お笑いクーデター

 

ハライチのターン 2017年9月21日

 

岩井「俺もライブの時の話なんだけどさ。夜の会しか俺らは出なかった。入りが16時ぐらいで、16時に会場着いてさ、楽屋まで行って、楽屋入ったら、ライブには30組ぐらい出るのにさ、芸人の楽屋は20畳の1部屋しかなかったんだよな」

澤部「うん(笑)なかったね」

岩井「ぐっちゃぐちゃになっててさ」

澤部「汚ったないんだよな。使い方がまたね」

岩井「みんな荷物ブワーッとあってさ、人もごった返してっからさ、地べたに座ったりしてさ。陸軍キャンプかよ!って俺は思ってたけどさ」

澤部「お前、陸軍キャンプかよと思ってたの?」

岩井「うん(笑)なんだよ、これ!つって」

澤部「そんな素振りは見せてなかったな。陸軍キャンプかよって(笑)。確かにすごかったね」

岩井「ぐっちゃぐちゃになって」

澤部「ぐっちゃぐっちゃだった」

岩井「アンガールズの田中さんが地べたに座ってたんだよ」

澤部「ははははは(笑)」

岩井「若手がいっぱいいる中で」

澤部「もうだって、あの中でトップだよね」

岩井「そうだよ。トップだよ」

澤部「ネプチューンさんは別の楽屋、ちゃんともちろん一室あって」

岩井「そうそう。ネプチューンさんだけはね」

澤部「その中でトップだよね」

岩井「そうだよ」

澤部「ロッチ、アンガールズが一番トップだね。なのに」

岩井「みんな椅子とかに荷物置いてるもんだからさ、田中さん地べたに座って靴下履いてるんだよ(笑)」

澤部「はははは(笑)可愛い兄さんだよね。優しい、ね」

岩井「ひでぇなとか思ってさ」

澤部「ブチ切れるよね、普通」

岩井「かき分けて荷物バーッて置いてさ、なんなのこれ?って中に、オナジミチのとしぼーいが来て挨拶してきさ。あいつ名古屋に来月から行くじゃん」

澤部「もうすぐ行くんだもんね」

岩井「そうだよ。来週ぐらいじゃない?だからさ、「おはようございます」って挨拶してきたから、としぼーいに「もう可愛がってもしょうがないんで話しかけないでください」って」

澤部「ひどいよ~(笑)あんなに可愛がってきたのに」

岩井「もう意味ないんで話しかけないでもらっていいですかって言って」

澤部「もう使い物になんないもんね」

岩井「そう」

澤部「ひどいな」

 

岩井「楽屋に入ってきた中に、四千頭身のトリオの若手がいて。都築よ。本当にバカみたいな顔した奴」

澤部「童貞のね」

岩井「うん。おまえ嫌いなんでしょ?都築のこと」

澤部「嫌いじゃないよ。全然嫌いじゃないけど、顔がなんか怖いんだよ」

岩井「わかるよ」

澤部「生理的にというかさ。全然別に可愛らしい二十の青年。可愛い後輩なんだけど、怖いんだ、顔が」

岩井「バカっぽすぎて逆にサイコパス、みたいな顔してんだよね」

澤部「そう」

岩井「都築を見てて、なんか違ぇなと思った。違和感というか。何なんだろうなって都築を見て考えてたんだけど、あいつ、パンツ履いてて、シャツ着て、ジャケット着て、蝶ネクタイしてるじゃん。バカっぽいのに、あいつ、蝶ネクタイしてることによって、欲しがり過ぎてるというか。バカっぽいのに、僕バカですよみたいな蝶ネクタイするのって、バカなのに欲しがるって違うくない?って」

澤部「ああ、なるほどね」

岩井「そこ気づかないのがバカなんじゃない?って。蝶ネクタイしてる僕バカでしょ?って奴、可愛がりたくないじゃん」

澤部「そうか。それあるんだよね。衣装って大事なんだよね」

岩井「そうそうそうそう。昔の芸人じゃないんだから、蝶ネクタイでバカのキャラクター、もういいでしょって俺はちょっと思ったの」

澤部「確かにね」

岩井「そこにアンガールズの田中さんとロッチ中岡さんがいたから、「蝶ネクタイ違くないですか?都築」って言ったら、田中さんとかも、あ、確かにこれはちょっと欲しがり過ぎてる、みたいな感じになって。中岡さんはさほど考えてはないけと思うけど」

澤部「はははは(笑)まあね」

岩井「芸人の服って結構大事じゃん。俺はさ、漫才を服で邪魔されたくないから、黒ジャケットに黒パンツにTシャツっていうプレーンなスタイル。あと、カーディガンに黒パンツにTシャツ。本当にプレーンなスタイル。私服は結構奇抜なの着たりするけど、ネタの時はそこ要らないからってプレーンなスタイル」

澤部「ブレちゃうから、ネタがね」

岩井「そう。してるわけですよ」

 

岩井「NGの服って結構あると思うんだよね。コンビで短パンでシャツでネクタイ、それが2人揃ってる奴って、俺絶対売れないと思うんだよね」

澤部「たまーに見かけるかな」

岩井「売れてんの見たことないでしょ。ネタ番組とかには出るかもわかんないけど」

澤部「わかんないって言っとく、俺は(笑)」

岩井「俺は絶対売れないと思ってる。あと、芸人で衣装もあれだけど、私服で、小太りでメッシュキャップに眼鏡かけてる奴、絶対売れないと思ってるんだよ(笑)。いるっしょ」

澤部「ああ、いるな」

 

岩井「NGっていう服があるから、俺は「気をつけたほうがいいんじゃないの?」って言ったの」

澤部「都築に?」

岩井「都築に。だから、蝶ネクタイは欲しがり過ぎてるから、どうすればいいですかねって3人で話してて、眼鏡なんじゃないの?って。顔もバカっぽいんだけど、ちょっとサイコパスに見えないこともない。眼鏡かければまろやかになるんじゃない?って、いろんな奴の眼鏡を借りて、あいつにかけさせてたの。そしたら、丸眼鏡で細いフレームのやつだったらめちゃくちゃ合うんだよ。すごいバカっぽさも強調されるし、苦学生みたいな感じが出て。田中さんは「うわっ、これだったら可愛げあるし、イジりたくなるな、コイツ」っていうふうになったの。これなんじゃない、みたいな、完成された、みたいな感じになったわけ。

そこにさ、ツッコミの目つき悪い坊主の」

澤部「後藤ね」

岩井「後藤が来て通ったから、都築に「ちょっと言えよ」つって。「これ、いいんじゃない?」って。そうしたら都築が、「ちょっと後藤、俺、眼鏡かけることになるかもしんないわ」って後藤に言ったの。したら、やっぱ後藤さ、見た目どおりトガってるから」

澤部「あいつはすごいよねぇ、独特ななんかねぇ」

岩井「トガってるっしょ」

澤部「うん」

岩井「挨拶もそこそこだしさ」

澤部「ははははは(笑)挨拶も、そこそこだね」

岩井「雰囲気もなんかそんな感じ出してくるんだよ」

澤部「そうね」

岩井「そしたらさ、都築がさ、「眼鏡かけることになるかもしれない」って後藤に言ったら、「あーそう」」

澤部「はははは(笑)怖っ。後藤怖っ」

岩井「俺らの話し合いでなったっていうの完全にたぶんわかってて、俺らいるのに「あ、そう」。俺らいるんだよ」

澤部「はははは(笑)先輩たちが結構一生懸命話し合って決めたやつだよって」

岩井「そう。でも、それを見て俺は、「あー、わかるわー」と思って。「俺、わかるわ、これ」と思って。昔さ楽屋で、俺らのノリボケ漫才っていう、お前にフレーズを振ってお前が乗っかるみたいなやつを、先輩たちが楽屋でお前に振ってやらせてたのね。このフレーズいいじゃん、みたいにノリでなったのを、澤部が俺に「こんなフレーズさっき生まれたんだけど、今日のネタどうかな」みたいに言ってきた時に、俺は「殺そう」と思ったんだよ、ほんとに」

澤部「ははははは(笑)俺もわかんない。先輩に言われてるからさ」

岩井「俺が必死に考えたネタに楽屋のノリを持ち込んでくる。先輩たちも含んで、殺してやろうかと俺は思ったの。その時に」

澤部「それに近い感情というか」

岩井「そうそうそう。それを後藤を見た時に俺は感じてさ。でもさ、それ見た時に、俺の感想は、「わかる」もあるけど、やっぱちょっとムカつくんだよね。後藤に対して」

澤部「ああ。まあ、そりゃそうだよね。目の前でね」

岩井「ちょっとイラッとするんだよね。で、先輩からも、そんな感じだったら嫌われると思うの、後藤は」

澤部「このままだと」

岩井「うん。中岡さんなんか、特にそういう奴たぶん嫌いだと思う」

澤部「あははは(笑)中岡さん、意外とというか、しっかりしてるからね」

岩井「そう。後輩にちょっと厳しいじゃん。そうなってきた時に、なんも考えてない、そういう提案をした都築は先輩に好かれるんだよね。悲しいことに」

澤部「結局ね。うん」

岩井「でも、俺もなんかそんなふうだったんだろうなというふうに思って。後藤みたいな奴だったんだろうなと思って。だから、そんな態度を、今この場で後藤はとらないほうがいいんじゃないかっていうふうな気持ちになったのも多少あったんだけど、でも、それ以前に、俺はさ、本当に昔から常々言われてきた。先輩とかに、もっと可愛げ出せよとか、可愛くしたほうがいいんじゃないか、お前は。トガってんじゃねーよ!って。でも、その当時、俺は、トガってこのまま行けなかった奴なら、俺がトガってて折れたのに、お前もトガらせたまま行かせねーぞっていうふうに言ってるように聞こえてたの、俺は」

澤部「ははははは(笑)ああ、そう」

岩井「そう」

澤部「俺がトガって行けなかったから、お前もやめときなよ、じゃなくて?」

岩井「やめときなよ、じゃないよ。お前だけトガらせて行かせねーぞって」

澤部「あ、そう聞こえてた?」

岩井「トガり潰しされてるように聞こえてた、俺はね。だから、そんな先輩みたいのを見てるから、だから俺は、後藤にはトガったまま行かせてやりてーなっていう気持ちがあるわけ」

澤部「なんだこれ?」

岩井「だから、折れんなよというふうに、その時に俺は後藤に思ったわけ」

澤部「その瞬間にね」

岩井「うん。でも、ちょっとやっぱ、ものすごいダサいこと言うけど、俺は後藤に言いたいわけ。トガったまま行けと。そのまま行けと。いいけど、でも、そのままトガって、そのまま行けたとして、そうしたら、どこかで、いつか、たぶん俺とかち合うことになるぞって」

澤部「はははは(笑)」

岩井「その覚悟があるなら、トガったまま行けよって(笑)。俺とかち合った時に勝つ覚悟があるんだったら、トガったまま行けよって、俺は後藤に言いたい」

澤部「ははは(笑)なんだこの先輩!「お前のその道の延長線上には岩井勇気が待ってるぞ」っていう」

岩井「そう。倒せんのか?っていうことを言いたい」

澤部「なんだよ、この話」

岩井「で、ゆくゆく、俺は2020年、オリンピックの年にトガった芸人を集めて、お笑いクーデターを起こそうと思ってる(笑)」

2人「ははははは(笑)」