オードリーのオールナイトニッポン 2015年5月2日
若林:今、漫画って何が面白いの?
春日:今、漫画?
若林:春日が読んでる漫画で。
春日:チャンピオンのお相撲の漫画が面白いね。
若林:へえ、チャンピオン?
春日:チャンピオン『バチバチ』ね。終わりから始まってるんですよ。
若林:終わりから始まってる?
春日:今のやつは。15日間もう終わっちゃってんの。終わっちゃっているというか、どういうふうに終わってるのかわかんない。怪我なのか、なんなのか。そっから始まって、だから、1場所だよね。15日間。その前のシリーズもあるんだけど。新弟子の頃からガーッとやってきて、次は終わりから始まってるの。
若林:俺らもさ、いけないんだけど、漫画とか読まなきゃダメだなと思うんだけどね、こういう仕事してたら。そういうものから影響を受けたりしなきゃいけないんだろうなと思うんだけど、とんと読んでなくて、5個ぐらいの漫画の単行本が出たら買うっていうシステムなんですよ。
春日:いいじゃないですか。
若林:読もうかなと思うんだけど、俺らが高校の頃のビッグコミックスピリッツぐらい興奮するのかな?のめり込んで読んだら。
春日:興奮しますよ。
若林:同じぐらい?
春日:まあ、うーん、まあ、同じぐらい。
若林:あの頃の『ピンポン』の毎週のすごかったよ。ペコとスマイルの。
春日:いや、あそこまではないかもな。
若林:いや、どっちなんだよ!俺はそれを言ってんのよ。
春日:それはね、時間の流れ方も違うしね。1週間が今のほうが短く感じるよね。
若林:でも、喧嘩したの覚えてるもん、春日と。
春日:うん?
若林:みんなで『ピンポン』どうなると思う?みたいな話して、「まあ、結局ペコとスマイルで決勝やらないと……」みたいな話をしたんだよな、俺が。
春日:うん。
若林:あれ、決勝がペコとスマイルだよね?
春日:最後? そうだったっけなあ……。
若林:ペコとスマイルがやって、ドラゴン…ドラゴンとやって、勝って、ぺコとスマイルになるんだっけなあ。
春日:でも、なんかやったような気がするよ。最後。
若林:そんな話し合いみんなでしてたんだよ。どうなると思う?みたいな。それで「ペコとスマイルが結局最後戦わないとなあ」みたいな話をふと部室でしたら、「いや、そんなベタすぎるだろ」って春日が言って、結局そのとおりになったから謝ってほしかったんだけど、お前が謝らなかったんだよね。
春日:フフフ(笑)全然覚えてないね。
若林:いまだに腹立つな。お前のその感じ。
春日:(笑)
若林:お前の外しっぷり。
春日:ハハハハハハ
若林:ハハハハハハ
春日:まあ、そうだね。それはすまんかったね。
若林:それで、俺『じみへん』がすごく好きで。
春日:『じみへん』単行本持ってたもんね。
若林:俺、一番影響受けてるつったら『じみへん』かもしれないな。
春日:あ、そう?
若林:うん。あんなに読んだものないと思うわ。漫画で繰り返し。
春日:ああ。
若林:高校生の時に。ベストが入ってるの持ってるし、家に。『じみへん』が好きで好きでしょうがなかったね。
春日:(笑)なるほどね。
若林:結局、十何コマあんだよな。4コマとか8コマとかでもなく。
春日:2ページだね。
若林:異様に好きだったな。別にバチッとオチるって感じでもないんだけど、業を許してくれる感じっていうか。でも、あんまり話し相手いなかった。みんなはあれに夢中だったのよ。お前好きだったよね? 吉田戦車さんだっけ?
春日:『伝染るんです。』? 『伝染るんです。』は結構前に終わってるよ。
若林:もう一個あったよね。みんなが夢中になってるやつ。『伝染るんです。』と和田ラヂヲと、あと、誰だっけ。『コージ苑』だ。
春日:『コージ苑』はもっと前だね。『伝染るんです。』の前だからね。スピリッツの巻末漫画で言うと。
若林:俺、異様に好きだったな、『じみへん』。たまんなかったよね。『ピンポン』があって『じみへん』があって。
春日:『Happy!』とかか。
若林:全部面白かったよね?あの時のスピリッツって。
春日:まあ、そうだね。毎週読んでたな。
若林:『鉄コン筋クリート』がやってて、あ、『東京大学物語』もスピリッツだっけ?
春日:あ、そうか。
若林:があって、そうそうそうそう。読んでたもんなあ。『YAWARA!』?
春日:『YAWAR!』じゃない。『Happy!』ですな。『YAWARA!』の後になりますね。『20世紀少年』の前だね。
若林:『20世紀少年』ね。スピリッツ読んでたな、ずっと。なんでやめたんだろうな。どのタイミングで読まなくなったのか覚えてないわ。
春日:(笑)そういうのあるね。どのタイミングで。
若林:別にやめたいっていうことでもないんだけどなあ。
春日:やっぱ終わったからなんじゃない? 『じみへん』は今でもやってるけどさ。どんどん終わってったからなんじゃないの? 『ピンポン』も終わったし。
若林:ああ。
春日:そういうタイミングでしょう。読まなくなるっていうのは。
若林:タイトルは言えないけど、いろんな芸人に聞くのよ。漫画好きな芸人に。面白いの読みたいから。読むけど、やっぱりハマらないよね。
春日:ああ。
若林:『花男』ね。
春日:ハナオ?
春日:ハナオはちょっと知らないですね。
若林:あ、そう。知らない?
春日:ハナオ、ハナオ、ちょっとわからんな。
若林:『じみへん』が何であんな好きだったんだろうな。いまだに好きだけど(笑)。異常に読んでたのよ。
春日:面白いよ。
若林:何回読むの?ってほど。
春日:正直そこまでじゃない。『じみへん』は正直、体力あったら読むぐらいの。申しわけないけど。月曜日いっぱい漫画出るから、ジャンプ、ヤンマガ読んで、最後スピリッツなんだけど、私の流れは。最後、余裕あった時に『じみへん』読むぐらいの感じ。ま、面白いけどね。
若林:ずっと読んでたもん。
春日:ずっと(笑)何回も?繰り返して。
若林:買って。古本屋でハードカバーのやつ。一番影響受けてるかもんしんない、『じみへん』、俺。
春日:(笑)
若林:漁港の出っ張りみたいになったとこに座ってんのよ。
春日:ああ、よくあるな!
若林:アハハハハ
春日:漁港と、あと、公園のベンチね。
若林:そうそうそうそう!
春日:おじさんと子どもが(笑)。
若林:ずっと漁港に座って、なんのことはない会話して、そのまま日が沈んでく、みたいな。
春日:あるあるある。
若林:あんなんがめちゃめちゃ好きだったな。今も興奮してきた。
春日:あるなあ。港と公園と、あとアパートの一室ね。
若林:『じみへん』で、殴ったら血が出るじゃん、人間て。でも、それが薔薇だったら別に素敵なんじゃないか、みたいになって、ヤクザがビール瓶で頭パーン!て叩くんだけど、叩いた直後に薔薇がバーッて(笑)。
春日:(笑)
若林:あんなん何百回も読んだな。なんかすっごいしみるんだよね(笑)。
春日:アハハハ、ああ、なるほどね。
若林:そういう人じゃない作者の方だと思うけど、出たがりじゃない人だと思うけどね。
春日:ああ、見たことないね。
若林:なんかでインタビュー受けてるとか見たことないけどね。いやあ、死ぬほど読んでたなあ。『じみへん』。
春日:(笑)
若林:何にも起こんないのが好きなんだよね。
春日:うんうんうん。何にも起きないね。
(中略)
若林:あと、外国のコント番組の1個がすごい好きなんだけど、それと『じみへん』は異様に、もしかしたら日本の……だから、漫画、番組より見てるだろうね。時間にしたら。『じみへん』が一番占めてると思う。
春日:今までの?
若林:触れたもので。俺、本当にそうだわ。今ふと思うけど。お前とか谷口にしゃべっといたらよかったわ、俺が『じみへん』が好きだったことを。
春日:いや、それは薄々は気づいてたよ。
若林:持ち歩いてるから? アメフトのショルダー持って、『じみへん』のハードカバー持って部室に入ってくるかな。
春日:とか、家行ったら『じみへん』いっぱいあったしね。
若林:もっとお前が、俺が『じみへん』のこの話してたら、そうそうそうそう!みたにこないと。
春日:いや、そんな覚えてない。私も読んでたけどさ。
若林:じゃ、何派? 人生イチのギャグ漫画は?って聞かれたら。
春日:人生イチのギャグ漫画……。
若林:俺、だからね、語弊があるかなあ。非常に語弊がある、リスペクト……古谷実先生の『(行け!)稲中(卓球部)』をね、あたしね、読んでないんですよ。
春日:ああ、若林さん、そうだね。
若林:(笑)何なの?この話。
春日:それはね、そう。
若林:すっごい流行ってて。
春日:流行ってた。
若林:『稲中』だらけなんですよ。教室が。みんな稲中で、稲中のやりとりみたいなことをギャグでやってんだけど、入っていけなくて。頑張って読もうとする。みんなとしゃべりたいから。だけど、途中でやめるんです。だけど、古谷実先生の『ヒミズ』とか異様に読む。全部持ってるんだよね。『稲中』以外は家に。
春日:じゃ、ギャグじゃないやつね。
若林:すっごい好き。『稲中』?人生イチって言われたら。
春日:いやいやいやいや。
若林:ハッハッハッハッハッハッ あ、お前もそこまで……。
春日:うん、うん。読んだけどね。
若林:高校の時から笑いやってるからさ、俺さ。
春日:ハハハハハハハ
若林:ハハハハハハハ
春日:すごいね。笑いとともに生きてきた男。
若林:笑いやり始め、笑い、始めたの早いからさ、俺。
春日:うん、うん、うん。
若林:やりとりしてて、「いや、それ『稲中』じゃん」て言われるのがすっごい腹立ってたもん。
春日:ああ、知らないからね。
若林:「読んでないし」って言うのもなんか空気悪いから、「あら、そう?」みたいな感じでやりとりしてたけど。
春日:うんうんうんうん。
若林:人生イチ何?
春日:なんだろうなあ。ま、『伝染るんです。』か『ついでにとんちんかん』か。
若林:ああ、はいはいはいはい。
春日:あれがたぶん最初だと。触れたのが。ギャグ漫画でギャグ。小3。
若林:小学校ね? 『伝染るんです。』は?
春日:『伝染るんです。』は中1で書店に行って衝撃を受けたのよ。
若林:でもね、お前よく『伝染るんです。』をプレゼンしてたよ。
春日:『伝染るんです。』は全部ハードカバーも持ってるし、単行本でも持ってるし、たまに読み返すもんね。
若林:あ、そう。
春日:うん。あれはちょっとびっくらこいたね。
若林:3時間ぐらい公園で『じみへん』読みたいなあ。ロイヤルミルクティ買って。一人で読みたいわ。それを誰とも分かち合いたくないし、別に。
春日:ハハハ
若林:ハハハハハ ああ、『伝染るんです。』と『ついでにとんちんかん』がお前の体の中の本棚に入ってるんだね。
春日:ギャグ漫画で言ったらね。入ってるだろうな。入ってるなあ。
若林:『ついでにとんちんかん』てさ、小学校の時読んで、ちょっと怖いよな。
春日:怖かったっけ?
若林:なんかね、俺……でも、『激烈バカ』だね、俺は小学校の時は。
春日:『激バ』ね。
若林:(笑)
春日:『激バ』かあ。『激バ』はね……。
若林:『激烈バカ』もちょっと読みたいな、今。
春日:『激バ』はちょっと怖かったのよ。
若林:『激烈バカ』怖いんだよな。
春日:ちょっと怖いの。いっつも鼻水流してるし。コート着て。『激烈バカ』って。イメージね。
若林:『激烈バカ』は読んでたわ。
春日:『激烈バカ』ちょっとでかいんだよな、コミックだから。
若林:『激烈バカ』って何の漫画。
春日:マガジン。週刊のほうのマガジンですよ。
若林:マガジン、俺さ、マガジン拾って読んでさ。ジャンプとか。小学校の時拾うじゃん。
春日:うん。
若林:読んでたけど、『激烈バカ』好きでさ、性に目覚めた頃だからさ。
春日:うん、うん、うん。
若林:ちょっとしたパンチラとかに異様なイマジネーションふくらませてるよな。漫画の中の。
春日:まあ、そうだね。あれが最初のふれあいだね。あと、『おぼっちゃまくん』とかもそうかな。そう言われてみるとな。
若林:『おぼっちゃまくん』ぽいもんな。あと、普通に『ゴーマニズム宣言』好きだしな、お前。
春日:ああ、そうだな。
若林:あれは?漫画太郎先生。
春日:漫画太郎先生も好きよ。『珍遊記』、ま、『珍遊記』だね。
若林:お前推してたな。
春日:『珍遊記』はいいよ。
若林:俺も『珍遊記』好きだけど、お前が『珍遊記』『珍遊記』言いすぎてイヤだった記憶もあるわ。『珍遊記』を評価するから、面白いってことを言いにくかったな。
春日:なるほどな。あんま言いすぎるのよくないな。あの頃のジャンプで……。
若林:お前が「『珍遊記』面白いな」って言いながらモサの肩を組んだりするからさ。
春日:(笑)
若林:徒党を組まれてる感じがしてなんかイヤだったな(笑)。
春日:ハハハハ なるほどね。
若林:うん。「一人立って意見を言う根性がないな、コイツ」って心の中で思って。肩を抱くのにお前の不安感があらわれてるなぁとは思ってたけどね。
春日:(笑)そこまで、そこまで読む?「『珍遊記』が好きだ」って言ってる男の後ろを見て。
若林:俺は『じみへん』だわ。そういえば。タトゥー彫ってもいいかな。
春日:何のよ?
若林:あの書体の『じみへん』ていう。手首と肘の間に『じみへん』て彫って。
春日:いいじゃん。あのまま彫れる人がいたらね。
若林:ハハハハハハハハハハ
若林:(メール)『とっても!ラッキーマン』はいかがでしょうか。『稲中』はクラス全体が好きすぎて、私も読む気になれませんでした。
俺は別にクラス全体が好きすぎてというよりも、読んでみたけど続かなかったんだよね。『とっても!ラッキーマン』て、申しわけないですけど、勉強不足で、読んだことないです。
春日:ちょっと世代が下なんだよね。ジャンプの漫画だから、我々、高校か中学の上のほうだから、お子様ギャグ漫画だなって。もう知っちゃってるから、こっちは『伝染るんです。』とか。はいはいはいはいっていう感じになってたね。
若林:なるほどね。結構『じみへん』好きが多かったです、付け焼き刃は。
春日:あ、そう。話合うんじゃない?
若林:『じみへん』に影響されてるラジオ。
若林さんがレンタル犬のココちゃんと散歩した話が、なんか好きだったんだよなあと思い出して、過去のツイートをさかのぼってみたら、やっぱりだらだら書き起こしていた。この時、私はこの話を起こしたかったんだなと思う。いつものことだ。
その時に、「ワン、ツー、3、4」の話と「父親の話」、好きだったギャグ漫画の話も起こしていて、今はそっちのほうを残しておきたいと思った。
『最高の離婚』は、2013年に放映された、とても評判のよかったドラマだった。脚本も坂元裕二さんという私も好きな方のものだったのだけど、なぜか観る気が起きなかった。あまりの評判のよさに途中で一度だけ観てみたのだけど、やはりハマれなくて、疎外感というか、みんなが面白いと感じられることが自分には理解できないことをさみしく思う感じを、『稲中』にハマれなかった若林さんの話を聴いていて思い出した。今観たら面白く感じるかもなあ。
『アンナチュラル』も放映当時は全然観る気になれなかったけど、アマゾンプライムで観たらとっても面白かった。野木亜紀子さんの脚本だしなと、今は納得してしまう。
リアルタイムで観れないのには、理由がある。時間に余裕がないので、1クールに1本は観たいと思いつつも、出演している俳優さんに興味がないと、ドラマを観るという優先順位が低くなってしまう。普段はラジオを聴くのに忙しいから。今は時間に余裕があるから観れる。『重版出来!』も面白かった。
「ギャグ漫画」の話は、昔流行っていたゲームソフトの名前や、活躍していた野球選手、流行っていた曲をただ言い合う感じにも似ていて、自分が知らない時代の、でも、名前だけは聞いたことがある、そんなものの羅列が、なぜだかわからないけど、好きなんだなあ。