おしゃれなカフェで話したこと

 

流れ星のながらじお! 2018年3月17日

 

ちゅうえい「この前ね、近くで俺がいつもギャグを考えてるおしゃれなカフェがあるんですよ」

瀧上「(笑)ちゅうえいはね、ほんとに形から入りますから、すげぇカッコつけておしゃれなカフェ入るんですよね」

ちゅうえい「そうね。アイスラテ飲みながら」

瀧上「腹立つわぁ、もう」

ちゅうえい「ギャグ考えてたら」

瀧上「お前のキャラクターからするとよ、“ギャグマシーンちゅうえい”ね。本当に便所とかで作っとけよお前っていうね」

ちゅうえい「便所とかで木の枝でね」

瀧上「とか、洞窟とかね、そういうとこで作ってほしいんですけどね」

ちゅうえい「ま、ま、家の近くにおしゃれなカフェあるから、そこで飲んでたら、うちの近くに若林が住んでて。オードリーの。若林もたまにそこで会うのよ。この前も会って」

瀧上「あいつもカッコつけてんな!」

ちゅうえい「あいつこそさ、そういうカッコつけてる奴「ふざけんじゃねー」タイプじゃん。その若林もおしゃれなカフェ来てんだけど、だから、もう違和感同士がぶつかり合ってんだけど。で、若林と「久しぶり」なんて話してて、「最近さぁ」って本当久しぶりに会ったから「(モノマネしながら)ちゅうえいがまだここら辺住んでるのかなぁなんて思ってたんだよ」つって。「あぁ」つって。「今さぁ」つって「これ本当言わないでね」つって。「本当言わないでよ」つって。「いや、言わないよ」っていうのを今から言うんだけど」

瀧上(笑)

ちゅうえい「俺さぁ、今あれやってんのよ」って。何やったっけ?タバコじゃなくて」

瀧上「アイコス?」

ちゅうえい「違う。アイコスじゃない。太っといやつ」

瀧上「葉巻?」

ちゅうえい「「葉巻やってんだよ」つって(笑)」

瀧上「あははは(笑)あいつ葉巻やってんの?」

ちゅうえい「「葉巻をさ、ベランダで吸いながらさ、ちゅうえいんちが見えたからさ」。ほんまに近いからね。「ちゅうえい居るのかなぁなんて思ってたんだよ」つって。あいつ、あんだけおしゃれな奴イヤだって言ってるくせに、おしゃれなカフェ行くわ、ベランダで葉巻吸ってるらしいです」

瀧上「いやいやいやいや」

ちゅうえい「「これだけは」「じゃ、わかった、絶対言わない」つって、今ここでお伝えさせていただいたんですけど(笑)」

瀧上「あははは(笑)ありがとうございます。若林、葉巻は似合わないですねぇ」

ちゅうえい「あいつ、一回、本出したじゃん。自分が旅行く本出して、キューバかどっか行って、エッセイみたいの書いたんだけど、キューバで葉巻にハマったらしいです(笑)」

瀧上「あははは(笑)すごいね」

ちゅうえい「「そこからやめれなくなって、やっぱ葉巻、旨いよね」つって(笑)」

瀧上「なんだろう。あいつさ、顔が童顔だからさ、葉巻吸ってる絵がさ、たぶんめちゃくちゃ、今想像してるんですけど、似合わないね」

ちゅうえい「まあ、違和感あるよね」

瀧上「帽子被った犬、みたいなね(笑)」

ちゅうえい「はははは(笑)」

瀧上「違和感がある」

ちゅうえい「可愛い顔してるからね」

瀧上「なんか違和感ある。葉巻、おかしくない?みたいなね。そうなんだ」

ちゅうえい「なんか言ってたよ。あと、帰り際に「あ、そうだ」つって。「瀧上君にさ、今度さ、もうたぶん時効だと思うから、瀧上君と俺と、あと山ちゃん、3人で『ミレニアムズ』について話そうつって」

ちゅうえい・瀧上「あははは(笑)」

ちゅうえい「言ってたよ」

瀧上「あ、そうですか」

ちゅうえい「「誰かのラジオで話そう」つって」

瀧上「そうだね。みんな溜まってますからね」

ちゅうえい「「もう、もうおいしいでしょ」つって言ってたよ」

瀧上「そうですか。ちょいちょいね、若林っていうかオードリーは、俺のことをね、ちょいちょいラジオで話してるみたいだよ」

ちゅうえい「なんか、前までは若林とか山ちゃんが瀧上のおいしさを楽しんでて、オードリーで言うと、最近は、若林曰く、春日が瀧上を楽しんでるらしいよ」

瀧上「ああ、そう」

ちゅうえい「うん」

瀧上「ふざけんなあいつ!あいつにだけはイジられたくねぇんだけど」

ちゅうえい「若林にイジられるのと春日にイジられるのは話が違う?」

瀧上「どっちもイヤですけどね。基本は。基本はイヤです。基本はオードリーにイジられるのイヤですけど、どっちかというと若林のほうがまだいいのかな。春日は本当にイヤですけどね」

ちゅうえい「最近の若林情報は、葉巻を吸ってる」

瀧上「そうですか。春日、昔よく合コンとかね、一緒にしてましたからね」

ちゅうえい「そうね」

瀧上「クソモテなかった奴が、あいつね」

ちゅうえい「もう今やね、CMいっぱい出てね」

瀧上「いっぱい出てるしね。わかんない、今もモテてはないと思いますけどね」

ちゅうえい「どうなんだろね」

瀧上「前、本当に半年ぐらい前飲んだ時は、モテてなかったですけど(笑)」

ちゅうえい「じゃあ、モテてないよ」

瀧上「じゃあ、モテてないですね(笑)。そこは安心しましたけどね。昔ね、よく、女の子の前でね「やらせてくれ!」って土下座とかしてたんですけどね」

ちゅうえい「言うな、そんなことお前。この時間帯で言うな!深夜の番組で言え、それは」

瀧上「あ、そうですか。オードリーは深夜のラジオですからね。好き放題言ってるみたいですね」

ちゅうえい「そうだね」

瀧上「たまに、このラジオでも「瀧上さん昔そんなこと言ってたんですか?この間オードリーが言ってましたよ」みたいなタレコミ情報がありますからね」

ちゅうえい「(笑)そうね。だから、せっかくオードリーは俺らのこと話してくれてるから、俺らもオードリーの話あったらしていきたいよね」

瀧上「そうですよ!どんどん言ってかないとね。で、『ミレニアムズ』とかもいろいろ言っていきたいですよね」

ちゅうえい「だって、このまま風化させるにはもったいないよ。言ってもフジテレビの総合バラエティでやってたわけですから」

瀧上「そうね。本当にさ、俺らも初めてのあんな大事なレギュラーというか。ねぇ?」

ちゅうえい「だって、言ったら『めちゃイケ』とかと変わんないわけよ。始まったきっかけは」

瀧上「そうそうそうそう」

ちゅうえい「フジのゴールデン。しかも土曜日。で、8時-9時、あの枠ですよ。あの枠でやってたんだよ俺ら」

瀧上「凄いよね」

ちゅうえい「俺ね、今になって沁みる言葉があって、その時、言ったら俺らは、別に調子に乗ってないけどイケイケじゃん。いっぱい仕事もあってイケイケの時じゃん。その時に千鳥が、まだ今みたいにバーンとなる前の千鳥が来たの。ゲストで。その時に大悟君が、「ちゅうえい、今、お前これ当たり前やと思っとるやろ?あと半年待っとってみ。ワシみたいになるから」つって(笑)」

瀧上「それは『ピカルの定理』が終わった後の千鳥ね?」

ちゅうえい「その時の千鳥(笑)。「今のこの時間、大事にせーよ」つって(笑)」

瀧上「(笑)沁みるねー」

ちゅうえい「沁みるよ。あとね、俺、この前ね、岸学っていう、どきどきキャンプジャックバウアーの真似する。あれが俺の中のおしゃれの先生だから、あいつ本当におしゃれ過ぎて、俺、今、岸学のこと“服学”って呼んでるんだけど」

瀧上「おしゃれじゃないの顔だけですからね(笑)」

ちゅうえい「そう、顔だけですから。岸学と原宿のラフォーレの交差点を歩いてる時、ふと思い出したのが、「あぁ」って『ミレニアムズ』を思い出して、『ミレニアムズ』が始まった当初、その交差点の一角にあるビルの4階ぐらいのカフェのベランダから、その交差点のところを2~3人ずつ『ミレニアムズ』メンバーをばらまいて、誰が一般最初にバレるか、みたいなのを上のカフェから見てたロケ覚えてない?」

瀧上「やりましたね」

ちゅうえい「やったでしょ? あの頃、俺ら芸能人やったなって思い出した(笑)」

瀧上「ははは(笑)」

ちゅうえい「それぐらい、『ミレニアムズ』って、すごい、これから俺ら人生変わるんじゃないかっていう番組だったよ」

瀧上「本当ワクワクしましたよ。比喩じゃなくて、本当に命かけようと思って臨んでたよね。全っ然伝わらなかったけどね。スタッフさんにその熱意とかが」

ちゅうえい「ははははは(笑)」

瀧上「俺的にはさ、ちょっと天然というか、抜けてる部分があって、それをみんなにイジってもらおうと、やっぱ俺も思うわけですよ。イヤだイヤだ、イジられるのイヤだとは言いますよ、口では。でも、それは芸人ですから、心の底ではおいしいと思うから」

ちゅうえい「それはそうだよね」

瀧上「ね。だから、ちょっとでもイジられしろを作ろうと思って、例えば、ブログ用の写真とかね、みんなの前で撮ったりとかさ」

ちゅうえい「してたね。コント終わるたびに撮ったりとかね」

瀧上「そうそうそうそう。そうしたら若林とかがまた「瀧上カッコつけて写真ばっか撮って」みたいなふうにイジってもらえたらね」

ちゅうえい「タネをまいてたんだよね」

瀧上「そうそう。イジられるタネを、俺はあえてまいてたら、スタッフさんに「それ、本当にやめてください」って怒られるっていうね(笑)。士気に関わるみたいな(笑)。いやいやいやいや」

ちゅうえい「だから、本当に一番勘が鋭い、アンテナを張ってる若林と、その『ミレニアムズ』メンバーで言うならね、南海の山ちゃん、あの2人が瀧上の面白さを知ってたから、今までの総合バラエティと違うのは、俺らのこのメンバーでいくと、もうオードリーもテレビある程度出ちゃってると。南海も出ちゃってると。当時ね。ウーマンももう出ちゃってると。ナイツも出ちゃってると。流れ星だけだと、ここから出るのは。何なら、そこで瀧上の天然があると。これを俺らは命としてやっていこうって若林と山ちゃんはずっと言ってたんだよ。それでもあんだけ伝わらんということは、お前、よっぽどスタッフさんに嫌われとったんやなと思って(笑)」

瀧上「いやいや、どんだけだよっていうね(笑)。どんだけだよっていう」

ちゅうえい「ていう話を今度山ちゃんと若とどこかでしてくださいよ」

瀧上「したいですね。ゲストで呼ぼうよ、なんなら」

ちゅうえい「全然。来てくれるならね。ただ、お前のLINEとか、山ちゃんとか若林、無視するでしょう?」

瀧上「そうなのよ」

ちゅうえい・瀧上「はははは(笑)」

ちゅうえい「既読スルーするでしょ?」

瀧上「腹立つんだよ、だから。一回ね、山ちゃんとLINE交換して、俺、その山ちゃんと交換してしばらくしてケータイなくして、LINE IDとかもわかんなくなっちゃって、新しく作り直したんです。言ったら、山ちゃん側からすると、いきなりLINE上に俺が消えたらしくて」

ちゅうえい「それは退会とかになるの?」

瀧上「退室しました、みたいな感じになったらしくて、ちょうど、その前日、山ちゃんがラジオで俺をイジった日だったんだって(笑)」

ちゅうえい「はははは(笑)」

瀧上「タッキーが不貞腐れた、みたいなことをラジオで言ったらしくて、さらに」

ちゅうえい「ラジオで山ちゃんがイジったから瀧上が不貞って」

瀧上「退室した(笑)」

ちゅうえい「ははは(笑)」

瀧上「いやいや、不貞ってねぇーし!みたいな。大体ラジオ聴いてねぇーわ!と思って。というのがあったから、そこからまたLINE登録し直しましたけど、そう、基本あいつら無視すっからね」

ちゅうえい「そうだよね。超面白いよね」

瀧上「腹立つわー」

ちゅうえい「(モノマネしながら)「瀧上君はさ、既読スルーするとさ、いいんだよ」って若林言ってたよ」

瀧上「いやいや、よくねぇーよ!よくねぇーから!(笑)。ということで、どこかで俺らの番組か、オードリーのラジオに乗り込むかね、山ちゃんのラジオに乗り込むか」

ちゅうえい「3人でやってほしいな」

瀧上「あえて?」

ちゅうえい「うん。若と山ちゃんと瀧上っていう、一番原液? 原液でやってほしい」

瀧上「いやあ、俺ね、イジられ過ぎてね、ぶち切れるかもしれない。途中で(笑)」

ちゅうえい「あははは(笑)超いいじゃん。そんなのお前、若と山ちゃん、願ったり叶ったりだよ」

瀧上「そうだね。向こうの思うツボなんでしょうけどね」

ちゅうえい「それ聴いてみたい。俺も」

瀧上「そのラジオ聴いてみたい?」

ちゅうえい「聴いてみたい」

瀧上「いつか実現するんでしょうかね。わかりませんけどもね」

 

 

悩みがないのが悩み

 

伊集院光とらじおと 2017年2月22日

 

伊集院光「“ピエール瀧と年齢と”。我々50ですよ」

ピエール瀧「そう。今年ね」

伊集院「今年50になる年ですよ」

瀧「今年2017年は齢50歳になる年でちゅ(笑)」

吉井歌奈子「なんでそこで赤ちゃん語なんですか?(笑)」

伊集院「50、どうですか?」

瀧「50、どうだろうなぁ。まだなってないから何とも言えないけど」

伊集院「ショック受けそう? 俺、結構ショック受けそうなんだよ。節目、節目の年齢の前1カ月ぐらい、ちょっと俺不安定になるんだよね」

瀧「30の時はあったよね」

伊集院「あった」

瀧「30の時、いよいよ俺も30かと。思い描いていた30と違うなと思いながら、戸惑いを持ちながら30になった感じはする。40の時は、そりゃそうかっていう感じで40かな(笑)」

伊集院「でも、この時間だと70の人も80の人も聞いてるから、僕らが何言ったところで、まだまだ甘いっていう話なんだろうけど、50ってさ、ちょっとさ。さすがに100歳生きそうにないから、折返点超えてる感じしない?なんか」

瀧「まあ、するね。残りはちょっといろいろ考えながらやってったほうがいいんじゃねぇーの?っていう年かもしれないですよね」

伊集院「でも、あるべき50みたいのに漠然となってないでしょう?」

瀧「あるべき50にはなってないかなぁ。なってないような気もするね。なってない。あるべき50、50は俺イメージしたことなかったかもしれない。30とか40っていうのが、子どものさ、キッズ、ティーンエイジャーとか、そのぐらいから見ると果てしなく感じて、50は銀河系の外っていうか、そういう感じがしてたから、あまり思いを馳せてなかったかもしれないなぁ」

伊集院「たぶん、俺ら高校出て、こういう世の中で働き始めちゃったから、そうすると、親の50もあんま見てないんだよ」

瀧「あ、そうね」

伊集院「だから、たぶんイメージがちょっと薄めなのかもと思うんですけど。

年感じることある?年取ったな」

瀧「年取ったな。年取ったなはあるね。白髪が増えてきたりとかさ」

伊集院「あごひげ、白くなったもんね」

瀧「はい。下の毛もね」

伊集院「混じるね」

瀧「白いの混じってくるし」

伊集院「鼻毛もね」

瀧「鼻毛もそうだし、眉毛とかもちょっとあったりとかして」

伊集院「老眼は?」

瀧「老眼、バリバリきてる」

伊集院(笑)

瀧「バリバリよ、本当に」

伊集院「老眼、最初ショックじゃなかった?」

瀧「あ、これが老眼? 僕、裸眼だったから、ずっと」

伊集院「俺も」

瀧「裸眼で暮らしてきてたので、老眼が始まって、あ、これが老眼てやつか、プラス乱視もきちゃったから」

伊集院「全く一緒」

瀧「ダブルできて」

伊集院「全く一緒」

瀧「夜とか車運転してると、ネオンサインとかキラッキラッキラ、全部十字にピカーンてなるんですよ」

伊集院「安いカラオケのビデオみたいな」

瀧「そうそうそうそう。イルミネーションのとことか行くと、キラッキラしてるのがあるから、ファンタジー感が半端なくて、俺、こんなファンタジー?と思うぐらいのやつに、なるよね?」

伊集院「なって、それを認めたくないの。俺、だから、乱視のほうはそういうことだからっていうんで、ちょっと諦められたんだけど、老眼を認めたくなくて。これ、“老”だから。でも、ナンチャッテで老眼鏡の試しにかけるやつとかをかけると、くっきり見えるじゃない?」

瀧「すっげぇよく見える」

吉井「ああ。郵便局とかに置いてあるやつですね?」

伊集院「置いてあるやつ」

瀧「そうそうそうそう」

伊集院「で、カミさんに「老眼鏡をかけてよく見えるようになる状態のことを『老眼』って言うんだ」っていう。「認めろ」と言われて。「痔の薬を塗って治るケツの痛みは痔だろうっていうのと一緒だ」って言われて。「老眼なんだ」って思った時の、まあショックったら俺なくて」

瀧「まあそうだけど、「それで何とかなるんだからいいじゃない」っていう(笑)」

伊集院「そこ、俺はそこをクヨクヨするタイプ。なぜか」

瀧「ああ、そうか」

伊集院「瀧氏はわりとそこを受け入れるじん。「それだから面白い」くらいの感じになるでしょ?」

瀧「そうね。なくなっていっちゃうものはしょうがないっていうか」

伊集院「まあね」

瀧「もう、薄毛も進んできてるしさ、普通に」

伊集院「わかる、わかる、わかる(笑)」

瀧「でしょ? 「あれ?俺こんなだっけ?」って思うことあるけど、でも、しょうがないよね、なくなっちゃうもんはね(笑)。クヨクヨしててもさ」

伊集院「そこの差なんだよ、その根本的な。同い年で野球が好きだったりとか、自分は勝手に似てると思ってるとこいっぱいあるのに、根本的な差は、俺、そういう思ってもしょうがないことを延々とクヨクヨする」

瀧「もあるだろうし、たぶん、あの時がピークっていうか、あの時よかったなっていう思いがあるじゃん。体も動いたしさ。人の名前もバンバン出てくるしさ(笑)。さっきみたいな、「例は?」って言ったらすぐ出てくるような感じの脳の回転だった頃がピークだったとするとさ、あそこに戻りたいというかさ、あれがよかったなあっていうのがあると、クヨクヨしちゃうのはあると思うんだけど、まあ、でも、今も結構楽しいしね」

伊集院「そうね。それの切りかえが、悔しいけど、ピエール瀧は早いんです。僕はちょっと引きずって、やっと開き直れるから、深夜放送やってて、例えが出てこない時の、例えが出てこないエンターテイメントまで消化できると、やっと、これはこれで、出そうなものが出てこないっていうのが自分で納得いくんだけど、ピエール瀧ほど、そこ早くないんだよなぁ」

瀧「まあ、なんだろうねぇ」

吉井「あんまり悩まれないタイプ、ですよね?」

瀧「あんま悩まないっすね」

伊集院「ちょっと、“悩みと”。悩みないの?悩み」

吉井「うふふ(笑)」

瀧「悩み?」

伊集院「悩んで!」

瀧「悩もうか、じゃあ(笑)」

伊集院「悩んでよ。ここはひとつ重い腰を上げて悩んでよ」

瀧「ほんと、クソつまんないことを言うと、“悩みがないのが悩み”(笑)」

伊集院「うわーっ!うわーーーーっ!!」

吉井(笑)

瀧「つまんないんじゃん、そんなのさ」

伊集院「これは凄いね」

瀧「でしょう?」

伊集院「うん」

瀧「何だろうなあ。何だろう。悩みって何がある? 3大悩みって何だろう?」

伊集院「僕がちょっと期待したのは、家族を持ったじゃんか。家族を持った時点でさすがに悩むだろうと思ったけど、あんま?全然?」

瀧「何に対する悩み?」

伊集院「子育てとか。子どもの将来とか」

瀧「でも、自分のことを振り返ったらさ、子どもの頃、大事にしてもらったとは思いますけれども、今のここに自分が、今、ラジオブースに座るに至るまで、親の助言て別になかった(笑)からなあ。そんなに。「伸び伸びやりなさい、好きなことをやりなさい」って言ってくれたんで、うちの親は。それに従ってたら、偶然にも、運よくですよたぶん。それはなったところはあるので、子育て、うちは娘ですけれどもね、ないことはないのかもしんないですけども」

伊集院「でも、その程度だよね?」

瀧「と言ってもさ、最初の子どもなんで、「お父さんも初めてお父さんやるからしょうがなくね?」っていう」

吉井「ははは(笑)」

伊集院「こういうとこなんだよね」

吉井「うらやましい(笑)」

瀧「たぶん子どもに文句言われるじゃないですか。将来、「なんであの時あれやってなかったんだ」とか「どうして子どもの頃から家庭教師で英語の先生をつけてくれなかった。そうしたらペラペラ喋れたのに」とかって言って後でダメ出しされるじゃないですか。「そんなこと言われても、お父さんだって初めてなんだからわかんねぇーよ!」っていう」

吉井「そう返せばいいんだ」

伊集院「凄いねぇ」

瀧「しょうがなくないですか?」

伊集院「悔しいなあ」

吉井「いいこと聞いたって感じです(笑)」

伊集院「本当になんか悩んでほしいわあ。俺はずっと「もしこういう最悪のことがあったらどうしよう」を考えては、なんかうまく動けないで来たから、ピエール瀧に何か最悪のこと起こってほしいわ。その時に「俺は備えてきたけどね」って言いたいんだけど。そういうタイプはあんま起こらないよね、最悪のことはね」

瀧「そうだね。でも、たまに伊集院がさ、どこどこまでチャリで行ってるとか、休みの日に、ちょっと空いたんで、実はどこどこに来てます、遠くに来ています、みたいなやつとかをさ、ツイッターとかああいうのでやったりとかしてるじゃない。そういうの見ると、あ、その時間あるのはいいなと思う」

伊集院「ああ、そうか」

瀧「昔は自分もそのタイプでさ、朝起きてどこ行こうつって、じゃあ沖縄だなんて、沖縄ピューなんて行けちゃったりとかして」

伊集院「いきなり京都行った時あったよね」

瀧「そうそう。伊集院とね」

吉井「いつですか?」

伊集院「なんか「クイズ番組で旅行券をもらった」っていう話をしてたら、急に「今日暇になったから、その旅行券で京都行こうぜ」って。「えっ!?俺のだけど。俺のだけど、その旅行券は」と思ったけど、そのままなんか行ったよね?」

瀧「京都行ったよね。そうそう」

吉井「思いついたときが吉日みたいな」

瀧「そうそう」

伊集院「理由もなく行ったよね、京都ね」

瀧「『伊集院と京都』っていうセットが面白かったんだろうね」

伊集院「そう。しかも急にっていうのが何となく面白かったんだろうね」

瀧「何したか俺全然覚えてないんだけど」

伊集院「俺も覚えてない」

瀧「京都で何したか全然覚えてないんだけど(笑)」

伊集院「一個だけ覚えてるのは、家に写真があって」

瀧「その時の?」

伊集院「そう。瀧氏が、龍の口から水の出てる、なんか水の出るやつから直、水を飲んでる京都らしい絵が」

瀧「はははははは(笑)」

伊集院「の写真が家にあるんだ。俺、今、急にそれを思い出したけど、京都行ったっていうのも、まあ、十何年ぶりに思い出したわ。行ったね」

瀧「そういうフットワークの軽さっていうか、自分のオフは自分のためだけに使えるじゃない。それがほぼない。家族が優先になったりするので。でも、その分、そっちのそこの時間はたぶんつくれてるだろうからっていうのはあるけどね」

 

吉井「役者さんとして大活躍されているじゃないですか。役者として悩むことってないんですか?」

伊集院「ないんだと思うけど、聞いてみようぜ(笑)。“俳優と”ですよ。役作りの悩みですよ」

瀧「役作りって、みんなお芝居をやった時に聞かれるんです。インタビュー、「役作り、どんな感じでされたんですか?」っていうんだけど、お芝居の、人に習ったことがないっていうか、こういうふうにやって、こういうふうにやるんだというのを習ったことがないので、役作りって言われると、「何ですか、それ?」っていう話に今だになっちゃうんだよね。そういう部分とか(笑)」

伊集院「悩めよ~!」

吉井(笑)

伊集院「もう、ナントカ賞とかもらう俳優とかがさ、リハーサルの段階で台本全部入れてきてさ」

瀧「らしいよね。やってる、やってる、みんな。おお!すげぇーな!と思うもん」

伊集院「その役に合わせて太ったり痩せたりとかさ、下手したら、その恐ろしい役に飲み込まれて心を少し病んだりとかしながらするわけでしょうよ」

瀧「あー、はいはいはい。そうだよね」

吉井(笑)

瀧「聞くところによるとそうらしいよね」

伊集院「そういうのは?(笑)」

瀧「別にね、言っちゃうと、真剣にやってない感じに聞こえます。まぁ、一応一生懸命やってますよ。こうだろうなっていう思いでやってはいるんですけど、それはだけど、しょうがないよね。素養がないというか」

伊集院「俺、そこでずっと共通しているのは、『一生懸命やったにもかかわらずできないことに関してはしょうがない』っていう」

瀧「そうそうそうそう」

伊集院「できないことに関して、年齢戻れないんだからしょうがないとか」

瀧「しょうがないです」

伊集院「子どもは普通育つんだからしょうがないっていうか」

瀧「しょうがない」

伊集院「そこなんだね、やっぱね」

瀧「だって、そんな呼ばれたって、よく知らない奴に頼んだほうが悪くない?」

吉井(笑)

瀧「電気グルーヴじゃん、だって俺」

伊集院「そうだよね。一回も「やれる」って言ってないもんね」

瀧「電気グルーヴでしょ?だって」

伊集院「そうだよね」

瀧「じゃない?」

伊集院「一回でもウソでも「自分は役作りやれる」って言ってないんだもんね」

瀧「そうそうそう。それ頼んだほうが、できなかったら、「なんでお前できないんだ?」って。「お前調べたか?この野郎!」っていう話になるよ、こっちは」

吉井(笑)

瀧「知らないよ!っていう」

伊集院「こっちもやるだけはやるけどもっていう(笑)」

瀧「やるだけは、言われたからやりますけどもって」

伊集院「なんか悔しいまま一度CMいきます」

 

 

オードリーがテレビに出始めた頃、春日氏は瀧氏に似ているというのをよく見かけたので、何となく気になる人。

 

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手土産はお菓子

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年3月11日

 

若「いじられてる時期があって、やりたいこととか結構あるじゃない。そこの中で、迫力、いじられない人もいるじゃない。いじる人。それで、いじられる人って、あれ、何なんだろうね。持って生まれた」

春「うーん、ま、そう、ま、そうなんじゃない」

若「あれ、何なんだろうな。いや、最近思うのが、前も言ったことあるんだけど、MCの人で、スタッフ時に入ってきた瞬間ピリッとする人いるじゃない」

春「うんうんうんうん」

若「俺がMCとかでやらせていただいてる番組、スタジオにスッと入ってくると、なんかゆるっとする感触があるんだよね」

春「逆に?」

若「うん(笑)」

春「今から始まるっちゅうのに?」

若「うん。で、なんか、テレビ観てて、MCっていうか、進行の人に、女子アナの横の人って、こんな削りにいくかな、みたいな。ふっふっふ(笑)俺が、その、なんか、削りを呼んでる部分があるなあっていう。でいいのよ、俺は。いいんだけど、うーん、そういうのって持って生まれた何なんだろうなとか思う時あんのよ。いいんだけどね、俺はそれで」

春「まあまあまあまあ、あるだろうね。その人から出てる雰囲気、オーラみたいな」

若「削りやすい顔してんのかな? 削りにくい人もいるだろう?(笑) 誰だよ?」

春「誰だよっていうこともないけど」

若「でも、いる?」

春「いわゆるザ・MCみたいな人はそうだよね」

若「やっぱピリッとする?」

春「ピリッと、というか、なんかこうね、締まるというかね」

若「番組が」

春「その人中心にっていうのがはっきりわかるみたいなことですよ」

若「はいはいはいはい」

春「それは変な威圧感はないですよ」

若「あ、威圧感感じる人いない? 芸能界に」

春「それはいないよ」

若「あ、そうなのね?(笑)」

春「それは、それぞれの人の不思議な、やっぱりあるよね。テイストというかさ、それはね」

若「あ、そう」

春「それはそうですよ」

若「誰とは言わず」

春「誰とは別に言わないけど。言わないというか、わからないけど。私はね」

若「感じないからね」

春「そうね、そうね。だけど、あの人とこの人はなんか違うな、ぐらいは何となくわかるよね」

若「リラックスできるなとか」

春「とか、ちょっとちゃんとしないと(笑)」

若「ちゃんと。感じてんじゃねぇーか!威圧感(笑)。ちゃんとしないとなんて最たるもんだよ」

春「いや、だから、その人好みの手土産みたいなもんじゃない。手土産、寿司が好きな人もいればさ、甘いものが好きな人もいれば、みたいな。お酒が好きな人もいれば、みたいなことなんじゃない?」

若「なるほどね」

春「若林さんの場合、お菓子みたいなさ(笑)」

若「ちょっとリラックスしすぎだね。お菓子っていうのは目指してないもん、お菓子は」

春「ハッピーターンみたいな(笑)、お徳用のきのこの山たけのこの里みたいな」

若「お!なめんなんよお前!」

春「ハハハ(笑)マルチパックみたいなお菓子の」

若「おお!広げんな!広げんな!広げんな!一回突っ込んだらやめろお前!わかってんだろ、ラジオ、お前。ラジオって突っ込んだらやめるだろ!一回。ちょっとチャレンジだな。俺が突っ込んだ後、さらに広げたところ」

春「広げてない別に。範囲内でしょ、今のところは」

若「広げた。広げただろ?」

春「広げちゃいないよ」

若「突っ込んだ後、やめたか?」

春「いや(笑)ちょっと、だから、2置きぐらいはしたけど、バーン!て閉まってなかったから」

若「あ、そう?(笑)」

春「それをこじ開けてまだ入れてったわけじゃないからね」

若「こじ開けたと思うけどなあ」

春「いや、こじ開けちゃないよ。そんな失礼なことはしない」

若「チャレンジできる? いける? ちょっと聞いてみよう。じゃあね」

  (チャレンジ)

  春「ハッピーターンみたいな(笑)お徳用のきのこの山たけのこの里みたい

    な」

  若「お!なめんなんよお前!」

  春「ハハハ(笑)マルチパックみたいなお菓子の」

若「あ、マルチパックのところ」

春「それはさ」

若「ははははは(笑)」

春「新たな球じゃないからね。きのこの山たけのこの里のいわゆるマルチパックだから、丁寧に包装しただけだから。きのこの山たけのこの里、新しいものを持ってきて」

若「でもね、ちょっと気持ちよくなっちゃってんのよ」

春「フッフフフ(笑)」

 

 

オープニングが楽しくて楽しくて、何度も何度も聴いてしまった。トシ会、マサ会の話も楽しかったし、瑞樹さんの話も。2人だけがウケて笑っちゃってるところ、観るの楽しみだな。

 

 2018.3.21追記

若林さんて、7年前も同じようなこと言ってたんだな。でも、7年も続いているってことは、認められてるってことよね。むしろ、その雰囲気がいいんだろうな。

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思い出し笑い

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年3月11日

 

若「すごい不思議でさ、春日がね、今週1週間の中の仕事でどっきりにひっかかったんですよ」「春日がどっきりにひっかかったんだけどさ、ネタばらしが、ビンタされてネタばらしみたいな時にさ、モニタリングルームで観てたのよ、俺。俺マジで、あれから15回ぐらい思い出し笑いしてんだけど」

春「いや、何が(笑)」

若「そこなのよ」

春「何が面白いの?」

若「いろいろなんかあって、春日がバチーン!女の子にビンタされて、どっきりばらし、みたいな。それまですごい気持ちよかったのに、ということなのよ」

春「まあ、よくある、じゃないけどね、パターンではね」

若「でさ、普通さ、どっきりネタばらしでバチーン!てビンタされたら、「痛っ!え何?」みたいな。「痛い痛い痛い! え?何急に?」みたいな。「えっ?どっきりっすか?」みたいな。「痛っ!」ていうのがあるじゃん。例えば狩野君とか出川さんとか」

春「まあ、普通はそうなるよね」

若「普通そうなるでしょう?」

春「人間のね行動として」

若「春日はさ、思いっきり--。その子もビンタの練習してたのよ。思いっきりいくようにつって。春日がバチーン!てビンタ女の子にされたらさ「ウッ」って言って」

春「フフフフ(笑)」

若「俺ね、なんだろう、痛がってもいないし、なんか「ウッ」」

春「そんなだった?いや、「痛い」って言ったよ」

若「言ってないのよ」

春「「痛い、ちょっと何?痛い痛い痛い」って言ったよ」

若「いや、全然、全然。マジで」

春「息を飲むなんてことないじゃん。ビンタされて」

若「そうなのよ」

春「「ウッ」なんて、そんな(笑)」

若「ほんとそう」

春「いやいや、「痛い痛い」って言ってるよ、そりゃ」

若「バーン!ビンタされたら、「ウッ」」

春「ハハハハ(笑)」

若「それが、あいつの中でビンタが日常。それがどっきりのバラシになってないんじゃないかな、みたいな。もっと春日だったら逆バンジーで飛んでくぐらいしないと、どっきりになんないのか。「ウッ」。俺、なんで「ウッ」になるのかなって考えちゃったの。なんか。反芻しちゃって、そのたびに爆笑しちゃっててさ」

春「いやいや、びっくり、あれはびっくりしたからね」

若「でもさ、「ええーっ!?」ってなんないじゃん。「ウッ」っていうの。なんか、なんつうんだろうな、何が起こってんのかなと思って、春日の中で。鉄人28号の中で(笑)。あれはミドリが言ってんの?それとも春日が言ってんの?鉄人28号?」

春「言ってはいないんじゃない? 鉄人28号の音じゃない?」

若「ああ、システムの中の」

春「胴体は鉄かなんかでしょう、あれたぶん。バーン!みたいな」

若「音が「ウッ」っていう」

春「鳴ってるぐらいで(笑)」

若「お前、そしたらリアクション薄いわ(笑)」

春「でも、びっくりしすぎた時って、「痛い痛い痛い」とはならないってことよ。だって、怖さもある。な、なんだ? それで息をのんだってことなんじゃない? 自分としては「痛い痛い」って言ってるつもりだけど。びっくりし過ぎたんだよ」

 

 

全然理解できなかったのだけど、印象的な話だったので。

 

 

ミドリと小4の男の子

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年3月11日

 

若「先週はスペシャルウィークで、ふかわりょうさんに来ていただきまして、ずいぶん言われた。この1週間で。テレビのスタッフさんに」

春「ほう、なんて?」

若「「ふかわりょうさん、めっちゃ面白かったす」みたいな感じで」

春「まあ、面白かったもんね」

若「よく、ふかわさんね、「自分の中に小さい女の子がいる」って言ってたじゃない」

春「そうだね」

若「よく、自分の中にいる人間が、小学生かとか、中学2年生かとか、大学3年生かとか、大人なのかとかいう話するけど、小さい女の子っていうのは初めて聞いたね、俺は」

春「うん、確かにそうだね」

若「だから髪が長いって言ってたもんね」

春「そうだね。だから、ちょこちょこ、漏れてるというか」

若「ははははは(笑)」

春「抑えきれない、滲み出してる……滲み出してる、だね」

若・春「はははは(笑)」

若「滲んじゃってんだね、外に、あの長髪は」

春「そうね。それでも、音楽活動で何とかそっちに放出してるけど、でも、やっぱり滲んでじわーっと滲むものが、やっぱり長髪だったり、物腰のやわらかさだったりするんじゃない?」

若・春「はははは(笑)」

若「だって、あれで髪短くしたら、メイクとかしゃちうって言ってたもんね?」

春「そうだね。あれで何とか本当に」

若「はあ、小さい女の子がいる人もいるんだなぁ」

春「抑え込んでるっていう、クロスみたいな、鎧みたいな」

若「小さい女の子がどういうもの好きかとか、あんまわかんないじゃない。シルバニアファミリーぐらい?やっぱり小さい女の子っていったら」

春「ああ、まあ、そうじゃないか? リリアンとかね、なんかそういうことだろうね」

若「なるほどね」

春「ちょっとした、やってるかもしれない、そういうのをね」

若「もしかしたらね。滲んでるかもしれないね」

春「家で人形遊びとかしてるかもわかんない。全ては聞けなかったけど」

若「春日はどういう人間がいるわけ?春日の中に」

春「どういう人間……まあ、でも、私は、まあ、一つとは言い切れないよね」

若「あ、そう」

春「1人というのはさ」

若「何人かいるの?」

春「やっぱり、そのぉ、お姉さんみたいなね」

若「(笑)ちょっと待って。なんでみんなオネエなの?」

春「いやだからそれを」

若「女の子なのか?みんな」

春「ふかわさん、それはやっぱりね、手放しで笑えない部分はあるよ」

若「ああ、そう」

春「そんなはずないじゃないですか!って本気で言ってはいたけどね」

若「(笑)ラジオで流されてるからね。電波に乗って」

春「そうそう(笑)自分に振り返った時に、ゼロではないなって。女子の部分が」

若「小さい女の子」

春「小さい女の子だったけどね、ふかわさんは」

若「お前は?」

春「オネエだよね」

若「あ、自分の中にオネエがいるの?」

春「オネエなのか、おばさんなのか。おばさんに近いかもね」

若「おばさんがいるの?お前の中に」

春「うん。だから、節約とかもそういうのがかかわってきてんじゃないかとか」

若「心の中のおばさんが」

春「おばさんがね」

若「お前、ふとした時にさ、生放送とかでフリップとか落とすと「キャー!」って言うじゃない」

春「言うね」

若「咄嗟に出ちゃうんだ、おばさんが」

春「おばさん。少女でもなければ、若い女性でもなく、かといってオネエでもない。やっぱおばさんの部分ね」

若「それ、名前は何て言うの?その人は。俊彰なの?やっぱり」

春「俊彰ではないんじゃないの」

若「春日なの?名字は。名字は春日でもないの?」

春「名字とかないんじゃない?」

若「名字ない?」

春「概念みたいなもんだからさ、何々何々じゃないんじゃない?そこは。ミドリ、みたいな、なんかそういうさ(笑)」

若「え?ミドリっていう人がいるわけ?」

春「片仮名でね(笑)。春日じゃないのよ。それはなんか、それ、なに? 人物、なんていうかな」

若「じゃ、ミドリが「安いから買いなさい」とか言ってんだ、春日に」

春「そうね。「ちょっと待ちなさい、あんた、これよりも安いとこあるんじゃないの?」みたいな」

若「ふはははは(笑)」

春「はっきりと対話はしてないよ」

若「お前、ふかわさんより怖いよ(笑)」

春「ハハハ(笑)それは若林さんだって絶対あるはずだよ。1人に決められないと思うよ」

若「女の子いるのか、俺の中にも」

春「やっぱいるんじゃない? 男はみんな多少なりともね」

若「ああ、でも、いると思う。嫉妬深かったりするし」

春「ああ、はいはいはいはいはいはい」

若「ちょっぴり弱虫だったりするし」

春「ハハハハ(笑)」

若「笑ってんじゃないぞ(笑)。ははははは(笑)」

春「そうね。ふとした時に泣いちゃったりとか、そういうの言ってたけど」

若「ふかわさん言ってた。10年たつとすぐ泣いちゃう(笑)」

春「泣いちゃう(笑)。それはやっぱり女性的な部分。考えようだけどね。ふかわさんの話聞いて、自分に置きかえたというか、振り返ってみると、そういう部分もあるし、中学生、高校生ぐらいの春日も、あの時の春日もさ」

若「はあ、高校生の時の」

春「やっぱりいたりもするしさ」

若「小学4年生の男の子は、いるはいるよ、やっぱり」

春「ああ、そう。それはどういう時にわかるのよ」

若「なんか、おしっこひっかけてやろうかなとか思うんだよね。ちょっと腹立つとさ、本当の怖い男の人は、ぶっ飛ばしてやるとか思うと思うんだけど、ションベン引っかけてやろうかなとか思う時に、なんか、ちょっと幼いんだろうなって思う時があって」

春「なるほど。いたずらじゃないけど、ちょっとしたね」

若「そうそうそうそう。なんか、ランドセル、本当は背負ってテレビ局入りたいのよ。だけど、ちょっとやっぱりキャラになっちゃうっていうか」

春「いや、そうだね。シノラーじゃねぇんだからさ、今さらね」

若「うん、まあねぇ。いるかもしれないけどね、心の中のシノラーが」

春「ハハハハハ(笑)シノラーが」

若「クルクルだっけ?グルグルだっけ?」

春「クルクル~じゃない?」

若「クルクル~とか、まあ、言ってる時あるしね。リングとかいっぱい手首に付けてる時あるし」

春「ああ、じゃあ、シノラーだね。ランドセル背負って」

若「ふふふははは(笑)」

春「クルクル~なんつって」

若「グルグル~」

春「クルクル~グルグル~なんて言って」

 

若「結構ヒルナンデスの生放送の中でね、今週のヒルナンデスでは筋肉ドライバー、通称筋ドラ?かけさせてもらったけど」

春「あんま言わない筋ドラって」

若「あの時には小4の俺がやってんだよね」

春「ああ、確かにそうかもね。急に出てくるところあるんじゃない? 南原さんも不思議がってたけどね」

若「なんて?」

春「不思議な顔してたよ」

若「筋ドラかけてる時?」

春「おい、どうした?どうした?みたいな(笑)」

若「だって、あれ、逆さの文字を見るやつだから、理由はあるじゃない」

春「ま、そうだけど」

若「俺がそうなったから? 俺がテンション高いからかな」

春「若林さんもそうだし、私もかけられたままだし(笑)。あそこだけ、ポン!と浮いてるような感じ(笑)」

若「いや、スベってんだよ!」

春「お客さんも笑ってねぇーし」

若「生でスベってんだよ」

春「そこそこの長い時間やってたからね」

若「ふはははは(笑)ああいう時はさ、どう思ってんの?筋肉ドライバーかけられてウケてないわけじゃん。生放送でヒルナンデス。心の中は、それは、おばさん、ミドリはなんつってんの?(笑)」

春「ミドリは、距離とって、そこはほんとに、お母さんみたいな目線で「またぁ、しょうがないね」みたいな」

若「ふはははは(笑)」

春「「またやってるよ」みたいな」

若「ミドリが?」

春「うん」

若「しょうがないわねぇ」

春「「んとに、くだらない、しょうがないわね、何が面白いんだか」みたいな、やっぱあるよ」

若「お前の母ちゃんじゃねぇーか!それ。静江じゃないでしょ?それ」

春「静江ではないんだよね。静江に似てる部分あるけどね」

若「春日の中のミドリが「何してんのよ」」

春「「何してんだ、しょうがないね」なんつって」

若「それは春日が答えるんだ、それに対しては」

春「答えるというか、まあ、そうだね。受け手は春日だけど、でも、春日は別に動かないよね。ミドリがそう言ってたところで、「まあね」みたいな(笑)感じだから。対処しないじゃん、あの時だって別に」

若「動かないもんね(笑)。若林さんがやりたいみたいよ、みたいな」

春「そうなっちゃってるからしょうがない。何か取り返そうとしないもんね。ハハハ(笑)ああいう空気になっても」

若「俺は筋肉ドライバー、ヒルナンデスでかけてるときは、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へって感じ」

春「それ何(笑)。それ小4でいいの?」

若「小4の俺が、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ、へ」

春「いや、ちょっとわかんない。それはよくわかんないけどね(笑)」

若「いや、小4てこうだから」

春「うん、まあ、まあ、うん、まあ」

若「小4て今みたいな感じじゃないの?」

春「まあ、そうかも、そうかもね。あんま理屈じゃないよね」

若「小4がほら、給食のワゴンとか全速力でバーッと押して、ガッシャーン!とかなって、押してる時とか、へ、へ、へ、へ、へ、へ」

春「ああ、そうだね。とにかく廊下をスライディングしてるとかね(笑)。ずっとスライディングしてたわ。ジャージ、下穿いてたから。小4の時。でも、大体みんな膝が溶けてるっていうね」

若「あの、ツルツルしたやつね?」

春「ジャージのツルツルした(笑)。とにかく」

若「ヒルナンデスで椅子が壊れた時とかも、やっぱ小4のへ、へ、へ、へ、あ、あ、そうだ、やべぇ、やべぇっていう感じだから。はははは(笑)」

春「ああ、でも、そうかもね」

若「小4でしょう?(笑)」

春「うーん、小4だねぇ」

若「同い年でやってる人っているのかな、自分を」

春「ちょうど?」

若「自分を同い年でやってる人」

春「同い年だし、その人そのものみたいな?」

若「だって俺、美輪明宏さんに、初対面の時「あなた8歳?」って聞かれた」

春「ウソでしょ?(笑)」

若「いや、これ、ほんとマジだよ」

春「ほんとに?凄いな。凄いね、美輪さんね。小4じゃん」

若「初対面の時、31~32だったけど」

春「小3?小4ぐらいだよね?小2? いや(笑)小2だって、8歳だと。小4よりも下じゃん」

若「あはははは(笑)」

春「ちょっとかっこつけた。小4て言って。ダメだ、かっこつけちゃ」

若「2つ上に言ったけど(笑)」

春「小2だよ(笑)」

若「したらさ、「あなた8歳?」って聞かれて「いや、32です」みたいに答えたの。したら美輪さんが、「8歳の男の子が鉄人28号を操縦してるみたいね、あなたたちって」って言われたの」

春「はあ。えっ?それどういうこと?鉄人28号は私ってこと?」

若「そう、そう。お前はだから別に人間じゃないの。ミドリとか言ってるけど、お前、俺の2歳分かっこつけてんだよ。お前は鉄人28号で、AIだから、お前は」

春「28号か。ちょっとよくなってるね」

若「ロボットだね」

春「鉄人28号はレバーが2つしかないからね、あれ。ハハハハハ(笑)あ、そういうコンビなんだねぇ」

若「鉄人28号が、8歳の男の子が操縦してるみたい」

春「ああ、でも、それはそうかもしれない。だって、鉄人、自分の意思はないわけだからね」

若「意思ないの?お前」

春「意思ないよ。だから、いろんな、東大受験とかさ、ハッハハ(笑)フィンとかボディビルとかになってるから」

若「でも、それは俺別に操縦してない。お前が勝手に暴走して、コンピュータ、エラーして」

春「操縦のやつDちゃんとかに渡してない?」

若「渡してない(笑)」

春「体育会TVとか、いろんなところに渡してるでしょ?」

若「でも、テレビに出始めてから、いろんな奴がリモコン持ってるよ」

春「いや、そうでしょう!」

若「はははは(笑)お前の。混線しちゃって、エアロビとか東大受験とか漫才になって、なんかがんじがらめにして、全部失敗してるみたいな感じ(笑)」

春「失敗してないわ!いい方向に行ってると思ってる。私はね。鉄人は思ってるよ」

若「はははは(笑)鉄人は、鉄人は思うのね?」

春「鉄人は」

若「鉄人28号があるじゃん。ロボットが。ミドリはどこにいんのよ?その28号の中にいるわけ?コックピットにいるわけ?」

春「コックピットにはいない。だって、それはメインみたいになっちゃうからね」

若「俺はリモコンで動かしてんだもんね」

春「まあ、そうだね。だから、へその下ぐらいじゃない?」

若「ミドリがいるんだ。あの中に」

春「中に。がらんどうのイメージね。中、がらんどう。胴体は。だから、へその下ぐらいにいて、「まーたー」みたいなことを胴体で言って(笑)、胴体の中で響いてる、みたいなね」

若「ああ」

春「メインではないよ、もちろん。メインは何もないんだから(笑)。メインは電波を受けるところ、みたいな、アンテナみたい」

若「ロボットだからね」

春「そうよ。ミドリだけが胴体のところに」

若「混線して、ってことだね?」

春「そうね。だから、どっかでリモコンが動かされると、ゴォーーーッて、そっちに急に(笑)」

若「はははは(笑)」

春「汐留方面に飛んでったりとか、赤坂方面に飛んでったりとか。フフフ(笑)」

若「お前、電車で通ってるだろう?」

若・春「はははは(笑)」

春「いろいろするんじゃない?」

若「夜さ、エロパソやってる時はさ、鉄人28号、ミドリがやってんの?」

春「ミドリはやってない。だって女性だから。そこでようやく出てくるんじゃない?」

若「誰が?」

春「私が」

若「春日が。それはもう春日が?」

春「春日が。その時だけが本当の自分。まっさらな飾りっ気のない本当の(笑)」

若「寂しいよ。話が寂しい」

春「全部終わったら、ずっと隠れてて、騒動を。昼間の騒動をずっと見てて(笑)」

若「じゃあ、鉄人28号の中でもないし、かなり離れてんだね?」

春「離れてんだよね」

若「でもお前なんだよね?」

春「うん。だけど、鉄人28号が見えるところにいるの。でけぇじゃん。だから、見える、目の届く範囲にはいるけど、こうやって見てんだよ、たぶんね」

若「じゃ、お前がむつみ荘のノブを握り、玄関を開けて、靴脱いだぐらいで本来の春日とスーッとフィットするんだ」

春「ああ、そうかもね。だから、あのむつみ荘のドアが、ちょっとごっちゃごちゃになるけど、アニメが違うけどさ、鉄人28号がでかいまま帰ってくるじゃん。あそこがガリバートンネルみたいな感じで」

若「ああ、縮小して」

春「シューンて春日。裸だよ、イメージとしてはね。素っ裸の春日が帰ってきて、パソコンの前に座って、で、また出ていく時は鉄人28号にワーッとでかくなって出てく、みたいな(笑)」

若「でも、春日がやってることって、結構きつめだね」

春「まあ、そうだね」

若「自分磨きになってくるもんね」

春「まあ、磨くためだけに本体に戻る、みたいなことなんじゃないのかね」

 

 鉄人28号

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両方ある

 

伊集院光とらじおと 2018年3月14日

 

安田美香「本日のゲスト、きたやまおさむさんは、1946年、兵庫県淡路島生まれの現在71歳。京都府立医科大学在学中に加藤和彦さんの呼びかけで「ザ・フォーク・クルセダーズ」を結成。解散を記念して300枚制作した自主制作アルバムに収録されていた『帰って来たヨッパライ』『イムジン河』が関西のラジオでオンエアされると、人気に火がつき、1年間限定でメジャーで活動しました。

一方、1968年の解散後、大学院に進学したきたやまさんは、作詞家として『戦争を知らない子供たち』『あの素晴らしい愛をもう一度』、ベッツイ&クリスの『白い色は恋人の色』、堺正章さんの『さらば恋人』などの名曲を生み出しました。

また、精神科医としては、クリニックを開業し、大学の教授や副学長などを歴任。多くの著書を執筆してきました。精神科医で現在もミュージシャンとして活動する作詞家のきたやまおさむさんが本日のゲストです」

 

伊集院光「番組冒頭から盛り上がったんですけど、アシスタントの安田も僕も、教科書で、それこそ数々の、『あの素晴らしい愛をもう一度』と、僕の時は『風』を知った世代で、後から『帰って来たヨッパライ』も同じ人という」

安田「びっくりしました(笑)」

伊集院「びっくりするっていう(笑)」

きたやまおさむ「そうですね。私もちょっとおかしいんじゃないかと思うぐらい、まとまりがないんですよね。でも、それがありがたい。自分の精神衛生にはいいんじゃないかなと思ってます。ジャンルこだわらないでいいでしょう。生きるの死ぬのとか、愛や恋や友情やら何歌ってもいいっていうのがフォークソングだったと思うのでね、僕たちの。だから、あれを喋らなきゃいけない、この歌を書かなきゃいけないという期待に応えなくてもいいっていうのがありがたかったですね」

 

伊集院「『継続が力』という言葉があったりとか、それでも歯食いしばってやってるうちに何か見えてくるよ、みたいな世代もいるし、もしかして、そういう生き方で今頑張れている人もいるじゃないですか。でも、それって全員に当てはまらないじゃないですか。

僕、高校やめたんですけど、やめてよかったです。もっと言うと、一旦休学して落語家になって、落語家が動き始めてやめてるんですけど、それ、すごい卑怯なことだと最初思ったんです。でも、僕、それでよかったって今は思えるんですね」

きたやま「だから、そういう幸せですよね。皆さん、多くの悩んでおられる方が、この列車に乗り遅れたら、もう二度と列車はやってこないと思ってる。だから、必死になって、この列車に乗ろうとして、あれだけ満員の列車になっちゃうわけでしょう。でも、大抵1時間ずらしたらまた来るんだよ、電車。これ知らない、みんな。知らないんだよね。1年たったらまた同じ春が巡ってくるの。でもね、今のこの目の前の電車に乗り遅れたら最後、もう人生全部乗り遅れてることになるというふうに思いがちですよね。

だから、電車は何度も待ってるとまた来るというのを信じることができたらば、待てます。待てます。それで、来ます。

1960年代の青春は、それが確実にあった。だから、ドロップインしてドロップアウトと言っていたんですけど、この頃の若い人たちはやめられない。降りれない」

伊集院「降りれないですよ。だから、芸能人が不倫会見一発で終わるじゃないですか。次の電車が来ないわけですよ。この会社やめたら、次の電車来ないっていう例を見ちゃうから、そうすると、やっぱり怖くてしょうがないし。

もっと言うと、僕なんかはえらい後ろ向きの考え方だから、次の電車が来て、そこそこ乗り心地がよくても、前の電車に乗ってたら、もっといいことがあったんじゃないかっていうことで、この電車は楽しめなかったりするんですよ。何ですかね、これは」

きたやま「悩ましいね」

伊集院「ゲストを迎えているというよりも、カウンセリングを受けている感じになってきちゃうんだけど」

きたやま「もうちょっとそれは別室で個人的にお話を伺わないと」

伊集院(笑)

きたやま「それはすごく大事なこと。これは一般論として話をしているだけであって、個別の方はまた特殊な事情がありますよ。今日は列車の話をしたけど、それは、ひょっとしたら別の話、会社の話かもしれないよね。だから、それは、ちょっと個人的にお目にかかってお話を伺いたいと思いますが」

伊集院「でも、表現がとても助けられるところは、逆に僕、普通に精神科の扉をノックするのは勇気が要ってできないんだと思うんです。だけど、ラジオだと喋れるっていう、普通の人とちょっと逆なところがあったりとかしておもしろいんですけど」

 

伊集院「自分の若い頃書いた歌詞を見て感じること。今、71歳から見て感じることって何ですか?」

きたやま「僕はね、今、一番感じるのは、一時期、やっぱり恥ずかしかったですよね。若いなあというのを見て。だって、青空が好きで、花びらが好きで、いつでも笑顔の素敵な人なら、誰でも一緒に歩いていこうよ、とかって『戦争を知らない子どもたち』で歌うわけだ。

当時、フラワーチルドレンというのがあって、「花」というのは「平和」ということを意味してたのね。でも、今、もう一遍そういうことを考えて、その歌をみると、やっぱり今でも変わらないんだよ。ただ「花」とは言わないだけだよね。今は「平和」と言ったり、今は、心が安寧というか、落ち着いてのんびりできることを「花」と言っていたんだなと思って読めば、ああ、僕はあまり変わらない。考え方は。

やっぱり苦労するよりも楽するほうがいいし、楽しいことも大事で苦しみがあるんだっていう、その人生観、両方だっていう。

「どちらか」と考える人がいる。英語で言うと“either or”という、どちらか選べ。でもね、僕ね、“both”、両方同時にあると思うんだよ、いつも。裏もあれば表もある。いいこともあれば悪いこともある。

だから、みんな悩み過ぎてるのは、この道、どっちかというふうに思うからでしょう。両方行けばいいじゃない。自分が人生を送ってみて、それは、大したできなかったけど、二兎を追うもの三兎でも四兎でもつかまえればいいと思うんだよ。だめかもしれないけど」

きたやま「一個だけ確実なことは、人生は1回だよ。命は一個しかない。これだけは確実ですね。一つしかないんだよね。これ、いろいろな意味で使っていこうよという提案だったなあ」

 

伊集院「古くなることで、1機種型落ちって、すごいボロい気がするじゃないですか。5年前のギャグ、まあ、つまんないんですよ。だけど、それってえらく長くかかると、いろんなもの削ぎ落とされて、ちょっと、あれ?もともと発した意味と違ったり、逆に言うと、芯のとこで全く一緒だったりとかしておもしろいと思ったのは、今回、ゲストをお迎えするのに、新しいアルバムの、2013年のアルバムの『若い加藤和彦のように』という曲を聴いて、すごい僕思ったことなんですけど、これ、加藤和彦って知らない人にも響くっていう。一緒に20代の若手芸人、加藤和彦わからないんですよ。申しわけないことに。なのに、匿名の人としてかっこいいんです」

きたやま「ああ」

伊集院「某加藤としてかっこよくて。「じゃ、加藤和彦ってどんな人だと思う?」って聞いたら、「たぶん革命戦士みたいな人だと思う」って。そいつ、アニメが好きだから。「立ち上がって、真ん中で、おそらく明るくて」。そいつの言い方ですよ。全然答えを言わないまま。「明るくて、腕力は強くはないんだけど、それでも先頭を切って行く人だと思う」って。すごくないですか?なんか。だって加藤和彦を知らないんですよ。全く。こういうことって、とても不思議で美しいことだと僕は思う」

きたやま「なるほど。僕はリアルな加藤和彦っていうのを知ってますからね。だから、ちょっと今そういうふうに言われると、いや、こんな弱い面があった。腰砕けで、野球場に連れてったら、「後ろから見られてることが嫌だ」なんて言ってた奴なんです」

伊集院「そうなんですか?(笑)」

きたやま「そうですよ。で、ペットロスに悩んでましたね。そして、新しい作品が生まれないということに悩んだりね。そういう形の人ですよ。戦っているイメージは実はないんですよね。でも、本人としては戦ってましたね。私にとっては、「お前逃げてるじゃないか」と言いたかったけど、戦ってたね。でも、そう言われたら。外から見ると「革命戦士」。うん、なるほどなあ。

というのは、同じ曲を同じアレンジやるのが嫌いだったんです。だから、『帰って来たヨッパライ』をボサノバでやったりね。そんなもの誰も望んでないよ。『帰って来たヨッパライ』をボサノバでやってどうするんだよ。でも、それやったりして楽しんでました。だから、そういうところがあるんで。僕に言わせれば、同じ曲を、同じアレンジで、同じふうに歌ってほしいわけだよ。多くのファンは」

伊集院「まあ、そうですね」

きたやま「それをやらないんだよね」

伊集院「でも、それでクヨクヨするんですか」

きたやま「だから、「新しいものが評価されない」って言うのね。そんなものは、だんだん年老いてくるわけだよ、ファンは。でも、それに応えることに意味を感じない。だから、むしろ新しいお客さん、新しい曲で、新しいやり方でっていうことをずっと考え続けた人です。だから、それは“戦い”ですよね」

伊集院「そうですね。それもまた感心するのは、きたやまさんが「その考え方違うんだよ!」って突っぱねじゃないですか。もう一回フィードバックしてみると、そうでもあると、今、おっしゃるじゃないですか」

きたやま「まあ、だから、それもあってもいいと思う」

伊集院「それが凄いと思う。俺、その若い奴、とんちんかんに聴いてんなっていう話で切り捨てる先輩方のほうが多いと思うんですけど、それをもう一回フィードバックなさるじゃないですか。それはそれで、そういう面があったかもって、凄いなと思うんですよね」

きたやま「まあまあ、でも、そういうふうに申し上げているのは、さっき言ったように、あれかこれかじゃないんだよ。両方あるんだよ」

伊集院「強くて弱い」

きたやま「そうだよ。みんなヒラリーに入れるって言いながらトランプに入れるんだよ。だから、そういう奴らは結構いるんだよ。両方であるくせに片方しか言わない。でもね、現実はやっぱり両方なんだよ。あれもこれもなんだよ。あれとかこれとかあるんだよ。いろいろ」

伊集院「うわあ」

きたやま「やっぱりそれは自分の考え方がわかられないとか、お前の言っていること、わけわかんないとかって言われている人たちを相手にしてるわけでしょう、僕らは。そういう方々のことを考えると、そういう考え方もあっていいんだって言ってもらえないと」

伊集院「だから、健全なのは、1票入れたのはこっちだけど、だけど、この人の言ってることのここは違ってるし、しっくりこないし、逆側の一番嫌いな奴だけど、この部分に関しては合ってる、みたいな、そういうことですよね、おそらく」

きたやま「おっしゃるとおりです」

 

伊集院「CMの間も『コブのない駱駝』という歌が、最初聴いた時に、コブのない駱駝は楽だからいいな、みたいな、ダジャレか?と思ったんですけど、聴くと、沁みますよね」

きたやま「沁みますか? 僕、あのタイトルで伝記を書いたことがあるんですよ。今から2年前に『コブのない駱駝』という伝記が出ているんですけど、これのタイトルにしたぐらい、あれが僕の代表作というか、僕の人生です」

伊集院「何歳ぐらいの時に作られている曲ですか?」

きたやま「23歳か24歳だと思いますけど、自分てコブのない駱駝みたいで、みんなは「駱駝だったらコブがあるだろう」とかってみんなに言われるんだけど、実はコブがない駱駝もいるんだって。それはあなたの思い込みだって。駱駝がコブとあると思い込んでいるのは。だってコブのないほうが楽だよ、みたいな。なんやそれ?みたいな。これ好きなんですよ(笑)」

伊集院「しかも、奴、コンプレックスに思っているし、周りの奴はどう思っているかわかんないけど、楽だろうって言ってるのを、おそらくコンプレックスある人間はバカにされていると思うかもしれないけど、あの歌で「馬なんだぜ」って言ってくれるじゃないですか」

きたやま「本当は馬なんだよとか、馬なんだからコブがなくたっていいじゃないか。馬だったらいいだろう、みたいな対話になっていく歌なんですけど」

伊集院「すっごい哲学的」

きたやま「でも、それは、人っていうのは、男か女かどっちなんだってはっきりしろって迫ってくるのよ。社会というのは。大人か子供かはっきりしろって。でも、本当はみんな子供でありながら大人だったり、男でありながら女みたいな要素を持ってるんだよ。これを切り取って、削って出しちゃいけないと思ってるから苦しくなる。まあ、そういうようなことが僕が若い時にずっとあったんだよね、きっと。それでああいう歌になりました」

 

(エンディング)

伊集院「『コブのない駱駝』の歌がとてもよくて、アラビアに“コブのない駱駝”と“鼻の短い象”と“立って歩く豚”がいました。コブのない駱駝は、自分がどんなに醜いとコンプレックスで、周りの人間は「コブのない駱駝は楽だ」って言うと。でも、神様が「お前は馬だ」ってある日言う、みたいな話で。

最後、「“立って歩く豚”っていうのは人だよ」って言われる歌なんだけど、それがまた、わりとおもしろ調子なんだよね。わりと、すごい架空のアラビアっぽい感じの軽い歌なんだよね。だからこそちょっと響いたりとか。

あと、途中も出てきた『若い加藤和彦のように』っていう歌もまたいいんで、よかったら機会あったら聴いてみてください」

 

戦争を知らない子供たち

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白い色は恋人の色

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さらば恋人

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あの素晴らしい愛をもう一度

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帰って来たヨッパライ

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帰って来たヨッパライ(ボサノバ調)

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コブのない駱駝

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若い加藤和彦のように

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イムジン河

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悲しくてやりきれない

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