そうならなくてよかったー!

 

バカリズムオールナイトニッポンPremium 2018年2月1日

 

バカリズム「考えたら、俺も、ピンになってすぐのR-1グランプリ。2005年かな。2005年の年末に解散して、翌年の1月にR-1グランプリ。最初の仕事がそれこそR-1ですから。そこでたまたま決勝に行ったからよかったものの。で、結局その決勝で行けたら、その後、『アイドリング!!!』っていうレギュラー。その決勝を見てたスタッフさんが僕をキャスティングしてくれたとか。そっから数珠つなぎで仕事が入ってきたわけじゃないですか。俺、決勝行ってなかったら、今頃何してたかわかんないというか。

こういう話をわりと同世代ぐらいの人たちと、今でも全然食っていけてなかったらどうする?みたいな(ことを)話すと、大体、俺は辞めてたと思うな、みたいな。まさじーさんも多分、全然食っていけてなかったら、今ぐらいの年だったら辞めてたって言うでしょう?

でも、なんだかんだで、俺、辞めてなかったんじゃないかなと思うようになってきて。なんか、辞めるタイミングというか。なんかね。辞めるタイミングってなかなか難しいじゃないですか。今なんかも特に、チャンスがとにかくあるから、別に40歳になってもバーンとブレイクする人っているじゃないですか。そういう前例がもうあるもんだから、やっぱりそこを夢見ちゃうじゃないですか。だから、俺、なんだかんだで辞めれなくて、多分、今頃、カラオケボックスでバイトしてたと思うし。

例えば、おかゆ太郎とか、そのへんは、身近なところで言うと、俺もいるし、なんだかんだで、例えば仕事があったりだとか、別に俺とかご飯食べさせたりするし、なんかうまく、そういうことをやり繰りするというか。結婚して、子どもも産まれて、何とか、ちょっとバイトもしながらも何とかやっているわけ。借金もせずにやっているわけですよ。

あいつだから、あいつがわりと普通に、芸人以外の部分ではちゃんとしてるからよかったものの、俺なんか多分、目も当てられないです。あのキフネ荘にいまだに住んでたと思うし、3万幾らのアパートですよ。あそこ、たしかもう今やってないですよね。たしかやってなかったんじゃないかな、あそこのアパート。

この間、『無名時代』っていう番組であそこに行った時に、たしかもう貸し出ししてたっけな、貸してたっけ? もうなんかそんなんですよ。俺が出ないから辞められないみたいになっちゃって。やってるだろうし、ボロボロですよ。

で、今、そんな、要は、ある程度お金、収入を得られるから、あんま必死にはなってないけど、ああいう時こそフーゾクとかにも行くじゃないですか。若手の時のほうがよっぽど行ってたでしょう。行きまくってましたよ。行っては膿が出ての(笑)繰り返しですよ。安いとこ行くから。へへへへ(笑)

もうね(笑)、そうだよ。そうですよ。カラオケボックスで、週、そんなにあそこ入れなかったから、週3ぐらいだったんですよ。入れても。ギリギリの生活ですよ。ご飯とかも切り詰めて切り詰めてだから、俺、カップラーメン、百何十円かのカップラーメンとライスだけ買って、それも1日1食ですよ。それを食べる生活ですよ。それしながら、ずっとコツコツ、フリップ書いたりしてね。(「最悪」)最悪とか言わないでよ!10年前はそういう生活してたんだから、俺。へへへへ(笑)

靴も買えなかったからね、俺。そうですよ。ライブに出る靴がないつって、まさじーさんのところに借りに行ったんですよ、俺。同じ経堂に住んでたから。雨の中、ライブに出る靴がない(笑)。自分が履いてる靴に穴が開いちゃって、それ1足しかなかったの。コンバースが。コンバースが穴開いちゃったからつって、なんか貸してもらえないですか?つって。早朝ですよ。早めに出なきゃいけないからつって、早朝にまさじーさんの家に電話して起こして、「すいません」つって、「今から取りにいきます」って、雨の中取りに行って。

そしたらね、まさじーさん、俺、ライブで履くつってんのに、なんかね、4軍ぐらいの靴を渡したんです(笑)。4軍ぐらいの靴ですよ! なんか薄汚い。舞台で履くつってんのに。靴自体はいいよ。パトリックの。パトリックでしたっけ? 二本線の入った(笑)。パトリック。デザイン自体は別にシンプルでいいんだけど、すげぇ昔のやつなんですよ。明らかに古いやつ。「このハゲ!」と思って(笑)。「絶対売れてやる!」と思いながら、雨の中(笑)。傘も差してないから、俺、濡れないように、お腹に靴入れて。ははははは(笑)

そういう生活を。一歩間違えたたら。本当ですよ。本当ね、そうならなくてよかったーーーー!!ははははは(笑)」