広瀬すず&李相日監督 映画『流浪の月』トークショー

2022年6月15日

 

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――それでは、広瀬さんからよろしくお願いいたします。

広瀬すず:家内更紗役を演じさせていただきました広瀬です。本日はありがとうございます。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。(拍手)

李相日:こんばんは。広瀬すずトークショーにようこそ。司会の李相日です。これは、桃李くんのときもやったんで、お約束なんで、すいません。

広瀬すず:ありがとうございます。

李相日:本日はありがとうございます。

たぶんこの映画、何度も観ていただいている方がいらして、今日も複数回観ていただけている方もいると思うんですけど、今日初めての方っていらっしゃいますか?

広瀬すず:結構いる。

李相日:ありがとうございます。というか、逆に、それ以外の方は複数回観ていただいているということで、ありがとうございます。

時間もないので、早速始めますかね。

――お2人に進行をお願いしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

李相日:そうなんですよ。無謀にも司会を立てずに、2人でやってみようということで、よろしくお願いします。

広瀬すず:よろしくお願いします。

李相日:(マイクトラブル?)変えてもらっ……あ、大丈夫。

えっとですね、ごめんなさい、いろいろ飛んじゃったな。

あの、うーん、今、パッと顔が浮かんだんで、横浜流星くん。

広瀬すず:はい。いきなりですね(笑)。

李相日:最初は、2人ともものすごい人見知りなんで、言葉も交わせず、どうやってこの2人が恋人同士に見えていくんだろう?っていうところから始まったんですけど、距離を詰めれたというか、何か彼の存在とか体温みたいなものが実感できた瞬間て、撮影してて、どの辺りにきたのかな?

広瀬すず:撮影だと、肌と肌が触れ合う瞬間には、すごく私自身が信用できるようになったというか。なんかこう、飛び込めるというか。リハーサルの時点では「毎日『おはよう』『おやすみ』だけでもいいから交わせたらいいね」っていう会話もしてたんですけど、距離は縮まるんですけど、知ることはできない感じかあったんですけど、撮影だと、結構前半に亮くんの家のシーンを撮ってたので、撮影しながら、触れ合う瞬間に一気に、何も隠すことも遠慮することもなくなった感じがありましたね。

李相日:たぶん横浜くんもそうだったのかもしれないね。

広瀬すず:それをたぶん感じたからよけいに信用できたのかもしれないです。

李相日:それに対して、亮くんとは触れることですごく実感できていったものが、逆に文とは、子ども時代は別の人が演じていて距離がある分、途中で、これから文とcalicoで出会って、文とのシーンに入っていくというときに、「桃李さんが遠い」って悩んでなかった?

広瀬すず:そうです。私自身が流星くんに信用できているというか、近くなってたので、一気に文=桃李さんを想うことが急に距離ができて、亮くんのほうが大きくなり過ぎちゃってて、その切り替えがすごい難しかったなと思うんですけど。

ちょうど、撮影始まる1年前に別の映画で桃李さんとご一緒してたので、その撮影中に「明日、李さんに会ってくるんだ」という話を聞いてたので、そこから1年間、文として存在する桃李さんを何となく自分の中に想い続けてきたものがあったからこそ、最初、こんなに文が見えなくなると思ってなくて、でも、わりとすぐ、「あっ、文だ」って思えたは思えたんですけどね。そこに壁があるとはちょっと想像してなかったので、戸惑ってました。

李相日:文とのシーンって、比較的順撮りに近く、時系列に近く撮ってるじゃない? だから、最初にカフェで文を見つけた瞬間というのは、まだ距離が……

広瀬すず:ありました。すごく。

李相日:そういう背中だったの?あれ。

広瀬すず:(笑)なんか、現場でも現場に入ったときの「おはようございます」という挨拶と出るときの挨拶以外、ほんとにしゃべってなかったし、たぶんスタンバイのときとかも全然違う場所にいたんですよね。なので、声を聴くのが、もはやすごく肌に染みてくるというか、なんか、うーん……

李相日:でも、それは、文と更紗の関係にも気を遣ってというか、2人が会話を交わすまでの緊張感も大事だから。

広瀬すず:たぶんそれを、私だけじゃなく、桃李さんもすごく意識されてただろうなというのもすごい現場で感じたので、ちゃんとしゃべるまではというか、文のところに行くまでは、全然本当にしゃべってなくてっていう感じでした。

李相日:それで言うと、横浜くんは肌を触れたときの感触が大きかったとして、文との届いた感触というのは、どの辺りだったの?

広瀬すず:似た感じで言うと、肌なのかもしれないですけど、亮くんのところから逃げて、calicoで文に自分の思いを話すときの温度と、目が合った瞬間ですかね。会話より、目がちゃんと合って、目の前に存在しててっていうときな気がします。こっちが止まらなくなるというか、その瞬間があったのが、初めてはcalicoのシーンだった気がします。

李相日:今思い出すと、撮影入る前に「なんかフワフワしてる」という話をしてたじゃない。それって、僕は『怒り』から横目にずっと見てたんだけど、ものすごいスピードで走り続けて、どこかほかのインタビューでも、自分のいろいろな実感とか人生経験が追いつかないけど走り続けて、そこでちょっとフワッとしてる、みたいな話から始まって、そのときに、どうしたらいいかわからなかったというよりかは、これはやっていく中で見つけていくしかないなと思ったんだけど、そういったものは解消されたのかね?

広瀬すず:(笑)今言ってたcalicoのシーンで文と目が合った瞬間にフワッと思ったのが、「あ、ちょっと戻ってきた」って何となく感じた。今思えばですけど。目が合ってるんだけど、ずっと目が合ってないようにしか相手が見えてなかったので、目だけで、会話じゃないけど、温度を感じれて、相手の気持ちも読み取れて、そしたら自分が止まらなくなるみたいなのが、すごく、なんだろうな、すっきりした。

李相日:おめでとうございます。

広瀬すず:ありがとうございます。本当に今回、『流浪の月』で、監督がここまで演者側の一人一人にこんなに時間をかけて丁寧に向き合って。スケジュールとか決まってるじゃないですか。一旦それを無視してでも向き合ってくださるので、「自分の触ったもの全部に感触が残る」みたいなことすら忘れたような感じだったので、なんかすごい……

李相日:リハーサルを結構僕の映画ではやるんですけど、一番最初に撮影に入る前に横浜くんとはそんな感じで始まりつつ、桃李くんとは小説を読み合わせしたんだよね。

広瀬すず:そうです。しかも幼少期の更紗のパート。

李相日:子ども時代もあわせてやってもらって、要は、そこを体験できないんで、小説の情報量を全部一回おさらいするのに、幼少期からずっと桃李くんと2人で最後まで読んでもらって。そのときに「うわあ、なんか上手になったな」と思ったのね。

広瀬すず:言われました。「台本読むの上手になった」(笑)。「台詞言うの上手になったね」って言われました(笑)。

李相日:あまり感情を込めてというより、棒読みぎみでいいよっていったんですけど、読んでるといろんな感情がたぶん沸いてきたんだろうけど、結構上手で、聴いてるだけでなんか情景が見えたり、ストーリーが見えたりして、上手になったなと思いつつ、これでいいのかな?というのもあって。更紗という役がそう簡単につかめていいのかなっていう心配というかね。これはそんな簡単に理解できる話でもキャラクターでもないから、これはもっとすず自身がクラヤマ(暗い山?)に行かないとだめなんじゃないかなというのを最初感じたのを覚えてるね。だから、僕の言っていること、いろいろわけわかんないこといっぱいあったでしょう?

広瀬すず:はい(笑)。難しいニュアンスだなというか、ウーン……ていう。

李相日:それをよくベテランのスタッフの方にも「もうちょっと、監督わかりやすい言葉で伝えてあげなきゃダメよ!」って怒られたりもしてたんですけど、「わかりやすく言うとわかりやすい芝居になるんですよ!」って僕も反論したりして。

広瀬すず:(笑)

李相日:すずなのか、更紗なのかっていう、その境目を行くぐらいに、足掻いている姿が撮れれば進めるんじゃないか、みたいのもあって。

広瀬すず:ああ。

李相日:でも、そうした中で、横浜くんだったり桃李くんの実像がつかめていったのかな? だから、これ、この前桃李くんとの話の中では結構、唇に最後触れるシーンとかの解釈とかを話したりもしたんだけど、やっぱりテーマ的に更紗の台詞でもあるように、「人は見たいようにしか見ない」という言葉も出てくるように、自分の常識とか思い込みで人を見るということを突きつけているわけで。

そういう意味では、更紗のシーンで言うと、文の隣に引っ越してベランダ越しに、ガラスの衝立越しに、更紗が文に対して全てを捧げてもいいような話をするんだけど、あれもどう見るかでものすごく解釈が分かれちゃうんだけど、見ようによっては、小児性愛を擁護しているようにも見えちゃうし、でも、こっちの本意はそうじゃない、全然違うところにあるわけで、ああいうとき、悩まなかった?

広瀬すず:見られる、映画が完成して受け取ってもらった目線は、正直言うと全然考えてなくて、更紗としてこの気持ちをどう文に話すかということしか考えてなかったんですけど。解釈、自分の中で咀嚼していくことがこんなにストレートでいいものなのか、どういう、わかりやすく言うと、トーンみたいな、どういうスタンスで?っていうのか、構え方はすごく、最初、ものすごく構えてました。力入るというか。でも、きっとそういうことじゃないんだろうなって思ったり。文だから言えるし、ストレートに伝えてもいいのか?っていう。

李相日:そう。だから、最初、上手でいいのか?というところから始まって、これは桃李くんも言ってたんだけど、最後に、全てをさらけ出して寝てる文を見てる更紗が聖母のように見えたっていうね。公開して感想を幾つか聞くと、「すずちゃんが大人になった」みたいなフレーズも結構あるじゃない?

広瀬すず:すごい言われる(笑)。

李相日:でも、それって別に、性的なシーンをやったからということだけじゃなく……ということより、本当の意味で、大人になったということがどういうことなのかというのもあるんだけど、やっぱりなんかある種の母性みたいなのが最後見えたというところが、本当の意味で「すずちゃんが大人になった」ということじゃないかなと思ってるんだけど。全てを受け入れるっていうことがね。

広瀬すず:うん、うん、うん。

李相日:うん、うん、て(笑)。

広瀬すず:ごめんなさい。1人でずっとしゃべらせてしまうところでした。

でも、あのシーンで、私、クランクアップだったじゃないですか。

李相日:そうそうそう。

広瀬すず:だから、いろんなものを含めた2カ月半をブワーッと一気にあの寝顔で思い出すというか。でも、こんなに誰もいない場所で寝顔を見れて。寝てるときって、自分ですら自分をコントロールできないじゃないですか。その姿を見てる景色が、居心地がいいというより、信用してもらってる人間としての喜びを私自身がちょっと感じたのを覚えていて。たぶんいろんなものが全部詰まった感じだったと思います。

李相日:そうそう。でも、それで最後終わって、クランクアップなんで、「ああ、もうやっと終わりだ、せいせいした!」みたいなことよりかは、どっちかというと、言葉ではっきり言ってたかどうかというのはあやふやなんだけど、印象として「悔しい」という感情を残してたような気もするんだけど、それは今だから言えることはあるのかな。

広瀬すず:えーっ?(笑)間違いなく「終わったー」……『怒り』のときは、「終われた」みたいな。

李相日:解放された、みたいな?

広瀬すず:解放じゃないんですけど、一生終わらないくらいの気持ちに『怒り』のときは思ってて、きっと同じ感覚を今回も味わうというか、自分自身で感じるだろうなと思うほど、相手が見えないというか、フワフワしてたので。なんか、見えたんだけど、何となく「実感できたのは今だ」とかっていうのを冷静に自分でわかっちゃってたので、もしかしたらそうじゃないシーンがあるのかなとか、一気にすっきりしたというより、不安のほうがすごい大きくて。さらに、流星くんだったり桃李さんのお芝居を、役との向き合い方を目の前で見れたたからこその焦りと不安を、あんなに感じたのは初めてなんじゃないかと思うくらい感じましたね。

文のそれこそ最後の大切なシーンの後とかは、結構、逆に、受け止めれたんだけど、私自身のメンタルズタボロな感じで「はぁ……」みたいな。

李相日:そうね。技術的に上手にやる人ともちょっと違う気がするんだよね、広瀬すずっていうのは。自分の感情とものすごく何かがつながったときに大きな波を起こす人だとは思うんだけど、そういったことが今回見れたような気がします。

広瀬すず:ああ……(笑)。

李相日:もうちょっと自信持ってください。

広瀬すず:(笑)でも、このタイミングで李組の現場に参加できてほんとによかったなというか。桃李さんをはじめ、ほかのキャストの方の姿がすごく刺激的で。こんなに皆さん命を削りながらやっているような姿が、いい意味でものすごく刺激的で焦りを感じたので、無心になるというか、夢中に勝手になっちゃうシーンというか、お芝居が多かったからこそ、細かいことをあんまり正直覚えていなくて、その場の受け取ったものと出たものと、渡したもの、届けたもの、みたいな感じだったので、1つ1つのシーンで、ああでこうだったというのはあんまり覚えてないんですよね(笑)。

李相日:まあ、覚えてないよね(笑)。

広瀬すず:(笑)それくらい、なんかこう……

李相日:たぶん体の奥が覚えてるんだと思うんだけどね。

広瀬すず:そう。言葉にするのがすごい難しくて、感覚で、1回やったら、あ、こんな感じあったかもって思えるのかもしれないですけど。

李相日:そうね。

広瀬すず:思い出してみるってなると、取材のときとかも、桃李さんはすごい覚えてて、番が回ってくると、すごいフォローしながらお話ししてくださるので、すごいなって思いました(笑)。

李相日:思い出すのを待ってると時間があれなんで(笑)。もうそろそろ。短いですね。ほぼ終了ですよね?

――あと3分ぐらい大丈夫です。

李相日:急ですけど、最初に4時間ぐらいあったんですよ。撮った素材をつなげて。その中でいろんなシーンが落ちているんだけれども、更紗のシーンも幾つか落ちてて、なんでこれ落としたの?って今言いたいシーンてありますか?

広瀬すず:2個あるんですけど。

李相日:1個。

広瀬すず:はい。じゃあ、1個にします。ラストシーンですね(笑)。これ言っていいのかな。言っていいんですかね?

李相日:いいです、いいです。

広瀬すず:結末というか、シーン的に、もうちょっとラスト違ったじゃないですか。ちゃんとラストシーンも撮って、「ああ」みたいな思ってたんですけど、最後、手をつなぎながら1枚の布団で横に寝て。それがもうちょっとラストシーンよりも前に

李相日:1個前だったね。

広瀬すず:そうですよね。だから、ラストシーンどこ行っちゃったんだろう?って、初号を観てびっくりしました。へえ~みたいな。気持ち的には変わらなかったんですけど。

李相日:それを解説すると、ラスト、2人が電車に乗って旅立っていくという電車の中のシーンを電車で向き合って、電車の中でシュークリーム食べてというシーンを撮って、2人の旅立ちで終わってるんですけど、なんか幸せそうだったね。

広瀬すず:幸せでした。すごく(笑)。

李相日:何か満たされているというか、そういう満たされたいい表情だったなと思いつつも、なんだろうな、あまり時間もないんで一言で言うと、余韻がなかったのね。

広瀬すず:ああ。

李相日:何か全ておさまってしまったというか、2人の見たい姿を見れて終わってしまった気がして。ああいう姿は、それぞれ見たお客さんが自分の映像として見てほしいシーンだったなって、撮った後に気づいたのよ(笑)。

広瀬すず:(笑)

李相日:本当に不届き者なんですけど。電車借りて撮影するの大変ですからね。

広瀬すず:大変で。そうでしたよね。

李相日:大変ですよ。でも、撮って気づくこともちゃんとあったというかね。そういう意味でなくなったんです。

2人があそこで、手をつなぐってところで終わることに意味があるなと思って。それで、もちろん、直接的な意味では月を見上げているわけじゃないけど、やっぱり何かが2人がまた手をつないで、やっと2人が初めてこの映画の中で1つの月を見ているような、そこに深い余韻が生まれるなという。あと、2人の未来というか。という気がしたので、ごっそり落としました。

広瀬すず:ごっそり(笑)。

李相日:納得していただけましたでしょうか。

広瀬すず:はい。もちろんです(笑)。

李相日:ちゃんと特典に入れますので(笑)。(拍手)

広瀬すず:わ、すごい。楽しみにしてます、そのシーン。

李相日:「締めてください」とあるので、締めましょう。

広瀬すず:締めましょう(笑)。

李相日:段取り悪くて、本当に申しわけありません。

じゃあ、すずのほうから。

――それでは、お話が尽きないんですけれども、最後にお2人から一言ずつご挨拶をいただければと思います。まず、広瀬さんからお願いいたします。

広瀬すず:こんなに斬新なトークイベントというんですか、舞台挨拶初めてだったので、すごい楽しかったです。勝手に。皆さん、どうかわからないんけど。

1カ月たってもこんなに多くの方に『流浪の月』を観にきてくださっていることがすごく今実感できていて、本当に光栄だな、ありがたいなと思っております。まだまだ続くので、ぜひまた皆さん映画館に足を運んでいただけたらなと思っております。私もまだラストシーン、ワンカットも観てないので、一緒に特典楽しみにしてましょう。本日はありがとうございました。(拍手)

李相日:本日はどうもありがとうございました。これは、原作の凪良先生ももちろん「広瀬さんは大変すばらしかった」とおっしゃっていただいてまして、ただもう一人、僕が『悪人』と『怒り』でご一緒している吉田修一さんも作品を観ていただいて、開口一番「広瀬さんがすばらしかった」とおっしゃったんですね。中身は割愛しますが。要は、ちょっと印象に残ったのが、広瀬すずっていうのは、吉田さんらしくて、そのニュアンスを伝えるのが難しいんですけど、本来、男性の俳優さんがやれそうな、映画ってどうしても男性の俳優さんの主人公が多いですから、性別を超えて、男の俳優さんでもできるような主人公を担える星があるというか。そのような、すいませんね、うまく伝えられなくて。それぐらい映画にとっても一番欠かせない存在感、それは女優、男優、男女を超えて、そういった何かを持っている希有な人だと僕は信用しているので、2度あることは3度ありますか? ありますかね? どうですか?

広瀬すず:えっ?(笑)

李相日:聞いてた?

広瀬すず:聞いてました、聞いてました、聞いてました。

李相日:『怒り』で『流浪』で、3度目があるかどうかというのも……ま、いいや、後で聞きましょう。

広瀬すず:(笑)いいんですか?っていう気持ちのほうです。

李相日:いいんですよ。いいんですか?(拍手)

広瀬すず:えーっ?うれしい(笑)。ぜひ。ぜひ。

李相日:温かい拍手ありがとうございました。

これで締めるのはぐあいが悪いので、今日はちょっとしたサプライズがあります。お願いします。

(花束贈呈)

李相日:6月19日で24歳。誕生日おめでとうございます。(拍手)

広瀬すず:ありがとうございます。

李相日:ちょっと早いけどね。

広瀬すず:うれしい。

李相日:こういうとき、何か言わないといけないんじゃない?(笑)

広瀬すず:すいません。李さんにお祝いしていただけるのうれしいですね。

李相日:前もしなかったっけ?

広瀬すず:していただきました。

李相日:初めてということにしよう。

広瀬すず:いやいや、忘れてたので、逆に本当にうれしいです。今年、去年は、隠すこともなく、普通に悩んでいることをテレビでもいろいろお話ししてたんですけど、『流浪の月』に参加させていただけたことで、なんだか自分の中ですごく大きな何かが生まれて、「あ、頑張ろう」って思えたので、24歳になっても頑張りたいなというか。監督と出会ったのは17歳とか16歳だったので、またご一緒できるように、もっともっと努力していかなきゃいけないなって、ずっと思ってます。クランクアップから(笑)。

李相日:クランクアップからね。

広瀬すず:クランクアップから改めて思ってます。

李相日:おめでとうございます!

広瀬すず:ありがとうございます!

――ありがとうございました。こちらにて、広瀬すずさんと李監督によるスペシャトークイベントを終了したいと思います。