ハライチのターン! 2021年1月14日
岩井勇気:正月はなんもしてないですね。結局仕事してて。
澤部佑:まあ、そうね。だって、休みなかったんだね、ほぼね。
岩井:ほぼなかったですね。甘酒を自分で作って飲んだぐらい。
澤部:めちゃくちゃすごいことしてるじゃん。作れんの?あれ。
岩井:米からね。
澤部:何?
岩井:みやこ麹みたいの入れてさ。
澤部:『相葉マナブ』みたいなことしてるじゃん。
岩井:(笑)
澤部:家で1人で?
岩井:うん。旨いんだよね。
で、5日からドラマがまた始まっちゃって。
澤部:なんだよ、お前のドラマスケジュール(笑)。
岩井:早いのね、ドラマの撮影って、なんか。正月、めちゃくちゃ。
澤部:松本(穂香)さんも言ってたよね。
岩井:ああ、言ってた、言ってた。
澤部:すぐ始まるみたいなね。
岩井:5日から始まっちゃって。もっと前からやってたのかな。俺は5日から撮影にまた参加することになったんだけど。NHKの『今ここにある危機と僕の好感度について』っていう、4月から始まる、松坂桃李さん主演のドラマですよ。
澤部:難しそうな。
岩井:大学のゴタゴタみたいな、教授たちの話なんだけど。俺の役が、マスコミで売れっ子のやり手准教授みたいな。
澤部:いるよね、実際にね。
岩井:そうそうそう。で、撮影シーンもほぼ松坂さんと一緒なの。俺はね。
澤部:ほーほー。
岩井:ほぼほぼだね。
澤部:おー。
岩井:で、ドラマとかもさ、そんな出たことないし、今まで、主演やったこともあったけど、セリフなんて全然少なかったわけ。少なくていいような感じの役を当ててくれてたんだろうけど。
澤部:あんまりしゃべらない。
岩井:無口なセリフ少ない役。でも、おいしい役みたいなのをやらせてもらってたんだけど、今回のドラマの設定自体が、大学のゴタゴタで、全員、意外と言ってることがすごい難しい。教授たちの会話とか。
澤部:ああ、専門用語とか?
岩井:用語とか。堅いこと言ってて。俺も准教授だから、たまに淡々と難しいことペラペラと言うシーンとかがあって。
澤部:難しいね。
岩井:5日のこの撮影が、ワンシーンだけの参加だったんだけど、難しい大学の事情を説明する4行ぐらいのセリフ。
澤部:あ、長いね、ちょっとね。
岩井:が、3連続である。
澤部:多いね!
岩井:うん(笑)。ヤバいなって。これ、ちょっと
澤部:難しいね。
岩井:気合入れて覚えないと。セリフしっかり入れていかなきゃ、みたいな。前日から台本読んで、セリフ練習して、お風呂の中でも反芻してさ、よし、覚えた、覚えたと。
当日ですよ。ドラマの現場行く車の中で、自分で運転していくから、セリフずうっと言いながら運転して、ドウタラコウタラ言いながらずうっと運転して、ま、これでどうにかいけんだろう、みたいな。暗記してね。
で、現場着いたんですよ。その日のシーンが、松坂さんと俳優の高橋和也さんという方を相手に俺がベラベラ説明するシーンなわけ。
澤部:その4行ぐらいのいっぱい。
岩井:そうそう。俺がずっとしゃべって、ほかの2人は受けるシーンみたいな感じなんだけど、リハーサル始まってさ。ただセリフを言うっていうプレッシャーだけじゃないわけですよ。松坂さんと高橋さんがどっちも俺に注目してて、真剣な顔でうんうん聞いてるっていう状態で長めのセリフを俺は言わなきゃいけないわけ。
澤部:うん。そういうもんだからね。
岩井:(笑)
澤部:ドラマというか。
岩井:でも、准教授で、松坂さんのこの役の人、役と、高橋さんの役の人がこっちを見てるっていう、准教授で、教授たちがこっちを見てるっていうふうにこのシーンを思えるほど俺は役者じゃないから。
澤部:うん。入り込めないよね(笑)。
岩井:(笑)そう。だから、普通に、松坂桃李と高橋和也がなんか真剣な顔でこっち見てるって思いながら(笑)。
澤部:いや、わかる、わかる。そんな感じだよね。我々がやる時はね。
岩井:この役とこの役が見てるけど、別に准教授だし、何ともない。いつもしゃべってる感じとかも思えないわけ、全然。
澤部:思えないね。必死に覚えた岩井勇気が、松坂桃李の前で披露するっていうね(笑)。
岩井:そう。発表するだけだから(笑)。
澤部:発表会だもんね。
岩井:うん。すごいプレッシャーの中で、何とかリハーサルで覚えたセリフを言って(笑)。
澤部:(笑)
岩井:「じゃあ、これで本番いきましょう」みたいな感じになったんだけど、本番までのわずかな間あるでしょ? の間に、「すいません」みたいな。助監督の人が俺んとこ来て、「岩井さん、セリフなんですけど、言い回しが、ここに「むしろ」っていうのが入って、「でも」っていうのがここじゃなくてここに入るんで
澤部:ヤバいヤバいヤバいヤバい
岩井:ドウタラコウタラみたいな、バババって3個ぐらい言われたの。
澤部:うん! ヤバいヤバい。
岩井:ああ、もうヤバい(笑)。
澤部:(笑)
岩井:ああ、もうヤバいわ。
澤部:ヤバいね。
岩井:練習する時に、大丈夫じゃねぇかなと思って、自分なりの言い方にちょっとだけ変えてたんだよ、俺。
澤部:はいはいはいはい。それぐらいはね。
岩井:全然意味は変わってないし、みたいな。大丈夫でしょう、みたいな。「でも、准教授は結構細かい性格なんで、ここにちゃんと「むしろ」が入って」みたいなこと言われて、うわ、ヤバいヤバいヤバいって。ほぼ台本どおりにしてください、みたいな感じのオーダーになっちゃったの。
澤部:うん。ヤバい。
岩井:こっちはさ、セリフを役として把握しているというよりは、ただただ丸暗記しているだけだから、少し変わるだけで、ああ、もうだめだ、リセットされちゃった、となって。
澤部:そうね。僕が覚えたのと違う文になっちゃったというね。
岩井:全然違うセリフだわ、これって。これはヤバいぞと真っ白になっちゃって、頭の中。で、説明のシーンだから、この役がどういう感情でこれ言ってんのか、みたいなのがあんまりのってこないシーン。説明をベラベラ言うっていうシーンなわけ。
澤部:ただただ説明をする。
岩井:だから、より、新しくなっちゃったセリフもまるまる覚えるしかないみたいな感じなわけですよ。で、なんかヤバいぞと。時間ない。
澤部:時間ないしね、本番までに。
岩井:うん。思ってる間に「本番でーす」ってなっちゃって。
澤部:怖っ。怖い。
岩井:あ、ヤバいヤバいヤバいヤバい、どうしよう、どうしよう、どうしようという間に「スタート!」ってなっちゃって、あ、ちょっと待って、はいはいはいはいって。わ、俺のセリフくる。あ、言わなきゃ、言わなきゃ。えっ?なんだっけ、セリフ。えっ?ヤバい、ヤバい。わかんない、わかんない。セリフわかんない。あれ、でもなんか勝手にセリフ言ってる。口が。
澤部:おー! 出てはいる。
岩井:口がセリフ言ってる。でも、ヤバい。でも、考えてない、俺なんにも。口がセリフを言ってるだけ(笑)。
澤部:一応覚えたやつが出てんのか。
岩井:なんにも考えてないし、あ、なに? 松坂桃李と高橋和也こっち見てる(笑)。
澤部:めちゃくちゃ客観視してるな(笑)。
岩井:えっ?なんだっけ?さっき間違ってるって言われたとこなんだっけ?セリフなに? 練習したまま直さず今言っちゃってるわ。
澤部:気づいてるんだ。
岩井:さっきの言われたことなんにもやってない。なに、これ? 今、なに?どういう状況なの?これ(笑)。え?なにこれ?って思ってたら、ほんとに勝手にセリフ、口が言ってるだけだから、一回止まっちゃうと、次のセリフを思い出そうとしても全く出てこないの。
澤部:うん。
岩井:ヤバいヤバいヤバいって。そしたら、「えーっと」って言われちゃって。
澤部:うわ、怖っ。ヤバっ。
岩井:「えーっと……すいません」(笑)
澤部:(笑)ヤバっ。ヤバっ。
岩井:「えー……すいません……すいません……」「カット!」って。
澤部:ヤバい、ヤバい。なんの笑いも起きないNGね。
岩井:そう(笑)。
澤部:怖っ。
岩井:そう。もう、役でもないし。その「すいません」て。
澤部:(笑)
岩井:役にもなってないし。
澤部:ほんとだね。
岩井:ヤバい。で、「もう一回いきまーす」みたいな声が聞こえてきて、あ、ヤベ、ちょっと待って。もう一回いきまーすって始めようとしてるけど、まだ全然入ってないよって(笑)。
澤部:(笑)なんだ、コイツ、もう。セリフ。
岩井:ヤバいヤバい、ちょっと待って。これこうだから、こうだから、覚えて、覚えて。ヤバいヤバい。ミスしたことは一回おこう。一回。
澤部:消さないとね。
岩井:本当にこれを引きずっちゃだめだ、と思ったら、助監督の人がまた来て「こことここのセリフが、こうこうこうなんです」みたいな言ってて。
澤部:ああ、うるさいな。
岩井:うん。わかってるよ! わかってるけど! 覚えられないんだから!(笑)
澤部:(笑)急に言うから!
岩井:一回ちゃんと覚えないと無理! っていうか一回家に帰らないと無理だから(笑)。
澤部:時間かけてね。お風呂入ったりとか。
岩井:家に帰ってお風呂とか入ってやらないと無理!これはってなっちゃって、思ってる間に、また「本番!」てなっちゃって。
澤部:いやあ、超ヤバいじゃん。
岩井:うわ、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい。いや、わかってないよ、まだ全然。できる気してないよ全く。「スタート!」ってなっちゃって、うわあ、ちょっと何? あ、またなんかセリフ言ってる。セリフ言ってるけど、ヤバいヤバいヤバいヤバいって言いながら、途中ももうなんか、「えー」とか(笑)。
澤部:そんなのだめなんでしょ?
岩井:「えー、ドウタラコウタラ、ドウタラ」つって「カット!」ってなっちゃって、また。
澤部:スラスラ説明しないと。
岩井:うん。「カット!」って言われて。そしたら監督が「もう一回!」みたいな言われて。
澤部:怖いね、そういう時の。
岩井:うん。そしたらもう監督が直々に来て。
澤部:ああ、ヤバい! 監督来るとヤバいよね。
岩井:監督来て。もうヤバいよね。「大丈夫?」みたいな(笑)。
澤部:(笑)
岩井:ヤバい、ヤバいよ。
澤部:ほんとのもう。初の人の緊張してるほぐし方。
岩井:で、俺もさ、「すいません……」(笑)。
澤部:ヘラヘラしながらね。
岩井:そう。したら松坂さんがさ「大丈夫、大丈夫!」みたいな。優しいわけ。
澤部:優しいね。
岩井:「説明って難しいですもんね」みたいな。
澤部:座長がほぐしてくれるんだ。
岩井:でも、優しいけどさ、そう言われることによって本当にできない奴のレッテルを貼られることになるわけじゃないですか。
澤部:(笑)いや、ありがたく頂戴しろよ、そのフォローを。
岩井:それを主演がサポートしているという状態?
澤部:そうだよ。
岩井:一回、ちょっとだけ時間、さっきよりは時間をおいてくれてるわけ。その時も、松坂さんも「この間、生放送で『漫画総選挙』のやつ観ましたよ」って言ってくれるんだけど、あ、もう俺はだめだ。おしまいだ、これは。本当にドラマの撮影はまだまだあんだけど、もう出来ない奴なんだなあ、はい~。(澤部:はい、終わった(笑)もうヤバいね。開き直りじゃん)反省のドラマだ、これは(笑)。(澤部:きついね)慰めてくれてるやつをいっぱいやってくれちゃってる。これは反省のドラマになっちゃいました~。はい~。こっからの撮影は出来ない奴として。
澤部:劣等感。
岩井:出来ない奴としてやってくことになるし、こっちも反省のメンタルでの撮影です。
澤部:ずっと遅刻した状態みたいなね。
岩井:そう。高1で高校デビュー失敗した奴の高校3年間になっちゃってるから(笑)。
澤部:きついね。きついね。
岩井:なっちゃった。辛いってなっちゃってるからね。
どうにかそのシーンのセリフ言って終わったんだけど。
澤部:乗り越えはしたのね?
岩井:そう。一応、ただセリフ言ってるだけみたいな感じっぽかったけどね。
澤部:はー、苦しい。
岩井:「岩井さん、今日、撮影、以上でーす」って言われて。で、本当に「すいませんね~」みたいな(笑)。
澤部:うわっ、うわっ、見たことないよ。
岩井:「すいませんなんか難しくて」つって。
澤部:そんな岩井勇気見たことないよ。
岩井:そう。ヘラヘラしながら去ってね。で、帰りの車で(何やってんだ、俺。本当、死ね俺!)と思って。(死ねよ!本当に俺は。他業種の畑行って、セリフもあやふやになってさ、二度とドラマやんなよ俺は!)って思いながら帰って。
また数日後に撮影があったんですよ。それもワンシーンだったんですけど、なんで俺はダメになったんだ、あの時。なんでダメだったんだ。ちょっとセリフ変わって。
澤部:ああ、反省。
岩井:セリフを全く覚えてなかったからダメなのか? いや、覚えていった。違う。ちゃんと役になりきって、このセリフをなんでこの役が言ってるか。脳がちゃんとその役の脳になってなかったからセリフが出てこないんだろ、ちょっと変わったぐらいでって思って、台本を自分のとこだけじゃなくて、全部余すことなく読んで、自分のシーン以外も隅々まで読んで、この役がなんでこのセリフを言ってるのかわかるまで読んで、どういう気持ちで言ってる。この流れでこの役はどういう気持ちで言うのか、やるんだつって、本当に全ての台本を全部、もらったやつを最終話まで読んだの。
澤部:流れをね。
岩井:そう。その人、この役が。
澤部:准教授。
岩井:そのシーンというのが、2人のシーンだったんだけど、相手の役の人が、俺が話しかけるんだけど、上の空でパーッとどこか行っちゃって。その相手の人が。あれ?って俺がなるシーンなわけ。ほんと一言、二言だけのシーンなんだけど、なんで俺の役はこの役の人に話しかけるんだ。ちゃんと解釈しろと思って、台本を読み込んだわけです。でも、全くそれ書いてないの。なんで俺がこの人に話しかけるのか読み取れないってなって、ちょっとヤバいなって、なんで俺はこの人物に話しかけるんだろうと思って、本番当日を迎えて。
澤部:わからないまま。
岩井:一応セリフは入れたけど。現場行って、マネージャー大原がいたから、「台本見た?」って言って、「はい」って言うから、「俺の役ってなんの用事でこの役に話しかけてるのかわかった?」って言ったら、「ちょっとわかんないですけど、とりあえず誰かに聞いてきます」って言うわけ、大原が。
澤部:えっ? 大原が? なに、その動き。
岩井:で、大原に聞いてきてもらったのね。スタッフに。
澤部:なに、それ。やめて。なに?
岩井:監督に話がいって聞いてくれて。
澤部:ヤバいじゃん。何してんの。話でかくなっちゃってるじゃん。
岩井:大原が聞いて戻ってきたの。したら、「岩井さん、このシーンなんですけど、相手の役が岩井さんの役に話しかけられても上の空っていうシーン、相手のシーンなんで、岩井さんの役がどういう理由で話しかけているっていうのはないみたいです」(笑)。
澤部:なんかそんな気はしたよ(笑)。
岩井:え、何これ!? ちょっと無理だよ。ダメだよ、俺、そんなんじゃ役になれない。
澤部:ヤバいじゃん。ヤバい奴になっちゃってる。ヤバい奴になっちゃってる。
岩井:本当にこれじゃあ俺は気持ち作るのできません。できませんて。
澤部:うわうわうわ、ヤバい役者になっちゃってる。
岩井:この間になっちゃうよ。
澤部:(笑)
岩井:この間のやつになっちゃうよ。
澤部:この間の反省して読み込んだのに。
岩井:そう。読み込んだのに。なんでこの感情、どういう感情で言ってるのかわかんない。できない!もうほんとに(笑)。
澤部:(笑)結果ヤバいじゃん。
岩井:一言二言だけなのに、わかんなくなっちゃって、なんか(笑)。覚えられなくなっちゃって。ヤバいヤバいヤバいつって。でも、本当に結局全然ダメね。
澤部:えっ?
岩井:ただただまるまる暗記したのを言っておしまいになっちゃって(笑)。
澤部:最初のただの岩井勇気。
岩井:ただの丸暗記したことを言って、「あざした~」って。
澤部:発表会ね。岩井勇気発表会。
岩井:そう。だから、役者にはなれないなあって思っちゃった。
澤部:違う違う。これからやるドラマでしょ?(笑)
岩井:(笑)
澤部:そんな話しちゃダメよ。本来(笑)。全然芝居できてないっていう話。
岩井:ヤバいヤバいヤバいってなっちゃって。わかんないよ、でも。編集でうまいことやってくれてる可能性あるけど。
澤部:そうね。逆に観たいしね。
岩井:(笑)
澤部:すごいんでしょ?やっぱ松坂桃李とか。
岩井:すごいよ。すごい! めちゃくちゃすごい。みんなすごいよ。すごい役者さんしかいない。
澤部:岩井以外。
岩井:うん。
澤部:岩井だけ、長ゼリフ暗記挑戦みたいな。
岩井:暗記芸人(笑)。