中川家×宮下草薙

 

中川家 DAYS 2019年9月24日

 

 

東島アナ:(プロフィール紹介)宮下兼史鷹さんと草薙航基さんからなる(剛:ケンショウ?)お笑い第7世代のコンビ、宮下草薙。2人とも太田プロのお笑い養成所のご出身で、2016年にコンビを結成。そして、2018年1月1日のぐるない「おもしろ荘」でテレビ初出演し、注目を集め、現在さまざまな番組からのオファーが絶えない人気コンビです。

 

宮下兼史鷹の史は「知識」、鷹は「強く逞しく」、それを兼ね備えているという意味。\笑/

弟の名前は史久将(シグマ)。史久将の意味は聞いたことがない。

父は地下格闘家。50歳。群馬と秋田の統一王者。

母は元キャバ嬢。源氏名はルナ。

 

草薙君の家は普通の家。両親は共働き。弟はジャカルタでジャーナリストをやっている。

 

芸人になろうと思ったきっかけは、宮下君はバカ殿を見て、バカ殿になりたいと思っていたが、あれは芸人というお仕事だと知って、そこから。草薙君は、ヘキサゴンを見ていたら、島田紳介が「ひな壇にいる方たち、普通の社会で働いていたら何の役にも立たへんけど、こういうところだったら一発逆転あんねん。テレビの前で悩んでるお前らもここ来たらなれるかもよ」みたいなのを聞いて、ハッとその気になってNSCを受けたが落とされた。

 

剛:なんか喧嘩したんでしょ?礼二君と。なんかあったん?

草薙:礼二さんがちょっと怖かった時に…怖かった時って言ったら僕もあれかな。(笑)でも、これ、ネットニュースとかにもなってしまったんですよ。

礼二:そうなの、これがほんまに。パワハラや言われたやんで、俺。

剛:えっ?お笑いの世界にパワハラ、セクハラあんの?

礼二:そうよ。いわゆる、言うたら、お笑いの中での、草薙君がこういうキャラクターやし、僕がドッと、ガッと叫べば何か生まれるかなと思って俺も仕掛けたわけ。これは犬プロレスですよ。やろうとしてたのに、視聴者の一部がやね、なんや、あれはパワハラだ!みたいな。

剛:あららららら。

礼二:礼二は老害だ、みたいなことを。なんで俺がそこまで言われなあかん。それも全部コイツのせい!

草薙:あーすいません。それはでも、そうなんです。僕もライブの出待ちで中川家さんのファンがいらっしゃって、中川家さんはこんなにすごい人なんだってM-1グランプリ2001のDVDもらって、さすがにこれは見たことある(笑)。

剛:それはそれでごめんね。

礼二:それはそれでな。ごめん、謝っとくわ。それはそれで申しわけないんやけど。

剛:そんなん言い出したら、ツッコミの兼史鷹君はパワハラやで。ずっとツッコンでるからな。

宮下:ツッコミなんてパワハラみたいなもんですね、そうなっちゃうと。

 

礼二:(草薙君のほうが忙しい)今の状況どう?

剛:2人でやりた(く)ない?

草薙:僕は2人でやりたいですけど。

 

礼二:忙しい草薙君をどう見てんの?宮下君は。

宮下:僕はそもそもピンでやったんですよ。ずっとピンでやってて、草薙が別のコンビ組んで、それで解散しちゃったんです。芸人を辞めそうな空気があったんです。僕はずっと面白いなと思ってて、もったいないと思ってコンビ組んだんで、正直、草薙が1人で売れてるみたいな状況も、僕的にはそこまで苦ではないというか、これを売るためにコンビ組んだんで。

草薙:ほんと感謝してますね。僕、お酒をすごく飲んでしまって、ワーッてなっちゃってたんですね、ずっと。その頃、『おもしろ荘』受かったっていうのも、僕、朝起きたら、公園の端っこの草むらでワインボトル握って寝てて、ブーブーって音するなって見たら、枕元(頭の上)にケータイ落ちてたんですよ。何だ?と思って(たら)、自分のケータイで、出たら、宮下から「おもしろ荘受かったぞ」ってかかってくるぐらい。それぐらい人としてよくない感じの中を救ってくれたというか。

礼二:意外とそんな人間なの?草薙。

宮下:結構だらしないです。

礼二:外で寝てたんやろ?今のも。

草薙:はい。外で。

剛:枕元ってどういうこと?

草薙:頭の上っていう。

宮下:それを枕元って言っちゃった。

剛:枕あるみたいに聞こえたから。

草薙:ムズい!ムズい!ムズい!\笑/

宮下:こっちが難しかった。シチュエーションがどれかな?って今。

礼二:そうそう。一瞬ちょっとね、聴いてる人もごちゃっとなったから。

草薙:なりましたか。

宮下:ラジオだしさ、耳で聴いてるから。

草薙:わかった、わかった!お前は味方であってくれ!(笑)宮下は味方でいて(笑)

 

礼二:何がそんなにだらしなかったの?

宮下:ほんとにもう部屋がそもそもごみ屋敷みたいな。ペットボトルが尋常じゃない量なんですよ。部屋から出てくるときに2~3本連れてくるんです、ペットボトル。ガラガラガラ! それをバーッとしまって出て、みたいな。

草薙:ペットボトルの捨て方がわからなくて。あれが難しい。工程が4つぐらいあるんで。家に1000本ぐらい床に。それを宮下が部屋来て、一緒に中洗って捨ててくれて。

礼二:ほな、ペットボトルの上に寝てるようなもんや、今。

草薙:ロフトに僕寝てるんで。

礼二:ロフトかい!

草薙:すいません。いやちょっと、そうですね、ロフト…だったしな。

礼二:いや、いいよ。ロフトでもいいけどね、別に。

剛:目覚めたらペットボトルがワーッとあんねやろ?

草薙:はい、ありますね。枕元とかに。

剛:お、いいね。(笑)

礼二:いや、いいねじゃない。

宮下:よかったんですか?今。

草薙:合ってるのか…

剛:合ってる、合ってる。いいね。枕元に。

ほな、宮下君に救われてる部分はあるんや。

草薙:ほんと救われて。

剛:表に出してくれたってことやね。

草薙:はい。

宮下:と思うんですけどね、あんま語ってくれないというかね。恥ずかしいみたいで。

礼二:何が恥ずかしい。

草薙:語ってますよ。

宮下:語ってる?

 

礼二:今、彼女とかは?

草薙:いないです、僕。

礼二:彼女とか欲しいって思うの?

草薙:いや、あんまり、ないですね、この…。

宮下:女性関係の質問が本当に苦手。

礼二:珍しい。

 

アパートの101号室と103号室に住む宮下君と草薙君。

剛:仲ええねやな。

礼二:仲ええねやな。

草薙:そうですね。宮下がいつでもネタ合わせできるようにっていうので。

剛:なるほど!

草薙:だから、深夜3時とかにコンコンコンて。チャイムがないんで、ノックしてきて、めちゃめちゃ怖いじゃないですか。深夜3時に。えっ?と思って耳すましたら、ドアの向こうから「合わせよう」って宮下が(笑)。あ、宮下かと思って(笑)。夜遅くとかに結構来るんで。

宮下:これ、結構データに基づいてるんです。ネタ合わせする時に、多少のストレスを与えると、人は脳みそがよく回転するんです。

礼二:はあ。

宮下:これを利用して、夜中にあえてネタ合わせをすると、翌日のパフォーマンスレベルがグンと上がるんです。

剛:なるほど。

礼二:えー?

草薙:コイツ、こういうの好きなんですよ。

剛:俺もそういうの好きやわ。だから、あえて緊張感作るのよね、ネタ合わせの時に。

宮下:あえてちょっとストレスを与えるっていう。

礼二:与えると、本番になったらいいパフォーマンスが。

宮下:本番で強いんで。

剛:わかるわぁ。

礼二:わからんでもない、それ。

草薙:ただ、たまに与え過ぎて「ワーッ!」ってなって僕逃げる時が(笑)。

宮下:癇癪起こしやすいんで、ちょっとさじ加減が難しいんですけど。

剛:しんどい練習すればするほど、本番はいいパフォーマンスできるからね。

礼二:まあね。

剛:その練習を語る奴が多いから、今。それを語ると終わりやねん。歌も、歌詞を語り出したら終わりやねん。

礼二:ちょっと黙っといてくれ(笑)。

宮下・草薙:ハハハハ

剛:わかるわ。

宮下:ありがとうございます。

礼二:宮下はそういうの語れへんやん、別に。

宮下:語れへんからカッコいいやんか。

礼二:ネタ合わせの時はこうしますっていうことや。

宮下:はい、そうです。

剛:それついていけてんねんや。

礼二:今んとこ。

草薙:はい、今んとこ。

 

剛:喧嘩せぇへんの?

宮下:喧嘩はでもしょっちゅうします。

礼二:どういう喧嘩なの?

宮下:草薙が癇癪を起こすんで、草薙きっかけで爆発して、みたいな。僕は終始こんな感じなんで。

礼二:冷静なんやね、意外とね。

宮下:結構冷静です。

剛:冷静に見て、ここはこう言うたほうがいいんじゃない?みたいな。

礼二:とうなの?草薙、そのへん。

草薙:正論ですごく詰めてくるんで、一番キツいです。

宮下:ハハハ

草薙:それは合ってるけど、言わないでいいじゃんていうのが(笑)。

剛:言わないでいいじゃんてね、言わんとわからへんもねんね。今のうちにね。

宮下:そうですね。わかってくれてないのかなと思って言っちゃうんで。

剛:こっから10年、20年たつと、もう言いづらくなってくるから、コンビ組みたてにガーッと言うといたほうがいいよ。

礼二:それ、どういうことを言われるの?

草薙:毎回番組を僕が収録が終わると、1人のやつとか、まず宮下に僕電話して、アンケートとかを一緒に書いてくれてるので、どうだった?みたいなこと、どのエピソードした?みたいな。あ、こういう話しました、こういう話しましたって。あ、そこはカット候補だな、みたいなのを宮下に言われて(笑)。僕頑張ってやって、疲れて、でも電話かけてきて、そんな強く言わなくていいじゃんていう、頑張ったのに…

礼二:頑張ったのにダメ出しすんなよと。

剛:それは草薙君のためを思っていってくれてんちゃう? 偉いやん。偉い相方やでぇ。

礼二:ええ相方ちゃう?

草薙:いや、そう…

剛:そんなん知らんがな、言われたらどうする?

草薙:でも、宮下は、やんないです、自分のことを。

礼二:どういうことや?

草薙:ロケ決まって、ロケの練習を宮下がやろうって言って。

礼二:ロケの練習?

宮下:ロケ1回もやったことない状況。それこそフリーの時ぐらい。

草薙:僕、5年ぐらい住んでる近所を初見みたいな感じで歩かされて。(笑)学生とかが多いですね、みたいな、僕が言うと。

宮下:聞きたくないから、お前からそんなこと。

草薙:聞きたくない、みたいな。で、僕が歩いてたら、「それ、早過ぎるよ。カメラさんついてこれないから」みたいなので怒られて。本番になったら、ロケって回すのが宮下なんで、宮下、自分の練習して…

宮下:いざ本番になったら、僕、自分のシミュレーションするの忘れてて、真っ白になって。(笑)あ、そうだ、俺もプレイヤーだったんだと思って。

草薙:僕も歩いてたら歩いてたで、カメラさんが「もうちょっと早く歩いてください。大丈夫ですよ」って全部違ってるんですよ。

礼二:練習どおりじゃないねや。

宮下:そうなんです。そういうこともあるんですけどね。

 

剛:でも、宮下君がおらんかったらアレちゃう? はめが外れて、わけわからん方向行ってしまうんちゃう?

草薙:そうかもしんないですね。

礼二:本番前に、前の向かいの前室みたいなとこで、マネージャーさん。

剛:マネージャーさんですか?

礼二:俺、びっくりしたもん。今日、どっちかのお母さん連れてきはった。

宮下:ハハハ

礼二:なんかね、雰囲気があったかかったの。

草薙:マネージャーさんは本当に優しくて、僕らがいつミスしてもいいように、すぐ謝れるように、真っ黒な服を毎回着てきて。

一同:(笑)

宮下:謝罪前提で。

草薙:大事な仕事で、生放送で。

礼二:謝るようなことないですよ。

剛:お笑いに謝るもクソもない。

礼二:優しいねぇ。

剛:あ、もしかして、髪の毛切りに行くのも予約入れてくれる。

宮下:ああ、そうです。

草薙:そうですね。マネージャー。

剛:どんだけ優しいねんな。

宮下:仕事のスケジュールと一緒に、ごみを捨てる日とかも書いてあるんです。

剛:すごい!

草薙:ペットボトルもマネージャーさんと宮下と。

礼二:3人でやって。

剛:よかったなぁ。救われた感じ。

 

剛:今年はあれですか?M-1は。

宮下:去年か3回戦で僕ら落ちちゃったんで、M-1に対する自信がそこまで今ないんですけど。

礼二:いや、大丈夫ちゃう?それは。

宮下:まぁ、でも、去年よりネタは仕上がってるんで。

礼二:ええやんか。

宮下:イケたらなと。

草薙:どれ? どれのことですか?\笑/

宮下:言っちゃっていい?

草薙:あ、言わないで!

宮下:言っちゃっていい?

草薙:言わないで!

 

(CM)

 

礼二:CM中もずっと地下格闘家に興味もって。

宮下・草薙:ハハハハ

剛:興味あるわ、ほんまに。だって51歳でしょう?

宮下:はい。51ぐらいですかね。

剛:戦ってる。切ないやないやん。そんなお父さんが。

宮下:でも、最近はでかい大会に出てなくて、休日に後輩を集めてやってます。\笑/

草薙:ハハハ 練習をね。いつでも本番が迎えれるように。

宮下:仕上げて。いつでも。

草薙:急にだとやっぱケガしちゃうし。

礼二:ケガしちゃうから、やっぱ練習して。

宮下:そうですね。

礼二:その後輩何人ぐらいが「もうええやろ、この練習」と思ってる。

草薙・宮下:ハハハハ

剛:「宮下さんが言ってっからさぁ」

礼二:「ええっ?また言ってんの?」とか言われてる。

 

礼二:さっきもチラッとM-1という話もね。

剛:いやぁ、いってほしいなぁ。

礼二:いってほしいね、ほんまね。この勢いに乗って。

宮下:ほんとに中川家さんのめちゃめちゃ見てますから。2001。

剛:俺らもたまたまやから。

礼二:たまたま。俺らのはもう古いわ。やっぱり2005年以降ぐらい見とかんとね。見るんやったら。ほんまに。何?草薙なんか。

草薙:俺、2001のをもらったんで、あればっかめちゃめちゃ見てるんですよ(笑)。

礼二:お前、めっちゃ笑ろとるやないか!バカにしてお前。バカにして笑ろとんのや。

剛:あそこから18年たってるから、なんにも参考にならん。

宮下:18年前であれすごい。今、見てすごいおもしろいです。

剛:いやいや、全然全然。

礼二:お前、うちのおやじそっくりや、その言い方。

草薙・宮下:ハハハハ

剛:全然全然。

礼二:謙遜の仕方がそっくりや。

剛:最近のを見たほうがええと思うよ。

礼二:まぁ、そうね。

 

同期は8.6秒バズーカ。1コか2コ上がゆりやんレトリィバァ

剛:大成功やん、じゃあ。

礼二:大成功ですよ。今や“お笑い第7世代“とか言われて。

草薙:あれがちょっと僕らもよく…

剛・礼二:ハッハッハッ

草薙:いやいや、あれはちょっと僕も、これね、どう…

剛:なんで?違うの?

礼二:いいと思うよ。

宮下:先輩方はどう思っていらっしゃるんですか。

草薙:これ、俺ら言ってないんですよね。

礼二:いや、わかってるよ。一応わかりやすいカテゴリーとして、一般の人にもわかりやすくっていうのでよう付けるやんか、そういうのあるやんか。それ言われるのあんまり好きじゃないの?

草薙:僕ら、どうやったら脱退できるんだろうって(笑)2人でずっと。

礼二:いい。素晴らしい。

宮下:メンバーがキラキラし過ぎてて。

礼二:EXITとか、その辺でしょ?

草薙:四千頭身さんとか。

宮下:霜降り明星さんとか。

礼二:でも、十分、入ったって見劣りせぇへんと思うけど。

剛:日本の芸能界、わかりやすくしたがるのよ。

礼二:でも、今の聞いて安心したわ。いい心がけやと思うよ。

剛:僕もそう思った、今。

礼二:いつか脱退したい、この枠。

草薙・宮下:ハハハハ

礼二:いいと思うよ、そういうのはほんとに。

剛:恥ずかしいというか。

草薙:そうですね。宣材写真並べた時に、僕らだけ汚過ぎる(笑)。

剛・礼二:ハハハハ

剛:そんなこと(笑)

礼二:そんなことない。

宮下:色付いてる写真なんですけど、僕らだけ白黒に見えるんですよ。(笑)あれ?って。

礼二:褪せて見えるんや。それわかってるぐらいだったらいいんじゃないですか。

剛:漫才もほんとに面白いですからねぇ。

礼二:ほんまに。キャラを活かしながらやってますからね。

 

 

ブランディング

 

ACTION 2019年9月18日

 

DJ松永:母親の趣味がちゃんと子どもに届いているってすごいですね。

うちの母親、俺にずっとエンヤを聴かせてたんですけども、うちの自宅でエンヤが流れてたんですよ。その結果、大人になってエンヤを聴こうと思わない体になっちゃいましたもん。逆に働いて。親の思惑とは逆に行くパターンですね、俺って。

あと、何?これ歌?環境音?どっち?みたいな感じになってる。エンヤって曲?どういう気持ちの時かけるんだろうエンヤって、みたいな。

あと、うちの両親、うち、クソ貧乏家庭なんですけれども、超貧乏家庭なのにカッコつけなんですよ。カッコつけなので、俺、毎週末、美術館に通わされてたんですよ。うちの両親、美大だったんです、両方。

幸坂理加:えー!素敵ですね。

DJ松永:素敵なのかな? だから、美術館に通わされて、毎週強制的に行かせられたら、美術館も大嫌いになっちゃいましたもんね。

だって、この作品の前で何秒立ち止まったらいいかわからないと思って。この作品の目の前で何を感じ取ったらいいかわかんない。何秒くらいで出たらいい? 何分で出たら正解なんだろう?と思って。だって、最短、歩いて入り口から出口に向かえば終わりじゃないですか。難しいと思って。

幸坂:観たいだけ観たらいいんですよ。

DJ松永:わかんないですよ。小学生の頃の俺としては。わかんない。何も感じないから。でも、うちの母親は、この作品の前でずっと立ち止まる。この作品に何かを感じ取る。その感受性豊かな自分を俺に見せつけてましたね。小学生の時分に。すごいプライド高くてカッコつけなんですよ。だから、エンヤとかも、エンヤとかを別に聴きたいわけじゃなくて、“エンヤとかを流す母親”っていうのを俺の前でずっと演じてて。

だから、『ニュース7』とかしか見せてくれなかったんです、うちの母親。異常に厳格で。うちの母親、寺の娘なんですよ。だから、うちのじいちゃんというのも寺で。だから、すっごい厳しいのをカッコいいと思ってたのか知らないですけども、『ニュース7』しか見せてくれなかったし。

でも、俺が、深夜、寝て、尿意を催してトイレにむくと起き上がって、リビングの目の前を通ると、うちの母親、バリバリ『ゴッドタン』観て笑ってんす。『ゴッドタン』観て笑ってる。で、俺の足音が聞こえると、バッと伏せて寝たフリするんです。ブランディングひどいわぁ。

 

 

母 樹木希林のこと

 

ACTION 2019年9月13日

 

 

 

武田砂鉄:TBSラジオ「ACTION」、ライターの武田砂鉄です。

幸坂理加:幸坂理加です。

武田砂鉄:ここからは毎日ゲストをお招きする「ゲストアクション」。本日のゲストは、文章家、俳優、音楽家として活動し、樹木希林さん、内田裕也さんの一人娘としても知られる内田也哉子さんです。よろしくお願いします。

幸坂理加:よろしくお願いします。

内田也哉子:よろしくお願いします。はじめまして。きょうはありがとうございます。

武田砂鉄:お越しいただいてありがとうございました。

僕は、樹木希林さんがお亡くなりになった後に、『心底惚れた』という対談本が復刊、初めて刊行になりまして、そこで解説を書かせてもらったという縁がありましてですね、

内田也哉子:実は、今日お邪魔させていただきたかったのは、砂鉄さんにそのお礼を言いたくて

武田砂鉄:あれま!

内田也哉子:お邪魔したのもあります。

武田砂鉄:ありがとうございます。

内田也哉子:私、幾つか本が出ている中で、この『心底惚れた』はとても気に入っている本で、一番気に入っているのは砂鉄さんの解説なので。

武田砂鉄:ああ、大変今日は満足(笑)。

内田也哉子:よく1回しか会っていないのに、

武田砂鉄:そうなんですよね。

内田也哉子:あそこまで掘り下げて母を書いてくれたな、というので、

武田砂鉄:いやいやいや、ありがとうございます。

内田也哉子:すごく、何か深いところでつながったような気で、今日は勝手に(笑)。

武田砂鉄:(笑)僕、2016年に希林さんに一度だけお会いすることがあって、それは竹中労さんという、かつてのルポライターの没後25年を偲ぶイベントだったんですけれども、希林さんが竹中労さんと親交があったということで、その甲府のイベントにいらしていたんですけど、僕も竹中労さんの本を編集したことが、特集本みたいのを編集したことがあったので、それの打ち上げでお会いしたんですけども、その時に浅草キッド水道橋博士が仲介に入っていただいて、3人で。

内田也哉子:強烈な(笑)。

武田砂鉄:強烈なお2人と僕は2~3時間過ごすことができたんですけど、ほんとに頭に焼きついているのは、その打ち上げ会場から希林さんがスッといなくなって、「私はもう一人で食べるからいいわ」と言って。

内田也哉子:(笑)よくやります。

武田砂鉄:サーッと消えていったんですよね。

内田也哉子:1人が好きなんですよね。

武田砂鉄:後で希林さんの本を読むと、いろんな方が語っているのを見ると、希林さんはとにかく姿を消すのが上手かったということを書かれてて。

内田也哉子:あ、そうでしたか(笑)。いいんだか、悪いんだか。

武田砂鉄:それを読むと、あれが、あの風景というのが、消す瞬間だったんだということを思って、すごく感激したんですけどね。

内田也哉子:ありがとうございます。

武田砂鉄:『心底惚れた』という本も、希林さんがまだ旧芸名(悠木千帆)の頃、まだ30代半ばぐらいなので、ちょうど僕よりもちょっと若いぐらいの年齢の時に、いろんな先輩俳優さんたちとかに結構なことをどんどん聞いていくんですね。

内田也哉子:ええ。ジャンルも幅広いですよね。

武田砂鉄:結婚したばかりの人に「最近どうなんですか?アッチのほうは」みたいなことを聞いていくっていう(笑)。

内田也哉子:普通じゃ切り込めないようなことを。

武田砂鉄:すごい切り込めないところで。

内田也哉子:ほんとに母らしさが満載の。今、もしかしたら世の中で受け入れられてる、温かい、何かこう、ちょっとこう、深いメッセージ性をいつも発信しているような母、みたいに捉えられがちなんですけど、私が小さい頃から知ってる母は、まさにこの本の『心底惚れた』の時のような、追いかけても追いかけても届かない、じゃないけど、いつも背中を見て育ったというか、温かいお母さんというよりは、ちょっとヒリヒリした、

武田砂鉄:(笑)

内田也哉子:ちょっと威圧感のある母だったので、この切り込み方というのは、すごく小さい時の母の印象だなって。だんだんだんだんコミュニケーション能力がついてきたのか(笑)丸くなって、ほんとに最期亡くなる時には、とてもいろんな人と交流が。ま、群れるっていうことはしなかったですけど、最期まで。でも、若い時のような鋭さを、自分であえて刀をしまっていたような感じはありますね。

武田砂鉄:この頃の対談なんか読んでいると、本当に相手の言葉尻にうるさいというか、厳しいというか。

内田也哉子:そうそうそうそう(笑)。

武田砂鉄:「今、あなたそうおっしゃいましたけど、どういうことなんですか?」というふうに掘り下げてくるというのが。

内田也哉子:そういう鋭さを常に持っていて、それは日常生活においても、子ども相手でもそうだったから、だから私はちょっと萎縮してしまったんでしょうね。だから、すごく怖かったですね。こうしろ、ああしろということは一言も言わないで、むしろ放任主義だったんですけど。

武田砂鉄:なんか、そういう子どもとして、娘として見るというよりも、人間として「あなたはどう思う?」ということを常に

内田也哉子:そう! そうなんですよ。

武田砂鉄:問われているから、たぶん娘さんとしてみたら、母親であってほしいのに、なんでそんなに一騎討ちしなきゃいけないんだという(笑)

内田也哉子:そうそうそう。

武田砂鉄:場面が結構おありになったんじゃないですかね。

内田也哉子:そうなんですね。でも、それがきっと母なりの、子どもというか、人の育て方?というか、自分で自分を気づかせる、じゃないけど、早めにそういう荒療法でしたんだと思うんですよね。だから、わりと早い年齢から自立せざるを得なかった、みたいなところはありますね。

武田砂鉄:そういうふうに、子どもの頃って、たいていの親は子どもに、こうしちゃいけない、ああしちゃいけないということを言われるけれども、也哉子さんはそれは言われなかったと。

内田也哉子:ええ、ええ。

武田砂鉄:つまり、自由ではあるんだけれど、その自由って、自分にとってはそんなに快適なものじゃなかったのよということを(笑)。

内田也哉子:そうです。本当に重荷でしたね。結局自由を自分で選択することによって、責任は自分が全てとるという方式だったので(笑)。例えば、日本の学校に行きたいって。幼稚園から小学校を卒業するまで、インターナショナルスクールに。それは偶然行ったんですけど、そこから日本語力がすごく低かったので、「日本の学校へ行ってみたい」と言った自分がいて、そのとおりに母も動いてくれたんですけど。

今度、入ってみて、やっぱりそれまでいろんな国の子どもたちと一緒にいたのが、違って当たり前のところから、わりと日本の公立の小学校は、その時は、みんなが同じようにいるっていうことが一番無難というか。そこで私はおのずと浮いてしまって、今思えばいじめだったようなこともあったりして、すごく辛かったんですけど。

それで、泣いて、毎日家に帰ると、母がそれを察知して「何そんな頑張ってるの。辞めればいいじゃない。自分が行きたいって言ったんだから、辞めればいいじゃない」っていう、すごく突き放した一言で、「ああ、またこれか」と思ったんですけど。

でも、私の場合は、あと半年で小学校6年生が卒業できるって目に見えてたので、そんなにひきこもったりとかしないまま、何とか這ってでも、嫌でも何でも、自分で決めたから、あと何日ってカウントダウンしながら行ったっていう感じですかねぇ。

武田砂鉄:だから、それまで、周りに合わせる、みたいな経験を也哉子さん自身はされてこなかった…

内田也哉子:してなかったし、母もそれをよしとしてこなかったから。でも、別にそれがダメってことじゃなくて、揃える、周りの空気を読んで、周りになじむっていうことも素敵だって言ってたし、それができた上で、特に母は表現者だったから、日常は本当になるべく普通に普通に、電車にも乗り、掃除洗濯も自分でしっていう、本当に自分の手と足で生きる、みたいなことをすごく偉大と教わってきたし。でも、何か表現する、母の場合は演技ですけど、その時にはそれを全部糧にして、バーンと大胆に飛躍するって、そこが表現者の魅力的な、ということを教えられてきたので、すごく当たり前の生き方をするっていうことが、たぶん母と父がものすごい破天荒の極みだったから(笑)

武田砂鉄:ええ。みんな存じ上げてますよ(笑)。

内田也哉子:(笑)むしろ尊いものとしてたたき込まれて。だから、私はちょっと、自分で今でもバランス感覚が取りづらいというか。過激なものを見て育ったわりには、普通であることが素晴らしいと教わって、自分でも、過激なのは危ないってわかってるから、常にバランスを取ろうと中庸を目指してきて、自分の家庭は本当に普通に、お父さんとお母さんは一個の屋根の下にいて子どもたちを育てる、じゃないけど、オーソドックスな家庭のスタイルで、そのギャップで私は感謝がよりできる、じゃないけども。

父親が家庭にいないっていうことがこんなにいびつだったのかということは、初めて自分が結婚して体験してわかるわけですね。私の場合、最初から父がいなかったから、これが普通って思ってたけども、家庭を作ってみて、お父さんがいると、あ、こんなことまで手伝ってくれるんだとか、存在そのものが家庭の中で、とか、だから、いい悪いとか、何がこうあるべきということは、自分の中ではないんですけど、いろんなパターンを、ここのとこまでは経験してるっていうか(笑)。

武田砂鉄:でも、希林さんの晩年のインタビューで、「なんで自分たち夫婦がこんなに破天荒なのに、也哉子はあんなに素直に育ったんだろうか」というふうに、ちょっと疑問形で答えている感じでしたけど、

内田也哉子:(笑)

武田砂鉄:逆に言うと、最期までそれが疑問に思ってたんですかね。希林さんはね。

内田也哉子:そうでしょうね。まぁ、でも、わかってましたよね。こんなに極端だから、自分たちも。子どもはバランスを取らざるを得なかったんだなっていう。だから、いつも思うけど、親と子って、どんな親子でも、何か反面教師的な、そっくりな部分もあるけど、反面教師的になっていって、それでまた、もしかしたら私の子どもの代はまた破天荒になるかもしれないし(笑)

武田砂鉄:そうですよね。

内田也哉子:それが怖いですよ(笑)。

武田砂鉄:隔世遺伝で破天荒っていう(笑)。

内田也哉子:母は予言していったんですけどね。「次男がちょっと裕也に似過ぎてるから気をつけなさい」と(笑)。

武田砂鉄:(笑)別に気をつけ方を教えてくれるわけでもないですからね。

内田也哉子:ない。「覚悟しときなさい」って(笑)。

 

武田砂鉄:でも、水道橋さんと3人でお話ししてた時に、希林さんが、水道橋さんが「樹木さん、なんか本を出したほうがいいですよ」っていう話を希林さんにしてた時に、「なんで本なんか出さなきゃいけないのよ。私のことは私が一番知ってるんだから、そんなもの読みたくないわよ」っていうふうにおっしゃってたんですけど、でも、今回、共著という形で『9月1日 母からのバトン』という本を出されて、この本の中にも、この本を出すことの葛藤みたいなものも也哉子さんは、希林さんがあまり本というものを出すという意思を持ってる人じゃなかったからこそ。

内田也哉子:はい。全く出したがらなかったので。こんなに、本当に亡くなった次の日から、母は自分で事務所というか、やってたので、自宅に電話がかかってきて、それも過去の話したことを本にしたいとか、いろんな。こんなに世の中の人は、出版社は、テレビ局は、母のことをお料理したいって、興味を持ってくれるんだなっていうのを、最初は驚いて、そして、ああ、ありがたいなって思う反面、これをどこまでオーケーしていい、急に私に権限がきちゃったんですよね(笑)。

武田砂鉄:そうですよね(笑)。

内田也哉子:でも、留守番電話に「二次使用は全部どうぞ」って言ってたような母なんで。

武田砂鉄:それが全部入ってたんですもんね。

内田也哉子:ええ。二次使用なんですよね、結局。再編集されてるだけなんで。だから、そんなにもし、もしそんなに「読みたい」って言ってくださる方がいらっしゃるんであれば、私が無理にそこで突っぱねる必要はないのかなって、ちょっと気が緩んだ、まだお葬式もどうするって言っているうちに、1個オッケーしちゃったら、どんどんどんどんどんどんこんなになっちゃって。

武田砂鉄:業界では「オッケーしたらしいぞ」っていう。

内田也哉子:なってしまっちゃって、その都度私は、とても考えて話し合うんですけど、やっぱ熱意にほだされてって言うとアレですけど。

ただ、この『9月1日』という本は一つ違っていることがあるとすれば、私自身が初めて、母が気にかけていた、不登校の子どもたちが自殺をしてしまう9月1日という日の話を、母から病室で、まさに死ぬ2週間ぐらい前に聞いたので、このことはきっと私がここからつなげていくことでいいのだ、というふうに自分である意味気がついたというか。

最初はもちろん編集の方が、こういうふうな講演だったり、対談だったり、不登校経験者とか、識者の方としてましたよって。それを本にしたいって言われたんですね。それで、ただオーケーを出せばよかったんですけども、その本を読んだり、その前の、母も中で話している『学校へ行きたくない君へ』という本も読ませていただいて、私自身、もう大人ではあったけれども、感銘を受けて、3人の子どもを育てる親としても、こんな現実が日本で自分の身の回りにあったということを知らなかった自分をとても恥じて、そして、本当に素直に、どうしてこういうふうに学校へ行けないことが死につながるのかということも知りたくなったんですね。それで、ぜひ母の部分とは別に取材をさせてほしいという提案をさせていただいて、そこからやっと、母があの時、窓の外に向かって「死なないでね」って言ってた、その切実な思いの真相がわかったっていう感じですかね。

武田砂鉄:18歳以下の自殺者というのが8月後半になるにつれて増加して、9月1日というのが最も自殺が多くなってしまう日というふうに言われている、その日に、希林さんがそういうふうに病室でおっしゃっていたと。

内田也哉子:そうなんですねぇ。

武田砂鉄:希林さん、本当に、存命の頃に、テレビの前とかで、「どうせ私はもう死ぬんだから」とか「いつ死んでもおかしくないんだから」ということを繰り返しおっしゃっていましたけれども、でも、だからこそ、生きるということに対する着眼というのかな、嗅覚みたいなものもすごい、これを読むと、研ぎ澄まされていたんだなっていうことを感じますね。

内田也哉子:私も、小さい時から、母が病気を持ってからよりも前から、ずっと小さい時から、知り合いが亡くなったりすると、必ず連れていくんですよ。お通夜でも。で、「顔を見なさい」って言うんです。私はすごくそれが嫌だったし、意味がわからなかったんだけども、それは、よくその後に言っていたのは、「さっきまで生きてた人がこうしてパタッと死ぬんだよ」って。つまり、人生というのははかないものだし、だからこそ、生きている人たちがより鮮やかに、自分なりに生きるということを間接的に見せたいと。

今はなかなか家庭の中で死って見られないじゃないですか。病院に行くし。そういうことも含めて、母が二世帯住宅で同居したいって言った理由も、私の老いていくさまを、そして、死んでいくさまをちゃんと子どもたちに見せたいっていうふうに、それが理由だったんで、私としては困っちゃいますけど。

でも、例えば病院で治療している時も、お医者さんが「じゃあ、娘さん席を外してください」なんて言うんだけども、「いや、あなたは残ってちゃんと見なさい。こんなことを、こんな処置を人間はされて、それでも痛みを取ったり、生きようとしたりするんだよ」っていう。母は延命治療はしなかったですけど、そんなような、何か自分の人生を身をもって教えるというか、見せてわからせる、じゃないけど、そういう精神というか。

武田砂鉄:でも、希林さんが亡くなる瞬間を見た時に、也哉子さんが、死の瞬間というのと、ご自身が子どもを産んだ瞬間の尊さと、なんかリンクするものがあった、近しいものがあったというふうにお答えになっていましたね。

内田也哉子:はい。それはほんとに、もちろん悲しいし、まさかそんな、病院からようやく家に帰ってきて、たったの12時間後に、それは想定外で亡くなってしまったので、衝撃が大きかったですけど、やっぱり「家で死にたい」って言ってたことは、つまりこういうこと、日常の中で、食卓があって、居間があってっていう、そういう中で、自分が営んできた日常の中で、当たり前に、自然と命が消えていく、ろうそくの火が最後の芯まででふっと消える、じゃないけど、そういう何か達成感みたいのが変にあって、たぶん母の中にもあったんだと思うし、私たち家族も、ほんの数時間でも帰ってこれて、そしてほっとした母の顔を見れたっていうことと、あと、たまたまみんな孫、1人は、長女は大学に、アメリカに行ってたんですけど、裕也までも、父までも、電話でたたき起こして、「何か言ってくれ」って、母の耳元に電話を近づけて話を「しっかりしろ」とか「ちょっと待てよ」って動揺してただけなんですけど、でも、孫がこうやって手を握ってたら、裕也が話しすると、声が聞こえると、母がギュッと手を力、握り返したって言って驚いてたり、やっぱり何か一体感というか、家族という、何の縁だか知らないけど、今回のライフで出会った人たちが、その途中はバラバラだったんですけど、家族は。でも、何かそこで一つのものを共有できた、共感できたっていう温かさとか。

武田砂鉄:本当に、映画で言うと、最後のシーンだけ全員集合、みたいな映画だから。

内田也哉子:そうそう、そうですね(笑)。

武田砂鉄:それがすごいですよね。

内田也哉子:そうですね。

武田砂鉄:あと5分の映画でようやく全員が集合したっていうのは。

内田也哉子:ほんと、そのぐらいバラバラでしたからね。私も外国で暮らしてることが多かったし、父も家にはいないし。

武田砂鉄:それを、映画の最後の5分の全員集合を希林さんがつくり上げたというのは、本当にドラマチックな感じがしますよね。

内田也哉子:そうですねぇ。たぶんプロデューサー的手腕(笑)。

武田砂鉄:プロデューサー気質(笑)。

内田也哉子:最期までね。

武田砂鉄:もうすぐ亡くなられて1年たちますけれども、本であったり、テレビ番組だったり、こうしたラジオ番組もそうですけど、とにかく希林さんの言葉を知る機会というか、あの方はああいうことをおっしゃっていたのよということを聞く機会が本当にふえた感じがするんですよね。

内田也哉子:そうですよね。私は皆さん食傷ぎみじゃないかって思うんですけど。

武田砂鉄:なぜここまで希林さんの言葉が求められているんだと思いますか?

内田也哉子:ウーン、もちろん役者として世の中とは関わってきたんだけれども、よく言ってたように、自分は芸能人として、ある意味公私共に晒してきたと。晒すことによって、自分の人生をまた俯瞰することができて、そのこと自体もありがたいって。最初は嫌だったけれども、ありがたいことにしていったというのがあって、それで、何でしたっけ?忘れちゃった(笑)。

武田砂鉄:なぜこんなに言葉が求められるのかっていう。

内田也哉子:ああ、そうだ。ごめんなさい(笑)。

だから、そういう、自分を常に俯瞰し、すごく共感性の高い人間ではあるから、例えば、隣にたまたま座った人の身の上話を聞いて涙をこぼしたりするようなやわらかさも…

武田砂鉄:喧嘩を止めに入ったりしてるんですもんね。

内田也哉子:とか、そういうことも、本当にもうやめてっていうようなことも平気でやってきた人なんだけども、じゃ、自分の辛い難があった時に、全く涙も流さないし、うろたえてる姿も私は見たことがないし。でも、その強さって、たぶんものすごく人生を俯瞰して見てるんですよね。

武田砂鉄:そうでしょうね。

内田也哉子:だから、そういうふうにできるってことも珍しいなと、私も自分の母だけど思うし、まぁ、晒した上で逃げなかったと。で、別に開き直って、私はこんなろくでもないもんですっていう開き直ってるっていうよりは、どこか恥じらいをいつも持ってたというふうに思うんですよね。

で、父とのことがたぶん一番大きかったと思うんだけれども、世間的にもいろんな事件が起きて、いろんな人に迷惑をかけてるけれども、ずっと人間関係を断ち切ることがなかったっていうこととか、何かきっと、母の言葉そのものというよりも、何となく彼女の生きた年代を一緒に生きてきた世間の人たちが、何か肌で感じる、もしかしたら嘘のなさ、じゃないけれども、別にそれで立派な人間ぶることもないし、とにかく本を出したくなかったのは、形に、自分はこういう者ですというふうに形にはめたくなかった。極端な恥ずかしがり屋な部分があるから、ちょっとつかみ所がないんですけど。

武田砂鉄:僕、この解説を書かせてもらう時に、樹木さんの言葉をいろいろ振り返ったんですけど、一番印象的だったのは、これは『AERA』のインタビューで答えているんですけど、「私の話で救われる人がいるって? それは依存症だ。あなた自分で考えなさいよ」ということをおっしゃってて、それって、今出ている本を全部否定しちゃうことになるかもしれないんだけれど、でも、いい言葉をいただくということじゃなくて、希林さんてたぶん「あんたが考えなさいよ」っていうことをずっとおっしゃった人だと思うので。

内田也哉子:はい。で、子どもである私にも、家族にも、みんなにもそうだったんで、あんまり生ぬるい関係は求めなかったんでしょうね。母自身が。誰とでも。子どもに対してでも。

武田砂鉄:そうなんでしょうね。そこの徹底っぷりが本当にすごいなと思いますね。

内田也哉子:なんであんなに強かったのかって思うんですけど、たぶん私は、すごくロマンチストなんじゃないかと思うんですよね。究極の理想を持って生まれて、それを自分がどうやってそういうロマンを描いていきたいかっていうのは、わりと明確だったんじゃないかなと。だから、ブレないし、ウーン、すごく遠い存在ですね、私からしたら(笑)。

武田砂鉄:それ、僕の好きな竹中労という人も、「群れない」ということをずっと言ってた人なんですよね。「群れるから弱くなっちゃうんだ」ということをおっしゃってて、それは本当に希林さんにしろ、竹中さんにしろ、すごく通底するところだなというふうに思ったんですよね。

内田也哉子:そうですね。

幸坂理加:そろそろお時間になってしまいました。すいません。

内田也哉子:あっという間。

幸坂理加:あっという間でしたね。もっと話を聞きたいところではありますが、今日お話しした『9月1日 母からのバトン』は、ポプラ社から発売中です。

武田砂鉄:也哉子さん、本日はどうもありがとうございました。

幸坂理加:ありがとうございました。

内田也哉子:ありがとうございました。

幸坂理加:本日のゲストアクション、内田也哉子さんでした。

 

 

 

10年前の自分に言ってあげたいこと

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年09月14日

 

若林:春日も1人でレフトやってたりしたじゃない、公園で。

春日:そうね。

若林:あれは結構疲れてたのかな、やっぱり。

春日:今思えば。

若林:だから、あれだよな。浮気報道とかもたぶんそういうのがあるよな。いろんなマンネリと疲れと、あと、自分の限界を感じたのがそこに。

春日:ハハハハハ

若林:フッフッフッフッフッ

春日:まぁそうだねぇ。

若林:「集約されちゃったのかもね?」みたいな話を、俺もクミさんとしたけど。

春日:ハハハハハ

若林:ハハハハハ 「あいつは加害者じゃないんじゃないか」っていう話したもんね。

春日:まぁ、振り返ると。その時は気づかない。うん、その時は気づかない。当時は。

若林:やっぱりなぁ。

春日:うん。振り返ると、そうだったんだなっていうね。

若林:ことがあんのかなぁ。

春日:うーん。

若林:言ってあげたい?当時の春日に。

春日:そうね。

若林:2009年の春日に。

春日:うんうんうんうん。

若林:何て言ってあげたい?

春日:いやぁ、でもなぁ、言いようがないよね、もうね。

若林:ちょっと一人二役でちょうだい。上下切って。そんな面倒くさい顔せずにさ。

春日:面倒くせぇなぁ。

若林:そんな口に出さずにさ。せっかくだから。

春日:はぁ、面倒くせぇ。

若林:タイムスリップからやってよ、ちゃんと。

春日:タイムスリップから?(笑)

若林:うん。

春日:今2019年から10年前にね。

若林:そうそうそうそう。

春日:タイムスリップ! ホワンホワンホワンホワン、ホワ~ン♪

若林:古っ!(笑)今のラジオなのか?これ。

春日:アハハハハ

若林:ハハハハハハ

春日:いやぁ、確かに。タイムスリップの音がこれしかなかったわ。

若林:ホワンホワンなんて(笑)。

春日:1種類しかなかった(笑)。

若林:ハッハッハッハッ でも、当時の春日は聞く耳持たないかな。

春日:持たない。「じゃあ、どうしろっていうんだよ?」っていう話じゃない、それは。

若林:春日と春日が春日の体の中で春日会議をすることってあんの?

春日:春日会議? どういうこと?例えば。

若林:例えば、これどうする?っていう。

春日:ああ、なるほどね。

若林:いろんな春日が春日会議すんのかな。

春日:ああ。それはあるんじゃない? いいっていうゴーの春日もいれば、いや、ちょっと待ての春日もいれば。

若林:俺は、タイムスリップして2009年の若林に言うとしたら、「それ、どうにもなんないよ」って言う。

春日:ああ。いろいろ考えても、とにかく。

若林:「どうにもなんない」って言う。春日は?

春日:あたしはどうだろうなぁ…。うーん、「カッコつけんな」だね。やっぱね。

若林:カッコつけてたの?やっぱり。

春日:カッコつけてたね、やっぱね。

若林:2009年の春日は。

春日:2009年は。

若林:何?何にカッコつけてたのよ? そういうふうには見えなかったよ、カッコ悪かったから。

春日:ハハハハハ

若林:(笑)

春日:いや、だから、「カッコつける」っていう言葉で大きく言ったけど、ウケたい、とかさ。

若林:ああ、ウケたいって。ウケたいと思ってる奴が、あんなカスカスダンスとかやってたの?(笑)

春日:「凄い」と思われたいとかさ。

若林:「凄い」と思われたかったの?

春日:うん。「面白い」みたいなさ、欲がやっぱあるよね。

若林:「面白いと思われたい」は今もなきゃダメ。今はないの?「面白いと思われたい」って気持ち。

春日:今あんまないね。

若林:アハハハ でもね、ちょっとわかるわ。

春日:「面白い、うわ凄い」とか。

若林:逆にな。

春日:面白いで尊敬されたい、みたいなさ、そういうのないね。

若林:ないな。

春日:全然ない(笑)。

若林:むしろ、ちょっと「つまんねぇな」と思われたい、みたいなとこ入っちゃってる時あるでしょ?(笑)

春日:うん(笑)。「あいつしょうがねぇな」っていう、そっちのほうがいいね。

若林:「しょうがねぇな」になってきたんだね。それが。そこの過渡期の時はきついわな、そらぁ。

春日:きつい。なんか一個一個当てていかなっきゃないとかさ。

若林:いや、当たってなかったよ。

春日:アハハハハ じゃ、だから、それが言いたいよ。「無理無理、当てらんないんだよ」って言いたいかな。

若林:当てようとしてるけどってことね。

春日:うん。「当たんないんだよ」っていうのを言いたいかな。

若林:フハハハハ ああ。

春日:できないことを。

若林:それはだから。

春日:気づいてないってこと。

若林:やっぱり「当てようとして当たんなかった」を積み重ねたから行ける境地だよな。その時から当てない奴はやっぱダメだよな。

春日:そうだね。

若林:難しいとこだな。難しいなぁ。

春日:諦めていくんだ、たぶんね。できる、できないがだんだんはっきりしていくじゃないですか。

若林:はいはいはいはい。

春日:年をとると。そこじゃない?

若林:年をとると、もう、どうでもよくなるもんな。誤解されたままでよかったりさ。

春日:そうだね。

若林:「いいや、じゃあ、それなら」みたいな。

春日:うん。まぁまぁいいでしょう。

若林:どうにもなんないことを経験してね、何度も。

春日:10年前は全部取りに行ってるというかさ。行ってたんじゃない?

 

 

5日ぶりに電気が復旧。テレビのない生活、ネットを見られない生活は味気なかった。ぐるナイ観たかったな。オドぜひ観たかったな。

煮炊きはガスを使っているし、不安定ながらも、自家発電でご飯を炊いたり、洗濯もほぼできたので、精神的にまいることはなかったけれど、やはり不便だった。

ただ、オフラインの作業はとても集中してできた。

 

さよならむつみ荘

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年8月31日

 

 

春日:(小声で)ニチレイプレゼンツ

若林:オードリーの

若林・春日:オールナイトニッポン

♪ビタースィートサンバ

若林:この間、水曜日の佐久間宣行のオールナイトニッポン、行ってきたんすけどね。

春日:土曜の夜、カスミン

若林:あ、すいません、ちょっと

春日:ひとつよしなに。

若林:JUNK的な始め方しちゃって、しゃべりから始めちゃって。オードリー若林です。よろしくお願いします。

春日:頼むよ、ほんとにね。オールナイトニッポンですから、我々はね。

若林:しゃべりから入って、その後、タイトルコール。

椅子がね、佐久間さんのオールナイトニッポンのゲストで行ったんだけど、春日も聴いてくれたと思うけども。

春日:うふん、まぁ、それはいいじゃない。

若林:ハハハハ いや、聴けや!

春日:大きい声を出すな、大きい声を冒頭から。

若林:すいません。

春日:お願いしますよ。

若林:ハハハハ

 

ミックスチャンネルがスポンサーなので、椅子の座り心地がいい。

若林:ビビったよ。こっちはこんな煎餅蒲団でやらされて。\笑/

春日:布団というかね。

若林:座布団のこんな薄いやつでやらされて、腹立つわぁ、ほんと。

春日:差をつけられてるわけだ、そこで。

若林:差をつけられてるわけですよ。

春日:あ、そう。

若林:やっぱミックスチャンネルないとこういうことになっちゃうのかなと思いますけどもね。今日日の時代で聞いたことあるか? 愚痴から入るのもなんだけど、ブースの中、扇風機回してるって、こんなことあるかよ!\笑/

春日:いや、びっくりだよね。

若林:いろんなところからやってきましたけどね、伊勢原FMよりひどいね。環境としては。

春日:あそこ、ちゃんと机と椅子あって、おしゃれな感じだったもんね。

若林:こんな木箱を2つ。

春日:並べてよ。

若林:並べさせられてさ。

春日:はい、どうぞって言われてね。

若林:そんで、大きな声出すなっつんだよ。

春日:どうなってる? ラジオだぞ、こっちは。

若林:冗談じゃない、ほんとにね。

春日:まいっちゃったな。そんな違うわけだね。

若林:そうそうそう。

春日:羨ましいね。

若林:まぁ、でもね、春日さんは引っ越したじゃないですか。

春日:ええ、ええ、ええ。もう結構たちますよ。1カ月ちょっとぐらい。

若林:どう? アパート、むつみ荘のストーカーやってたじゃない。

春日:人聞き悪いな。

若林:チラッと見てから家へ帰るっていう。

春日:そう。『むつみ荘見守り隊』ね。

若林:ハハハ

春日:ハハハ 1人だけどね。ストーカーとは違うよ。

若林:それはもうやってない?

春日:それはね、だんだん間隔が長くなってきたね。前は毎日。以前ここでお話しさせていただいた時は、毎日寄って帰ってるけど、今は週…調子いい時で2だね。

若林:もうやめろ!\笑/週2って結構だぞ、頻度。お前。

春日:TMC行った時はチャンスだと思うんだよね。TMCの時は必然。

若林:むつみ荘チャンスなんてないんだよ。

春日:なんなら行きも見てこうかなと思うもんね、TMCの時は。それは避けてるけど。やめてるけど。

 

佐久間宣行ANN0は、何かが始まる予感とか熱気、始まっている空気感がわかる。本多劇場でのイベントが完売。スタッフのウケ方がオードリーのラジオと違って新鮮。当てつけかと思うぐらい、漏らしてきているのかなというぐらい笑っていたので、今週からブースにスタッフ全員入れと。\笑/笑い声がないとおかしいだろうと状況でやって、ブースに入れることにした。

佐久間さんのエンジンの回転数が高い感じがあったし、石井ちゃんが右上のモニターを見ていない。オードリーのラジオの時はアルピーの時みたいな顔をしている。

この間、しくじり先生のアベマバージョンで、平子さんに本番前に挨拶に行くと、「石井はイヤなとこで笑うでしょう」と。「そうっすね」「あれなぁ、まいるよねぇ。うれしいんだけどね」みたいな表情でしゃべってた。スタッフ側から聞く平子さんはイジられるのがイヤなんじゃないかと。

 

若林:今日で最後になるわけだからね、このスタジオでやるのも。

春日:そうだね。あんまリアリティがないよね。いまいち。信じられないっていう気持ちもあるしね。

若林:クミは来てるの?今日は。

春日:呼び捨てはやめてもらっていいですか?

若林:来てないの?

春日:来てないよ。

若林:車で迎えに来てないの?\笑/

春日:それは私じゃないね。

若林:会場の近くでタクシー降りて。

春日:それは私じゃないよ。人違いだわ。

若林:お揃いのリュックしょってるんじゃないの?

春日:じゃないよ。まず、うち、車ねぇしさ。車を所有してないからさ。人違いよ、それは。

若林:そうか、犬ぞりで移動してるから。

春日:いやいやいや(笑)犬ぞりはちょっとね。

若林:ドッグカフェの。

春日:ハハハ それはないね。来てないし、迎えにも来ないしね。

 

なれそめ

若林:免許は持ってんの?クミは。

春日:呼び捨てはやめてもらいたいけどもね。持ってるね。合宿免許取りに行ったからね。

若林:いつ?

春日:いつだ? それこそ出会った時ぐらいだから、11年、12年ぐらい前?

若林:そう考えると、この部屋とかさ、クミ結構来てたの?

春日:ま、クミさんね。うん。

若林:そうか、10年前からテレビの仕事し始めて、ここに俺来て稽古とかネタ合わせしないもんな。

春日:まぁ、そうだね。その頃から減ってきたんじゃない?若林さんが来るっちゅうことはね。

若林:だから、M-1の敗者復活の前ぐらいからつき合ってんだもんね?

春日:前だけど、あの年の夏ぐらいだよね。

若林:2008年の夏?

春日:夏ぐらいよ。渋谷の居酒屋さんでね、サトウミツと。

若林:合コンみたいな感じだったんだっけ?

春日:合同コンパまではいかないかな。

若林:紹介みたいな。

春日:紹介をする、みたいな感じの。ま、そうだね。ちょっと飯でも食いましょうやなんていって。

若林:3人で?

春日:4だね。

若林:あれ?その時、サトミツと春日とクミと、あと誰いんの?

春日:クミさんと、それこそ合宿免許で友人になった(笑)仲よくなった友人を、そう!思い出した!それをサトウミツがその時フリーだったからさ、その時、クミさんの合宿免許で仲よくなった友達をサトウミツに紹介するっていう会が催されて。

若林:何なの?ぬるいことやってんなぁ。笑いやれ笑い!

春日:それで、こっち、もう一人いなっきゃないじゃん。サトウミツに誘われて、その時、クミさん知らないからね、私はね。行って、2:2で行って。

若林:そういう感じだったんだ。

春日:そうだ、そうだ。渋谷だ。ちょうどネタ見せの後かなんかだったわ。

若林:ケイダッシュの?

春日:うん。稽古場でやって。

若林:(笑)

春日:(笑)

若林:あん時つったら、一番ズレ漫才がいかなきゃいけない時だ。2008年なんて。レッドカーペットとか。

春日:そうそうそう。

若林:おもしろ荘ばっかり出てる時だろう?

春日:うんうんうん。

若林:これは、すいません、キャップかけです。

春日:いやいや、十何年も前のことはいいだろう!いいでしょう、11年前。

若林:いや、あの2008年のあの時期にコンパやってるなんて、これは

春日:早く終わんねぇかな、ネタ見せの時間。その時はフリー

若林:これはキャップかけ。

春日:アパス! 熱っつ! いやぁ、もういいでしょうが。11年前の。なんで11年越しにこんなかけられなきゃいけないんだよ。

若林:これ、怒られないかな、スタジオ、高田先生に怒られないかな。これ、誰だ?って。

春日:高田先生はこのスタジオではやんないと思うよ。

若林:このスタジオやんない?

春日:うん、ここでは。大丈夫、大丈夫よ、これぐらいだったら。そうそう、そうよ。

若林:でも、そう考えると、今日で俺はむつみ荘に来るの最後だろうね。

春日:まぁそうだろうね。

若林:だから、さっき撮影したのよ。R‐指定と同じとこに座っている写真撮ってほしいつって、ひろしに。プロモーションビデオ。『よふかしのうた』の。

春日:はいはいはいはいはい。

 

もはやCreepy Nutsがむつみ荘に来れたと言っているんじゃなくなっている。Creepy Nutsがむつみ荘に来たことのほうが事が重大になっている。『ゴッドタン』のエンディングテーマでプロモーションビデオが流れて、裏番組でむつみ荘が流れているという変なことになっている。

 

若林:毎週むつみ荘からやりたい、みたいな部分はあるんじゃないの?ひょっとしたら。

春日:ああ、そうなったら幸せだよね。\笑/その発想はなかったけど、できるっちゃできるわけだからね。そらそうだ。

若林:なんで、ここがそんなに、見て帰るぐらいいいんだろうね。えっ?えっ?鍵はさ、まだ入れるの?お前は。例えば、TMCからここ寄ってきた場合に。

春日:入れるは入れるよ。

若林:じゃ、入るの?中に。

春日:いや、それは堪えてんのよ。

若林:なんでよ?

春日:それやっちゃったらおしまいだと思ってさ。それやっちゃったら新しい家に帰らなくなっちゃうんじゃないかと。

若林:そんな居心地がいいの?ここ。

春日:帰るにしても「ああ、帰らなきゃいけないのか」と思っちゃうんじゃないかと思ってね。

若林:お前大丈夫か!結婚生活。\笑/

春日:ため息まじりで新しい家

若林:93聴いてんだろう? 93番聴いてんだろう?

春日:悪いことした奴みたいな言い方すんじゃないよ!

若林:93番!ハハハハ クミサン、93番だったら。クミサンを93番て。

春日:いやいや、93番をクミサンみたいなイントネーションで言うなよ!

若林:93は?じゃあ。

春日:いや、番号をさ、クミサンみたいな言い方しないでくれよ。呼び捨てよりはまだましだな。

若林:やっぱそのぐらいここがいいんだね。

春日:ここはやっぱいいね。落ちつくよね。

 

若林:注意をリトルトゥースにしなきゃいけなくて、今、むつみ荘からお送りしてるんすけどね、最後の放送になるでしょう。むつみ荘から「さよならむつみ荘」ということで放送をお送りしてんのよ。春日が結婚して引っ越したから。で、これマジらしいんだけど、放送を中止しなきゃいけないことになっちゃうから。絶対にむつみ荘に来ないでください。

春日:ハハハハ フリみたいに聞こえるけどな。

若林:絶対に、むつみ荘に来ないでください。

春日:いやいや、その言い方だとフリなのよ。\笑/「絶対に」を強調しちゃったらフリに聞こえちゃう。本当なんでしょ?

若林:これは結構マジで、人が集まると本当にやめなきゃいけなくて。

春日:そうだよ。我々というよりも住宅街だからね。

若林:中止にした場合、パフュームが代わりにやることになる。

春日:いやいや、代打のほうがビッグネームってどういうことなんだ、それ。だったらいっぱい来てパフュームのやつ聴きてぇみたいなパフュームファンが来るだろう!\笑/えらいことになるよ。

若林:そうか。

春日:別のファンを呼び込むんじゃないよ、なんだその告知。

若林:それは冗談なんだけど。

春日:あたりめぇだろうがよ!

若林:俺たちが中止になると有楽町にいるHi-Hiがやることになるから。

春日:ああ、それは中止になったらまずいね。Hi-Hiになった時点で放送事故だからね。その瞬間からずっと。

若林:お前、すごいな、それ。岩崎さんはいいけど、上田さんダメだぞ、たぶんそのイジり方。

春日:もう大丈夫だろ!

若林:ハッハハ なんだ、お前のそのライン。もう大丈夫だろうって。

春日:もう年も年だし、大丈夫だろう別に。

 

若林:ここ、普通の住宅街なので、僕ら、窓の横にいますけど、開けた途端、むつみ荘にいるというヒントを出してから10分たつので、かなり来ていると思いますよ。開けて見てみましょう。お前が隣の家を覗いていたかのように。確認してみ春日。

春日:見てみよう。

若林:それは帰ってもらう。今、トミーが1人で警備してんだから。来ちゃった人を家へ帰すというのが、トミーが責任をしょってんだよ。

春日:今、下でトミーが大変なんじゃない?

窓の鍵が閉まっていることに怒る春日。

若林:声がでかい。

春日:ここを閉めるな!

若林:おい、お前、人んちで大きな声出すな!

春日:フフフ 確かにそうだ。もう私の部屋じゃない。

若林:ハハハハ

春日:悲しいなあ。\笑/

若林:お前んちじゃねぇんだぞこの部屋!調子乗ってんじゃねぇぞ!

春日:まさかこの部屋にいてそんなこと言われるとは。

若林:お前帰れ!お前リトルトトゥースだろ!お前帰れ!来るなつっただろ!

春日:ハハハハ すいません、来ちゃいました、放送聴いて。

どれどれ?

若林:どう?いっぱい来てんじゃないの?リトルトトゥースが。

春日:あ、トミーが、こっちを、見てたよ。

若林:ハハハハ いっこく堂みたいなテンポで言うな! トミーが、こっちを、見てたよ。

春日:だって目が合ったからさ、普通にさ。

(中略)

若林:今、トミーが見ている位置が、春日がアパートで見ている位置なの?

春日:今はね、もうちょっと奥の向かいのマンションの入り口になってんよ。

若林:ハハ お前、あそこからずっとアパートをじっと見てるの?(笑)

春日:だんだんだんだん距離をとっていこうと思ってね。最初はドアのとこにいたから。ハハハハ

若林:ドアの前に突っ立ってんの?

春日:ドアの前にいて、「あー」っていって、ちょっとウロウロして、202と203とかも行って、帰ってきて、見て、だんだん階段の途中とか階段の下とかになって、今は向かいのマンションの入り口。

若林:ここへ来ると思い出すけど、イヤな思い出しかない。20代の時と、あと、何度も飴ジュースやらされて。

春日:はいはい、テレビ出始めの時ね。

若林:こっちは、また話せば、どうせファンがよ、あん時、あん時はまだリトルトゥースにもなれてなかったから、オードリーのファンは。

春日:まぁ、そうね。ラジオも始まってない時だったりするもんね。

若林:また同じ話してんの言われるのこっちだよ。あんだけこすり倒した同じ話。

春日:まぁまぁ、そうね。

若林:毎日、毎日、飴ジュースの話して、飴溶かしてなんだつってやってたの思い出すわ。

春日:やったね。

  

若林:20年前でしょ?ここ住み始めたの。

春日:そうね。2000年の。

若林:俺としては、今、モノないんですよ。むつみ荘の春日の部屋。

春日:そうね。もう全部出しちゃったからね。

若林:春日引っ越してきたところだから、俺、部屋見たいつって見に来た時と同じ感じ。

春日:ああ、そう。若林さんいらした?この状態の時に。

若林:俺覚えてんのよ。「見たいんだけど」つって。こんな感じの状態で春日がいて、「へえ、ここが3万9000円なんだ、どうしようかな、俺は」なんつって話したら。

春日:若林さんはまだ独り暮らししてなかったからね。

若林:そうそう。したら春日が「物件て、探してると、ここに住んでほしいって部屋から言われるよ」って言ってたの覚えてて。\笑/

春日:飛び出した!名言が。春日語録が。

若林:俺、その時、「きっつ」って思ったの覚えてる。

春日:ハハハハ

若林:それはすっごい覚えてんの。「部屋からここに住めって言われる感じあんだよ」。春日が熱っぽくそういうことしゃべることないから、すごい印象的だった、それが。

春日:でも、実際、若林さんも物件探しをしたわけじゃない。その時に、あの時春日が言ってたことは本当だったなと思わなかった?

若林:思ったけど、口に出すのだけはやめようと思った。

春日:ハハハハ

若林:あんなこと、口が汚れちゃうと思って。

春日:ハハハハ

若林:ハハハハ

春日:だから、その頃からもう、むつみ荘が人というか生き物だっていう感覚があったんだ、春日に。

若林:何がそんなにいいんだろうね。冷静に。

春日:本当、結婚みたいな感じだからね、物件決めるっていうのは。

若林:お前、そういうこと言ってたよ。

春日:ハハハハ

若林:結婚もしてねぇのにさ。

春日:ビビビ契約をしたわけだから。不動産屋さんと。

若林:ダメだよ、ちゃんと書かなきゃ。ビビビなんていう契約の仕方。いろいろ確認しなきゃダメだよ、ちゃんと、お前。

春日:そうよ。だから、もうね。

 

若林のむつみ荘の思い出。25、6の頃につき合っていた彼女がケーキを作ってきてくれて、新宿で待ち合わせて、ラブホテルに入ろうと思っていたが、満室で入れず、若林が箱に入ったケーキを持って新宿をずっと歩いていた。行くところがないし、ラブホテルじゃないホテルに泊まれる金も持っていなくて。今はスイートに何十連泊できるぐらい持っているけど。春日に電話をして、「3時間ぐらいむつみ荘を貸してくれないか」「いいよ」。春日が漫画喫茶に行ってくれて。

部屋に入ってきて、ケーキを置いて、3時間の休憩で入っているから、先に行為に移らなければ。行為の時に揺れるなとは思っていた。行為が終わってケーキを食べようと、ケーキの箱の持つところが透明で中が見えた。揺れたからだろう。小さいサンタクロースの人形が白いクリームの上にうつ伏せに倒れていた。それが『ファーゴ』という映画のジャケットにそっくりだった。「あ、『ファーゴだ』と思ったのを覚えてる」\笑/

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マエケンさんが、岩崎さんと春日と若林とあと何人か、1人1万円ずつくれて、ジーンズメイトへ行って、30分か1時間以内に自分で一番おしゃれだと思うものを1万円以内で買って、一人ずつ入ってくるというファッションショーをやっていた。

ケンネエは家が近かったのでしょっちゅう来て、岩崎さんは家が埼玉だから、ライブお終わりで終電がないといって来て、3人でなんだかんだ話していて、2時間ぐらいたった時に必ずケンネエが、「春日買い出しに行ってきてくれ。なるべく長く行ってくれ」と言って、帰ってくると必ず岩崎さんに腕枕されたケンネエが2人で炬燵に入っていて、「何やってんすか!」と。

梅里のジョナサンで待機している時に思い出した。今はドリンクバーにカルピスとブドウジュースを児童で混ぜてくれる機能がある。昔、春日がいろいろな味を混ぜていた。「お前のおかげで自動になったんじゃないか?」

梅里のジョナサンの近くに住んでいたマエケンが、でかいメイクボックスを持ってカレーうどんを食いに来る。

ネタが浮かばない時にケンネエが書いてくれたのが、春日の頭がでかくてセーターの首が通る・通らない、みたいな。「めちゃくちゃつまんなかった、あのネタ」\笑/

春日:確かに。

若林:でも、それがあって今があるから、ほんと感謝ですけどね。

春日:それだけが回収できてないけどね。

若林:ハハハハ

春日:いろいろ思い出しますよ。

 

(中略)

 若林:高校の時とかの思い出とかもあるから、ここに思いがあるんだろうな、春日ってな。

春日:あるね。20年だからね。むつみ荘の大家さんに聞いたら、半分ぐらい私だって言ってたからね。

 

私が住み始めた時にシバタのおっさんが住んでいて、その時64ぐらい。仲よくなって聞いたら、「おれ、もう20年住んでんだよ」って言ってた。「20年もこんなとこ住んでんのかよジジイが」と二十歳の春日は思った。シバタさんと同じか、それ以上住んでいる。

 

若林:ここでトークライブをやっていたじゃない。ライブじゃねぇな。ガラガラガラと開けて出てきてたんだもんな。

春日:そうよ、我々がね。

若林:10人呼ぶつって。この座布団さ。

春日:そうそうそう。

若林:「小声トーク」って。俺、「小声トーク」っていうタイトルをつけたんだけど、センスあるね、やっぱね。

春日:ハハハ

若林:しびれるタイトルだよね。

春日:部屋でやるから、大きな話せないから小声で話すトークライブっていうことね。

若林:「小声トーク」って25、6の子が付けるんだから、「イッポン!」て思うね、俺は。

春日:今の若林さんでもイッポン差し上げちゃう。

若林:「小声トーク」なんてタイトル、25の子が付けてたら思わない?

春日:思うね。イッポンだイッポン。

若林:春日があそこ100円ショップに買いに行ったんだ、2人で。

春日:10枚買って、青い座布団を5、5で2列で並べてね。

若林:柄変えたんだよね。5個と5個で。1列目、2列目。S席、A席みたいにして。

春日:前が花柄だったのかな。

若林:枡席だよな。

春日:そうだな。スペシャルリングサイドだからね。

若林:これ2人で買いに行って、7人しか来なくてな。10枚座布団買って。

春日:「10人以上だと抽選になります」なんつってね。ハハハハ 「申しわけない、抽選で10名にさせてもらいます」なんつってね。定員割れね。

若林:今や単独ライブで、夏のケイダッシュナントカといって小屋だけ押さえるんだよ。最近、うちの事務所。芸人に「単独ライブやりますか?」って聞くんだぜ、上のほうから。

春日:へえ。

若林:「今回は見送ります」っていうコンビがいるんだから。

春日:やれや! 声かけられた時点でやれよ、二つ返事で。

若林:そう考えると事務所に腹立ってくるな。部屋でトークライブさせて。

春日:そうだよ。トークライブやりたいつったら、金をてめぇらで払えって言われてね。小屋代ね。

若林:どきキャンとハマカーンはやってただろ!小屋とってもらって。

春日:やってたよ。

若林:帰れ!サトミツ!

春日:何やってんだ! 座るな!その座布団に。バカタレが!

若林・春日:ハハハハ

若林:まぁまぁ、それは俺たちの実力不足だから、そこはそうするしかなかったから(春日:なんだ急に)まぁ、お前落ちつけよ。俺たちに非があるよ。

春日:そこまで取り乱してないよ、そこまで。

若林:今じゃ武道館で1万2000人で、ライブビューイング含めると2万2000人集めますけれども。\笑/

春日:ねえ。いかがでしょうか。\笑/

若林:7人からね。

春日:やったね。この椅子もその時我々が座ってた椅子ですよ。いろいろ残ってんの。

若林:…えっ?これそうなの?

春日:そうよ、そうよ。

若林:これで、そこに座ってトークしてたんだよな。

春日:そうよ。オードリー・ヘプバーンのTシャツ着てさ。2人で。

 

『小声トーク』の本を出すイベントの時に、当時の「小声トーク」を観に来たことのある人が何人かいた。「もういないだろう」と春日。「なんで来てくれてたんだろう、あの7人は」と若林。春日が「小声トーク」という旗を持って阿佐ヶ谷の駅まで迎えに行って、送りに行く。若林は1回目だけやったが、2回目以降はやらなかった。理由は「笑いの質が変わるから」

 

若林:今の部屋、俺は桐生じゃないかと思ってるんだけど。

春日:なんで群馬県なんだよ!

若林:部屋帰ったら、家帰ってきたなって感じにようやくなってきたぐらい?1カ月で。

春日:まだそこまででもないね。まだちょっとお邪魔してる違和感は。なんでここの部屋に住んでんだろうって、部屋にいながら1時間に1回思うね。

若林:むつみ荘に引かれてる部分があるのかな。

春日:もあるし、ここが身の丈な感じがすんだよね。

若林:あ、そういうことか。自分にフィットしてるんだね。

春日:そうそうそうそうそう。

 

むつみ荘は「おかえり~ね~」、今住んでいるところは「おかえりっす!」の感じ。スベり過ぎて後ろにひっくり返る春日。

 

若林:クミさんは「(ダミ声で)おかえりなさい」って言ってくれるんだろ?

春日:そんな声低くないわ。

若林:「おかえりなすって」って言うわけじゃない。93番は。

春日:いやいや、クミさんね。クミさんと犬は迎えてくれるよ。

若林:クミさんは何て言うの? 春日が「ただいま」って言ったら。

春日:何て言うかな。でも、あんまり言わない。「おかえり」なんて言う?

若林:それは結婚してたら、ひろし言うよな?

春日:結婚人たち言う? 「ただいま」って言う? そもそも。

ひろし:言います。普通に。

若林:普通に言うよな。

春日:「ただいま~」って言うの?

ひろし:ただいま~。

若林:それは普通に言う。無視になるもんな。うちは言うよ、だってそれは。

春日:うち?

若林:トーンとかあんまり関係なく。

春日:うちって、実家ってこと? 何? うちって何? うちって何?

若林:俺の家ですけど。

春日:えっ?1人で言うってこと?

若林:まぁ、聞こえるっていうか。

春日:聞こえる? いや、まずいね、これは。(スタッフ:笑)まずい話だね。

若林:俺と岡村さんは聞こえるって言う。

春日:なるほど。じゃ、本人たちにしか聞こえない「おかえり」が聞こえるわけだね?

若林:聞こえるんだよ。

春日:だから「ただいま」って言うんだ。

若林:「ただいま~」って言って。

春日:ああ、なるほどね。

 

トミーの様子を再度見てみる。「またトミーと目が合ったね。後ろに手を組んでいるトミーと目が合ったよ」

 

(CM)

トミーが蚊に刺されている。

むつみ荘に来た有名人。日刊スポーツの『春日の部屋』で一青窈鈴木福米倉涼子PUFFY腐男塾板野友美。『ヒルナンデス』で水卜アナ。『黄金伝説』であき竹城、キスマイの北山君。北山君はむつみ荘202に1カ月住んで、ゴールして、阿佐ヶ谷の居酒屋で打ち上げをした。『からくりTV』で明石家さんま。『ぐるナイ』で国分太一。国分さんは、シャンプーおじさんをしながら前の道を歩いた。『得する人損する人』で羽鳥アナ。『水曜日のダウンタウン』で曙。

部屋の中で思い切りアメフトをしている動画を板尾さんの番組に投稿したら、板尾さんが「これ、おもろいな」とほめてくれた。「壁の穴はその時のもの?」ではない。野球ゲームでT監督をやっていて、なかなかの負け方をして腹が立って、当時使っていたブラウン管のTVを前蹴りして開いた穴。

 

大家さんのアヒル

若林:そういえばアヒル飼ってたな。大家が下で。

春日:そうそうそうそう。

若林:汚ねぇアヒルな。

春日:汚ったねぇアヒルなんだよ。

若林:それをホースで水をビャーッて、池がないからホースで水かけて。たまに水かけてんだよ、ホースで。陸でアヒル飼ってたんだよ、ここの大家。

春日:窓開けて、隣の家とのすき間の狭いとこで。

若林:知らない?石井ちゃん。

春日:知らん?

若林:陸でアヒル飼ってた。あの間で。そこの間で。よくネタ作りで煮詰まると、窓開けて下のアヒル見てたもん、俺。

春日:そうよ。汚ったないアヒルよ。

若林:ホースをつまんで勢いを出して、ホースの水をアヒルにビャーッてかけてるのね。気持ちよさそにしてたわ、アヒルが。

春日:あれ、遠くから見ると、あれ?つって。汚な過ぎて、遠くから見たら、コンビニエンスのあっためた弁当を入れる袋みたいな色してるんだよね。茶色いさ。

若林:茶色いんだよ。陸で飼ってるから。池がないから。

 

今村夏子さんの『あひる』という小説が、この家で想像がずっと進んでしまうと若林。邪魔だった。むつみ荘と大家しか頭に浮かんでこない。

 

若林:お前すごい話すな。むつみ荘のことになると。

春日:そらそうでしょうよ。

若林:俺、それがすごいイヤなのよ。あそこのクーラー付けた時もだよ。

 

父紀彰が引っ越し祝いで窓付けのクーラーを買ってくれた。

クーラー本体の真横にリモコン置きがある。意味がない。「そこまで近付いたら手動でできるだろうが!」「大きい声出すなよ。何時だと思っているんだよ!」「お前だよ!」

 

若林:今日で最後になるのかな、春日も。

春日:世間に発信するむつみ荘は最後かもね。もうたぶんない。この先ロケーションとかが入らない限りよ。

 

外の明かりでネタ作りをしていた。

 

罪悪感

若林:俺は、春日の“金曜日騒動”から、最近、すごい罪悪感に感じるの。春日をお笑いに誘ったことを。

春日:最近また? そんなこと、前も言ってたよな。

若林:最近またというか、すごく思うね、最近。

春日:そうお?

若林:春日をお笑いに誘って申しわけなかったなって。

春日:な、なんでよ?

若林:絶対幸せだっただろうなと思って。お笑いやんないほうが。

春日:へへへへ

若林:金曜日騒動の時に思ったのよ。

春日:なんだ!“金曜日騒動”っていう言い方。

若林:ああいう、なんか、こう、芸能界っていうのはさ、美人が太股をチラつかせるもんじゃん。スタジオで。

春日:いや、だから、ざっくりしてんな!

若林・春日:ハハハハ

春日:芸能界の例えが大味過ぎるだろ! なんだそれ! わからんでもないけどね。

若林:芸能界っていうのは、美人が太股をスタジオでチラつかせてる場所じゃん。

若林・春日:ハハハハ

春日:それ以外もいろいろあるでしょうよ。

若林:それで春日を悶々とさせちゃって、EPCとかということになっちゃって。

春日:EPCは、別にお笑いやってなくても、サラリーマンでも、何の仕事してても、EPCはやってるよ。だって、そのために生きてんだもん。呼吸みたいなもんだ。呼吸は止まらないじゃん、どの仕事してても。

若林:それはほんと「ご自由にどうぞ」と思うけどさ、お前は昼間さ、スタジオで太股をチラつかせてる女性芸能人を見るから金曜日騒動につながっちゃったのかなって。で、お前が社会から叩かれてたじゃない?

春日・若林:ハハハハ

若林:なんか悪いことしたなってすごい思って、なんだろうな、勘がよくない奴をすごく鞭で打っちゃったのかな、みたいな。20代。なんかそういう罪悪感が最近すごくあって。

春日:持つな!そんなもん。なんだ、その勘の悪い奴って。鞭で打ったって。

若林:やっぱあのダメ出しは無理があると思うもん。今。

春日:まぁまぁそうだろうね。

若林:0.5拍遅らせて入ってくれとかさ、なんか、ねえ、わかるはずないじゃん、あの20代の春日に。

春日:そう。だから、本当にスワヒリ語みたいな感じだったもんね。

若林:俺が言ってることが?

春日:言ってることが。英語でもない、もっとわかんないさ。

若林:「わかんない」って言ってほしかったんだよね。もっと。

春日:わからなきゃいけないと思ったんだね。

若林:あと、誰かが教えてくれよと思う。今。

春日:何を?

若林:あんな間違った漫才のネタ作りの仕方と稽古の仕方。

春日:ハハハハ その当時ね。

若林:うん。

春日:いや、それは気づかん。それは気づかんですよ。

若林:5年ぐらいやってた。俺がボケで、春日がツッコミで。

春日:そうね。

 

若林:この部屋で、みんな暇だから、若手芸人、そういう噂になるんだと思うんだけど、部屋にファンの人呼んでトークしてっていうのを毎月やってたの。1年間。したら、芸人たちの間で、月1でファン呼んで乱交パーティてってるっていう噂が。

春日:ハハハハ

若林:本当に流れてたんだから。あいつらマジでヤバい2人だって。何人目かになったら、それ、めちゃ引いたわ、みたいな。2人には直接言わない。風当たり強いよ。「家でライブやるなんてことで、ちょっとフックにしようと思ってんの?」みたいなさ。そういう目に遭ってんだよなぁ。

春日:言う人はいるよね。イジりで。

若林:イジられて。家なんか、金ねぇからやってんのにさ。

春日:仕方なくよ、こっちは。

 

小声トークでやっていた妄想トークにチャレンジ。「砂漠で1年生き延びた話」

 

若林:最初に俺が導入をちょっとするんだよね。

春日:そうだ、そうだ、私が話すんじゃないんだ。

若林:聞くの、俺が。それが上手いんだよ、また。

春日:ハハハハ\笑/

若林:でもね、ここで培ったのが今の『激レアさん』に生きてるよ。

春日:ハハハハ 確かにそういうような話をしたわけだ。確かにそうだな。ナニソレ?っていう。

 

春日、チャレンジするも、20代の時のほうが上手かった!

 

若林:こんなことをやってたんだから。

春日:やってたなぁ。懐かしいねぇ。

若林:そういう思いが詰まってるから、ちょっと見てから帰りたくなるような場所になってるのは、物語があるからか。

春日:あり過ぎるよね。ほんと、だって二十歳からの20年。二十歳40の20年ていろんなことがあるわけじゃん。

若林:大体そこだからな、人生って。

春日:ハハハハ\笑/

若林:そこでいろんなことがないってなぁ

春日:そうよ、だから、こっから、それこそ住み始めた頃はまだ学生だったからさ、こっから商学部まで通ってた。1年間ぐらい。んで、ネタやる、なんだつってあるでしょう? お笑い芸人始めたのはこっからだしさ。そこから駆け上がってく時もここなわけだし。

若林:駆け上がってく時って芸能界を?

春日:そう。芸能界を駆け上がってく時もずっとここなわけだから、そうよ。

若林:写真も撮られたりしたしね、この階段で何人かと。

春日:そうよ。それこそ酸いも甘いもすべてがここに詰まってるわけですよ。むつみ荘にね。そういうことよ。

若林:ハハハハ

春日:それはやっぱりただの20年じゃないのよ。だから、ほんとに腹が立ってたね。

若林:何が?どういうこと?

春日:「早く引っ越したほうがいい」とか言う人にはね。

若林:言われてた、芸人さんの先輩とかに。

春日:そうよ、そうよ。

若林:腹が立ってたってどういうことなの?

春日:いやいや、私にとってのむつみ荘がどれだけ大きいものなのかっていうのを、言ってもわかんないからね。

若林:「ここから抜け出す」っていうイメージがあるんだろうね。

春日:そうそうそう。抜け出すようなところじゃないから! むつみ荘と共にっていうね! むつみ荘と共に私は歩んでいくんだ!っていう。

若林:怖い怖い怖い怖い怖い。

春日:やめてくれよ! 「風呂なし=残念なところ」で、そこから抜け出すのがいいっていう価値観。

若林:誰も理解できないんだもん、その価値観。

春日:また腹が立ってきたなあ。同じように。

 

(中略)

(CM)

クミさんはオードリーのラジオを毎週は聴いていないが、若林さんのインスタグラムは毎日見ていて、春日に教えてくれる。

ラクティスのCM撮影時の照明さんは、以前むつみに1年ぐらい住んでいた。

カメラを入れて、どういう人がプレゼントを置きに来ているかを見ようという企画は、子どもたちが持っていく映像が映っていて、お蔵入りになった。

 

若林:あと、あの話、俺はウソだと思ってる話があって、1コ。ごみ袋が置いてあって、なんだこれ?誰が置いてったんだ? 捨てようと思ったら、中から手が出てきて握られたっていう話あったじゃん。俺ね、あれウソだと思うんだよね。

春日:なんだそれ! ホントだよ。

若林:いや、あれウソでしょう?

春日:ホントだよ。その当時いっぱいあったんだから。いっぱいあったんだよ。

若林:言えないような話が?

春日:あれが一番最高峰ぐらいだけど。ごみ袋に女性が入ってて、どけようとしたら、袋から手が出てつかまれて。

若林:めっちゃ怖いじゃんその話。

春日:そんなんいっぱいあるよ。

若林:そこで手つかまれたんだろう?

春日:そうだよ。帰ってきて、上がってさ。

若林:あと、あれだよな? ティッシュとドリンク剤持ってずっとノックする人。

春日:うん。女性ね。

若林:いたんだよな?

春日:いた、いた、いたよ。

若林:お前、それでよく引っ越さなかったね。それは何? 手つかまれた後どうしたの?

春日:手つかまれて、それはびっくりするじゃん。「おっ」とか言ったけど、そこで怒るのも違うし、びっくりするのも向こうにハマるみたいでイヤじゃん。だから、ぐっと堪えて、「ちょっといいすか、どいてもらって」っていって入ったのに。

若林:うわっ、どいてもらってって距離じゃないじゃん、もう。

春日:そんなんいっぱい。朝出ようとしたら引っかかってさ。外開きだからさ。何かなぁ?と思ったら、すんごいいっぱいピアスした女の子が体育座りしてたの。こうやって。

若林:怖っ。

春日:で、ドアが開かなくてさ。それも「ちょ、ちょっといいすか」って。

若林:何それ、どういう会話になんのよ? ちょっといいすかって会話せずにまた。

春日:サーッと行って降りて。

若林:すごいピアスしてる子が。

春日:すんごいいっぱいピアス。

若林:春日、そういうファン多いもんね。いっぱいピアスしてる人多いもんな、お前のファン。

春日:そんなことねぇわ。それ以降見たことねぇわ! それにもびっくりした。こんな子がファンなんだというのもびっくりした。

若林:俺もあったよ。名古屋の帰りとかで東京駅の地下の駐車場に車と車の間にいたの。「ぶち殺すぞこらぁ!」って言ったもん。

春日:ハハハハ

若林:ハハハハ 二度と居んじゃねぇぞこの野郎!つったら、ほんとに走り去ってった。

春日:それは逃げるでしょう。予想外の反応だもん、向こうにしたら。

若林:ハハハハ

春日:あたしは、だから、そこはリアクションとらなかったから。

若林:俺、びっくりして言っちゃった。

春日:思わずね。

若林:車の反対の助手席に荷物入れようと思ってぐるっと回ったら、こうやって体育座りで座ってて、ビクッてしたから、その反射で叫んじゃった。

春日:それはびっくりするよ、こっちは。急に、ゲームとかしてたらトントンとか鳴るわけだから。夜中、このぐらいの時間に。

若林:うわっ、お前はすごいわ。それでも引っ越さないんだもんね。

春日:開けなかったらね。ガチャガチャとかもされるけど、ドアノブを。

若林:うわ、怖っ。

春日:鍵は閉めてるからね。それとか、普通に外から小石をここの窓にぶつけられたり。

若林:コンて?

春日:コンとか。「春日ぁ!」とかも全然あるしね。それである時、こうやってずっとシカトこいてたのよ。「春日ぁ!」とかって石投げられて。しばらくして、大体5分、10分はいないね。どんな騒いでても。10分ぐらいしていなくなったから、あ、いなくなったと思ったら、15分ぐらいしてからですよ。今、こっち側に、私がいるほうがテレビがあったからさ、テレビのほうを見てたわけ。したら、こっちの窓よ。こっちサイドの窓のところに、下から、曇りガラスだからはっきりとは見えないけど、下から手がスッと。

若林:えっ?

春日:ハハハハ

若林:2階なのに?

春日:出てきて

若林:怖っ。

春日:「春日ぁ!」バンバンバンバン!って叩かれた。

若林:どういうことなのよ、それ。

春日:だから、どっかから梯子かなんか見つけてきて。

若林:うわっ。お前、引っ越せよ。引っ越せよ。

春日:それを掛けてさ。登ってきて。

若林:そんなことされたの?

春日:バンバンバン!とかもあったよ。

若林:引っ越せよお前!引っ越せよ!

春日:引っ越したんだよ、もう。ハハハハ その時の春日に言ってももう遅いよ。意味ないわ。引っ越したんだ、もう今。

 

若林:ロケしてたらさ、自転車で通り過ぎ際に、「春日、今日祭り行くの?」って言ってた人もいたよね。

春日:ハハハ いたね。阿波踊りかなんかやっててね。そんなの全然。

若林:なんかあったよね。毎日こっち入って、ワイドショーのレポーターの人が来て、飴ジュースですとかやってたから、朝ここに入ってるのが多くて。

春日:若林さんがね。

若林:したら、子ども、中学生ぐらいが「春日バーカ」とか言ってて、忙しくて機嫌悪くて、「うるせぇ!」つったら、「うるせぇじゃねぇんだよ!」って中学生があそこの道を引き返してきて、ずっと口喧嘩してた。

春日:ハハハハ やめてくれよ、人んちで。

若林:気が立ってたんだよね。

春日:そうかもね。

若林:うるせぇなと思って。

春日:余裕がなかったからね。

若林:だってサイゼリアの食べ尽くしで、ガラスに張りついて見てる人に、お前コップの水ぶっかけてたじゃん。

春日:そこまではしてねぇわ!

若林:ガラスだからかかんないけど、水かけてたよ。

春日:そこまでしてた?「うるせぇ」とは言った記憶あるよ。「見てんじゃねぇ」って言った記憶はあるよ。ハハハハ

若林:見てんじねぇ!って水かけてたよ。

春日:水までいってたかな。ギリギリだったから、あの頃はね。

若林:ギリギリだった。2人で裸になって食べ始めてな。乳首にピンマイク挟んでたら、めちゃめちゃディレクターキレた顔してにらんでたわ、こっち。そういうんじゃねぇんだよっていう顔してて。

春日:そうね。使えねぇだろってね。

若林:そうそうそうそうそうそう。

春日:ギリギリだったから。

若林:その時期だ。

春日:その時期よ。その時期は一番多かったね。一番多かったし、私もここからちょっとだけ開けて外を見てるっていうのも多かった時期だね。

 

ケツチャン(バラ)の話。マエケンに勝てる奴がいない。

背中に×を書くゲーム。(以前は○と言っていたような)

青梗教ドッキリ。サトミツが助演男優賞

じゅんごさんと春日が相撲をやって、じゅんごさんのあばらが折れる。

若林:あの頃があったから今があるって思えないよな。

春日:なんにも生かされてねぇ。

若林:無駄な時間だったと思うよな。

 

(CM)

チンのコーナー「夏の嫌いなところ」そば粉100%

来週のテーマは「いまだに忘れられない一言」

 

(CM)

しんでもやめんじゃねぇぞのコーナー

 

(エンディング)

春日:ニチレイプレゼンツ、オードリーのオールナイトニッポン、この番組は、おいしい瞬間を届けたいニチレイ、以上各社の協賛で、東京杉並区阿佐ヶ谷のむつみ荘をキーステーションに、全国36局ナッお送り。

The Fratellis「A Heady Tale」♪

 

混乱もなくリトルトゥースが来なくてありがたかった。ただトミーが蚊に刺されただけだった。

春日:20年間何者でもなかった私から今や「春日」というものになった。

若林:ずっと今日、春日だろ!

春日:なんだよ! 何してくれてんだ!

若林:変わんない、品質は。20年間。

春日:大体言ってる意味はわかる、言わんとしてることはわかるでしょう。

若林:「ナントカの春日」にしてくんないとさぁ。

春日:とりあえず、一人前というか、食えるようになったわけだから。

若林:今ですか?

春日:今ね。

若林:ようやく、ギリ、バイトしないでも。

春日:ハハハハ そうだったのか~まだ。

若林:食えるようになったけどもね。

春日:そうか、認識がちょっと違うなぁ。このむつみ荘とともに駆け上がってきたわけだから、まだこの先も永遠に共に歩んでいくと思っていたところを、別れというのが来てしまったから、本当に今まで「ありがとうござっす」っていう感じだよね。

若林:そういう気持ちっていうこと。先輩みたいな感じなわけね。挨拶の仕方としては。

春日:うーん、ちょっと間違えたかもしれんな。ハハハハ

若林:間違えんなよ、最後の最後で。ちょっとこれであと1分弱でラジオ終わりますけども、この後、ひろしのコーナーやって。

春日:いや、誰に向けてだよ! やだよ!

若林:せっかく付け焼き刃もみんな来てるわけだから、みんな阿佐ヶ谷へ飲みに行きましょうか。

春日:それは大丈夫ですけど。いつもどおりすぐね、3時2分にはタクシーに乗ってたいけどね。でも、中でいろいろやるのは最後だろうね。またでも、何日か後には見には来ますけど。\笑/

若林:それやめろよ! 怖いだろ!

春日:入んないから。見に来るのもだんだんスパン長くね。

若林:そうか。それは自由ですから、俺は最後ですけども。ありがとうございました。おやすミッフィーちゃん。

春日:この後また夢でお会いしましょう。アディオス。

 

オフコース「言葉にできない」♪

若林:オードリーの小声トークというトークライブをですね(春日:ええ、ございますな)、僕ら長いことやってまして(春日:ウィ)、言っちゃいましょう。むつみ荘、春日んち。すいませんね、言っちゃいましたけど。

春日:かまやしないだろう。住所まで言っちゃえ!

若林:ハハハハ

 

若林:春日と解散しようと思って、アパートのドアをパッと開けたらね、西武の帽子被って、西武のメガホン持って応援していてね、ゆっくりドアを閉めて帰ったっていうね。

春日:ありましたね。

 

3! 2! 1! オープン!\オオー!/

春日:おお(笑)

 

春日:窓をこうさ、ちょっとこう。

若林:ああ、シャイニングオープンね。いわゆる。

春日:俗に言うね。

 

春日:卵が、こう踊ってる(笑)。カンカンカンカン、チンチンチンカンチンチンカン

若林:ちょっとはっきり言い過ぎだな。

春日:ハハハハ

 

春日:コイツ横切るなって思った瞬間に、右手でノートパソコンをバン!と叩いたの。閉じたわけ。

若林:キーボードで言うと何の上に、どの辺に。

春日:あの辺の感じで言ったら、やっぱり、Gじゃないですか?

若林:ハハハハ

 

若林:毎週むつみ荘からやりたい、みたいな部分あるんじゃないの?ひょっとしたら。

春日:ああ、そうなったら幸せだよね。\笑/その発想はなかったけど。

若林:むつみ荘のおかえりだとどんな感じでアパート。

春日:今の感じだと、「おかえり~ね~」

若林:あ、「ね~」は要らない。やめてください。同じ文言じゃないと比べられないから。今のマンションのおかえりはどんな感じなの?

春日:おかえりっす!

若林:最後のむつみ荘でこんなスベり方すんなよ、お前。

 

春日:春日、むつみ荘に住むの、死んでもやめんじゃねぇーぞ。

 

 

  

 

 

 

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ショックだったこと

 

オードリーのオールナイニッポン 2019年8月24日

 

若林:ちょっとショックなことがありましてね。

春日:どうしたんだよ、ええっ?

若林:俺と春日も日大二中、中学2年の時から同じクラスで一緒ですけども。

春日:14ぐらいですか? だいぶ長いことね。

若林:今日初めて聴いた方もいると思うんで、一応そこを押さえておこうかなと思いますけどもね。

春日:うん、まぁ、ゼロではないけどね、3人ぐらいだろう。

若林:今日、ニッポン放送来る時、有楽町のとこ歩いてたら、目の前にね、ちょっと、このたとえ伝わるかわかんないですけどもね、年代選んじゃうかもしんないですけど、ウォーズマンの幼少期の頃のようなね(春日:笑)格好をした男が歩いてたんですよね、有楽町を。

春日:幼少期の紙袋みたいの被った?

若林:はい、はい。

春日:目のとこだけ開いてる。

若林:そうそう。

春日:四角に。

若林:正直、帽子とマスクして、完全にバレないフライデースタイルというか。土曜なんだけどね、今日は。土曜なんだけど。

春日:皮肉なもんだよな。

若林:うん。フライデースタイル。

春日:エブリデイだからね。

若林:まぁね。だから、あん時の放送は翌日でしたけどもね、それはまぁ過去の話なんで、俺は過去を振り返らないタイプだから。

春日:そんなわけねーだろ!

若林:ハハハハハ

春日:谷口がネックレスを切ったっていうさ。

若林:いや、アイツさ。

春日:ハッハハハハ

若林:高校の時泊まりに来てさ、俺は2階行って、下降りてきたらネックレスがちぎれてたの。

春日:ハハハハ

若林:てことはよ? ネックレスちぎった奴は谷口かスギサキしかいない。

春日:フフフフ

若林:スギは絶対、切っちゃったら俺に言ってくる奴。谷口しかいないのよ。

春日:うん。

若林:知らんぷりしてボーとしててさ。俺がショックなのは、ちぎれて、それを言わないでも済むっていう付き合い方してるっていうのが俺はショックだった。

春日:いや、もういいだろ! 何回話してんだよ、この話。

若林:あとね、海の家のジョーね。ダブルネームの。

春日:ハハハハ

若林:サムギョプサル頼んで

春日:ええやん、別に。それは最近。

若林:8万ですよ!

春日:それは去年。

若林:海の家行って8万!

春日:それは去年ぐらいの話だ(笑)。去年の話とさ、高校の話を同じ怒りの熱で話すのやめてくれよ。

若林:ダメなの?

春日:全然過去を振り返る。振り返るっていうか、ナウで怒れる人だからね。

若林:フフフ

春日:振り返るとかじゃないよ、もう。過去も今みたいな感じで話す。

 

DJ松永と朝井リョウ山里亮太で、過去のことをどれだけ今のテンションで怒れるか選手権をやりたい。

 

若林:話戻すと、さっきですよ。帽子とマスクして。

春日:ああ。それ、何? 何ですか?

若林:ニッポン放送、直線で歩いてたわけ。春日。交差点というか、あって。俺は横の道から歩いてきて、春日は縦の道から歩いてきたのね。

春日:うん、うん、うん。

若林:で、明らかに目が合ったの。

春日:うん、うん。

若林:でもね、俺が結構びっくりしたのは、帽子とマスクしてて、春日がね、サングラスしてたんですよ。

春日:サングラスっていうほどの、別にサングラスじゃないけどね。

若林:メガネ。

春日:メガネ…そんな別に真っ黒、いわゆるザ・サングラスじゃないよ。

若林:でも、あれじゃん。レーシックしたじゃん。

春日:した。

若林:度が入ってないわけじゃん。

春日:度は入ってないよ。

若林:で、俺、絶対春日と目合ったの。横から歩いてきたのと縦からで、目がパッて合ったの。

春日:うん、うん。

若林:したら、春日がなんかね、俺が気づいてないとおも…俺は、見てないと思ってんのかなぁ。なんかね、バレないようにサングラスをスッとすぐ取ったんです。で、ポケットにスッと入れたんですよ。俺は、それ、すごい、ほんと、ちょっと古いたとえだけど、ほんとに高橋尚子さんみたいな、ラストスパートかける時の、サングラスパッと取っ…『LOVE2000』かかりましたよ。俺、頭の中で。デーデデデーデデデデー♪つって。

春日:うん、ダンスしてね。

若林:そうそうそう。フフフ

春日:Qちゃんダンスしてさ。

若林:ちょっと『LOVE2000』、今、聴いてみましょうか。

春日:いいよ別に!

若林:ハッハッハッハハハ

春日:いい!走んなくていい!走んなくて。座っとけ!いい!CDを探しに行かなくていい。

若林:俺、ほんとにすごいショックだった。俺の前でサングラスできないんだな。サングラスさせないプレッシャーをかけてんだなって思ったらちょっと

春日:いや、そんなことは考えてないよ。

若林:ちょっと、サングラス取ってきて、ひろし。春日のバッグから。

春日:勝手に鞄を…まぁ、鞄ごと持ってくるんだったらいいけど。

若林:春日ちょっと、サングラスちょっと。俺、まず、サングラスしてたことにも驚いて。

春日:サングラスってほどのことでもないよ。

若林:それを外したのがショックだったのよ。別にいいのよ、俺はお前がサングラスすることは。

春日:いや、これ、サングラスじゃない。サングラス…

若林:これ、なんなんの? だって、度入ってないでしょ?

春日:入ってないよ。

若林:ちょっとかけてみて。

春日:でも、サングラスなんだけどね。

若林:あ、そうなの?

春日:紫外線を通さない。

若林:でも、おかしいじゃない。夜にしてんのは。

春日:…へっ、まぁ…。

若林・春日:ハハハハハ

若林:ちょっとしてみてよ。

春日:別に普通よ。

若林:だから、春日ね、俺ね、すごいショックだったのは…あ、春日がこうやって背筋伸ばして、今、手を重ねてるんですけど、これ、キャラ入れるってことは恥ずかしいってこと。

春日:いやいや(笑)。

若林:キャラ入れて乗り越えようとしてるっていう。

春日:いやいや、キャラ入れるってほど入れてないだろ、別に。写真撮ってるからさ、ひろしが。

若林:俺は、すごい結構…いや、したままでいいから。

春日:なんでだよ!

若林:それはなんでかというと、したままでいいっていうのは

春日:何よ?

若林:俺が結構ショックだったのは

春日:何がショックなの?

若林:俺にサングラスしてんのを見られたくないって思ってることがすごいショックだった。俺は、お前がサングラスしようが、例えば、ピアス開けようが

春日:ピアス開ける、バリー・ボンズじゃなねぇんだからさ!

若林:お前毎回バリー・ボンズ言うな。つまんねーなあ。

春日:ダイヤのさ、光った。

若林:ハハハハハ もういいよ!それ。ダイヤって言うのもやめろ、それ。

春日:ハハハ

若林:セカンドで。

春日:ハハハハ

若林:それで、俺は、だから、すごくイヤだったんだろうなと思ったわけ。春日がね。外でサングラスしてるっていうこと、俺すぐネタにすんじゃん、そういうの。でも、俺はそれは俺も心苦しい。こういう商売だからネタにするしかないもん。お前が外でサングラスしてたら。

春日:いやいや(笑)サン…まぁまぁまぁ、うん。

若林:だって、ニッポン放送入る時に外すなら、駐車場のターンテーブルぐらいのとこで外すと思うのよ。ニッポン放送入るなら。でも、明らかに俺と目が合った直後にスッて取って、ポケットにスッて。俺になんか、それ、すごいショックだった。俺は、これは提案だけど、このラジオではずっとサングラスしてほしい。

春日:おかしいだろ、それは。

若林:なれてほしい。俺の前でサングラスすることに(笑)。

春日:別にいいよ。こっちのため、こっちは別にいいよ。

若林:じゃ、ちょっと鼻メガネ取ってもらって。

春日:誰が鼻メガネなんだよ! サングラスって言ったり、パーティグッズだったりよぉ、なんなんだよ!

若林:いやぁ、俺はショックだったね。

春日:そんな意識はないけどね。

若林:なんで取っ…いつもあそこでラストスパートかけんの? サングラス取って『LOVE2000』で。

春日:やっぱ小出監督の指示があるからさ、あの辺でさ。

若林:ちょっと『LOVE2000』聴いてみよう。

春日:要らないよ別に! 『LOVE2000』は。

若林:なんで『LOVE2000』を(笑)。

春日:なんでかけようとするんだ、逆に。なんの確認なんだよ。

若林:というのは、再現したいの。今、春日がどうやってメガネ外してるか、みんなに見てほしい。外した瞬間に『LOVE2000』かけてほしいのよ。

春日:あ、そういうこと?

若林:そういうことなのよ。だから、正直言って、俺の前でサングラスをするのはイヤで、外してバレないようにポケットに入れたのか、いつもあそこでラストスパートかけんのか。

春日:はいはいはい。

若林:有楽町のホテルのあそこ、なんだっけ、何ホテルだっけ? ペニンシュラの過ぎたぐらいで外したのよ。俺、だから、それすごいショックで。それ、どっちなの?正直なところ。

春日:いや、別に、常にあそこで外すわけでもないけど、別に若林さんに見られたからっていうことでもないよ。

若林:あそこで外したのはそういうわけじゃないの?

春日:そういうわけじゃない。

若林:なんでじゃああそこで外すのよ。ずっとかけてきて。ターンテーブルぐらいのとこで外せばいいじゃない。

春日:(笑)いや、だから別に。

若林:それか、本番で、ブース入る直前に外せばいいじゃない。

春日:おかしいだろ、ずっとかけてんじゃないか、じゃあ。3時間ぐらい。

若林:ブース入る直前にサングラス取って投げて、本番入れば、土曜という仕事のラストスパートっていうことでもあるじゃん。オールナイトは。

春日:それはもう完全にQちゃんだ、そしたら。

若林:なんであそこで外したのよ?(笑)

春日:いや、だから、別に、ほんとに、その、見られたっていうこと100ではないよってことよ。

若林:100じゃなかったら、見られて外したのは100のうち、100分の何パーなのよ?

春日:100分の?

若林:うん。

春日:ま、85ぐらい。

若林:ハハハ お前、そういうのずるいよ。

春日:100じゃない。

若林:お前さ、そのさ、無感情の振りやめろよ。

春日:ハハハハ

若林:若けぇ奴じゃねぇんだからさ、無感情の振りって、本当におじさんは似合わない。おじさんはバカにされないと可愛くないよ! お前ね、可愛くないおじさん。

春日:ハハハハ

若林:ハハハハ

春日:面倒くせぇおじさんだ。

若林:ハハハハ

春日:いやだな、面倒くせぇおじさんは。

若林:ちょっとごめん。顔がかたいのがわかんだけど、今、このイジり、イジられる状況自体は、あんま好きなフィールドじゃない?

春日:いや、好きな、別にそんなことないよ。

若林:楽しい?今ラジオやってて。それは俺、楽しくなきゃラジオじゃないと思ってんのよ。

春日:そうね。楽しくなければラジオじゃない。それはもう楽しいよ。

若林:じゃあいいや。じゃあいいのね。