オードリーのオールナイトニッポン 2017年9月23日
若き血潮が巡った話
若「だけど、ENGEIグランドスラムやっててさ、終わった後ね、春日がメイク落としながら珍しく話しかけてきたのよ。クレンジングシートでメイク室で落としながら「いや、若ちゃんさ」つって話しかけてきて」
春「いや、そんな話しかけ方はしてない(笑)。「若ちゃん」て呼んだことないしね。中学から」
若「俺も「何よ?」なんつってさ。したら春日が「やっぱネタは2回以上かけてからじゃないと難しいよね」って話しかけてきて、急に偉そうな口叩いてんじゃねーぞバカタレ!と思ったんだけど」
春「いや、そんなふうに思ってたのかよ!ハハハハ(笑)」
若「はははは(笑)まあそうだよねぇなんていう話してて。それで、2回かけて、今回のネタなんだけど、うちの実家を取り壊すというネタだったんだけど、冒頭の3つ目ぐらいのボケで「壊すなら頼みがある」と春日が「玄関でウンコさせてくれないか」「ダメに決まってんだろう」っていうくだりを、ライブでは2回ともやったんだけど、テレビでは外したんです。これはね、この1個のボケに対して、ここ1カ月葛藤してたんですよ」
春「ああ、そうですか。外すか否かというところで?」
若「そうそうそうそう、まさにそうで。なんでかというと、すごい好きだったの」
春「あー、まあ、面白いよね」
若「そうでしょ!」
春「フフフ(笑)あれは面白いと思うよ」
若「春日もなんかね、「これって外したほうがいいの?」みたいな話。「いや、これいいんじゃないですか」みたいな春日が言ってたわけよ。「春日がちょっとネジ飛んでる感じも頭で出せるし」つって生意気な口叩くなと思ったんですけど」
春「いやいや、そう思ってたのかよ!」
2人「はははは(笑)」
春「その時に言ってくれよ!」
若「『オードリーのネタライブ』で最初に下ろした時に、そこがどんズベったんです」
春「ハハハハ(笑)そうだね」
若「そうでしょ!「玄関でウンコさてくれないか」「何言ってんだお前!」っていうところが全然ウケなくて」
春「ハハハハ(笑)」
若「一回谷みたいになっちゃって、久しぶりにファんにムカついたんです」
春「ハハハハ(笑)」
若「なんだコイツらと思って」
春「笑え、と」
若「頭悪りぃのか!と思っちゃって」
春「ハハハハ(笑)」
若「はははは(笑)で、ウケねーなってなって、そいでまたネタをね。で、その後のボケからウケんのよ。また、それで次に『若手とネタライブ』っていうのをやって、そこでも同じネタかけようよつって。2回ですよね。あんだけウケないと、外すかなんて、春日に言ったら、春日が結構反対する、みたいな。珍しくね。いやぁ、でもねぇ、入れてみますか、みたいな感じ。栗ちゃんとサトミツもネタライブ観に来てたから、聞いたら、いや、何ででしょうね?みたいな。2人も好きなのよ。あそこのボケが。サトミツなんか大笑いしてたんだから」
春「ハハハハ(笑)」
若「で、栗ちゃんに「外そうと思うんだよ」つったら、「あれは入れてください」って言われた。で、『若手とネタライブ』で「玄関でウンコさせてくれないか」って言ったら、めちゃくちゃスベった」
2人「はははは(笑)」
若「ねぇ?」
春「まあ、そうだねぇ。ウケないね、あそこはね」
若「そうそう。で、2回ライブでスベったもんだから、ENGEIグランドスラムで外したんですけども」
2人「はははは(笑)」
春「それは、結果として出ちゃっているからね」
若「それでさ、俺さ、考えたのよ。久しぶりに若き血潮が俺の体内を巡ったんだけど」
春「ほう。なんですか?」
若「2回ウケなかったら外そうって普通に思ったの。また、春日の、あんまアドレス言っちゃいけないけど、トニーボーイジュニアのメールアドレスに」
春「ハハハハ(笑)言うんじゃないよ」
若「台本送るときに、それを外す、まさに削除してた時に、これってウケないから外してるけど、今、俺。昔、そんなの関係ねぇ、みたいな、言いたいから言う、みたいに、若き血潮で言ってた時あったなぁと思って」
春「ああ。まあま、そうだね」
若「どうしても春日に言わせたいから。春日も言いたい感じだったから。ウンコさせてくれ。2回スベってんだけど、だから、ウケないから外すっていうふうに当たり前に今考えるんだーって思って、それがちょっとびっくりしたのよ、自分で」
春「ああ」
若「昔、よく入れてたなって思うね」
春「まあ、そうだね。面白いと自分が思ってるもののほうが優先されてたよね」
若「それで毎回そこで好きだけで入れるっていう気持ちで外してんのに、入れ続けてM-1まで行ったりすんだもんね」
2人「はははは(笑)」
若「あれ、どういう考え方なんだろう。若さなのかね?青さ」
春「まあ、そうなんだろうねぇ。不思議だね、確かにね」
若「あと、もう一個は、なんでそんなに「玄関でウンコさせてくれないか」を入れたいんだろうなぁっていう気持ちね。外していいだろ、そんなの!と思って。はははは(笑)」
春「そうね。ウケねーんだから」
若「はははは(笑)」
春「普通にお金にならないんだからさ」
2人「はははは(笑)」
春「単純にね」
若「あれは、俺ね、なんか変な気持ちになった。言いたいから言うってあったなーと思って」
春「まあ、そうだね。それがないと、やっぱりできないぐらいの話だよね」
若「円グラフのAかつBみたいのあるじゃん。不思議なところでやってんだよな。「言いたいこと」があって、「ウケるところ」があって、その交差する、カブッてるところがネタに全部がそのボケになれば、爆笑のネタなわけじゃん。ただ、時に優先しちゃうっていう。「ウケなくても入れちゃうっていう」
春「そうだね。バランスが悪くなるっていうね」
若「またそれがネタの中で色気になったりもするじゃん。何割かの人には」
春「まあ、そうだね。そうなんだろうね。難しいとこだね」
若「まだまだ勉強だなぁって思った次第」
2人「ははははは(笑)」
春「なるほどね」
若「あともう一個びっくりしたのはね、今回、ENGEIグランドスラムでね、最初に節子ね、うちの母ちゃんが出てくる時に「おかえりなさい正恭」って、ただ単に春日の変顔するところ、春日の顔ってこんなにウケるんだなっていう。あのね、笑いがおさまんなかったのよ、ENGEIグランドスラムで」
春「そうだね」
若「次行けないぐらいウケてて。やっぱりね、俺としては悔しいよね。サンマルクでさんざん考えたボケより顔がウケちゃうっていうね」
春「ハハハハ(笑)」
若「自分と春日が言いたいっていうことを優先してた頃の若き若様からしたらね、顔で5秒引っ張るなんて、邪道も邪道ですよ」
春「まあ、そうだね」
若「はははは(笑)ただ、おじさんになってくると、そういうのばっか入れて、反則ばっかりしたいね」
春「ハハハ(笑)」
若「はははは(笑)テレビのキャラなんかもふんだんに使ってやりたいよ」
2人「はははは(笑)」
春「ウケるならね」
若「ウケるならどんな手でも使いたい」
春「そうね」
若「ふはははは(笑)」
春「それはそう」
若「しがみつきたいね。はははは(笑)」
春「自分の考えなんか別にねぇ(笑)」
若「あれは不思議なもんだね。自分のツボっていうのは思ったより狭いと思ってなきゃダメだなと思うしね」
春「そうね。予想しないとこもウケたりするしね、そうやってね」
若「そうそうそうそう。そうなんですよねぇ」
春「不思議なもんだよね」
若「不思議なもんですよ」
常連さんと世間
若「『ネタライブ』と『若手とネタライブ』の期間が1カ月ぐらい?3週間ぐらい?」
春「いや、1カ月もない2~3週、2週間ぐらいじゃない?」
若「これはほんとにジレンマというか矛盾というか、すごく難しい問題で、誰も悪くない話なんだけど。今からする話は」
春「ええ」
若「1回目のネタライブで卸したネタ、もう一回ぐらいかけたいという気持ちですよね。ENGEIグランドスラムの前に。それで、『若手とネタライブ』が、春日なんかも首捻ってましたよ、ネタ終わった後、楽屋で」
春「首捻ってた?私?」
若「なんか手応えもうちょい欲しいな、みたいな顔してね。生意気なツラしてんじゃねー!と思ったんですけども」
春「そう思ったんだったら、その時言ってくれよ」
若「それは言えないよ。だってやっぱり怖いからさ」
春「何が怖いんだ!(笑)さんざんラジオでなんだかんだ言ってて、なんでそういう時は怖いんだよ」
若「ははははは(笑)」
春「急に大声出すかもんしなんないしね」
若「ありがたい話ですよ、忙しい中足運んでくれんのは。『ネタライブ』と『若手とネタライブ』のお客さんカブッてる率かなり高いんですよ。また、3週間前、2週間前に見たネタですから、そんなにウケなかったんだよね」
春「うん、まあまあまあ、そうだね」
若「で、不安になるんですよ、芸人というのはやっぱり。これ、ネタ変える?みたいな話になったりとかするっていうのがちょっとあって、でも、まあまあ、まあ、冷静に考えてみると、こっちはネタ番組の前にかけたいという気持ちあるけど、向こうからしたら2週間前に見たネタですっていうのもあるんだろうし、っていうことですよ」
春「うん。まあ、そうだね」
若「これはね、ファンの人はさんざん俺たちのライブとか観ていただいているとして、もうね、だから、ズレ漫才のオーソドックスな形、これはまあまあ慣れがあるとしたら、例えば、俺が春日に異様にイジられる、みたいなトリッキーなネタをやったほうがウケるっていうのは、こっちとしてはわかってんすよ、そんなことは。ただ、それはテレビには持っていけないわけですよね」
春「まあ、そうだね」
若「おいおい、何やってんの!?ってなっちゃうから」
春「びっくりしちゃうからね。観てる人がね」
若「俺が言いたいのは、同じ事務所の事務所ライブっていうのは、常連さん、これありがたいよ。ほんとに足運んで。常連さんが来る。同期とかの芸人とかと飲むと、飲んでる時に言えないよ。言えないけど、こういうことが起こってんのよ。常連さんは、その人たちが練り上げた形に飽きるじゃない。何カ月も同じの観てたら」
春「それはまあそうよ」
若「だけど、世間にこれから出ていく時に、一般の人は観たことないわけよ。ここで、芸人は、結局スベったら、頭の中で原因を探すから、この形間違ってんのかな?って思うわけ。でも、その形でいいパターンもあるわけよ」
春「まあ、そうだね」
若「俺たちは、ショーパブ・キサラに出てたから、キサラは毎回ご新規、毎回初めて(春「そう」)俺たちを観るお客さんだったから、あ、「そう」って、ふふ(笑)何?「そう」って」
春「いやいや、まあ、言わんとしてることはわかる」
若「じゃ、俺が言わんとしていること、ちょっと言ってよ、じゃあ(笑)」
春「キサラは、いろんな、お笑いじゃない、ライブとかじゃない、普通の人が来るショーパブだから、毎回新規のお客さんだから(笑)、入門編みたいなネタがウケるっていうことです」
若「いや、ほんとにそのとおりなんだけど」
春「ハハハハ(笑)」
若「はははは(笑)常連さんとなると、世間に出る前に飽きちゃって、自分たちで、これ違うのかなと思って変えちゃうのよ」
春「ひねっちゃうんだよね」
若「ひねっちゃうの」
春「わかりづらくしちゃうんだよね」
若「いや、お前、なんか俺のトーク、トーク泥棒してんなぁ」
春「ハハハハ(笑)いやいや、それはだって」
若「それか、俺が回りくどすぎるのかな(笑)」
春「いやいやいや、そういうわけじゃないけど、そういう言わんとしてることはわかるからね」
若「そうでしょ?」
春「そうだなと思ってたから」
若「一ひねりでよかったものを、2.5ひねりぐらいしちゃって、最初に観る人にはウケなくなっちゃってる同期の方とかがいて、ネタの話に飲んでる時になった時に、でも、言えないなってことがあんのよ」
春「ああ」
若「あれでよかったのになぁとか、あれが凄い好きなのになぁとか。偉そうな話だけどね」
春「本人としては体感でね、あれはもう、ちょっとウケないよ、みたいになってるんだよね」
若「そうそうそうそう」
春「一番初歩のネタ、初級のネタがね。飽きちゃったりとしかして」
デートネタやってたらどうなってたかなぁ
若「俺たちだって、すごいネタ番組出てたからさ、M-1の2008の決勝の前にさ。自分たちでは自意識過剰でさ、デートネタなんてもう誰も笑わないって自意識過剰で思ってんだけど、M-1の2本目に、結構あれ稽古しないでできるから、あのネタは。デートネタ持ってきてたら、どうなってた?俺たち2008年は」
春「ああ、圧倒的な優勝だっただろうね」(奥田・笑)
若「まあまあまあまあまあ」
春「完封勝ちぐらい」
若「まあまあまあまあまあ」
春「いや、止めろよ!」
若「ははははは(笑)」
春「しっかりと止めなさいよ!」
若「ははははは(笑)」
春「そこだろ!誰が言ってんだ!そこで使うやつだろ!」
若「ははははは(笑)」
春「その前にさんざん使ってよぉ!」
若「あはははは(笑)」
春「フジテレビのメイク室とかじゃないんだ!今なんだよ!」
2人「ははははは(笑)」
春「でも、だからわかんない。そもそも、ズレ漫才が2本目同じやつだったらウケねぇんじゃないかっていって選挙ネタにしたんだもんね」
若「うん。今でも思い出すけど、変えちゃってさ、次の日、テレビ局でゴルゴさんにめちゃくちゃ怒られたんだから」
春「ハハハハ(笑)」
若「ははははは(笑)あと、くりぃむしちゅーの上田さんとかにもね」
春「上田さんにもね」
若「上田さんに怒られたよね?(笑)」
春「うん。そんなにまだ面識もない頃に「おい!」つって「なんで2本目あれ変えた?」つって」
2人「ははははは(笑)」
春「「はいっ!はいっ!」つって」
若「あはははは(笑)」
春「「あれ1本目と同じネタやってても優勝できたぞ」って言われて、「ああ、そうですか」みたいな話を」
若「あった、あった、あった」
春「麹町のメイク室で」
若「そう。2人でね」
春「鏡越しにされたのを覚えてる」
若「「どっちが変えるって言ったの?」あはははは(笑)」
春「「何やってんだ!」みたいなね。その頃はわかんないね」
若「有田さんにも言っていただいたよね。食事誘ってくれて。M-12008の決勝の後。「あれ、俺はね現場にいたかった」つって」
春「ハハハハ(笑)」
若「「現場に行ったら、1本目終わって裏に帰ってきた時、オードリーの近くにいて、『2本目何やるの?』つって絶対聞いてた」って。あはははは(笑)」
春「そうだね。教えていただきたかったねぇ」
若「そう考えると、2本目チョイスミスしたんだ。俺なんだよなぁ、あれなぁ、決めたの」
春「うん。まあまあ、でも、そうだなってなった。やっぱりね。違う、ガラッと変わったネタのほうがいいんじゃないかっていう話になったんだよ」
若「そこはやっぱり9年目か、あん時。9年目の経験値だよね」
春「うーん」
若「あれ、デートネタやってたらどうなってたかなぁ?」
春「いや、ほんとに圧倒的に優勝してたよ」
若「まあまあまあまあまあ」
春「いや、止めなさい!」
若「はははは(笑)」
春「なんで同じくだりをやるのを?全く同じように」
若「でも、それしてたらさ、もしあれやってたら、トロフィがあったらだよ、オカダのデスクの上に置いてあると思うんだけど(悔しい思いしたよなぁ~)(笑)」
春「なんで岡田の、何でデスクの上に置いちゃって、マネージャーのデスクの上に。大体ああいうのは入り口とかだろ」
若「いやあ、驚いたよ、ほんとに。やっぱ難しいなぁと思って。何年ライブでやっても。あと、忘れるよね。すごく細かい神経を遣うものだから」
春「うーん、そうね」
若「昔だったら、2回目の『ネタライブ』であのウケだったらネタ変えてたけど、ちょっと冷静になってるもんだよね。いや、これは、まあまあ、同じネタっていう感じの反応でしょうという」
春「ふふ(笑)まあ、そうだね」