初代M-1チャンピオンのM-1の思い出

 

中川家オールナイトニッポンプレミアム 2018年11月6日

 

中川家礼二:(メール)「剛さん礼二さんこんばんは。毎週この時間は卒業論文を書きながら楽しく聴かせていただいております。ついにM-1グランプリの予選が本格化してきましたね。そこでひとつ質問ですが、初代M-1グランプリに優勝した中川家のお二人に、M-1グランプリの思い出などあれば語っていただきたいのですが、よろしくお願いいたします」。

中川家剛:思い出?

中川家礼二:はい。もう18年前? そんなんか?

剛:そうやなあ。思い出なあ。

礼二:えーとね、かっちゃんちゃんね、どうやらないみたいです。

剛:ないなあ。

礼二:ないですね。

剛:思い出したくないしな。どっちかというと。

礼二:そう。

剛:あんなしんどいのね。

礼二:そうね。

剛:だって6時やったっけ?あれオンエア。6時からやったっけ、あの当時。

礼二:そう。そやな。

剛:12時に入れられたからね。使う道具、センターマイクだけやのにね。

礼二:そうやん。TMCってね、東京メディアセンター(東京メディアシティ)やね。当時俺らやってた頃ね。

剛:早いとこ入れられたな。

礼二:早いこと入れられて、マイクの高さ合わすだけで、あと何にもやることない。

剛:そやねん。

礼二:どうすんの?あと5時間、みたいな。

剛:で、僕、家へ帰ったんすよ。

礼二:そや、そやった、そやった。

剛:本番の15分前に行って、えっらい怒られて。当時やな、木村専務に。「何しとんねんお前!」いうて。

礼二:怒られてたね。

剛:「いや、家帰ってました」「なんでや!」「いや、6時間もあったので」。えっらい怒られて。

礼二:そんなんですよ。

剛:あの当時、1000万てウソやと思ってるから。第1回目で。

礼二:そう、そうそうそう。

剛:どうせ1000万ウォンやろうとか、みんな勝手に想像して。

礼二:そう。そんなはずないと思て挑んだ大会やから。

剛:「1000万払うつもりです」とか、なんかそんなオチかなってみんな言うてたから、どうせそんなんもらわらへんのやったら、もうええかいうて、僕は自転車で来てたんでね。TMCに。

礼二:そうね。きったない自転車でね。こぐたんびにワイヤホ、ワイヤホって鳴るやつ。錆びてるやつで。

剛:自転車でTMCの横止めて(笑)。なんちゅう夢のない。

礼二:ほんで今昔庵のおっちゃんに睨まれながら。

剛:睨まれながら。帰りも自転車で帰って。

礼二:(笑)

剛:財布にまだ3000円しか入ってなくて。

礼二:そうやったね、あの時はね。

剛:その日の生放送では「1000万おめでとう!」言うてるのに、帰る時、自転車で、財布に3000円しか入ってないっていうね。

礼二:俺も2200円しかなかったわ、財布の中。

剛:いつ貰えるんですか、いつ貰えるんですかばっかり言うてな。

礼二:そうそう。

剛:あの時はほんまに辛かったなあ。

礼二:でも、それがあって、ずっと今続いてんねんで。

剛:うーん。

礼二:考えたら。

剛:「緊張してますか?」言うて、まだ尖ってる時やから「緊張なんかしてませんけど」みたいな言いながら、この胸のとこに「中川家」っていう名札付けてるんやけど、それ持ってんねんけど、撮られてんねん。

礼二:カメラさんに。いっぱいちっさいカメラおんねんね、M-1て。DVD用に。

剛:その名札手に持ってるとこ撮られて、俺の手がプルプルプル~って震え、証拠が残ってるからね、もうそれ言われへんねん。

礼二:(笑)

剛:やっぱ緊張してんねんなあと思って。

礼二:そら、まあ、緊張するわな。あんだけ煽れば。

剛:煽りすぎやわ。

礼二:今もそうやけどね。ここ数年も。

剛:あれ、本番前に何週間か密着つくねん、各コンビに。

礼二:ああ、そうそうそうそうそうそう。

剛:僕ら、イヤやからトイレに逃げたりね。

礼二:逃げたね。逃げた。もう一個も素材ないわ。

剛:空いてる楽屋のとこ隠れたりとか。

礼二:隠れたりね。

剛:だから、素材がないからね。

礼二:そう。密着のカメラまいてね、タクシーパッと乗って、先出ていったりね。

剛:それで、なんか先輩に聞いてたんよ。普通のいつもどおりがいいて言うてたから、髪の毛もあえてヘアメイクさんにやってもらわへんとか、わけわからんことやって。だから、M-1のを見てもうたらわかるけど、僕、帽子の型ついてます、頭に。

礼二:あ、ついてんな、あれ。

剛:ドーランも塗ってないの。普段どおりがええて言われて(笑)。

礼二:誰に言われたの、それ。覚えてない?もう。

剛:スーツと靴だけはあれしてもらいましたけど。

礼二:はいはいはい。

剛:だから、頭も帽子の型ついて、ドーランも塗ってないし、みたいな。

礼二:みんなやってたね、必死に。

剛:みんな壁に向かってやってたけど。

礼二:ネタ合わせ、壁に向かってやってたけど、俺らだけやってへんかったなあ。

剛:俺ら、それ見て、ニヤニヤニヤニヤ(笑)。

礼二:ニヤニヤ。その前に、だって、おれへんねんからね。俺1人で人のネタ合わせ見てもんな。ほんまに。

剛:僕、ドトールでアイスコーヒーのM飲んでました。

礼二:サイズはどうでもいいけど。

剛:一回家帰ったって言うたけど、帰ってへん。ほんまはドトールに。アイスコーヒーのM。

礼二:そんなんどっちでもええ。家帰ったことでもドトールでもどっちでもええ。

剛:アボカドとエビのサンド食べてました。

礼二:あ、おいしそうやな言うてる場合ちゃうねん。おいしそうやなと。

剛:実を言うと。

礼二:実を言うとって、頭ペコッて下げられても、別に怒りもせんし、別にそんなこと深く追求もせぇへんから。

剛:打ち上げ行ってな。(島田)紳助さんが「なんで打ち上げ来(く)んねん!」言うて。

礼二:ほかのね。取られへんかった。

剛:中川家以外のメンバーに。「悔しくないんか!」みたいな雰囲気なって、打ち上げちゃうやんけこれ、思いながら(笑)。

礼二:そうそう(笑)。

剛:なあ。

礼二:そうよ。だから、今はもっと大きくなってるよ。

剛:M-1の打ち上げなんで、どうぞこのお肉をいうて、焼き肉屋さんが「どうぞ」って言うたら、紳助さんが「あ、いい。いい。こんな脂っこいの無理無理」。

礼二:言うてた、言うてた。

剛:「安いお肉ください」。

礼二:(笑)

剛:ええっ?こんな人、こんなこと言うんやと思って。

礼二:いっぱい食べてきたからやろな。

剛:そうよ。いろんな。

礼二:いっぱい食べてきたからな、いろんな肉を。ほんで、追求して帰ったら、やっぱり安い肉が一番旨いっていうね(笑)。

剛:「安い肉とコーラが一番やなあ」言うて、あれちょっと、聞いた時ショックやったな。こんな売れっ子の人が。

礼二:なあ。いろいろあんのやろうけどね。

剛:おー、やった焼き肉やでー!焼き肉食べる前にハンバーガー1個食べといたらちょうどええわーみたいなね。

礼二:(笑)

剛:そんな話聞けたり。なんで来んねん、みたいなね。

礼二:うんうんうん。シンプルやったな、俺らの時は。敗者復活戦とかそんなのも、あったかな。なかったよな?

剛:ない。予選通りました、やります、1000万あげます、ぐらいや。

礼二:やったもん。大変やね。敗者復活戦いうの始まってから。

剛:きよし師匠おったっけ?あの時審査員。

礼二:おった。

剛:おったな。

礼二:あれ、DVD観てもうたらわかるけど、なんかようわからん感情でずっと俺らを睨んでるっていうのがあったけどね。グーッと睨んでるっていうのがあったけど。ワンショット抜かれてるのがあったけどね。

剛:きよし師匠がね。でも、きよし師匠に言われた、「なんや、あそこ失敗したな」って言われた時、あっ、すげぇわかんねやって。

礼二:あれ、失敗じゃないんやけどね、ほんとは。

剛:うん。まぁまぁまぁまぁ、だから、3つやりなさい。

礼二:2本目のね。2本目のネタの最初ね。

剛:3段落ちやるんやったら3つ。

礼二:やれと。

剛:2つは違うんちゃうか?っていうてね。

礼二:そうそうそう。あれは凄いなと。

剛:賞金もらった後に言ってくれたからね。本当の言葉やと思います。

礼二:うん。そう。

剛:あれはありがたかった。ね。

礼二:ほんまに。今年ももう始まってんの?あれ。

スタッフ:予選は。

礼二:予選始まってんですね。ぜひ頑張っていただきたいです。ほんま。

剛:ねえ。でも、1000万やからな。やるよ、そらぁ。

礼二:それはやるわな。

剛:欲しいって。

礼二:いや、欲しい、そら。

剛:俺ら「欲しくない」って言うてたけど、1000万授与式の時、手プルプル震えて。

礼二:震えてたな。あれ思い出すなあ、あれ。そん時。

剛:行ったな、貰ってすぐUFJ銀行

礼二:UFJ銀行行ったん覚えてるわ。難波の高島屋の下にあった時や。

剛:すぐ行ったわ。

礼二:すぐ行って、後ろキョロキョロしながら、なあ。

剛:振り込んだ。

礼二:束を振り込み、ATMのとこに入れて。

剛:10万だけ抜いて。

礼二:そう。

剛:最後に入れて。

スタッフ:現金でいただくんですね。

剛:うん。

礼二:そうそ、現金でね。

剛:あと490万、チャカチャカチャカチャカいうてね。

礼二:そうそうそう。トゥル~~~~~。んでもう一回トゥル~~~。んで、その明細書見てニヤッと笑ろたんは覚えてる。

剛:覚えてるね。だって、手にしたことなかったからね。

礼二:ない。確かに。

剛:500万というお金を。

礼二:ない。ないよ。

剛:今考えたらえげつない授与式やで。そのまま偉いさんが来て手で渡すってね。

礼二:手で渡すっていうね。ほんで、お客さんも入って見てるんですよ、それを。

剛:あんな恐ろしい。

礼二:恐ろしいよな、あれ。

剛:あっという間になくなったな、あれ。

礼二:大変よぉ。すぐですね、お金というのは。皆さんも気つけて使っていただきたいと思いますよ。

剛:ほんと、ほんと。調子乗らんように。

礼二:そう。お金なんかなくなるもんやと思てね、大事に使っていただきたいと思います。