『松坂桃李のオールナイトニッポン』の面白さについて

 

星野源オールナイトニッポン 2022年3月29日

 

今週もイレギュラーではありますが、慣れつつある状況の中で、菅田くんが本当は昨日でオールナイトニッポンを卒業だったんですけれども、体調を悪くされて、1週お休みで、来週が最終回となるということで、そんな話にもなるかなと思って、昨日の松坂桃李くんがピンチヒッターでオールナイトニッポンをやられていたのを、今日、タイムフリーでちょっと聴こうかなと思って聴いたんですよ。

みんな聴いた? めちゃくちゃ面白くない?(笑)

本当にちょっとだけ聴こうと思って、感じだけを何となく聴かせてもらって、こんな感じがあったんだなというのだけ一応意識しておいたほうがいいかなと思って。そしたら、仕事しながらではあったんですけど、全部聴いちゃって。あまりに面白くて。

最初からよかったんだよね。『松坂桃李オールナイトニッポン』って、俳優さんなわけで、いわゆるバラエティにたくさん出ている方でもないし、フリートークをされる方ではないじゃないですか。

でも、前もやったんだよね? 前もやったりとか、菅田くんのオールナイトニッポンのゲストに出られてて、でも、僕、前のは聴いてなかったんですよ。桃李くんのオールナイトニッポン。昨日のを初めて聴いて、フリートークというか、トークを初めてちゃんと聴いたんだけども、「オールナイトニッポン」の言い方って、普通、俳優さんだったら、「オールナイトニッポン」とか言って、テーテテ、テーテテテ♪って、それ普通じゃん。全然、気取ってるとかでもなく、本当普通のことだと思うんだけど、「オールナイトニッポーン!」みたいな、ちょっとギアを上げてやってくれる感じとか。それが、なんて言えばいいんだろうな、ウソをついてる感じでもないんだけど、通常でもない、みたいな独特のライン、道筋をずっと辿ってて、しゃべることも、本人の言葉なんだよ。どこまでも。なんだけど、いわゆる日常ではこういうことはなかなか話さないだろうなということをずっと、でも無理してない、みたいな。ラジオっぽいみたいなことを無理やりやろうとしてない、みたいな。そのラインずっと行く?みたいな。

僕ね、数えたんだけど、2時間、聴きながら作業とかしてたんですけど、その間、「バカじゃないの?」って20回言いました(笑)。あまりにも面白くて。勝手に「バカじゃないの!」「何それ!」「バーカ!」とかずっと言ってて、こんな面白いんだ、と思って。

菅田くんへの愛も感じたし。

あと、遊戯王をやられてるみたいな話を、前から何となく知ってはいたんだけども、助走ゼロで『遊戯王』の話に行くから、すごい置いてかれるんですよ。(寺坂:笑)僕が『遊戯王』が全然わかんなくて本当申しわけない。わかんないんだけど、その置いてかれる感じがめちゃくちゃ面白くて、わかんないけどわかる、みたいな感じの独特なテンションなんですよ。

でも、そのわからないであろう、きっとご本人からしたらマニアックなことではなくて、日常の、本当に大好きなものの日常のことなんだろうけど、きっと、伝わる人は、本当にやっている方しか伝わらないような、説明なし。基本的にあんまないんですよ。でも、どう考えても『遊戯王』のことであるというのはわかる、みたいな。

その『遊戯王』のトークに突入して、例えとかも『遊戯王』でするんだけども、やってる中で、「横ドロー」という言葉が出てきて、それに対して、「わかります?」とか「知ってます?」とか、時々歩み寄ってくるんだけど、そこまでの説明が圧倒的にないから、「いや、わかりません」しか言えない。「全然わかんない、全然わかんないです」みたいな。

その感じが、すっごい、スタスタスタって先を行かれて、でも、本人はずっと僕としゃべってると思ってて、たまに後ろを振り返って「そうだよね?」って言われてる感じっていうか。その感じが本当にラジオならではというか、ラジオでしか生まれない空間になってて、あ、こんなに面白いんだと、聴き続けちゃう、みたいな。うまく言葉で表現できない魅力みたいなもの。

ラジオって、なんか型できてくるじゃん。いわゆる芸人さんでコンビだったらこの形とか、あとは、芸人さんもピンだったらこの感じとか、ミュージシャンの人だったらこの感じ、ミュージシャンもグループだったらこんな感じ、みたいに大体分かれてくるんだけど、そのどこにも属さない、松坂桃李キングのラジオみたいなのが、すげぇ面白かったですね。

あと、たまに急にぶち切れて「はあ?」とか言ったりするんだけど(寺坂:笑)それが快感なんだよ。聴いてて超面白いと思って。

遊戯王』も本当に大好きなんだなっていうのが伝わってくる。

で、何となく想像するっていうかさ。戸田恵梨香さんとご結婚されてて、家でもきっとやられてると思うんだ。『遊戯王』をやってる間の戸田さんの感じ、どうなんだろうなとか、そういうの、きっと微笑ましい空間なんだろうな、みたいな。そういう話はされないんだけど、勝手に想像して、すごいほっこりした気持ちになったりとか。

なんかね、すごい面白かったです。なかなかお忙しい方だし、やられないと思うんですけど、またラジオとかやっていただけたら、勝手にですけど、うれしいなあ、なんて思いましたね。

(中略)

(メール)松坂桃李さんですが、数年前、初めて菅田さんのオールナイトニッポンにゲストに来た時、その翌週も「予定が空いていたから」という理由で勝手にスタジオにやってきたという歴史もある、とても変な人です。

ハハハハ(笑)そんな? そんなこと? 凄いね。90年代のオールナイトニッポンみたい。「ちょっと来ちゃった」みたいな、とんねるずさんとかの乱入的なノリじゃないですか。それをいわゆる乱入とかじゃないマインドでやるわけでしょう? ラジオの申し子なんじゃないの? そうですか。やっぱ面白い。

僕は『いだてん』という作品でご一緒させていただいた時にちょこっとだけお話しできて、ゲームが好きだというお話をされて。

そうそう、昨日の放送でも、やっぱそうだよねと思ったのが、野球の新庄(剛志)さんが「ビッグボス」という名前になったじゃないですか。「ビッグボス」となると、僕は自動的に『メタルギアソリッド』なんですよ。だから、ニュースとかで「ビッグボス」ってなるたびに、大塚明夫さんの声がサーッとくるので、「ああ、メタルギアやりたい、『メタルギア3』&『5』やりたい、ビッグボス!」みたいな気持ちになるんです。本当に。「ザ・ボスとビッグボスだ、あー!」みたいな、すごい切ない気持ちになるんです。

『いだてん』の撮影の時もメタルギアの話をさせてもらって、すごい楽しかったという思い出がありますね。いつかこの番組にも来てもらえたらいいな。桃李くんね。お願いしますよ。