オードリーのオールナイトニッポン 2016-10-22
若林:今日、「ふつおた祭り」だったんですけど、一番内容の中で多かったのが、「今月の『ダ・ヴィンチ』の連載の最後に、「死んだ親父の写真を見た」みたいなことが書いてあったのですが、お父様はお亡くなりになったのですか?」
俺の親父なんだけど、今年の4月に亡くなって。でも、1年半弱ぐらい、ずっと入院してて。だから、病院行ってから現場行ったり、現場と現場の間にお見舞いしたりとか、1年ちょいぐらい続いてたかなぁ。だから、春日が『どうぶつBANG!!』という番組でボディビルパンツ一丁で橋になって、その上を犬が歩いていくっていうのを、親父と2人きりで病室で観たからね。フハハハハハハ(笑)
春日:ハハハハハハ(笑)
若林:春日の股間を犬が踏んでいくのを無言で親父と見て(笑)。
春日:笑ってくれよ、そこは! 無言で観てた? ああ、そう。
若林:でね、親父が『火花』をずっと読んでたりね(笑)。
春日:(笑)ちょうどそのぐらいの頃か。
若林:いや、俺の本読めよ!って思ったり。俺の本読んでよ、とか。1年ぐらいかな、お見舞い行っては仕事、仕事行ってはお見舞いみたいなのが。
春日:なるほどね。
若林:で、4月、亡くなって、「芸人は親の死に目に会えない」みたいなこと言うけど、そんな感傷はあんまなかったのよ。分人が違うから、仕事は仕事、みたいな感じで。
ただね、スケジュールの合間で葬式をして、朝、なんかの仕事行って、間の葬式出て、また次、仕事行くみたいな感じで。
で、うちの親父の葬式が自分たちでプロデュースする葬式なのよ。
春日:そういうのがあるんだ。
若林:決まってんじゃなくて。この宗教でやるっていうんじゃなくて。どこか借りて、何葬って言うんだ? 家族葬? うちの親父だからさ、呼ぶ人をすっごい言ってた。最期。俺もそうやって死ぬんだろうなと思ったけど(笑)。「コイツとコイツとコイツだけに絶対しろよ。化けて出るからな」つって(笑)。
春日:あ、そう。そんなに大勢の人を呼ぶわけじゃなくて。
若林:俺も「コイツだけは呼ぶな」って言うと思う(笑)。「それだけは守る。わかった」って言ってて。
それで、家族葬で、俺が考える時間がなくてさ。葬式のこういうプランでいけというので。姉ちゃんも仕事してて忙しくて、母ちゃんがプロデュースするのよ。
春日:へえ。
若林:で、驚いたよ。朝、仕事終わって、葬式よ、親父の。行ったのよ、葬式の会場。参列してくれる人がまだ来る前だったの。どんな感じになってるのかなと思って、仕事終わってバー急いで行ったら、普通、葬式ってさ、親父が入ってる棺桶があって、真ん中に遺影が置いてあるじゃん。
春日:まあ、そうだね。
若林:それも全部自分たちでプロデュースするから、ガチャッて若林家の葬式のところに入ったら、ど真ん中に親父のギターが置いてあったの(笑)。
春日:写真は? 写真。
若林:写真が右端とかに置いてあるの。「いや、母ちゃん、これ違うよ。写真真ん中、ギター端よ」。
春日:それ、お母さんが決めたの?
若林:そう。
春日:親父さんの意向じゃなくて。
若林:そう。
春日:「ギター真ん中にしてくれ」じゃなくて。
若林:「なんでギター真ん中にしたの?」って言ったら、「私わかんない。いってもお父さんが一番大事にしてたから」って。
春日:(笑)
若林:「いや、違う。真ん中じゃねぇだろ」つって。
春日:基本、写真だね。
若林:親父にあの世に持っていってほしいと思って、2008年のM-1のDVDを棺桶に入れようと思って、わざわざ買って持ってったの。で、棺桶に置いたら、係の人に「大変申しわけないんですけど、DVDは入れちゃだめなんですよ」って言われて。燃えるものじゃないと……
春日:なるほどね。
若林:そうそう。入れられないつって、だから、まだ封を開けてない2008のM-1のDVDが家にあるんですよ(笑)。
春日:(笑)入れられなかったから。
若林:で、その葬式、ギターがど真ん中に置いてあって、「いや、母ちゃん違うよ」つって。
春日:ギターの葬式みたいになってるもんね?
若林:そうなの、そうなの!
春日:(笑)
若林:ギターの葬式がど真ん中にあるから。
春日:ギターさんがお亡くなりになって(笑)。盛大に。
若林:そうそう。「一番大事にしてたから」って。「いや、写真真ん中よ」つって(笑)。
春日:まあ、そうだね(笑)。
若林:そうしてやって、葬式で喪主が一番最後に挨拶するじゃん。
春日:するよ。
若林:母ちゃんが最後に挨拶するっていう段取りだったのよ。最後の最後よ。母ちゃんにお願いしたら、母ちゃんがずっと首を振ってるのよ。横に。最後挨拶つったら、ずっと首を横に振ってて。
春日:おお、何? どうしたの?
若林:「私は無理よ」。
春日:いやいやいや。
若林:な、な、な、なんで? ずっと考えてて、紙に書いてる。
春日:ああ。じゃ、何よ、急に?
若林:「私は無理よ」つって。「緊張しちゃう」。
春日:まあまあまあ、そうだろ。それはあるけど。
若林:「あんたやってよ」つって。俺、マジで、タモリさんよろしく、母ちゃんが読むはずだった文字が書いてあるのを開いて、それ全部無視して、全部アドリブでやったからね(笑)。
春日:うわぁ、大変だねぇ。どうなってるの、おたくんとこの母ちゃんはよぉ。
若林:「正恭は親父の作品です」(笑)。
春日:それはもうタモリさんだよ。まんま。