃなかったですか?

岡田:でも、ちょうど“ゆとり世代”というのも描いていたので、すごく共感できる部分がたくさんありまして、自分自身、そう思えたからこそ、その作品に臨めたんですけど、3人ともこのドラマに対しての愛がみんな同じベクトルに向いていたことがすごくよくて。

(ナレーション)自分たちの世代を描いたドラマの現場で3人は意気投合し、役作りに没頭しました。

岡田:ドラマの撮影が終わった後は大体みんなでご飯食べに行ったりして、その時も台本を開いてみんなで台詞を覚えたり。このシーン、こっちのほうが面白くない?とかというのをみんなで話し合っていたので、そういう時間もすごく。今までなかったので、終わったら帰って明日のために備えて寝るとか、自分の時間というふうに思っていたんですけど、その時間が本当に充実していたんですよね。

(ナレーション)岡田さんは、同世代の2人とともに達成感を得ながら演技に臨みました。

岡田:みんなでいろんなアイデアを出し合ってディスカッションするのがすごく、特にほかの現場より多かった。こんなにみんな自分の意見を言うんだ、という。自分の意見をあまり言っちゃいけないというふうに思ってたりしたんですよね。自分の意見を言うことでバランスを崩してしまうのではないかという恐れがあったりしただけなんですけど、それはいいね、それはダメだね、それはちょっと違う方向に行ってるねとか、みんなで一つのものをつくっていくという作業が大切だということに気づかされたというか。

(ナレーション)このドラマを経験したことで岡田さんは撮影現場でのコミュニケーションをより大切にするようになりました。

岡田:思うことがあったりしたら、ちゃんとお話ししたりとか、それはすごく大きく変わったポイントだとは思いますけど。

――あれから7年たっていますけど、ご自身の中では迷いとはないですか?

岡田:迷いはありますけど(笑)。迷いが中たらさすがにちょっとダメかもしれないです。この仕事に関しても迷うことでまた新たな道が開けたりすることもあったりするので、それは別にマイナスと捉えずに、この仕事と向き合っていこうというふうには思っていますね。

 

片山アナ:“迷うことで新たな道が開ける”、いい言葉ですね。

池間アナ:このとき出会った松坂桃李さんだったり柳楽優弥さんの活躍を岡田さんはテレビなどで拝見しているそうなんです。その時も力にして今も仕事を続けていらっしゃているというふうにおっしゃっていました。同じ年代同士で支え合っているようです。