決め手

 

神田松之丞 問わず語りの松之丞 2019年5月24日

 

いろんなことがあって、俺もかみさんもちょっと多忙過ぎるってことで、もう一人うちにも人材が欲しいということで、マネージャーを募集していたと思うんですよ。今回ね、ようやく決まりまして。マネージャーが。まだお試し期間中ではあるんですけども、ほぼ決定ってことで。

今回採用したのが、唯一、なんで採用の決め手になったのかっていうと、みんなラジオリスナーで、ラジオを好きで僕のことをすごく好いてくれてる人なんですけど、演芸が好きなんですね、この人は。今、ツィッターをまだやってると思うんですけど、ブログも。カタカナでマッシュっていう。アイコンがたい焼きの奴なんですけど、その人を採用しました。年は38なんですけど、35よりも上になっちゃったんですけど、でも、この人しかいないかなっていう。

要するに、その彼が何がいいかっていうと、4年か5年、演芸をずっと聴いてるんですよ。それで、いわゆる芸人の顔とか香盤とか、どういう芸風かとかというのを粗方知ってるんですね。結構そういうのをゼロから覚えるとすると膨大な資料とか要るし、覚えるの大変なんですよ。時間も使うし。まずそれが省かれるっていうことと、本当に演芸が好きってことと。

あと、SNSとかを見た時にですね、大体、最初の1年目ぐらいはみんな、「講談面白い、楽しい、ワクワク」みたいな感じで、「こんな世界があったんだ~」とかから始まるんですけど、その後、「講談とは」とか言い出すんですよ。暗黒面に落ちていくんですね。こういう暗黒面に人って落ちがちなんですよ。なんかマウントとりがちなんですよ、いろんな意味で。

で、最初はあんなにキャピキャピ、すごく「うわー、うわー」みたいなウブだったのが、自然にマウントとるようになるし、演者とかに対しても舐めたリプライを送ってくるとかっていうのがあったりするようになるんですよ。別にそれはどっちが上、下じゃなくて、そういうふうに人って変わっちゃうものなのよ。特にSNSってコンディション出ますから。

その時に、このマッシュに関して言うと、マッシュって、何でマッシュなのかよくわかんないんだ。マッシュって言うんですけど、聞くことも面倒くさいからしないんですけど、このマッシュは、4年か5年か演芸を聴いてるにもかかわらず、暗黒面に落ちてないのよ。ずっと面白おかしいことをツィッターでツィートしてるんですよ。

普通さ、いろんなとこ行ったらさ、なんかあいつよくなかった、今日イマイチだったなとかって、何気なく書きがちじゃん。一切書かないんだよね、それを。なんか楽しく面白く生きているっていう感じが、ツィートでもブログでもあるわけ。

こいつは相当なんだろうな。向こう側にいるっていうよりも、こっち側に引き入れたほうが、こっち側に来ても機能する人間だなってことが、生意気ながら思ったんで、「あ、この子はいいや」と思って。年上ですけど、思いまして。だから、あえて、普通だったらツィッターとかブログとか、一回停止させるんですけど、わかってる人なんで、そのままやらせようかなっていうふうな感じをちょっと思ってて。

で、何が好きなのかっていろいろ聞いてくると、「競馬と野球とパソコン」だっていうのよ。それ、聞いたらさ、彼、結構派遣で働いててさ、年収とかも、こんなこと言っちゃあれなんだろうけどさ、低いわけよ。すごく。安倍政権が生み出した、なんていうのかな、安倍政権が生み出した代表みたいなのがマッシュなわけ。

そうすると、人間、暗黒面に落ちちゃうんだけど。いろんな意味で。落ちなくて、この低収入で人生楽しく生きてるツィートをずっとしてるわけよ。おまえ、すげぇなっていう。こんなに世の中で収入もらってないのに、面白おかしく、誰も責めずに、競馬とか野球とかパソコンとか演芸を行って、「うわあ楽しい」ってだけやってる奴のメンタルすげぇと思って。ちょっと、なんだろう、年上ってこともあって、尊敬に値する。

僕だって、辛い時あったらネガティブなこと書きそうになりますけど、やめるっていう、そこの繰り返しにあるにもかかわらず、最近のツィートが面白いかどうかわかんないんだけど、ずっとそれを定期的にやってるっていう、その意志の強さみたいなのは、なんか、「あ、この人はいいな」っていうのをちょっと思いましたね。

それを作家のサトケンさんに言ったら、「きっと悪い面がありますよ」って言うのよ。「たぶん性癖がひどいんでしょう」つって。で、俺、どうする? これ、採用したはいいけどさ、採用して「正式採用!」ってラジオでも報告してさ、「どうもどうも」つっていろんな人に合わせてさ、「これ、うちのマネージャーです」みたいなふうにあった後にさ、なんだかわかんないけど、ほんとに塗装工の靴下だけを集める性癖みたいのがある奴だったらさ、大量の塗装工の靴下が押し入れから出てきて、それで、マッシュが捕まってたとしたら、俺、もうどうしていいかわかんないでしょ。

だから、どういう人間かまだわからないのであれなんですけど、少なくともSNSではボロ出さない、暗黒面に落ちてないっていうのが、ま、ま、いいかなっていうのをちょっと思いましたね。

これから一々仕事を覚えてくんですけど、もう既に現場入ってくれてるんですけど、何しろ余計なことしゃべらないんで、それも好感がもてるっていう。バカはしゃべりますからね。空気呼んで何にもしゃべらないっていう、その空気の読める感じも、あと演芸に対して敬意を持ってる感じも、仕事できそうだなっていう。まあ、なんか、つくづく、今のところ信頼できるけど、もらったうちの俺の貯金とか全部競馬にぶち込んでたりしたら、すっげぇムカツクなあ。

可能性はなきにしもあらず。

でも、わかんないよね、どうなるか。俺も人を見る目ないからさ、わかんないんだけど、でもね、どうなるかわかりませんけど、新しく新キャラが増えたってことで、マッシュね、ツィッターとかブログもやってますから、なんかリツ…なんかしといてあげればいいと思います。

そこでちょっとでも暗黒面に落ちたらすぐクビにしますから。お客さんに調子に乗ってる態度とかしたりとかしたらすぐクビにしますけど。

 

 

7人目「進化する完成形」

 

on8+1 2019年5月21日

コーナー「佐藤満春の日向でポカポカキュン」

 

今週ピックアップする方はこちら!「進化する完成形」佐々木美玲

今週は佐々木美玲さんの特集です。

「進化する完成形」というキャッチコピーをつけさせていただいたんですが、もう完成してんじゃん!ということなんですよ。兵庫県出身で1999年生まれ、19歳ですか。いや、完璧じゃん!ということなんですね。

何がというと、まず、初見の初めて見た時のインパクトで言うと、もうオーラというか、華みたいなものができ上がっちゃってるじゃん!というか。もう一流タレントのオーラをまとってんじゃん!ということなんです。だから、これは、雰囲気とか空気感みたいなもので。

一番最初、僕が佐々木美玲さんにお会いしたのは、バンジージャンプのロケだと思うんですけども、そこでグループの皆さんがバッといるじゃないですか。もうね、これはどういう言い方をしたらいいのかわかんないですけど、言葉にならない、いわゆるタレントオーラというか、アイドルのオーラみたいなものが、佐々木美玲さんと、あと、小坂(奈緒)さんもそうかな。異様にずば抜けてて、ビカビカ光ってるっていう印象。

で、その中でさらに、今、グループとして活躍していって、どんどん洗練されていっているという意味では、最強なのではないかななんてふうに思っています。もちろんダンスの実力も凄いと。歌も凄いと。

で、歌に関して言うと、これは僕の単純な視点ですけども、歌声に感情が乗る人っていう印象なんですよ。喜怒哀楽も含めて。これが声に乗るって、歌の技術というよりは、人間性なのかどうなのか、紐解けない部分もあるんですが、凄いなっていう。表現者として凄いな、なんていうふうに思ってます。

あとは、ニコニコされているイメージですけども、異常にストイックな一面も持ち合わせていらっしゃる。ファンの方にはおなじみになっている「1期生衣装部屋立て籠もり事件」という、2期生のメンバーオーディション開催というものを、本当はライブのサプライズか何かで知るはずが、スタッフさんのミスで、リハーサルを終わったあたりでモニターに出ているのを発見しちゃって、衣装部屋に入ってボイコットしたという話があって、僕、その話、大好きなんですけど、そこで美玲さんが「みんなでやめよう」というふうに言ったという。

この話がなんでこんなに好きなのかなと思ったんですけど、要は、1期生としてこのグループで、当時のけやき坂で頑張ってきて、2期生を募集するということで、自分たちが要らないんじゃないかと思ったというね。皆さんインタビューなんかでも話していらっしゃいますけども。

で、美玲さんのインタビューとかで、ここまでを振り返って「長かった」というような話をしているインタビューを読んで、これは、ちゃんとそういったことを言葉にして、しかも、そこを自分の糧にして表現に結びつけているというのが、僕はなかなかこの人の凄いところだなっていう。

あと、完璧人間だなと思うのは、先ほどの歌のところでもお伝えしましたけど、言葉に意思が乗る人なので、言葉に力と熱があるんです。それは、人を呼び寄せるんですよね。求心力があるというか。

で、凄いなと思っているのが、バラエティ番組なんかで、当然グループですから、ワーッと皆さんでいるじゃないですか。その時の行動にすごく品がある。自分が出ていくところをちゃんと知っている。むやみやたらに出ていかない。でも、いい人っていう。それは、先ほどのオーラという点も含めて。

このコーナーで富田(鈴花)さんの話とか井口(眞緒)さんの話とかを何週間前にさせてもらいまして、彼女たちのやり方で、凄い個性の生かし方で、富田さんとか井口さんが例えばフォワードだとしましょうか。ガンガンシュートを打っていくみたいな人だとしたら、佐々木美玲さんは、中盤の左下ぐらいにずっといて、試合終了間際にかなり遠目の距離からフリーキックをズバンと決めるっていうタイプ(笑)。カッコいいなっていう。

そんなところですかね。すごい魅力を持っている方だなと思っております。パンが好きだっていうのも非常に…。あ、パンの話、ちょっと時間がないんで、また今度にしましょうか。

さあ、ということで曲にまいりましょう。今週はこちらの曲にいきましょう。お届けします。『イマニミテイロ』♪

 

 

『モニタリング』の裏話②

 

佐藤満春in休憩室 2019年5月11日

 

オードリーの春日さんが、もうだいぶ前になりますけどもね、プロポーズをして、ご結婚ということで、たまたまなんですけども、僕が2人を結果的に引き合わせたという形になりまして、『モニタリング』という番組で、わざわざ特番を打ってくださって、2時間ですよ。もろもろVTRを作ってプロポーズするという番組が放送されまして、だいぶ反響をいただいて、私自身も本当に一から、最初の会議からプロポーズ当日まで、全てにかかわらせていただきました。いろんな方にお世話になりました。本当に、ご覧いただいた皆様もありがとうございます。

本当に感動巨編で、最後の手紙なんかもすごいよかったなと思うんですけど、まあ、よかったなあということで、いま、4月23日の収録になってますんで、大きなことは言えませんけれども、まあまあよかった…よかったちゃあよかったのか、という感じでもありますかね。

で、先週の放送でちょっとなれそめ的なことは若干話したんで、実際にこの『モニタリング』の放送があの感動巨編に向かうまで、どのようなことがあったかというのは、話せる範囲で、せっかくなんでしていこうかなと思います。

私が最初に打ち合わせをしたのが10月だか11月だか。事務所の担当者と春日さんからは、こういうことをやろうと思ってて、ぜひとも中に入ってほしいということで、「わかりました」ということをお願いされておりました。

僕がこれは関わるしかないなと思いましたし、2人の共通の友人というのが僕だけしかいないですし、春日さんは自分のおつき合いしている人のことなどは、ラジオで話せる範囲のことはしゃべってましたけど、大きく内情は誰にもしゃべってなかった。僕にしかしゃべってなかったので、本当に、結婚、プロポーズということになると、結構芯を食った話をしなきゃいけなくなるんで、僕が入るしかない。

番組として特番を打つということを『モニタリング』さんが手を上げてくださったのかな。なって、じゃあ、作家をやりますよと。もちろん。それは本業でやっていますから、放送作家として入りましょうか、中身。VTRの構成も考えます。ナレーションも書きます。何でもやりますよというスタンスで入って。

で、ふたを開けてみたら、本当に1秒ごとに、振り返るとおそろしいんですけど、春日さんは、事務所の人間にも、それまで、当然当たり前ですけど、彼女のことをしゃべってないわけじゃないですか。だから、当然『モニタリング』の担当者のところにも詳しい話が一つも入っていなかったわけですよ。

で、佐藤さん、何か、作家もやってるんだっから、よかったら中入ってくださいよ、みたいなノリで、何となく打ち合わせに行って、さて、どうしましょうかという時に、一から全部僕がしゃべんなきゃいけなかったんですよ(笑)。

いま、こういうことでこうなってて、こういう人がいて、あ、そういうことなんですかというのが、その会議でようやくわかるっていう。しかも、かなりシークレット案件で進めるから、プロデューサーとディレクターと僕か、最初は。3人で会議が始まり、その時点で、だから、チーフマネージャーと春日と5人だけだね。しか知らないという状況で話が始まって。

で、途中まで、本当に情報が漏れなかったと思うんですよ。当日まで告知なしで放送日4月18日だったと思いますけど、当日の当日まで情報漏れなかったと思うんですけど、本当に超ごく数少ない人数しか知らせずに始まったんで、僕の担当マネージャー、大森というのがいるんですけど、大森君は知らなかったんです。4月18日に春日のプロポーズがあることを。

どうしたか。僕も、放送を見ていただいたらわかると思うんですけど、仕掛け人、作家といえども、仕掛け人としてだいぶ出てたんですよ。それは、彼女を呼び出して、本当はどう考えているかという話を聞く相手と、あとは、うちの家で撮ったんだけど。

とか、あとは、彼女を呼び出して、指輪の号数を聞くとかも、やる人がいないから、作家といえども、俺がやるのかあって全部なるわけ(笑)。

で、スケジュールも、この3~4カ月、めちゃくちゃ正直とってやって、会議も含めたら。収録日、会議、あと、再現Vまで俺、自分の役を自分でやってるから、稼働としては俺が一番多かったんじゃないのかなというののスケジュールを全部大森君にとらなきゃいけないでしょ。許可とって。

で、「すいません、ちょっと春日の件で」というふうにずっとスケジュールをもらってたのよ。「な、なんすか?」って。でも、オードリーと俺の関係を知ってるから、なんかあるんだと思って、ずっと不審がられながら、「ちょっと春日の件でこの日も1日ください」つって。

で、俺もさ、これ、意外と言われるんだけど、たぶんすごい暇だと思われてんだよね。それは大森君にじゃなくてね。世の中的に。

世の中の人ってさ、テレビに出てる人が忙しいと思うじゃん。これ、まだ全然言えないんだけど、子ども向けの動画コンテンツ、結構でかめな案件の締め切りを、俺、この4カ月ちょうど抱えてて、みんなはテレビに出てないから暇なんでしょと思うみたいなんだけど、全然、全然時間ないんですよ。口内炎を8個ぐらい作りながら、その内情をマネージャーにも言えない(笑)。脚本の仕事もある、みたいな。そのぐらい、シークレットに進んでて、だから、最初、4~5人の会議から始まって、全部を僕が説明して、本当に3~4回に1回、春日が打ち合わせに来て、どうする、どうするなんつって。

 

もともとこの企画が破綻してるのは、春日っていう男は、超秘密主義な男なわけですよ。超秘密主義な男が自分の気持ちを口にできない。自分が変わるのが怖いと思っていると。それはまあわかる。当然、今の状況から、何か、結婚をしたりするとか、節目を作っちゃうことでいろんなことが変わるとか、あと、大変なこともあるだろうし。あれだけ人気者だと。

なるべくシームレスに、はい、結婚してません、はい、いま結婚しましたって、何にもざわつかないでいくんだったら、絶対それがよかったはずなんですよ。だけど、立場上そうもいかないから、だったらど派手にドンとやるしかないぐらい何か大きなことがないと自分は結婚に向かえないということを本人的に自己分析をして、おそらく事務所に相談をして、事務所が手を上げてくれる番組を探してたどり着いたんだと思うのね。

だから、本人としては恥ずかしくてしょうがないわけじゃん。こんなのをテレビでやらなきゃいけないって。本音の本音の奥の奥はね。春日俊彰さん、40歳としては。だけど、オードリー春日としては、あのスターの春日のプロポーズを『モニタリング』君にやらせてあげようというスタンスになるわけじゃないですか。大きい仕事として。この2個が1人の人間に共存したまま打ち合わせをするから、進むわけないよね(笑)。

本音の本音で、こんなの恥ずかしいって思ってるけど、でも、結婚するのは本音側のほうの人間だから、混乱するかもしれないけど、オードリー春日としてある程度ショーにした上で、包んで春日俊彰の結婚をお届けしないことには、女性側にも10年待たせて申しわけないし、事務所側にも申しわけないし、やんなきゃいけないということが本人的にもだいぶ葛藤がおそらくあったと思うんですよ。

だから、打ち合わせに行っても、話が要領を得ない話も多かったしね。これ、いま、どっちでどう言ってるんだろうな、みたいな。だから、話を聞けば聞くほどわかんなくなるし、ある程度こっちで線引きもしてあげないといけないわけよ。それは別に全然いいんですけど。その気持ちもわかるし。

 

だから、ある程度ラインを決めて、これはこうしようというのをやってさ。でも、基本的にはハッピーな話だから、春日もそうだし、お相手の女性もそうだし、観ている人もそうだし、観てて楽しい気持ちになって、驚いてもらえれば、全員がハッピーでいいじゃない、ということでやっているから、進めていったんだけど。

そういう意味では、一個ずつ、これは春日さんどう思うかなとか、こうなっちゃうとちょっとあれかなとか、女子はこれどうなのかなとか、なるわけじゃないですか。だから、配慮しなきゃいけないポイントが多い。かつ、すごいシークレットな案件だから、おおっぴらにもできないっていうことを抱えて、毎日のように『モニタリング』のディレクターさんとやりとりをして、これは春日にこういう言い方をしておきますねとか、逆に、これはちょっと番組さんでこれは何とかできないですか、みたいなことのバランスをとる仕事も。なんか俺は多いね、生きててそういう仕事が。調整するとか、バランスをとるとか。補助する、みたいな案件が多いね。

で、やり始めて、放送を観ていただいた方はわかるかもしれないですけど、結果的にめちゃくちゃすごい感動巨編のすばらしいVTRもでき上がって、放送も超よかった。さすが『モニタリング』のチームの技術、撮影の力と編集の力、ご本人の手紙のあれとかもよかったですけど、スタッフさんがとにかくすごかったなという思いがありまして。

でも、あそこの放送に至るまでに、結構な撮影というか、素材を当然撮っているわけですよね。どうなのかなあ。もう5番組ぐらいあの素材で作れと言われたら作れるぐらいの素材は撮っている。量として。だから、個人的に、あそこはカットだったかとか、あそこは尺で難しいよなという思いのあるところは全然いっぱいあるし、それは放送の尺の都合上と、あと、同じようなくだりだったから要らないだろうとか、いっぱいあって、山ほど。

あまり後からそんなことを言うのも野暮ですから、わざわざ、あそこはカットになったとか言わないですけど、唯一、5月11日の時点で、あそこがカットになったぞと思ってる、カットになったぞというか、ちょっと裏話的なところだけ、これは独占、『佐藤満春in休憩室』独占。やっぱ、これ、おもしれぇからほかで言ってるかもんしんねぇなあ(笑)。

再現VTRがあったんですよ。なれそめのところとか。再現VTRで、春日は春日役の人がいて、お相手の女性は女性役の方がいて、いわゆる再現VTRによく出ているようなお2人が出てくれて、俺の役は、絶対俺がやったほうが面白いから「やります」という話はもともとしてて、俺がやったんです。もともと誰かわかんないんだから、俺がやったほうがいいんですよ。で、やったの。

で、現場で春日役の人が、ビッチリ七三にして、ピンクのベスト着て待ってて、「おはようございます」って現場入って、「あなたがミツさんですか」「あ、そうです」つって。「春日役のナントカです」つって。名前忘れちゃったけど。「お願いします」なんつって。して、すごいのリサーチが。春日さんは普段しゃべる時どうやって言うんですかとか、本当に事細かく、超リアリティを追求したいから教えてくれと。面倒くさいと思わずにとにかく教えてくださいつって。こんな熱意もってやってくださるんであれば、「じゃあ、わかりました」と。こうこうこう言います。こういう言い方ですかね、とかつって。

いろんなスタッフさんとかの思いもあって、本当にこれは別に要らないんだけど、春日って結構オリジナルの言語を使う、通称「春日語」なんて言われますけど、クラスの気持ち悪い男同士が自分たちにしかわかんない言葉でしゃべるやつがあるじゃないですか。あれをやるの、春日って。誰とやるかったら俺なんだけど。

で、その春日語もチラッと再現Vに入れると、より、気持ち悪さも出るし、リアリティに近いんじゃないですか、みたいなことがあって、俺がトイレに行ってくるというくだりがあって、俺が「すいま千円」て言うんですよ。春日語の掛け合いで「すいま千円」て俺が言ったら、春日が「五千円」という掛け合いがあるんです。どっちかが「すいま千円」と言ったら「五千円」と言うという。

で、台本に「すいま千円」と書いてあって、春日役の人の再現Vの人に「サトミツさんが「すいま千円」と言うのは何ですか」つって。「これは春日語というか、春日がプライベートでよく言うあれで、僕が「すいま千円」と言ったら、春日が「五千円」と言うんですよ」つって。「それをぜひ言わせてくれ」とかつって。でも、そのくだりあっても視聴者はわかんないと思うからあれですけど、じゃあ、言います? どんな感じですかつって、すごい練習して、僕が「すいま千円」と言ったら「五千円」と言ってくださいつって、「わかりました」つって。

「すいま千円」「五千円」、ああ、いいですね。「すいま千円」「五千円」。あ、いいですね。そんなためないっすねぇとか言って、さんざん練習も付き合わされて。

じゃ、カメラ回しまーすつって、「ちょっと僕トイレ行ってきます。すいま千円」。シーン。全然言わないの、本番で(笑)。手見たらブルブル震えててさ、緊張してんだかなんだか知らないけど(笑)。

で、カットになったというか、放送に乗るとか乗らないとかの問題じゃなく、練習だけしてなしになった、そういうくだりがあったという(笑)。全然芯食わないこぼれ話でした。

来週、あるっちゃあるな。

ということでございました。興味ある人がいるかどうか知らないですけどね。

 

 

『モニタリング』の裏話①

 

佐藤満春in休憩室 2019年5月4日

 

この番組は月1収録になりまして、あまり即時性がないというか、そこがいいところで、夏ぐらいに起こったことを秋に話すみたいな(笑)、よさとして僕は捉えているんですよ。収録番組ですから、そんなもんで。だから、今、私が、今この時点、収録日4月23日の佐藤満春として5月4日。まだ平成なんです。令和にはなってない平成の人間がしゃべっているわけですよ。平成の人間がしゃべっていることが令和に届いているという状況なんで、どこまでどのぐらいの話をしていいかというのはわかんないわけですね。

だから、前回の収録日、3月ぐらいに録ったんでしょう。4月分を。その時に、もう放送されましたから言って大丈夫ですけど、春日さんの10年、11年だかおつき合いした彼女にプロポーズをするという『モニタリング』さんの特番は、放送は決まってましたよ、当然。で、その『モニタリング』後の放送も3月の時の収録で録ってるんですけども、万が一ですよ、『モニタリング』の放送がずれたとか、令和になってからやるぞとなった時に、もしあそこで僕が(笑)半年ぐらいみんなでかけてやっていったものをぶっ潰すわけにはいかないので、全然関係ない話をしてたということだけお詫びさせていただきたいなっていう。

放送が終わったんで、もう起きたことは言っても大丈夫。起きたことしか言っちゃダメだから。難しいもんで。この後、今、皆さん覚えておいて。4月23日です。この後何か起こるんだとしても、僕は言えないわけですよ。23日までに起きたことしか言えないから。ね。これは難しい問題で。起こったことだけのちょっとした裏話はせっかくだからしておこうと思いますけど。

そもそも、3~4カ月かかってるんですよね、この企画をやるのに。4カ月か。まるごと。一番最初の打ち合わせをしたのは、たぶん去年の末かな。10月か11月ぐらいに1回目の打ち合わせがあったかな。

そもそも春日さんが11年、10年、おつき合いしている方がいるのは、僕はもちろん知ってましたし。観てない方もいるかもしれないのであれですけど、別に、この人が春日です、この人がお相手の女性ですというふうに僕が引き合わせたわけじゃないんです。たまたま春日と一緒に渋谷で飯を食っているところに、もう本当に忘れちゃったんですけど、もともとヨコヤマさんは僕は知り合いの知り合いで、CDを貸すとか貸さないとか、ほんとそのぐらいライトな要件で、渋谷でそれを受け渡すんだかなんだかだったんですよ。

春日と飯を食ってて、渋谷に着いたって連絡がきたのかな。「今ここでご飯食べてるから来て」みたいなことで来て、なんかわかんないんですけど、そのまま飯を食ってけばってなったんですよね。本来だったらそんなことしないんですけど。何だかなって、僕がトイレ好きじゃないですか。これは全然『モニタリング』でその描写はされてなかったですけど。当たり前だけど。

で、トイレに行ったんですよ。知らない店でトイレに行くと、僕、結構、何基あってとか、要は、ドアが引き戸か押し戸かとか、全部一回チェックして、ハンドドライヤーの位置とか、何歩でとか、何となく勝手にチェックする。換気扇の汚れ具合とかを見てたの、すごくバーッと。わりと、だから、通常トイレに行く人よりは長いですよね。

戻ったら、まあまあ別に普通に話してたの。仲よさそうに。こっちとしても友達と友達、別の友達を呼んで、自分がいなくなった時に気まずい空気が流れてると、なんかイヤじゃない。だから、別に普通に話してるんだったらよかったと思って。その日は別にその日で終わり。

したら、後日、女子側から、実は春日さんと連絡をとっているみたいなことを聞いて、あ、そうなの?みたいな。どうやらそこで連絡先を交換していた、みたいなことになって。別にどっちでもいいから(笑)。何とも思わない。あ、そうなんだ、盛り上がったんだ、その時にと思って、へえ、みたいな。一々言わなくていいよっていう(笑)。どうでもいいと思って。

で、過ごしてて、何カ月した後かわかんないですけど、2人で遊びに行ってる、みたいな。女子側はわざわざいろいろ報告をしてくれたんですよ。あ、そうなんだ、みたいな。おつき合いすることになった、みたいな話になって。(「佐藤君の知り合いなんですか?」)僕の知り合いです。その女の子はね、もともと。

だから、たまたま同じ場所に居合わせてしまった原因を作った…もっとポジティブな言葉か。きっかけを作ったのが僕です、みたいなことになっているわけですよね。事実上。

それで、付き合うことになったというのを女子側から聞いて、別にどうでもいいと思ってたんだけど、春日は言わなかったんだよね、俺に、しばらく。恥ずかしかったんでしょうね。

で、女子側からはずっと聞いてて、付き合ったってなって何カ月後ぐらいに、春日に「付き合ったんだね」とかって言ったら、「ごんすなー」とかつって。どっちでもいいけど、別に言えよとも思わないし。でも、自然な会話で出てきそうなもんだけどね。あの時のあの子とあの時連絡先交換して、話が合ったから付き合うことになって、みたいなことって。一々報告しろとも思わないけど、自然に出てきていい話だけどね(笑)みたいなことを言って。恥ずかしかったんでしょうね。あいつの性格上、そんなこと言い出せないのもわかっているから、別にどうでもいい。全然好きにしてくれたらいいっていうところからの付き合い。

ホントにイヤなんですよ、僕は。キューピッドの同期の芸人が、みたいなことを報道されて、イヤなんですよ。キューピッドみたいな扱いされるの。知らないんですよ。勝手に付き合ったんだから。どうぞどうぞ、二人がお似合いだと思うから付き合いなよとか言ってたらキューピッドでいいわ。俺が知らないところで連絡先交換して、知らないところで付き合ったわけじゃない。いい大人が。当時、20代後半か30ぐらいの男女がやったわけだからさ、知らねぇーよ!っていう話なの(笑)。どっちでもいいじゃないですか。

まあまあ、そんなことがあって、そこから大変だったのは、春日っていう男はああいう男ですから、口数が少ないから何考えてるかわかんない、みたいな。喧嘩とか、喧嘩っていうか、春日さんが一方的にその女の子側をちょっとヤキモキさせるというか、なんなの?というふうに思わせるみたいなことの相談を受けるって言うと、ちょっとディープ過ぎるけど、言える人が僕しかいない。共通の知り合いが僕しかいないから、女子側からは相談を受けるわけですよ。「じゃあ、春日に言っとくわ」ぐらいの感じのことを自然となるじゃないですか。なんか申しわけなさもあるし。

それで、そんなのがホントに今の今まで10年、11年ずうっと続いているっていう。いいかげんにしてほしいっすけどね、もう(笑)。大体女の子側が怒って、「言っとくわ」つって春日に言って、日テレの16階よ。食堂があって、水曜日、春日の『ヒルナンデス』前、僕の『スッキリ』後、大体、女子がこんなことでパチキレタつって春日が「どうしたらいいかな」つって、「言っとくよ」なんつって(笑)。毎週そんな話をしてますよ。今もね。今もですよ。終わんないんだな、これはたぶん延々続くんだろうな。もういいけど、別に。進んで何でも言ってよとも思わないし、なんも言わないでくれとも思わないし、なんかあるんだったら言ってくれればいいし。

僕のポリシーとして、仕事も私生活も全部そうだけど、自分にしかできないことをやろうと思っているわけですよ。誰でもいい、代わりがいることはほかの人に任せて、自分にしかできないところを任されることが一番のぜいたくというか、生きる喜びだなと思ってるんです。

というところで言うと、しょうがない。その二人の知り合いで、二人の内情を知っちゃっているということだけで言うと、僕にしかできないこと、間に入るということで言うと。ですから、それは別に楽しいことじゃないですけど、ハッピーなことではないですよね。けど、まあまあ、そこを担うしかないんだろうな、自分がという意味では、まあまあいいかななんていうふうに思いながら、そんなことを10年、11年やっているということがありまして。

これはまた続き、来週だな。毎回こんなことしてるな、最近。ここまでだね、今日は。時間的に言うとね。また来週話す(笑)。みんなが令和の5月4日の時点で春日の話にどのぐらい興味があるかですよ。ただ、この番組はマニアックなことを掘っていくというコンセプトでやっていますんで、やります、来週もこの話は。

 

 

加地メタル・ジャケット

 

佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO) 2019年5月22日

 

アメトーーク!』のプロデューサー、加地さんと間違えられたというのが最近あって、それでまた思い出したんだけど、この話、俺が大好きな加地さんのエピソードなんだけど、俺の大好きな加地さんのエピソード。(大事なことなので2回言った? w)

アメトーーク!』にアルコ&ピース平子が初めて出た時に、平子は頑張って結果出そうとした結果、トーク番組なのに、変なキャラを入れて、全部小ボケで返すっていう、気持ちが入ってない、いわゆる“平子り”って言われているやつ。ハハハハハ を全部返した結果、全然トークの芯を食わずに、収録が終わった後、あの優しい加地さん、誰も怒らない仏の加地さんに、ゼロ距離で、鼻と鼻のつながるゼロ距離で20分ぐらいブチ切れられたという。ハハハハハ 「そういうの要らないから」って言われたっていう。『セッション』のJ・K・シモンズ状態。ハハハハハ

これ、俺の大好きな話。そして、目の前にいる福田も大好きな話。ハハハハハ そして、たぶんブースにいる石井も大好きな話ね。

でも、そこまでいくと『セッション』じゃねぇーなと思って。若いリスナーは知らないと思うけど、『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹。ハハハハハ 平子はずっと「サー!イエッサー!」っていう。ハハハハ

これね、知らない人多いかもしんないんだけど、『フルメタル・ジャケット』という映画があるんだけど、その中で超名場面で衝撃的な、海兵学校で新兵を6分半にわたり説教するっていう地獄の衝撃的な文言なのよ。ハートマン軍曹が。「口でクソ垂れる前と後に「サー」と言え!わかったか蛆虫ども!」「サー!イエッサー!」ハハハハ 超リズミカルに「ふざけるな!大声出せ!玉落としたるか!」「サー!イエッサー!」ハハハハ

でもさ、それ調べてもらったんだけど、一番ひどい文言が「地球上で最下等の生命体だ!貴様らは人間ではない!両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!さっさと立て!隠れてマスかいてみろ!首切ってクソを流し込むぞ!」ハハハハハ 「サー!イエッサー!」。

途中、ボコボコにしたりするからね。これで6分間。6分間やるのよ。衝撃だから、『フルメタル・ジャケット』のそのシーンだけ絶対観てほしいんですけど。

そんなことが『アメトーーク!』の収録後にあったらしいんですよ。ハハハハハハ あ~面白い。

ということで、今回のメールテーマは、テレ朝のプロデューサー、加地さんが平子に、『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹よろしくブチ切れたこのエピソード、僕ら大好きなんで、こういうテーマにしたいと思います。『加地メタル・ジャケット』。「サー!イッエサー!」です。リスナーの皆さんが加地さんにブチ切れられた平子のように、鬼のようにブチ切れられたエピソードを送っていただきたいです。

 

 

鼻水を垂らした神父

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年4月20日

 

若林:俺もさ、あれ、結構お前に内緒で打ち合わせしてたんだよ。あの牧師の格好。

春日:ああ、そう。まあ、でもそうだろうね。あれほんと知らなかったからね。

若林:2回ぐらい打ち合わせしたもん。隠れて。

春日:あ、そう。

若林:うん。最初、3パターンぐらいありまして、みたいな。神父の、神父っていうか、あそこの台?なんつうの、ああいうの。台から破って出てきたじゃん。

春日:はいはいはいはい。

若林:で、「ドッキリです、120日間やってました」か「ゆずさんがギター弾きながら入ってきて、歌に入ったら俺が歌いながら入ってくる」っていうやつと「ゆずさんが歌って、俺がラップで春日を祝福する」っていう、この3パターンだったんだよ。

春日:フフフ なるほどね。

若林:結構長い時間。「この台から出てくるのがいいっすね」つって。「私服と神父の格好、どれがいいですか?」「神父の格好で」つって、4パターンぐらいから選んで。その後よ。「ドッキリです」って2人に言って、俺が聖書を持ってたでしょ、神父だから。

春日:ああ、なんか持ってたね。持ってましたなあ。

若林:そこで「キャバクラにはもう行かないことを誓いますか?」みたいのを4個ぐらい言う感じだった。

春日:ははは(笑)

若林:「どうしましょうか、その文言は?」俺は偉そうにさ、「それは本番で」みたいな。

春日:生意気っ!

若林:ハハハハ

春日:生意気だなあ。

若林:俺のことだから、やるだろうと思ってたの。

春日:自分に期待もしてたわけね?

若林:そうそうそう。それで、ゆずさん呼んで、ゆずさんに春日のピアノの感想を聞いて、春日にも聞いて、奥さんにも聞いて、写真撮って終わりっていう台本だったの。

春日:なるほどね。はいはいはいはい。

若林:で、だから、神父の格好して、水ぐっちゃん、水口Dと、ずっと俺の時は水口Dがあの日はついてたから、神父の格好して教会にずっといたの。俺、神父の格好して。春日が食事みたいのしてる時。

春日:ああ、じゃ、ずいぶん前から。

若林:ずいぶん前からいて。で、神父の格好だから、「キン肉マンソルジャーだ」つって、水ぐっちゃんと。

春日:確かにそうだね。

若林:キン肉アタルだつって、ペンキ屋のドラム缶で自分の迷彩のを浸して、神父。

春日:そうね。神父にして。

若林:丈が全然違うんだけどね(笑)。ジャージ破って迷彩のね。

春日:説得に行ってね。犯人を説得にさ。

若林:犯人を説得しに行く。

春日:ハハハハ

若林:水ぐっちゃんと「春日にプロポーズ成功したらナパームストレッチかけちゃおうか」つって。

春日:ハハハハ

若林:「天井ぶち破って、ここ叩きつけてやろうか」とかって水ぐっちゃんとずっとやってて。まさか泣くと思ってないからさ。バカヤロウとか言って、写真とか撮ってたの。キン肉マンソルジャーだつって。

春日:キャハハハ

若林:水ぐっちゃんも「いいね」みたいな。説得しに行くキン肉マンソルジャーみたいなこと言って。バチバチ写真撮っててさ。

春日:はいはいはいはい。

若林:それで、中入って、イヤモニして、春日がどこにいるかわかんない、俺は。教会の台の下に入ってるから。

春日:そうか。音は聴こえるけど。

若林:そうそう。で、春日がピアノやってたのは知ってるから、ゆずさんとやってる曲が流れてきたわけよ。

春日:うんうんうん。

若林:前奏でもう号泣してた。

春日:なんでなんだよ?音だけで?

若林:いや、あれね、めちゃくちゃよかったよ。

春日:あ、そうなの?

若林:うん。なんかね、なんつうだろうんな。たどたどしさがなんかよくて。

春日:フーッ(笑)まあまあまあ、そうね。

若林:ゆずさんがそれに合わせてくれる優しさと。

春日:そうなのよ。

若林:なんか、その、お前のたどたどしさと不器用さがいいほうに出てた。あれは、上手く弾けばいいピアノじゃないからね。

春日:ヘヘヘ

若林:ああいう時って。

春日:まあまあまあ、そうなのか。結果的にね。結果的に。私は上手く弾きたかったけどね。完璧にね。

若林:で、ボロボロ泣いちゃって。俺、どこでやってるかわかんないから、教会のドアのすぐ外とかかもと思ってるから。

春日:そうか、そうか。いつ来るかわかんないと。

若林:そう。だから、俺、十字架かんで、声出ないようにしてたんだから。

春日:(笑)

若林:ウーッて声が、ウーッ、ウッ、みたいな。

春日:何やってんだよ。

若林:十字架かんで。

春日:うん。

若林:声出ないように。

春日:何やってんだよ。

若林:フハハ。

春日:さっきまでふざけてた奴がさ。ハハハハ

若林:で、ヤバいと思って、これ、泣いて出て、「ドッキリでした」。聖書持って「キャバクラ行かないことを誓いますか」。どうしようかな。でも、あいつ手紙読むらしいから、それまでに涙が引っ込めばいいのかって思って。

春日:なるへそ。

若林:泣き止もう、泣き止もうとしてたわけ。十字架をかんで。

春日:うん。

若林:十字架をかんでって大丈夫なのかね?大丈夫?

春日:(笑)

若林:やめたほうがいいか。

春日:(笑)

若林:袖をかんで?

春日:いや、もう言っちゃってるけどね。

若林:ハハハ

春日:緊急事態だから。

若林:ソルジャーのマスクをかんでたんだけど(笑)。

春日:マスクつけたら、もうふざけてんじゃん。

若林:ハハハハ それで、春日が手紙読んでて、俺、知らなかったのよ。M-1の前からって。

春日:ああ、はいはいはいはい。

若林:俺、それ知らなくて、M-1の前からって。

春日:言ってたね。そうだね。

若林:それで、後日聞いたんだけど、「M-1の前からなんだってね」ってサトミツに言ったらさ、お前、M-1大井競馬場の敗者復活の時、クミさんが作ってくれた春日人形をポケットに入れながら漫才。

春日:ハハハハ

若林:俺、もうめちゃくちゃ(ドン!(テーブルを叩く音?))それがショックで!

春日:なんだ、ショックって(笑)。

若林:俺たちは!誰にもほめられない!誰にも面白いって言われてない地平から。

春日:ハハハハ

若林:若林春日で大井競馬場からテレ朝に向かったお前のポケットに彼女が作ったお守り人形が入ってたっていうのが、お前殺してやろうかなと思って。

春日:何でだよ!

若林:ハハハハハ

春日:そこで。そんなもんいいだろ!くれたんだから。

若林:あの寒空の下から2人だけで這い上がったと思ってたらさ、そんなで、春日のココなんか全然空いてなかったんだなっていうのを知ってさ、それでもう号泣。

春日:号泣なの?そこで?(笑)

若林:後日だったけどね。

春日:ああ、なるほどね。それを知ったのはね。

若林:で、泣き止もう、泣き止もうとして、洟すすってる音が外に漏れちゃいけないから。

春日:ああ、なるへそ。

若林:と思ったりしながらさ、お前手紙読み始めて、入ってきた時にもずっと息殺して十字架かんでました。

春日:ああ。でも、確かに何の、もちろんね、何の気配もしなかったですよ。

若林:距離近かったじゃん、そいで。

春日:近い、近い。すぐ真後ろじゃない。気づかなかったよ。

若林:それで、お前が「入院してた時」とか言うからさ、もう、もうなんか、嗚咽が出ちゃうっていうぐらい。

春日:それ何?

若林:鼻水と床がずっとつながってたんだから。

春日:ハハハ

若林:それで俺、納豆の糸を取るみたいに、ずっと指で回してたんだ、鼻水。

春日:ハハハハ

若林:すすると音するから。

春日:なるほどね。そんな結構、そっちはそっちで戦いがあったわけですな。

若林:そう。それで読み終わって、結構オンエアでは削ってあったけど、尺あったじゃん。読み終わった後、無言の間が流れただろう?

春日:うん。

若林:あれは、俺は、涙引っ込めないと出れないと思って、ランプがついてたの。台の中に。それは、ランプが光ったら、制作的に(春日:なるへそ!)机破って出ていいですよっていうランプだったの。

春日:はいはいはいはい。

若林:で、もうずっとついてんのよ。

春日:じゃ、だいぶ早い段階でゴーが出てたわけね?

若林:無視してたの。涙が引っ込んで、出て、泣いてたってならないようなぐらい時間たつまで拭いて。

春日:だから、あれも、若林さんが出てくるなんてもちろん知らないけど、打ち合わせでは、段取り的には、私が手紙読んで、指輪渡して、返事を聞いたら、スタッフさんが扉からね、モニタリングはそうじゃない。カメラバーッと来て「モニタリングです」って言うのが。

若林:「モニタリング終了」って出て。

春日:そうそう。来るんで、とりあえずそこの場で待っておいてくださいって言われてたのよ。で、指輪渡して、オッケーだって言われて、全然来ないからさ。カメラが。なんか変な、なんだこれ?って思ってさ、つないでたもん、なんかね。

若林:はいはいはい。

春日:「ねー」なんつて言って。「指輪ねー、買ったねー」なんつってずっと(笑)妙な間が。んで、バリッでしょ?

若林:そいで、ランプついてて、俺は拭いてたの、こうやって涙を。これだったら泣いてるように見えないとこまでいっとかないとと思って、ついてたランプが点滅し始めたのよ。早く出ろっていうこと。

春日:うんうんうん、早く、そうだ、早くしてくれよ。

若林:それで電球緩めて。ネジを。

春日:なんでよ?

若林:うるせぇ!と思って。だって泣きが止まんねぇから。

春日:いやいや(笑)

若林:でも、なんかずっとすっごい点滅。外に漏れるよ、光がっていうぐらい。

春日:でも、そうじゃない?めちゃくちゃ変…長かったもん。

若林:バリバリって、どうなるかわかんないけど出るしかないと思って、意を決して立ったら、たぶん鼻水が出たんだろうね。

春日:ハハハ その勢いで?

若林:そう。それでもう段取り全部吹っ飛んで。その後の。

春日:まあ、そうね。何も。ただ泣いてただけだからね。

若林:で、ゆずさんか入ってきて、ゆずさんに回してもらっちゃって(笑)。ずっとしゃべんなかったもんね、最後はね。

春日:ほんとだよ。

若林:ハハハハ

春日:「いいの?」なんてつって北川さんも。「僕が回していいんですか?」みたいな(笑)。「誰もやれる人がいないんでお願いします」なんつって、申しわけないことしちゃったよ(笑)。

若林:ハハハ

春日:歌も歌ってもらって、回しも最後、回しというか、締めだよね。締めまでやってもらっちゃってさ(笑)。

若林:フフフフ

春日:ほんとお願いしますよ。

若林:ハハハハ

春日:一番泣いてたからね。ほんとにね。

若林:でも、春日のほうが泣いてたんじゃないの?手紙読んでるところで言うと。

春日:いやあ、そこまでは泣いてないですよ。

若林:あ、そう。

春日:そんな鼻水ブー垂らすほどではなかった。

若林:なんかさ、「泣いてる」って彼女に言われてさ、「泣いてないけどね」って言ってたじゃん。

春日:ま、ま、言ってた。

若林:泣いてたよ、あれ。

春日:フッハハハ

若林:何?「泣いてないけどね」って。

春日:いや、泣いてないけどね。

若林:(笑)

春日:全然、別に。

若林:それ、理由聞かせて。じゃあ何なの?ってなっちゃうよ、そしたら。

春日:全然余裕だったけどね。

若林:じゃあ何なのよ?(笑)

春日:うーん、何なの?って、答えられないけど(笑)。

若林:ハハハハ

春日:それは別にね、何だとは別に言わないけど。

 

 

アップするタイミングを失っていたけど、もういいかな。

 

 

 

人の役に立ちたい

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年5月18日

 

若林:雑誌のインタビューがあるじゃないですか。お仕事でたまに。

春日:うん。

若林:(昔は)聞かれることがめちゃくちゃうれしくて、春日を遮ってもしゃべりたかったんですよ。

春日:(笑)

若林:ハハハハ ライブとか漫才のこととか聞かれると、「あの漫才は」とか言われると。

春日:うん。

若林:1~2年前ぐらいから始まったのかな。本当にもう億劫でしょうがないんだよね、インタビューでしゃべるのが。それは天狗じゃないですか。でも、お仕事だから一生懸命やろうと思うんですよ。だから、ほんと仕事っていいなと思う。それで、思い出せないんだよね。どういう気持ちでしたか?とか。向こうもかわいそうだよ。そんなオードリー好きじゃないのに、会社でたらい回しにされて「おまえ、DVD観てインタビュー行け」って言われてんだから。

春日:いやいや、そうとは限らないだろう(笑)。

若林:ほんとかわいそうだよ。向こうも。

春日:そういう人もいるかもね。

若林:仕事だから、そこは一生懸命やるじゃない。

春日:まあ、そうだね。

若林:お互いね。ありがたいよ。

春日:聞きたくて聞いてるわけじゃない人も。

若林:聞きたくて聞いてるわけじゃないよ、そんな、問題起こした奴とね。ハッハッハッハッ

春日:そんなふうには思ってないだろう、別に。思ってないと思うよ。

若林:怖いよ、同じ空間にいるのが、きっと。

春日:いや、そこまでは思ってないと思うよ(笑)。

若林:思い出すことがすごく大変なのね。

春日:昔のこととか?

若林:やってみてどうでしたか?とか、漫才がこうでしたか?とかが。

春日:はいはいはいはい。

若林:だから、ちょっとそれを不思議…何でなんだろうなと思ったの。昔は春日を遮ってでもしゃべりたかったのに。ハハハハ

春日:なんだ、それ。ハハハ

若林:春日しゃべってくんねぇーかな、みたいな。

春日:今は。

若林:今は。

春日:ハハハ

若林:なんかおかしいな、ぐらい。でも、昔と違うのは、気持ちよく帰ってもらいたいから、なるべく間があかないようにしてんだけど。

春日:はいはいはいはい。

若林:で、この間、なるほどなぁと思ったことがあって、『セブンルール』という番組やってて、ドキュメンタリーなんだけど、大きくざっくり分けると2タイプの人がいて、“私のセンスどや”っていう人と、“私の実力どや”っていう人と、学校の先生で生徒のためにガーッといろいろやったりとか、まだ開発されていない医療技術、これがあったら助かる人めっちゃ多いからとかの人と、“私のこのセンスどや”。若い人はいいのよ、上がっていかなきゃいけないからさ。かき分けてさ。だから、ある程度年長者の人で“私のセンスどや”、“私、最先端でしょ、“私こんなスタンスでやってます。どや”感が匂うと、ちょっと観てらんないんですよ。

春日:ハハハ

若林:利他的な役に立とうという人はすごく感動する傾向にあるなぁ、なんて思って。若い人はいいんだよ、本当に、自分のこれどや。これでいくしかないし。

春日:自分で出てかなっきゃないからね。

若林:そうそうそう。

(中略)

若林:そんな話をサトミツとしててさ、近いことかなぁ、みたいなことを言ってたのが、サトミツは、奥さんと子どもがいるから、すごく忙しくて寝れなくても頑張れる理由があるんだよって言うの。

春日:なるほどね。

若林:自分がセンスがあるとか、能力高いというのがないから、それを見せたいという気持ち。だから家族がいてよかったんだよね、俺は。家族いなくて、今、1人で、昔アパート行ったり来たりしてたところに(春日:風呂なしのね)住んでたと思ったら、俺は本当怖いよって言うのよ。

春日:クッハハハ まぁ、そうだろうね。

若林:よく独身者の前でそれを言えるなと思うんだけど、2人でお茶してるからさ。ハハハハ それはいいんだよ。それは全然いいんだけど。

春日:そうね。

若林:自分のツッコミのたとえツッコミ、これどう!という感じよりも、自分がMC台にいたとして、パネラーの人がいて、このパネラーの人が面白いことを言った。自分のツッコミのワードで落ちるんだけど、押し込め、そのコメントの後に敵対しそうな人に「今の聞きました?どう思いました?」って振る。ちょいかみつく、ウケる、で、そのくだりが終わる、みたいなのが、なんか好きになってんだよね。

春日:なるほどね。うんうんうんうん。

若林:半々で、自分で落としたほうがいいとこもあるからさ、時と場合によって、人にやってもらって盛り上がると、なんか楽しいなぁ、みたいな感じぐらいなんだけど。そういう、不思議に思ってたけど、別に深く考えてなくて、でも、頑張るエネルギーは欲しいじゃない。

春日:うん。

若林:だけど、2人の、俺と春日が熱かった時代があるじゃない。10年前とかさ。息巻いてたじゃない。春日なんか口癖で「俺たちの世代が」っていうのを言ってたし。

春日:ダセェな!

若林:それが『ミレニアムズ』にもつながったしさ。

春日:失敗してんじゃねぇーか!

若林:俺は失敗とは思わないけど。

春日:いやいやいやいや(笑)

若林:そういうエネルギー?

春日:モチベーションみたいなことね。

若林:が必要だと思って、1人だし、買い物とかかなぁと思うのよ。自分に何か買うとか。

春日:なるほどね。ご褒美にこれとか、これを買うために頑張ろうとか思えるものがあるかもしれないと。

若林:そうそうそう。で、中野のブロードウェイ行ってさ、高いじゃない、ああいうのって。自分の好きな。

春日:フィギュアとか、昔のものとかね、プレミアついたりとかして。

若林:懐かしいなぁ、みたいに、ガラスケースの中見てたら、泣けてきてさ。

春日:泣けてくる?

若林:悲しくなって。眺めてたら。

春日:何がよ?

若林:全然欲しくないんだよね。

春日:ハハハハ

若林:休みの日、1人で行ったし、なんか泣けてきて。

春日:これにも心動かされないのかと。

若林:「これを買うために頑張ろう」っていうのは無理だなと思って。それで、財布なくしたこともあって、デパートでブランドもの見ても、これ、いい年して着て、みんなにおしゃれって言われようとする奴の気が知れねぇーなと思ったの。

春日:キャハハハ

若林:それで頑張れる奴の気が知れねぇーなと思って。

春日:そういうタイプじゃないと。

若林:そうそう。で、もう泣けてきて。

春日:じゃ、何があるんだと。

若林:何のために。

春日:ハハハハ 自分には。

若林:自分のこれ、腕、“どや”がない今、何を燃料に走ればいいんだつって。サトミツは、サンマルクで強烈なマウンティングしてくるし。俺は奥さんと子どもがいるからつって。

春日:なるほどね。「お前にはないけどな」ってことね?

若林:うん? それ、でも、お前が言っちゃダメじゃない?

春日:いやいやいや(笑)サトミツの。

若林:独身の奴が言うならいいんだよ。お前が言っちゃダメだろう。

春日:違う違う違う、サトミツの声を代弁したのよ。「若林君にはないけども、自分にはあるんだよ」ということを言ってきたということでしょ?

若林:というように感じて。

春日:言ってはいないだろうけど。

若林:それで、だから、一番怖いのは、宿題を喫茶店とかで仕事の後やって、家帰って、風呂入って、風呂から出て寝るまでの間。この時間怖い。もう怖いね。

春日:怖い?

若林:うん。

春日:何が怖いの?

若林:何考えるかわかんない。自分が。ろくなこと考え始めないから、ゲーム。これは絶対眠くなるまでゲームなの。

春日:なるほどね。変な方向に飛んでいっちゃうかもしれないと。考えが。

若林:そうそう。RPGなんかやってると、自分のことよりも、人に何かしたいっていう気持ちが強くなってるから、武器とか防具とか、パーティの自分じゃない奴にすごい強いのを買い与えるわけ。それが嬉しいのよ。買ってあげた感があって。戦うと勇者が先に死ぬみたいなことが、一番大したやつ使っていないからさ、その分レベルは高いんだけど。そんなことをうっすらベース考えて生きているみたいなのね。じゃあ、猫飼おうかな、みたいな。

春日:猫飼おう。ああ。

若林:そういうために猫飼っちゃいけないっていうのも、動物番組をやっている身として知ってるし。

春日:(笑)まあまあまあ、でも、猫のためにっていうのも悪くはないと思うけどね。

若林:別にお前がどう思おうと別々の人生だから関係ないんだけど。

春日:じゃあ、もう何も言えないだろ!そうしたら。私だって押しつけてるわけじゃない、そうしろって言ってるわけじゃないんだ!猫飼えと言ってたらそう言うのはわかるよ!

若林:それは勝手にさせてもらうけども。

春日:なんだその言い方!

若林:別々の人生。

春日:それはそうだろうよ!

若林:別々の人間だから。

春日:それはそうだよ!

若林:そうなのよ。

春日:だから別に押しつけてはいないだろうよ!

若林:そうなんだけど、なんかほっといてほしいっていう部分あるし。

春日:フハハハハ

若林:まあ、黙ってろって言うのかな、やっぱり。ハハハ

春日:黙ってろはおかしい。ラジオやってて。黙って聞いとけはおかしいだろ!

若林:部外者だから。ハハハ

春日:部外者っていうか、まあ、そうだね。本人じゃないからね。

若林:本音はよ、本音は「中継出ててほしいな」って思うんですよ(笑)。

春日:どういうことなんだよ! どこ行くんだよ!

若林:ハハハハ

春日:何にもない有楽町の駅前行ってもしょうがないだろうよ。誰もいない。

若林:それで、そんなことを考えてて、これだって思うゲームを今やってて。

春日:ほう! いいのがあった。

若林:それは好きなゲームのクリエイターの人を辿ってったら、そのゲームにぶち当たったんだけど。『ICO』というゲームがあって。

春日:イコ。

若林:うん。どういうゲームか知ってる?

春日:いやぁ、ちょっと聞いたことないな。

若林:昔の中世みたいなイメージの城ね。誰もいないのよ。誰もいないからいいんだけど、言葉も通じない女性がいるのよ。

春日:はあ。

若林:俺は主人公で、女性の手を握るの。ボタン押したら手握るの。手握って、城をとにかく脱出していくゲームなのよ。

春日:へえ。

若林:それはホントにその女性のためなのね。

春日:その人を逃がす、みたいな。

若林:そうそう。で、高い塀から飛び下りると、ボタン押すと、その女の子の名前を呼ぶんだけど、降りてこいと。

春日:なるほど。

若林:呼ぶと、首振ったりするの。無言でこうやって。塀の上で。

春日:ちょっと怖くて降りられない、みたいな?

若林:うん。俺はゲームやりながら、「あー、飛び下りれねぇーか、しょうがねぇーなぁ」って言いながら、樽とかを運んで、ちょっと段差をなくする。

春日:下りやすいようね。

若林:そしてまた名前を呼ぶと、ようやく飛び下りてきたりする。また手を握って、ずうっと「しょうがねぇーな」って言いながら。

春日:フッ おお。まあ、そういうゲームなんだね(笑)。

若林:そうそうそう。それで、泳いだりするところとかも沈まないように何か持ってきたりしたりして、自分が最初にすごい高い谷をジャンプして、橋を架けてきたりして「しょうがねぇーなぁ」とか言いながら。

春日:うん(笑)。

若林:今、だから、その女性のために生きてるようなもんで、クリアしたくないんだよねっていう話なんだよね。

春日:ハハハハハ クリアしちゃったらもう何もなくなって、どうしていいかわかんなくなっちゃう?(笑)

若林:そう(笑)。だから、すっごいゆっくり進めてんの、そのゲーム。

春日:ハハハハハ

若林:なんかね、人の役に立ちたい(笑)。

春日:なるほどね(笑)。クリアするまでに何かほかに見つかるといいけどね。

若林:そういう気持ちの延長線上で言ってんのよ、人の役に立ちたいっていうのの延長線上で言ってんの。だから、自分のためにフィギュアを買ったり、ブランドものの何かを買うよりも、俺は今、春日とクミさんの結婚指輪を買いたい。

春日:キャハハハハ いやいや、それもおかしな話よ。

若林:何でかというと、2人のおかげで俺の人生は楽しいからさ。

春日:嘘をつくなよ! 最後、嘘じゃねぇーかよ!