ここではないどこかへ

 

ACTION 2019年4月19日

 

武田砂鉄:ここからは、毎日ゲストをお招きするゲストACTION。本日のゲストは、元TBSアナウンサーの宇垣美里さんです。よろしくお願いします。

宇垣美里:よろしくお願いします。

幸坂理加:よろしくお願いします。

武田砂鉄:辞めた会社に出社するというのはどういう気分なんですか。

宇垣美里:でも、私、毎週『アフター6ジャンクション』で来ておりますので、本当に慣れたもんですよ(笑)。

武田砂鉄:幸坂さんも3月に辞めてるし、宇垣さんも3月に辞めてるから。

宇垣美里:一緒ですね。

幸坂理加:一緒です。退社同期ですね(笑)。

武田砂鉄:円満退社できましたか。

宇垣美里:もちろん円満でございます。仲よくさせていただいておりますよ。

武田砂鉄:今週、『週刊プレイボーイ』の表紙を飾ってるから。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:中吊り。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:中吊りに出るというのはどういう感情ですか。

宇垣美里:でも、私、意外とというか、電車でまだその中吊りに出会ってなくて。なので、時たま意地悪な友達から、「コンビニで見たよ」という写真が送られてくるっていう。こっぱずかしいですね(笑)。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:それに対しては特に反応はせず。

宇垣美里:いや。買ったか? ちゃんと買ったか?と(笑)。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:買ったか、そこが重要ですよね(笑)。

今回、『風をたべる』というエッセイを出されて、僕は書店員さんにすごく知り合いが多いんですけど、吉祥寺にBOOKSルーエというすごくいい本屋さんがあって、そこの名物書店員のカナモトさんという人がいるんですけど、その人と昨日連絡してたら、「宇垣さんはね、阿川佐和子超える」というふうに言ってましたよ。

宇垣美里:恐れ多い(笑)。

武田砂鉄:本当に。なかなか褒めない人なんだけど、そういうふうにおっしゃってたんで、これはなかなか書店員も今響いているんじゃないかなと思いますよ。

宇垣美里:そう言っていただけると本当にありがたいです。

武田砂鉄:本を読ませていただくと、とにかく反骨精神が通底しているなという感じがあって。

幸坂理加:ほんとそうですね。

武田砂鉄:それって、文章を書くと、自己分析するということにもなると思うんですけど、反骨精神の在り処みたいなものというのはどこにあると自分で分析しましたかね。

宇垣美里:でも、本当に、生まれた時からなんですけど、「ここではないどこかへ」とか、「決められたこうしろああしろに対しては絶対に抗ってやる」みたいな気持ちがなぜかずっとあったので、息をするようにあったものだから、なぜかというのがちょっと出てこなくって。

武田砂鉄:それがフォーマットなわけですね、自分自身の。

宇垣美里:そうですね、はい。

武田砂鉄:凄い小さい時から、冷蔵庫の中の卵をとって。

宇垣美里・幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:そこらじゅうに投げつけてたっていう。

宇垣美里:それは単純な悪ガキですよね。物心もついてないので、本当に(笑)。

武田砂鉄:悪さの方向としては悪質な感じがします。

宇垣美里・幸坂理加:(笑)

宇垣美里:ねえ。

武田砂鉄:卵を投げつけるって。悪事にも種類があって、そこまでの悪事はしなくていいだろう。

宇垣美里:母も、食べちゃいたいほど可愛いし、食べたらどんだけ楽だろうと言ってましたけどね(笑)。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:そうですね。後者のほうが強いだろうという。

宇垣美里:うん(笑)。

武田砂鉄:「ここではないどこかへ」というのは、“ここ”に対するある種苛立ちがあるわけですよね。

宇垣美里:そうですね。まあ、田舎出身というのもあると思いますし、神戸出身なんですけど、神戸といっても、本当にのどかな神戸の西の端の、海が近くて、魚がおいしくって、台風が来ると網戸が大変に潮っぽくて、というような場所で育ちましたので、まあ、狭かったんでしょうね、自分にとっては。あたりまえに「ここで過ごしていくことが幸せ」って思っている友人たちに、どこかちょっと苛立ちも感じたり、もっと遠くに行きたい、もっと遠くに行きたい、もっといろんなものが見たいという気持ちが小さい頃から強かったのかなと思います。

武田砂鉄:その気持ちは隠しながら友達と接していたのか、それとも、それは露骨に見せて、その人たちとは距離をとってたのか。そこはうまいことやってたんですか。

宇垣美里:人によると思いますけど、ただ、中学生の時にはもう「あ、ここじゃダメだ」って思って。公立だったので、いろんな人が集まるところでしたから、そう思って。でも、似たように、勉強してもっと違うところに行かなきゃって思う友人というのは必ずいましたので、その子たちと、どんなに言われようが、一番最前線の席をゲットして、そこで授業を聞いて、みたいな感じでしたね。

武田砂鉄:じゃ、「ここじゃダメ」連合というか、ここじゃダメだと思ってる友達がいた。

宇垣美里:いました。

武田砂鉄:それはよかったですよね。

宇垣美里:そうですね。

武田砂鉄:それが孤立してたらね、ここじゃダメだと思ってる奴って、やっぱりターゲットにされやすいですからね。

宇垣美里:(笑)ターゲットにされても、わりとはねのけるタイプだったので、されてたのかもしれませんけど、全然。

武田砂鉄:無自覚だった、みたいな。

宇垣美里:はい。気づかず。

武田砂鉄:それ、一番タチが悪いですよね。たぶんいじめる側も、よくないですけど、いじめ甲斐みたいなことを考えるじゃないですか。

宇垣美里:ああ、全くなかったと思います。

武田砂鉄:いじめ甲斐がないというのがたぶんすごいですね。

宇垣美里:そうですね。高校に行くと、それこそそういう気持ちを持って集まった人たちの高校だったので、非常に生きやすかったですね。いまだに高校時代の友達とずっと一緒にいますし。

武田砂鉄:でも、なんかそういう学校の同調圧力みたいなものに対して、かなり初期から嫌がっていますよね。このエッセイを読むと。

宇垣美里:そうですね。

武田砂鉄:高校時代なんかも、学校に行かずに別の路線に乗って、どこかよくわからんとこに行ってみたとかって。

宇垣美里:それはただの放浪癖ですね(笑)。

武田砂鉄:それはまた別ですか。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:反骨精神とは別の放浪癖ね。

宇垣美里:どこまで続いているのかなと思ってしまったんですよね。

武田砂鉄:なんでそこだけピュアな動機なんですか(笑)。

宇垣美里・幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:この路線どこまで続いているのかなっていう。

宇垣美里:岡山に着いたーみたいな(笑)。

武田砂鉄:「大声を出して騒ぐ男の子が嫌い」みたいなことを書いていたじゃないですか。

幸坂理加:うんうん。

宇垣美里:ああ、中学時代ですね。嫌いでしたね。

武田砂鉄:それは露骨に出してたんですか。嫌いだっていうのは。

宇垣美里:その時は出してましたね。寄ってくれるな、みたいな。

武田砂鉄:そういうことを言うと、大きな声を出す男子って逆に喜んだりするじゃないですか。

宇垣美里:最初は、見てくれが目立つからなのか、そういういたずらをしてくる人も多かったんですけど、露骨に軽蔑してたので、だんだんその人たちも近寄ってこなくなったのが、すごく、両者にとってもよかったなと思ってます。

武田砂鉄:そうですね、互いが幸せですからね、そこでね。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:なるほどなあ。

幸坂理加:「群れるのが嫌い」というのは、私もすごく思っていて、一緒にトイレに行こうとかは、私もすごい苦手だったので、恐れ多いんですが、「あ、一緒だ」と思いましたね。

宇垣美里:ほんとですか? そう言っていただけるとありがたい(笑)。

武田砂鉄:でも、世の中の一般的なイメージで、例えば、OLさんという言い方自体あまり好きじゃないけれど、よくお昼になるとOLさんがお財布を持って横並びで昼ご飯に行くとかって何となく言われるんだけど、実際、オフィス街とか見てると、おじさんのほうがわりとお財布を持って横並びで歩いてることのほうが多いんじゃないかなと思って、(幸坂理加:ああ、そうかもしれない)わりと女性のほうがどっか、それこそ公園行ってご飯食べて、お茶して、自分一人で帰るみたいのが多いから、むしろ、群れ群れなのって、今、男のほうが群れ群れなんじゃないかなって思うことが多いですけどね。

宇垣美里:全然、それで楽しい人はそれでいいと思うんですよ。一緒にご飯食べて楽しいこともあるし、私も全然行きますけど、たまには一人になりたい時もあるから、それを強要されるとなっていう、それだけのことなんですけどね(笑)。

武田砂鉄:それを、怒りを文章にそのまま注入してるっていうのが凄いなと思って。昔から『Quick Japan』の連載はずっと読ませていただいていたんですけど。

宇垣美里:ありがとうございます。

武田砂鉄:一番新しい号の「拝啓、貴方様」っていうタイトルの連載で、これ、「親友」というタイトルで、「はっきり言います。私、あなたの好きな人、大嫌い!」。

宇垣美里・幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:「マジでぶん殴りたいなって思います」っていう。「マジでぶん殴りたいなって思います」っていうことをエッセイに直接的に書くっていうのは、すごい技術の要ることでもあるし、すごくなんかパワフルな試みだなというふうに思いますけど、文章で感情を吐き出すっていうことっていうのは昔からやってたんですか?

宇垣美里:文章化するのはすごく好きで、例えば、とっても気が強かったりとか、プライドが高かったりとか、ちょっと素直になれない自分がいて、直接だと、「いいもん、別に」って言っちゃうことを、文章だと本当に素直な気持ちで伝えられることのほうが実際多くって。

武田砂鉄:はいはいはい。

宇垣美里:言葉とか表情とかって、ともすれば、思ってもないような効果を表してしまったりするけれど、アナウンサーが言うのもどうかと思いますが、言葉って、何度も何度も書き直して、何度も何度も推敲して送ることが多いですから、より自分の気持ちに近かったりとか、自分に嘘をつかないことが多いなと思っているので、より感情の近い部分だったり、ナーバスな部分については、できる限り文章化しようというふうに思ってます。

幸坂理加:エッセイの中にも「マイナスの感情は書いて供養する」ということが書いてありましたね。

宇垣美里:あれは完全にお焚き上げですね。

幸坂理加:お焚き上げ(笑)。

武田砂鉄:お焚き上げってできます? 負の感情って。

宇垣美里:でも、書いてると、すごく馬鹿馬鹿しくなったりとか、あと、簡単にコンテンツになっちゃうので、めちゃくちゃおもしろいってなって。

武田砂鉄:ちょっと外部装置化するというか。

宇垣美里:そうですね。

武田砂鉄:自分の怒りを少し外に置いて、それを客観的に見たら、結構これおもしろいんじゃないか。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:それはおもしろいと思ったら、それをお焚き上げで終わらせようということなんですか?

宇垣美里:そうですね。もしくは完全に笑い話にして友達に伝えたりとか、そういうふうにしてますね。

幸坂理加:へえ。

武田砂鉄:そうか。僕なんか本当にいつもイライラしてるんですけど、怒りの感情をすごく、ずっと根に持ってるんですよね。だから「中1のあの時の話だけどさ」みたいなことをわりと同級生とかにすると、同級生はみんな忘れてるじゃないですか。

宇垣美里:(笑)はい。

武田砂鉄:だけど、こっちは持ち出す性格なんですよね。でも、それで得したことがあるかっていうこと、ないですからね。だから、なんか外部装置化……。

幸坂理加:中1(笑)。

武田砂鉄:中1、そうそうそう。

宇垣美里:テッパンの持ちネタみたいにできちゃえば、すごく楽かなと思うんですけど。

武田砂鉄:そうなんですよ。「よっ、その話!」というふうになると、自分のある種体の中にはなかったりするものだから、よかったりするんですけど、まだ意外と中にあるっていう。

宇垣美里:フフフ(笑)怒りってなかなか鎮まらないですからね。

武田砂鉄:そうなんですよ。中1の時、僕、サッカー部だったんですけど、スギヤマ君という人が、中1でもうスタメンだったんですよね。控えのメンバーがグラウンドの脇側でランニングか何かをしてる時に、スギヤマ君が「おい、中1こっち来いよ!」というふうに言ったんですよね。

幸坂理加:アハハハ(笑)みんな中1なのに。

武田砂鉄:スギヤマ、お前も中1だろっていう、その苛立ちがもう20年来。

宇垣美里:(笑)

幸坂理加:その一言がですか?(笑)

武田砂鉄:そうなんです。

幸坂理加:すごい根に持ってるなあ。

武田砂鉄:面倒くさいタイプ。

でも、こうやって今回本を出されたり、エッセイを書かれたりすると、それまでは、自分の感情をメモ書きにしたりとか、誰か特定の人に手紙を出すっていう形だったとしても、これは公にみんなが見るわけじゃないですか。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:その時の感情の表し方というのは、手紙とかっていうのと違いました? 文章を書くっていうのは。

宇垣美里:もちろん、もちろん違いますし、何もそれがすべて本当のことだとは思ってほしくないというか。もちろん全部ちょっとずつ脚色も加えてますし、本当のことも本当じゃないことも、嘘ももちろん書いてますので、真っ直ぐ自分のことばっかりかと言われると、そうではないですけど、まあ、それも含め、読み物として楽しんでいただければというふうに思います。

武田砂鉄:こういったエッセイって、嘘書いてんの?とか、本当のこと書いてんの?どっちなの?というふうにみんな聞きたがるんだけれど、どっちでもあるというか。

宇垣美里:そうですね。

武田砂鉄:もちろん全くの嘘ではないんだけれど、そこに作品として完成させるためにはいろんなプロセスがあるんだけど、でも、なんか、これホント?嘘?というふうに単純化するほうが、たぶんね、読むほうはラクチンだからそういうふうになっちゃうんだろうし。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:でも、とりわけ、アナウンサーっていう職業だと、ここに残された言葉っていうのは、ある種そのまま受け取られやすいわけですよね。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:それはたぶんこれまでもいろんな、別に本に限らず、自分の発言が、この一部分だけ切り取られて、それがブワーッと広がるというようなことってたくさんあったと思いますけど。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:大変ですよねって、終わっちゃいますよ。そういうのを見てると。

宇垣美里:まあ、でも。

武田砂鉄:慣れました? それは。

宇垣美里:うーん、自分て相対的なものだと思っているので、その切り取られた一言とかニュアンスで私をそういうふうに思う人は、その人の中の私はそうなんだなっていう、それだけっちゃそれだけかなあと思ってるので。

武田砂鉄:それは自分の中には入り込んでこないということですか。誰かがそういうふうに思ったとしても。

宇垣美里:「違うなあ」って思うだけっていうか(笑)。「違うなあ」と思ったりとか、「あ、この人はこういう受け取り方するんだ、新しい!」みたいな感じに思うかな。

武田砂鉄:そんなポップに受け取れるんですか?

幸坂理加:すごーい!

武田砂鉄:新しい!みたいな。

宇垣美里:(笑)「すごい!その視点なかった」みたいに思います。

武田砂鉄:そうか。でも、このエッセイ読んでると、ミスキャンパスに選ばれてからアナウンサーになるっていう、そのロールモデル的なものに対して、結構ご自身でも悩んだ時もあったっていうようなことが。

宇垣美里:もちろんありました。

武田砂鉄:書いていましたけど。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:それはいつ頃から吹っ切れたものなんですか。もうしょーがねぇーな、これはっていう。

宇垣美里:まあ、でも、アナウンサーになって1~2年目ぐらいからですかね。なんか、それはそれで別の生き物として考えたほうが楽だなと。RPGのゲームをプレイしているかのように、このキャラクターはこういうふうに受け取られてるんだ。でも、それが私のすべてではないので、「ああ、そういうふうな感じもあるよね」ぐらいに。もちろんそれが残念に思う時は、「あ、このプレイの仕方はよくなかったから、次はこういうふうに表現しようって変えていこうかな」っていうふうに思います。

武田砂鉄:それは、自分の頭の中でRPGだったとしても、世間はRPGで見なくて、すごく本人という記号で見るわけじゃないですか。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:それはしんどくないんですか。

宇垣美里:うーん、もう慣れたっていうのが一番大きいですけど、それと、「おもしろくないですか?いろんな私がいるのって」って思うので、高校からとか、もっと小さい頃からの友人の思う私と、こうやって世間の思う私って全然違いますし、家族の前でも違いますし、もちろん仕事場でも違いますし、いろんな自分ができておもしろいなって思います。

武田砂鉄:幸坂さんはどうですか。アナウンサー、外に出る仕事をやってると、どうしてもそういうふうに言われることが多いわけじゃないですか。

幸坂理加:ありますね。

武田砂鉄:○だけじゃなくて×って言われることも多いわけだけど。

幸坂理加:理想のアナウンサー像というのがそれぞれ人の中にあって、それから外れてると、すごく「おまえアナウンサーなのに」とか言われてきたので、宇垣さんのその本を見て、「あ、ありがとう。言ってくれた、宇垣さん!」と思いながら読んでましたね。型にはまるのが正解じゃないんじゃないかなって私も思ってたので、なんか嬉しいなって思いながら読んでました。

宇垣美里:たまたま、私は別に言うことが苦ではないですし、あと、別に叩かれることも苦ではないので、言える人が言えばいいじゃないと思うので、それでちょっと楽になる人がいたらいいな、ぐらいの。副産物として。

武田砂鉄:でも、この本を読んでると、とにかく夜行バスで上京する場面てたくさん出てくるんですよ。

宇垣美里:あれ、ほんとしんどかったー!

武田砂鉄:矢沢永吉以来じゃないかなと思うけど、矢沢永吉が上京する時に、夜行列車で横浜で飛び降りちゃったという有名なエピソードがありますけど、宇垣さんの夜行バスの頻度ったら、よほど頭の中で相当しんどい歴史というか。

宇垣美里:短かったんですけどね。私、1社しか受けてないので、期間とすれば1カ月ぐらいなんですけど、その1カ月、1週間に1回、必ず東京に来て、行って帰って、行って帰って、行って帰って。もちろん授業はそのまま続いていてとなると、結構しんどくって。わりとギリギリだったなあと思いますね。

武田砂鉄:夜行バス乗るのってしんどいですからね、あれね。

宇垣美里:「くそー、東京の奴らは、電車1本だろう!」って思いながら(笑)。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:そうですね。こっちは毎週同じスーツ着て来てるんじゃあってことですもんね。

宇垣美里:そう。これが最後かもしれないと思うと、違うスーツが着れなくって、一張羅ばっかり着てました。

幸坂理加:へえ、意外ですねぇ。

武田砂鉄:意外ですか?

幸坂理加:はい。私は秋田出身なんですけれども、同じことをしていたんですが、宇垣さんて、こんなに美貌もあって、語学力…語学力じゃないや、語彙力も宇垣さんの言葉で伝えられていて、憧れるなって。私のほうが(上)、30なんですけど、カッコいいなと思いながら、本当に。今日お会いできてありがとうございます。

武田砂鉄:大丈夫ですか? ピリピリしてないですか? 大丈夫ですか?

幸坂理加:そうだ。ピリピリしてます? 大丈夫ですか?

宇垣美里:してない(笑)。

幸坂理加:よかったー。

宇垣美里:「女性に嫌われる」ってよくネットとかで書いてあるんですけど。

幸坂理加:えっ、女性に好かれるタイプだと思いますよ。

宇垣美里:あんまり、ほんとに嫌われたこと、そんな、人生で。どっちかというと、面倒くさいなという思いをさせられるのは大体男性だわ、と思うんですよね(笑)。

武田砂鉄:「女性に嫌われる」っていうカテゴリーを作っているのは、たぶん男の人でしょう?

宇垣美里:そう。そうなんですよね。

武田砂鉄:いろんな記事書いたり、調査をしたりしてるのは。

宇垣美里:私、だから、よくわかっていないなあと思います、そういうのを見ると(笑)。

武田砂鉄:それってすごく矛盾してて、この宇垣っていうのは女に嫌われてるらしいぞっていうふうにおじさんが言ってるっていう。矛盾してる感じがしますけどね。

幸坂理加:全然、全然。アフター6ジャンクションで宇多丸さんが宇垣さんのことを話されていて、「私、体を絞らなきゃいけないんけど、仕事で」って言いながらお菓子をボリボリ食べてたっていう話をされていて。

宇垣美里:食べるのが好きなんだー。

幸坂理加:そういうところも、なんかいいなあと思いながら(笑)。

宇垣美里:やめられないですねぇ。食べることが生きがい。

武田砂鉄・幸坂理加:ああ。

宇垣美里:だって、人生で食べる機会なんて本当限られてるんですから、おいしいもの食べ続けたいですよね。

幸坂理加:そうなんですよね。

宇垣美里:無理!(笑)

武田砂鉄:このエッセイ読んでると、言葉一つ一つに、わりと面倒くさい人だなっていうのは思って。

宇垣美里:フフフ(笑)

武田砂鉄:それはでも、自分もそうだから、すごく、ある種共感するんですけど、「あざとい」という言葉を自分が振りかけられたときに、わざわざ「『広辞苑』によると」というふうにやるの。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:これね、僕もよくやる手なんですけど。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:とりあえず落ち着いて、実は『広辞苑』によるとこういう意味がありますと。「あざとい」だと、押しが強くて、やり方が露骨で抜け目ないことというのが出ていましたと。そうすると、このニュアンスからすると悪口らしいんだけど、これをふと冷静に考えてみると、みんなによく思われたいとか、好かれたいということは、願望に向かって忠実にあるんだから、「あざとい」という言葉は別にそんなに悪い言葉じゃないんじゃないかっていうことを、わざわざ書くわけですけど。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:これを多分人前でしゃべると、「ああ、もういい。『あざとい』と言った私が悪かったから」というふうになるんだけど。

宇垣美里:そう。面倒くさいんですよ。

武田砂鉄:でも、そこで一々面倒くさいというのが大事だと思うんですよね。そうすると、ほら、次にそんなにパッと適当なことを言わなくなるじゃないですか。

宇垣美里:あ、そうですね。

武田砂鉄:宇垣さんの前に出てくる人が矯正されてくるというか、直ってくるから、そういう一々面倒くさいというのはすごく大事なことだと思いますけどね。

宇垣美里:相手は面倒くさいと思いますけどね(笑)。

武田砂鉄:でも、面倒くさいもんになった勝ちだと自分はよく思いますけどね。面倒くさい、あいつと話すと面倒くさいよということになると、ちょっとした天気の話とかされなくなりますからね。

宇垣美里・幸坂理加:アハハハ(笑)

幸坂理加:気を遣うっていうことですか?

武田砂鉄:いやいやいや、いいですけど、別にそんな、あいつに晴れだの曇りだの話してもしょうがねぇーなというふうに思ってくれたほうがいいじゃないですか。

宇垣美里:うん。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:よくないですか?

幸坂理加:うーん、ちょっと気遣うかな(笑)。

宇垣美里:ま、でも、軽率に言葉を使わなくなるので、相手が。それはすごくありがたいなと思います。

武田砂鉄:そうですよね。

宇垣美里:「女の子だもんね」とかって言ったら「うん?」て言うので。

武田砂鉄:さっきリスナーの方から、女性らしくあれということを上司に言われます、みたいなメールがあったんですけど、そういうことも、たぶん宇垣さんの前だったら、この人にそれを言ったら、「え?どういう意味ですか?女性らしいというのはどういうことか図式化してください。まず言ってください、説明してください」というふうになったら、そこに対しては、もう何も言わなくなりますからね。

宇垣美里:もちろん女性らしい格好をするのは大好きなんですけど、おまえに強要されることじゃねえ(笑)。

幸坂理加:ハハハハ(笑)

武田砂鉄:そこですね。それが一番重要なところですね。なぜそこで要請する側は、それがイコールだと思うんですかね。あれが不思議なんだよね。

幸坂理加:ハハハハ(笑)

宇垣美里:言葉遣いがすごく悪かった。気をつけよう(笑)。

幸坂理加:全然、全然(笑)。

武田砂鉄:いやいや。でも、そうやって丁寧に言葉遣い悪く遣うっていうのはいいなと思いましたよ。

幸坂理加:ねえ!素敵ですよ。

武田砂鉄:ゆっくりと冷静に汚い言葉を遣うっていうのは非常に。

宇垣美里:時々にしておきましょう(笑)。

幸坂理加:(笑)私も真似したくてもできませんからね。

宇垣美里:(笑)

武田砂鉄:そんなことないですよ。

幸坂理加:本当ですか。本当にロックだなと思います、宇垣さん。

宇垣美里:ロックですねぇ(笑)。

武田砂鉄:でも、かなり昔から結構本はたくさん読んで、今でも週に2~3冊読む、みたいなのを読みましたけど。

宇垣美里:そうですね。大好きですね。

武田砂鉄:それはジャンル問わず。

宇垣美里:雑食です。たぶん活字中毒なんだと思います。でも、自分じゃないどこかに行くのがすごく好きなんでしょうね。それは旅にも共通していることですけど、全く自分のいない世界を体験できるじゃないですか、本を読んでいると。その全然知らない世界を覗き見て、そこで共感したり、なんかウルッときたりっていうのが、日々の活力につながっていっているのかな、私の場合って思います。

武田砂鉄:山田詠美さんがお好きって書かれていて。

宇垣美里:大好きです。

武田砂鉄:僕も山田さんすごく好きなんだけれど、まさに自分のいない世界の小説を読んでるんだけど、山田さんの本とか読んでると、いきなり自分に矢印を指されて、というような言葉が出てきたりするじゃないですか。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:あれがやっぱり、小説のある種怖さでもあるし、醍醐味でもあるんだろうなと思いながら、いつも読んでますけどね。

宇垣美里:あんなに日々の尊さをきれいな言葉に言語化してくださる人ってなかなかいないので、本当、宝物みたいな言葉がたくさんあるなって思います。

武田砂鉄:極度の活字中毒の人と話すと、手元に読むものがないと、道路工事の予定、月曜日どうするとか、火曜日どうする、みたいなあの看板を見ちゃうという人がいますからね。

宇垣美里:うんうん。

幸坂理加:ええっ!?

宇垣美里:シャンプーの裏とか見ます。

武田砂鉄:そうそう。

幸坂理加:ええーっ!?

武田砂鉄:成分とかでしょ?

宇垣美里:お風呂の中で暇になったら、スッと見たりします。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:それ、本当に活字中毒じゃない人に言うと、ひえーみたいになるんですけど、欲しい欲しいってなるのよ。

幸坂理加:欲するんですか、活字を。

宇垣美里:なんか読みたい(笑)。

武田砂鉄:なんか読みたい。僕、新宿から20分ぐらいのところに行くってなると、その20分で本がないとなると大変だから、新宿にある本屋さんで1時間ぐらいかけて本を選んだりするんだけど、着いてるぞっていうことだね。そのまま電車に乗ってれば。

幸坂理加:(笑)

宇垣美里:悩んでる時間ね。

武田砂鉄:だけど、その20分がダメなの。何もないと。

幸坂理加:へえ。

武田砂鉄:それ用に本を買わなきゃいけなくなっちゃって。

宇垣美里:もったいないと思っちゃうんですよね。

武田砂鉄:もったいないということですよね。

幸坂理加:メッセージが届いています。宇垣さんへのメッセージご紹介しますね。

本を読ませていただいて思うのは、宇垣さんは、アナウンサーの実力だけではなく、本当に文才がありますよね。

宇垣美里:ありがとうございます。

幸坂理加:『サンデージャポン』でゲストに出演した時に、宇垣さんのことを古舘さんが「本当に文才がある」と褒めていたのも納得です。引き込まれる文章ですよね。これからもエッセイを書いてくださると嬉しいです。将来はもしかして小説を書くこともあったりして、と想像してしまいます。

武田砂鉄:編集者はすぐ小説を依頼してきますから。この世の中はね。それはもし言われたらどうなんですか。小説って言われたら。

宇垣美里:まあ、まあ、おこがましいですけど、でも、本当に書くことは好きなので、今はエッセイですけど、いろんな書き方ができるようにはなりたいなと思ってます。言語表現も好きだし、何か思った事象を言語化するのがたぶんすごく好きで、パズルを当てはめていくように。それの一つの形として小説があるんだとすれば、それを出すか出さないかはわからないけど、その技術は体得したいなと思います。

武田砂鉄:また、エッセイを書くのと、小説を書くのと、全く、技術というか、アプローチも全く違いますからね。

でも、本の中に出てきた、先輩から言われた「全員を後悔させてやれ」っていう言葉はすごく素敵だなと思って。

幸坂理加:うん、本当に。

武田砂鉄:幸坂さんは会社辞めたてだけど、僕も会社を辞めたのは4~5年前なんだけど、いいって思う人と悪いって思う人がどうしても出てくるじゃないですか。その反応を見た時に。その時に何を思ったかというと、この言葉を聞いて、そう思った。「全員を後悔させてやりたい」というふうに思うっていうか。どうしてもあることないこと言ってくる人もいるし、ある種失敗するのを見届けたい人たちも絶対どこかにいるから。

宇垣美里:もちろん。

武田砂鉄:そうすると、そこに対して「全員を後悔させてやれ」っていうのは、いい言葉だなと思いましたね。

宇垣美里:それを残る先輩が言ってくださったというのが何よりも。

武田砂鉄:そうね。それがすごい素敵なことだなというふうに思いますね。

宇垣美里:本当に恵まれていました、私は。

武田砂鉄:そろそろお時間ということなんですけど、まだフリーになられたばかりだというふうに思うんですけど、これからのことも多いと思うんですが、これからこういうことをやりたいというようなことって頭の中にあります? 別に言わなくてもいいですけど。

宇垣美里:少なくとも、まだまだやってみたいこととか、やったことがないことがあまりにもあふれているので、一つ一つそういうことにチャレンジしていきたいなと思います。えっ、結局これやりたかったの?じゃなくって、何でもできるんだよって言いたい(笑)。

武田砂鉄:何でもできるんだ。

宇垣美里:チャレンジすることは別に権利は要らないと思っているので、いろんなこと、試してみて、あ、これじゃなかったなとか、これだったなとか、そういうふうに一つ一つ確かめて、いろんな景色を見れたらなというふうに思います。

武田砂鉄:来週は『anan』の表紙もやるっていうのですごい話題になっていましたね。

宇垣美里:そうなんですよ。週3でジム行って、本当大変で、頭に酸素いってなかったんですよ。ケータイを洗濯しちゃってね、大変でした(笑)。

幸坂理加:(笑)

武田砂鉄:ケータイを洗濯した結果が出てるんですね。

宇垣美里:はい。

武田砂鉄:ということで、本日のゲストACTION、宇垣美里さんでした。ありがとうございました。

幸坂理加:ありがとうございました。

宇垣美里:ありがとうございました。

 

 

3人目「空にかかる七色のキャラクター」

 

佐藤満春ON8+1 2019年4月23日

 

さあ、ということで、続いてのコーナーはこちら!「佐藤満春の日向でポカポカキュン」

『キュン』♪

 

さあ、ということで、「俺はオルタナティブロックしか聴かない」という名言でおなじみの私、佐藤満春が、現在どっぷりハマっている日向坂46について語っていくというミニコーナーでございます。

コーナーを作った理由は、コーナーをつくらないと、番組全体が日向坂の話をするコーナーになってしまうので、ここだけに集中しようという意味で作らせていただきました。

メンバーが21人いるので、全21回やっていこうということで、初回が佐々木久美さんで、先週が井口さんについて語りました。

(中略)

 

ということで、今週ピックアップする方は、こちら!

「空にかかる七色のキャラクター」アイドルの鑑、富田鈴花

 

今週は富田鈴花さんでございます。「空にかかる七色のキャラクター」というふうにキャッチフレーズをつけさせていただきました。

2期生、2001年生まれ、18歳、神奈川県出身。

富田鈴花さんは、僕は大注目しているんですけれども、この人は、断言しときますけども、僕みたいな、日向坂46を勉強してたかだか数日じゃないですか? 数日の男が断言させていただくならば、スターになる要素しかない。

何が凄いか。もちろん、アイドルとしての歌とかダンスとかの実力もありながらですけども、やっぱり特筆すべきはバラエティ対応力じゃないでしょうか。ギャグもいける、モノマネもいける、トークもいけると。

で、何しろ、いろんなキャラクターに果敢にトライしていくというメンタル、あと勢い。これはね、ほかの人と比べるのもあれだけど、ずば抜けてるなと思いますね。

いわゆる「キャラ渋滞」って言われたりもする。パリピーキャラだ、ラッパーだ、モノマネ王だ、高速道路マニアだとか言われるんですけど、実はそれって、みんなに突っ込まれる余白を作っているんですよ。バラエティ番組の構造で言うとね。MCだってそんなのツッコミやすいに決まってるじゃないですか。これは、その余白を作れる人は、タレントとして超一流だなと思います。

しかも、これははみ出てると思いますけど、すごく真面目じゃないですか。真面目で、それでいて、当然、自分のそういうビビるところ、一面と戦いながら、臆することなくガンガンいくっていう。

そのいくのが、全体のバランスと調和を見ながら、テレビ番組とかではね、バランスを見ながら、いけるところでいくというスタンスだから、なんでもかんでも入り込んでってワーッとするタイプではないんです。自分がここいけるなとか思うタイミングの勘がすごいなと思って。

これはちょっと放送作家的な目線になるのかもしれないですけど、ちょっと注目してほしいのは、この子が凄いのは、富田さんは、テレビ番組に出た時のコメントのテロップ率が高いんですよ。

要は、番組って、さっきも『モニタリング』の話をしましたけど、ワーッと多めに収録して編集をするでしょ。コメントが残る。その残ったコメントの中でも印象的なコメントにテロップをつけるわけですよ。こういうことを言ってほしかったですよとか、ここのコメント面白かったですよ、にテロップを載せるんだけど、まあ載るね、あの子のは。ガヤでパッと出たコメントで、さっと、誰が言ったかなと確認したら富田さんだったりすることが多い。これはもうTVスターだし、アイドル、今のアイドルに必要な要素を持ってんなあっていう。

だから、僕は数少ないですよ、富田さんとご一緒したのは。バンジーと駅伝のロケだけか。だけど、バッと皆さんを見渡した時に、一番集中しているのは富田さんだったりするかな。たぶん、この子、いつ振っても何か答えてくれるなっていう感じ。俯瞰で見てバランスもとれているから、バランサーとしても役割がある。

わかんないけど、たぶん本人は、純粋な女の子女の子したアイドルになりたかったりするのかもしんないんだけど、わかんないよ、これは。だけど、逆説的な話で、彼女がそういうちゃんと場を盛り上げるキャラとか、いろんなものを深掘りすればするほど、版画の理論で、彼女が、富田さんが一番持っているアイドルらしい側面が浮き上がる、みたいなことなんだなと思って。

この子は凄いなと思いましたね。すばらしい逸材、人材なんじゃないかなというふうに思います。今後もぜひとも注目していきたいなと思いますし、今日、もしこれで知った方は、ぜひとも番組などで注目していただければなと思います。

 

ということで、曲にまいりましょう。曲は、ひらがな(けやき坂)時代の曲になりますが、こんな富田さんにぴったりなこの曲をお届けしましょう。

日向坂46『最前列へ』♪

 

 

なあなあ

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年4月20日

 

若林:どうなっていきたいの?自分の未来像。未来は。

弘中綾香:私ですか?私はですね、さっき言ったような「こうしなきゃいけない」とか「こうしないと普通じゃない」みたいな、世間のそういうものを変えていきたいんです。

若林:価値観みたいな?

春日:常識みたいな?

弘中:そう。革命家になる。

春日:革命家になる?!

若林:革命家の最初だもんね?

弘中:(笑)そう。そういうものを変えていくのってそうですよね?

春日:ぶっ壊していくということだ。だから今の。

弘中:そういう概念とかルールとか。

春日:ははは(笑)

若林:今の日本は概念に縛られてんの?

弘中:そうです。

若林:結婚しかりね?

弘中:そうです。

若林:結婚制度しかり。

弘中:そう。家族のあり方とか。

若林:それは多様でいいじゃないかと。

弘中:そうです。私はそう思っている。

若林:だから、それを壊しにいくっていう人だね。カウンターの人だね。

弘中:そうです。先頭を切っていきます。

若林:それはもう革命家よ。それやろうとしているのは。

弘中:なりたいの。

(中略)

弘中:みんな生きやすい世の中にしていきたいです。

若林:生きにくい?やっぱり今。

弘中:生きにくい。今。

若林:どういうところが不満なの?制度のこと?常識?

弘中:制度じゃない。みんなの風潮です。

春日:風潮。空気とかそういうこと?

弘中:空気とかそういう。私で言うと、28歳で未婚だと「なんで結婚しないの?」とか、そういうことですよね。

若林:じゃあ、さっき俺がした「結婚願望あんの?」とかいう質問もダメなのかな、本来。

弘中:うん。もうちょっとダサい。

春日:なるほど。

若林:(笑)

春日:ダサかった?若林さん。

弘中:うん、うん。

若林:まさか、こんな時間差でダサいって言われると思わなかったから、より効くよね(笑)。

弘中:(笑)

春日:あの時ダサかったんだな。

若林:あの時ダサかった(笑)。

春日:はははは(笑)

若林:それがネットとかも駆使していきたいのね?

弘中:そうですね。

若林:あんま聞いたことないよね。ゆくゆくはこういうことをやりたいっていう話で、革命家になりたいっていう。じゃ、『激レアさん』とかぴったりだね。

弘中:はい。

若林:常識にとらわれない人が。

弘中:そうなんです。

(中略)

若林:俺、それ知らなかったわ。弘中ちゃんが社会に対して一つ何か心に持ってるっていうのは。

弘中:お2人は、じゃ、なんでこういうことをされているんですか?

若林:えっ?

春日:うん?

弘中:なんで表に出る仕事とか、こういったお仕事をされているんですか?

若林:なんだろうな。

春日:なんだろうなあ。

弘中:どうなっていきたいんですか?お2人は今後。

若林:どうなっていきたいんだろうな。

弘中:20周年迎えて。

春日:うーん、そうだねぇ。

弘中:このままなあなあでやってい……。

春日:なんだろうなあ。

若林:いや、なあ……。

春日:なあなあでやってたのか。

弘中:わかんないです。紅白の司会をやるとか、わからないですけど、そういう。

若林:ちょっと、そこの前だな。「なあなあ」のとこだなあ。

弘中:なんかわかんない。冠番組を持つとか。

若林:いや、その前のところの「なあなあ」のところなのよ。弘中ちゃん。紅白、冠は一回置いといて、「なあなあでこのままやってくんですか?」のとこよ。今の話は。

弘中:だって、今、私の質問に答えられてないっていうことは、明確な目標がなくて、普通に過ぎ行く毎日を過ごしているだけっていう。

若林:ふふふふ(笑)

春日:ただただ?

弘中:はい。

若林:うん、まあ……。

弘中:何かを変えたいとか、こういうことをしたいっていうものはないんですか?

若林:(笑)なんか、強い気持ちはわいてこないね、確かに今はなんかそのぉ、「なあなあってなんだ!」って言うほどの強い気持ちが。はははは(笑)

弘中:どう向かっていくのかは私は非常に疑……はい、気になっています。

若林:オードリーが。

弘中:オードリーさんが。

若林:絶対思ってねぇーだろ、そんなこと(笑)。

弘中:いやいやいや。武道館もやって。

春日:はいはい。

若林:でもさ、結構熱い気持ちみたいの書いてくれたじゃない、いろいろインスタに。オードリーの武道館。あれは本当なの?

弘中:本当ですよ。ほんと、ほんと。

若林:あの気持ちはほんでありつつ、「なあなあでやってんな」っていう気持ちも(笑)。

弘中:(笑)違う、違う、違う。

若林:あれはセットになんないのよ、同じ人間が。

弘中:はははは(笑)

若林:別の人間なのよ。

弘中:ああ。サイコパスなのかな?

若林・春日:はははは(笑)。

春日:そんなことはない。

若林:そんなことはないけど、まあ、でも、一緒の人間の中にある、それが人間だね。なあなあだな、この人と思いつつも、(春日:いろんな、複雑にあるんじゃないですか)なかなかよかったですよっていう気持ちもあるっていうことだね。持たなきゃいけない、気持ちを俺たちは。

弘中:そうですね。武道館をゴールとするのか、スタートとするのか。

若林:(笑)

弘中:どこに向かうのか。これからお2人は。

若林:まさか、俺、これ、弘中ちゃんに言われると思わなかったな。

春日:ちゃんと考えなきゃダメだな。そうなってくるとな。

弘中:ご結婚もされて。

若林:じゃ、ちょっと相談したいからさ、この後どう?3人で飲みに行くっていうのどう?

春日・弘中:ふふ(笑)

若林:いや、笑うって何?(笑)俺が「3人で飲みに行かない?」っていうとこまで変じゃないよね?俺。2人とも笑うって何なの?

春日:(笑)

弘中:(笑)いや、絶対思ってないじゃないですか。若林さんそういうのよくないと思う。ほんとに。

若林:え?また怒られんの?

弘中:(笑)そういうほんとに思ってない誘いするじゃないですか。新年会しましょうよって。

若林:いや、新年会したいんだよ、俺は『激レアさん』のみんなで。

弘中:1ミリも思ってないですよ。

若林:いや、俺そういうの思ってる人だから。

弘中:へえ。

若林:そうそう。じゃ、やるはやるでいいんだよね?『激レアさん』の新年会とか、あと、なんなら今日3人でどう?

春日・弘中:(笑)

若林:いや、ちょっと、その、笑うって何なの?難しいよ。「行くわけねぇーだろ」か「じゃあ行こうは」いいよ(笑)。「ふふふ」て、なんか「ご冗談を」みたいな。

春日:いや、そうだよ。だから、またまたまた(笑)。

弘中:ほんと、殿ご冗談を(笑)。

若林:はははは(笑)

ジングル♪

若林:お別れ?終わっちゃった。あっという間。弘中さんでした。『激レアさん』土1010を観てください!

弘中:ありがとうございました!

 

 

(エンディング)

若林:エンディングですけれどね、春日も結婚で、今回盛りだくさんで、弘中ちゃんも来てくれて。

春日:そうね。

若林:確かにこれは節目で、武道館終わって、春日も結婚してね。

春日:これからね。

若林:俺たちも新しい目標を確かに持たなきゃいけない。

春日:まあ、はたと気づいたね。言われてね。弘中君、そういえば。何に向かっているんだっていうね。

若林:そう。やっぱ共通の目標を持とう、やっぱり2人で。

春日:コンビとして。

若林:うん。

春日:それはいいかもしれないね。

若林:今、決めよう!

春日:今?

若林:うん。

春日:今?

若林:うん。

春日:今決める?

若林:どうするか。

春日:どうするか。ええー?今?

若林:うん。

春日:うーん、なんだろうねぇ。うーん、なんかこう、番組やるとか、そういうことだろう、だからね。

若林:番組?

春日:そうね。

若林:ど、どういう番組よ?

春日:どういう?

若林:うん。

春日:いや、だから、こう……。

若林:お前、ちょっと星のところをいっぱいかくな。クロノスチェンジしちゃったらどうすんのよ?(笑)

春日:(笑)入れ代わって?

若林:変わるぞ、立ち位置が。

春日:椅子の位置が(笑)。大して変わりねぇーよ、別に。

若林:はははは(笑)

春日:椅子の位置が変わったところで(笑)。

若林:やっぱしゃべりくい。10年こっちでしゃべってきて。

春日:景色が違うかなくなるからね。

若林:そうそうそう。

春日:いやいやいや(笑)。

若林:新しい目標のちょっと提案なんだけど、これはお前がそうしようったら、お互いでっていうことだけど、提案なんだけど、「天下を取る」っていうのは?

春日:ダセェーなおい!

若林:はははは(笑)

春日:二度と言うなよ!

若林:はははは(笑)

春日:天下取ろうや、2人で天下取ろうや。二度と言うなよ。

若林・春日:ははははは(笑)

春日:ダッセェー(笑)。

(中略)

若林:俺からも結婚祝い、改めて、ようやく落ち着いたんでしたいなと思って。

春日:いや、いいよ。気遣わなくても、そんなもんは。

若林:あ、そう?

春日:うん。

若林:ま、この後どうかなと思って。

春日:へへへへ(笑)ねえ(笑)。

若林:全員でよ。

春日:はははは(笑)ねえ(笑)。

若林:どう?

春日:ねえ、ほんとに(笑)。

若林:面白くない冗談を言ったみたいな空気にしないでよ(笑)。

春日:ね、ほんとに若林さ~ん(笑)。

若林:しょうがねぇーな(笑)。

春日:しょうがない、ほんとに。まあねえ(笑)。

若林・春日:はははは(笑)

若林:そうか、そうか、じゃ、あんまり乗り気じゃないんだったら。

春日:大丈夫、大丈夫。改めてね、それは。次回ね。

若林:クミさんにもよろしく伝えといて。

春日:まあまあまあ、そうですね。言っときます。

若林:クミさんなんか言ってた?オンエアの後。

春日:どういうことが起こったのかは知らなかったんで。プロポーズの前ね。大変だったね、みたいなことを言ってました。ありがとね、みたいなことを言ってましたけど。

若林:ということで、スペシャルウィークは春日さんの結婚と、弘中ちゃんをお迎えしてお送りしました。

お、お疲れさまでした。

春日:うふ(笑)違う。いい?いいんですか? この後また夢で…。

若林:お、お、おやすミッフィーちゃん。

春日:この後また、夢でお会いしましょう。アディオス。

 

 

弘中ちゃんは、明確に自分の目標があって、それに向かって邁進している女性だった。

なぜこういったお仕事をしているのか、どうなっていきたいのか、このままなあなあで、明確な目標がなくて、普通に過ぎ行く毎日を過ごしているだけなのか、武道館をゴールとするのか、スタートとするのか、どこに向かうのかと、弘中ちゃんに詰められて言葉が出ないオードリー、という珍しい図が見られたのが新鮮だった。

自分が若い時は上昇志向のようなものがあったように思うけれど、年齢を経るに従って、環境が変わるにつれて、考えが変わってきて、今では、春日さんの「不幸じゃなければ幸せ。」「今日も空は青い。」「この先の普通の日を一緒に普通に過ごしたいです。」といった、今あるものの中に幸せを見つける言葉がしみる。

 

 

どっきり

  

お笑い芸人どっきり王座決定戦SP 2009年5月6日

 

続いてのターゲットは、人気絶頂のお笑いコンビ、オードリーのボケ、春日俊彰

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 ナレーション:マネージャーの湯澤さんに聞いてみると。

湯澤マネ:最近、おかげさまですごく忙しくさせてもらっているんですけれども、そんな今だからこそ、コンビ愛を確かめて、この先も仲よく一緒に頑張っていきたいなと思っているんですけど。

ナレーション:オードリーのコンビ愛を確かめるどっきり。それは?

「もしも相方の若林がお金に困ったら、春日は幾ら貸すのか?」

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そこで、スタッフは、目標金額を若林に相談。 

若林:たぶん300万ぐらい貯金があると思うんで、300万いってみたいですね。ほんとに僕に対する思いのあれで貸してくれっていう理由で。

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ナレーション:目標を貯金全額の300万円に設定。

しかし、春日といえばドケチで有名。その自宅は?

  若林:ちょっと電気つけてもらえますか?あまりにも暗いんで。

  春日:電気つけないですよ。

  若林:なんでですか?

  春日:もったいないでしょ、電気つけるの。

  若林:段ボールとごみ袋が貼ってあるのは、これは何なんですか?

  春日:これ、防寒のためでしょ。

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家賃3万9000円、風呂なしアパートに住む春日は、

テレビ局のスタッフ用のお風呂を銭湯がわりに利用。

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果たして、そんなドケチ春日が相方若林のために300万円を貸すのか?(スタジオ春日:いつ撮ったんだろうか)

そして、仕掛け人は南海キャンディーズ

  山里:春日!お前の真の姿を暴いてやる!

  静ちゃん:覚悟しいや!!

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ナレーション:今回、若林はバイクで車と接触事故を起こし、相手から修理費を要求されているという設定。春日のコンビ愛を確かめるドッキリがスタート!

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 打ち合わせで2人きりのオードリー。そこへ仕掛け人のスタッフが電話。

若林は自らのピンチを春日にアピール。

  若林:過失ですか…。はい、はい…。

ナレーション:果たして春日は心配するのか。

  若林:はい、すいません。ハァ…。

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ナレーション:さらに2日後。取材のためフジテレビへ移動するオードリー。そこへ仕掛け人のスタッフが若林に2度目の電話。

  若林:200万は払ったということで。ちょっと事務所には、そうですね、はい、はいはい。

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ナレーション:果たしてこの状況でコンビ愛など成立するのか?

一切の会話がないままフジテレビに到着。

めざましテレビ』の取材を受けるオードリー。

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別室では仕掛け人南海キャンディーズが2人の様子をモニタリング。

この後、若林から春日にコンビ愛を確かめる相談が。

取材終了後、2人きりになったところで若林が話を切り出す。

  若林:距離短いから、原付で行ったの。

  春日:うん、なるへそ。

  若林:したらさ、ぶつけちゃって、車。

  春日:えっ?

  若林:車に。

  春日:こっちから?

  若林:こっちから。ヤバい感じでくるのよ。そういう人出してくるよ、みたいな感じになってて。

  春日:事務所に言ったほうがいいんじゃないですか?そういうのは。

  若林:でも、事務所に言うと、お前のフライデーのことがあるから。

  春日:まあ、そうだねぇ。

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山里:つまり、春日しか解決できないよっていうのを今説明してるわけだよ。

静ちゃん:うん。

 

ナレーション:そして、いよいよ本題へ。

  若林:500万をね用意しろって言うのよ。

  春日:500万…。

  若林:200万は払ったのよ。

  春日:あ、もう払ったわけか。

  若林:貸せるとしたら幾ら貸せる?

  春日:うーん…。

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友よ その昔俺たちは~♪ (長渕剛『友よ』)

ナレーション:いまだに家賃3万9000円の風呂なしアパートに。

飲み物は飴玉のジュースのドケチ春日。コンビ結成から9年。果たして、相方若林のピンチを救うため、貯金全額300万円を貸すのか? コンビ愛の行方は?

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  若林:300いける?

  春日:まあ、いけるっちゃいけるけどね。

  若林:一日二日に。

  春日:うん。

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ナレーション:貯金全額300万円貸すことを了承。しかし、油断は禁物。春日は本当に300万円を用意するのか?

そして迎えた現金受け渡し当日。

若林は現金を渡すため、事故相手とレストランの駐車場で待ち合わせをしている。

事務所には秘密のため、2人きりでやってきたオードリー。そして、事故相手が来る前にレストランで春日から現金を受け取ることになっているのだが、果たして?

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  若林:気ぃ抜けてるからこういうことになるんだろうなぁ。申しわけないな、ホントに。

  春日:まあ、しょうがないですわなぁ。(スタジオ東野:カッコええな(笑))

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ナレーション:事故相手を待つ2人。重苦しい雰囲気が漂う。

と、ここで春日が突然動き出した。

周囲を気にしてか、現金をテーブルの下から手渡す春日。(スタジオ春日:見られちゃいけないから)

なんと、全財産の300万円を用意!(スタジオ:おおーー!!)

  若林:ホントに申しわけねぇな。

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ナレーション:と、ここで駐車場に事故相手の車が到着。

  若林:あ、もしもし。あ、はい。

  春日:それ?

  若林:今、あれ来た黒いやつ。

  春日:今来たけど、春日見られたんじゃないの?(今田:普段から“春日”(笑))

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ナレーション:いよいよ若林が現金の受け渡しへと向かう。

現れたのは、いかにも強面の2人組。現場に緊張が走る。(マスクをつける春日)

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しかし、この2人の会話をよーく聞いてみると。

  山里:CMとか何本ぐらいやってるの?

  若林:今3本やってます。

  山里:3本?マジで?

  若林:はい。

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ナレーション:そう!この強面、実は南海キャンディーズの山ちゃん。

あっけなく300万円を手渡す若林。 

一方、この時、春日は。警察に通報できるようにスタンバイしていた。

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札束を確認する山ちゃん。と、ここで思わぬ事態が。

ご安心ください。実は、これ全て偽物。強力送風機を使い、飛ばしました。

突然の出来事に慌てる春日。

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一方、若林たちは。

  若林:こんなにちゃんと舞うと思わなかったんで。

  山里:緊張した。すっげぇ緊張した。舞うかどうか。でも、風の感じがよかったんだよ。(ワイプ春日:爆笑)

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一向に助けに来ない春日。そこで、若林を連れ、レストランへと乗り込む。

  山里:いるんじゃねぇーかよ!おい!何知らん顔してんだよ、おい!

ナレーション:山ちゃんだと気づかずおびえる春日。

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  山里:何とぼけてんだよ、おい!春日。

  春日:いや、違います。

  山里:そうだろ!マスクしてもわかんだよ!

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ナレーション:マスクを取られても。

  山里:やっぱそうじゃねぇーか、相方じゃねぇーかバカヤロウお前!

  春日:いや、違います。違います。

  山里:何とぼけてんだよ!これ、お前の相方だよな?これな?

  若林:そうです。

  山里:違うって言ってるぞ。じゃ、あそこにいるの、あれ誰だよ。

  春日:ちょっとわかんない。(スタジオ:えーーーっ?)

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ナレーション:断固として相方であることを否定する春日。そこで。

  山里:姐さん、姐さん、お願いします!

ついに最終兵器、姐さんが登場。

  山里:あ、姐さん、お疲れさまです。

  静ちゃん:覚悟しいや!

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  春日:あれ?山里さんっすよね?

  山里:全然気づいてくれないから悲しさもすごかったけどさ。

  春日:えっ?どっから?

  山里:お前、こいつ仲間だろってったら、「いや、違います」って。

  若林:お前、何回「違います」って言ってんだよ!

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  山里:これだけの金額を相方のために集めてきたんだ。

  春日:そうですよ。全財産ですよ。

  山里:「コンビ愛があるいいコンビだね」って僕らだって言いたかったよね?静ちゃん?

  静ちゃん:覚悟しいや!

  春日:今すぐ早く入金しに行かないと。

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 (どっきり終了)

 

東野:セコいと言われてる春日君が。

今田:節約してるのってそうなんですよ。出す時は出すんだよね?

春日:まあまあまあ、これが使いどころでしたね、やっぱり。

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東野:コンビ愛をほんとに感じましたよね。

春日:そうでございますねぇ。

若林:でも、実印を300万下ろすときに要るっていって、実家に取りにいった電車賃を出してくれって後から言ってきたんですよ。(笑)

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春日:それは別ですからね。

今田:お前、普段から「春日見られたんじゃない?」みたいな。(笑)「春日」って言うねんなあ。

春日:「春日」って言いますね、私ね。

東野:一応レストランから出て、駐車場で助けようとは思わなかったの?

春日:いや、思いましたよ。だから、車に入れられたら行こうと思ったんですよ。

若林:いや、それは遅いでしょ!だから。

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春日:したらもうね。

山里:相当長いやりとりしてたんです、あそこの場面。

東野:来ぉへんからね。

若林:ちょっとでも小突かれたら来てって言ってんすけど、ちょっと小突かれたらマスクしたんすよ、こうやって。(笑)

春日:バレないように。

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東野:聞いてみましょうか。

西山茉希:今までのドッキリの中でほのぼのしてあったかい気持ちになれたドッキリだったんで、ハラハラもしなかったし。

山里:それ、ドッキリで一番ほしいやつだったの。

小杉:大失敗、大失敗。

今田:言うたれ、静ちゃん。

静ちゃん:覚悟しぃや。(笑)

藤井:ありがとうございました。

今田:どっきり大成功でした!

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 後日談

imadokiyuuka.hatenablog.com

2人目「励ましの人」

 

佐藤満春ON8+1 2019年4月16日

 

ということで、続いてのコーナーはこちら!「佐藤満春の日向でポカポカキュン」

 『キュン』♪

 

さあ、ということで、「俺はオルタナティブロックしか聴かない」という名言でおなじみの私、佐藤満春が、現在どっぷりハマっている日向坂46について語っていくというミニコーナーです。

番組『日向坂で会いましょう』で、ファンの総称「おひさま」というふうに認めていただきました。「公おひ」ということで、ハッシュタグ公おひでつぶやいていますけど、タイトルを変えました。ちょっとバカっぽいほうがいいなというのと、泣いちゃったのは事故なんで、泣いてしまったことを肯定しないほうがいいなという、イチ放送作家としての目線で自分でタイトルを変えてみました(笑)。「ポカポカキュン」ということでよろしくお願いします。

 

さあ、ということで、メンバーが21名いますので、全21回、日向坂のメンバーを通して、その魅力を語っていこうと思います。

今週ピックアップする方は、こちら! 「励ましの人、井口眞緒」!

 

今週は井口さんですね。新潟県出身の23歳。1期生ということになるわけですけども、日向坂46にとっては、この方は本当に外せないピースではないかなというふうに、一ファンとしては思うわけですね。日向坂を象徴するメンバーなんじゃないかな。いわゆるハッピーオーラと言われるものを存分にまとった人だなというふうに思ってます。結構キャラクターが独特で、バラエティ番組などでも活躍していくような姿を見た方も、もしかしたらいるかもしれません。

私が井口さんをこのコーナーが始まって2人目に選んだというのは、ちょっと意味がありまして、すごいぐっとくるポイントが多くて、何しろ、何がすごいかというと、井口さんは、とにかく人のことをほめるんです。僕は「励ましの人」というキャッチコピーをつけましたけど、とにかく人をほめる。人を励ます人なんです。

特に、メンバーのことに対して、一人ずつ、本当に大好きで、自分の言葉で愛情を表現できる人だなと思ってて、なんでそこを思ったかというと、もう1年弱ぐらい前になりますけど、ヒット祈願のバンジージャンプをメンバーでするっていうことがあって、そこで井口さんとは初めて会うんですけど、僕もいろいろ、もちろんね、調べて現場には行くんですけど、お話しするのは初めてだし、僕もすごく暗いですから、あんまりメンバーの方と上手にキャッチボールできなかったらどうしよう、みたいな思いもあって。

最初、なんかわかんないけど、井口さんとしゃべれたんですよ。そこから、井口さんにいろいろメンバーのことを聞いたんです、僕。例えば、愛萌ちゃんはどういう子なの?とかって聞いたら、そのメンバーの一人一人のいいところを即答して、マシンガントークよ。ブワーッとしゃべってくれるの。それが僕にとってはすごく、ああ、本当にいいグループだなって思うきっかけになったエピソードでもあるし、その方のことを間接的にメンバーの方から声を聞けたというのはすごいよくて。

で、バンジージャンプは2名ほど飛べないメンバーがいて、そんなの、まあ、まあ、あるんですよ。それは、苦手なメンバーもいていいじゃないですか。で、代わりに飛んだんですね、キャプテンと井口さんが。井口さんは、どう考えても苦手だったんですよ。バンジーとか飛ぶの。高いとこ苦手なんだけど、とにかく、なんか私にできることはないかっていうのを常にグループ内でも探している人で、すごく、そういう意味ではメンバー思いであり、自分が何とかメンバーの役に立てるのであれば、という思いで生きてるなあというふうに思いましたね、その時。

井口さんという人がメンバーに選ばれたのは、そういう意味でもこのグループに必要だったピースだったなというふうに思います。

井口さんはすごく真面目で、一回ラジオでもご一緒した時に、すごく真面目で、真っ直ぐで、反省もするし。で、井口さんは、誤解を恐れずに言うと、ずば抜けてダンスが上手く選ばれたというタイプではないと思うんです。だけど、相当な倍率の中選ばれてる。

井口さんは、真面目で、すごくメンバー思いだから、メンバーに迷惑をかけないように生きる、生きたいっていう思いがあって、『キュン』の特典映像の『けやき坂46ストーリー ~ひなたのほうへ~』でも、とにかくいろいろ反省をして、抱えて、悩んで生きているのがすごい伝わるんだけど、でも、その姿がもう人を感動させてるし、震わせてるなっていう思いがあって。

やっぱり井口さんは井口さんにしか咲かせない花があると思うんで、メンバーと猛特訓したみたいな話も聞きますし、本当にそれがいかにいろんな人に感動を与えているかというのを、井口さんほどメンバーのいいところをしっかりわかって言語化できる人は僕はいないなと思ってるんで、人をほめる井口さんのいいところをみんなも知ってるんだよっていうのを、ぜひともわかって、また前を向いて、自分を高めつつ、自信を持って楽しんでいただきたいなと思います。

 

ということで、今日お送りする曲は、駅伝の時に、ある区間で、メンバー6人で、走っている人を励まそうってなった時に、井口さんセンターにこの曲をみんなで替え歌で歌ったので、励ましシフトは井口さんがセンターだったのが、僕はすごい象徴的だったんで、この曲をお届けしたいと思います。

ひらがなけやき時代の曲でございます。お送りしましょう!『誰よりも高く跳べ』♪

 

 

氷山の一角の下の世界観

 

オードリーのオールナイトニッポン 2019年4月13日

 

若林:なんか今週あった?

春日:なんかじゃない。コマーシャル中にキャップかけしないでくれって言ったでしょうが!

若林:はぁー。がっかりだよ。

春日:何ががっかりなんだよ?

若林:うーん、冷めたね。

春日:何が冷めたんだよ?

若林:CM中のことを本編で言うなんて。

春日:いやいや、そんなもん、かけられ損じゃないかよ、言わないと。こんなびしょびしょになってんのに。

若林:言うな!

春日:伝えないと。映像もないわけだからさ、こんなにコマーシャル中にズボンが濡れてさ(笑)。ラスタTも濡れて。

若林:いいんだよ(笑)85%以上の人がCM中にかけたほうがいいって思ってんだから。

春日:はははは(笑)

若林:アンケートとっただろう?

春日:そう。だから、ダメではないけど、結果、世の中が言ってるから、ダメとはもう言えないけど、言わしてくれよっていう話なのよ。

若林:ダメダメ。それは。

春日:かけられたことは言わしてくれよってさ。

若林:俺、ちょっと納得してない。春日が表(おもて)にすることを。

春日:なんでよ?

若林:この間もね、『日向坂であいましょう』の番組で俺がフリップを出しながらしゃべるとこがあって、2人で座ってフリップを持ちながらしゃべってて、フリップの角を春日の脚の太股にグーッて刺したまま説明してたの。

春日:そうだよ。あの日、角でグーッとさ。わかんない、わかんない、見た目はわかんないよ。

若林:それをさ、「角をグーッてやるな」とか声に出して言ったのよ。

春日:言うだろう、それは。

若林:もう、血の気引いたね。

春日:こっちがだよ!そんなことやってくるの、もう、もう怖かったもん。こんなわからないようなことをね。でも、ほんとはよくあるんだよ。

若林:ふははは(笑)

春日:なんか説明して、2人で立ってる時に、普通にアタシの右足を踏んでるとか。はははは(笑)

若林:はははは(笑)

春日:ここで「おい!」とか言っても、何々?って雰囲気になるっていうのもこっちはわかるから言わないことなんかも多々あるからね。その時も、角をグーッとやった時も、もうもう、これはもう言ったほうがいいと思って言ったんだよ。確かになんか変な空気になってたけど。はははは(笑)ナニソレ?みたいな。

若林:それ、だってさ、言ったところで意味わかんないもん、みんな。

春日:それはもうわかってるよ。

若林:俺は何をしてかるだけ、いま、ごめん、説明させて。

春日:うん。

若林:野球で言うと。

春日:うん。

若林:引っ張る癖のある右バッターの時のショートが。

春日:うん。ふふふ(笑)

若林:半歩分だけサード側で守ってる、みたいなことをしてるんだよ。

春日:(笑)

若林:プロの仕事だよ、こっちは。

春日:それを、だから言……。

若林:言うな!

春日:言う人がいなきゃダメじゃない。

若林:お前、言うか?解説者が。

春日:言う、言うよ。解説者はそんなもん。

若林:てか、サードが言うか、それ。

春日:サードは敵に向かって言わないわね。コイツ、今、寄ってますよーっていうのを試合中には言わないよ。

若林:言わないじゃん。それを言ってるようなもんだからね。

春日:いや、それとは違うだろうよ。

若林:マジでやめてほしい。ああいうの言うの。

春日:やられ損だから。それはやられ損だから。それはせめて。別に放送はされないよ。そんなん編集でダメになるだろうけど、その場にいる人には知ってもらいたい。こういうことが今起こってますよっていうのは。

若林:えーーーっ?!マジでやめて。言うのだけは。恥ずかしいよ、いい大人が。フリップの角を脚に押しつけてるなんて。

春日:じゃあ、やめてくれよ!恥ずかしかったのよ、こっちは。40のね(笑)おじさん2人が、片方の40のおじさん……。

若林:ちょっと待って、ちょっと待ってよ。

春日:何がよ。

若林:じゃ、笑いになるとは思ってなかったんだよね?最初から。フリップの角を股に押しつけられてることなんて、笑いになると思ってなかったんだよね?言っても。

春日:それは言っても伝わんないだろうなって……。

若林:じゃあ、なんで言ったの?

春日:だから、やられ損だからだよ。こんなことが。それで笑いが起きれば、まあね(若林:怖い怖い怖い)、もうけもんだけど(若林:めちゃめちゃ怖いじゃん)言わなかったら泣き寝入りだからね、そんなもん(笑)。だったら声に出して言ったほうが。

若林:ダヴィンチコードみたいなことしてんの、俺は。

春日:へへへへ(笑)

若林:実はあの絵はあそこへの批判だったとか、いいアートっていうのは、見えてる氷山の一角の下にものすごい世界観とかテーマがあるんです!いいかあ~。

春日:もういいよ!(笑)

若林:(笑)

春日:いいよ。

若林:それがたまたまフリップの角を脚に押しつけてるってことなわけよ。それが番組の全体的なレベルアップにつながってんだけど、わざわざそれは言うことじゃない。

春日:どの辺がレベルアップにつながってんのよ?こんなもん誰にも伝わんない。誰かが伝わるようにやってくれたらいいよ。例えば、私が言わなくても、誰か日向坂のメンバーが……。

若林:石井ちゃん、ダメだ。一回CM行こう。

春日:なんでだよ!(笑)もういいよ。

若林:だから、押しつけられてる、痛いなあと思っただろ?角が脚に刺さってて。

春日:痛いなあと思う。だって、ほんとにすごい刺さってんだもん。

若林:ふふははは(笑)

春日:ぎりぎりフリップが傾いてないだけで(若林:はははは(笑))絶妙なとこでやってくんのよ。(若林:ははははは(笑))傾いてたら、おかしいなってざわついちゃうじゃん。だけど、傾いてるか傾いてないかぐらいのところで、左の角だけをグーッて私の右膝の上んところに。

若林:ふはははは(笑)

春日:刺してくんだよ。

若林:じゃん。そうじゃん。

春日:そうだよ。

若林:で、コイツ、バカじゃんて思わない?何やってんの?って。

春日:いや、思うよ。

若林:刺してきてんのに、こんな笑いにもなんないしって思わない?

春日:思う。だったら、もっと斜めにしたりとかして、わかるように。

若林:そうでしょ?それで、俺のしゃべりは、クオリティ落ちてた?それをやることで。

春日:いや、別に落ちてない……。

若林:落ちてないんです!てことはだよ、コイツ、バカじゃねぇーの?こんなのチョーつまんないし、何刺してきてんの?押しつけてきてんの?ってことでお前は絶対ワクワクしてんだよ。

春日:キッハハハ(笑)

若林:それが、それが番組の全体的なレベルアップにつながってんだから。

春日:関係ないよ!なかったとしても同じような感じでやるよ。

若林:じゃあ、もう、こうなったら本当、『チン!』のコーナーに行くしかないね。

春日:いや、なんでよ?(笑)私の話が全部すっ飛んじゃうんだよ(笑)。解決策になってないんだよ、そんなものは。

若林:あー(笑)。

春日:だから。

若林:納得いかねぇ、納得いかねぇーけどなあ。夢がないよ。

春日:やっても別にいいけども、言わしてくれよって話よ。それは。

若林:てかさあ、ごめんね、俺論破したいんじゃなくて、お前と理解し合いたいんだよ。今後の令和のオードリーに向かっていく気持ちがあるから。

春日:ふふふ(笑)

若林:俺には令和のオードリーと平成のオードリーではまた違うんだよ。令和で変わっていかなきゃいけないと思ってんだよ。

春日:ど、ど、どういう部分がよ?(笑)平成に比べて、ど、ど、何がよ?

若林:そんな、俺は出す側だよ。俺に大喜利出してくんじゃねぇーよ!

春日:はははは(笑)何でよ?

若林:できるわけねぇーだろ!(笑)

春日:よくやってんじゃない。

若林:やってねぇんだよ、21歳から無茶ブリされるほうは。

春日:はははは(笑)

若林:するほう専門でやってきたから、フられると弱い。

春日:言うからさ。

若林:イジられると弱いっていう。

春日:言うからさ。

若林:返しが上手くないっていうのあって。

春日:な、な、何よ?

若林:何かっていうと、お前は、漫才の時に、昔、M-1とか2008年あたりは、でかい舞台であればあるほどノーパンで出てたじゃん。

春日:ふふふ(笑)まあ、そうだね。

若林:それは、なんでノーパンで出てたの?

春日:やっぱこう、自分がね、奮い立たせるじゃないけど。気合が……。

若林:それそれそれ!氷山の一角の見えてない下の部分じゃん、氷山の、それって。お前がノーパンでM-1に出てたっていうのは。

春日:うっふん(笑)まあ、そうね。それによってスリルというかね。

若林:“ノーパン旋風”って言われたけども、あの時の。

春日:それ、バレてんじゃん、そしたら(笑)。

若林:ははははは(笑)

春日:バレてないのがいいんだよ。

若林:お前、揚げ足取んなよぉ。そんな上手くなんなくていいんだよ!

春日:いや、上手い……。

若林:部活みたいなお笑いやんな!厳しいなあ!

春日:(笑)いやいや。

若林:息が詰まるわ、そんなお笑い!強豪校の厳しい部活みてぇーなお笑いやめろ!

春日:いや、別に管理してるわけじゃなくてね、管理してるんじゃなくて。

若林:疲れるわ!暑苦しいわあ!

春日:単純に、だって今のは(笑)。

若林:真剣にやるな!

春日:変だなと思ったことを私は言っただけだよ、別に。変なこと言ってたもん。

若林:で、ワクワクしたんだろ?ノーパンだっていうのを知らないですよぉ。

春日:そうね。私だけの秘密っていうのもあるし、バレたらどうしようっていうスリルもあるし。

若林:そういうもんだよね。

春日:集中、集中した、そこはね。

若林:タトゥーみたいもん。だから、俺がフリップ押しつけるのはオードリーのタトゥー。

春日:タトゥー……。

若林:うん。

春日:どういうことですか?

若林:例えば、お前の背中に昇り龍がさ、和彫が彫られてたとしたらさ、強くなった気になんないか?

春日:まあ、まあ、何もないよりはそうだね、強くなった、あるかもしんないね。

若林:ふーん(笑)そういう部分あんだってちょっと今びっくりしたけど。

春日:やっぱりあるよ。

若林:なくてほしかったけどね(笑)。

春日:頑張って入れたっていう自信もあるしね。

若林:いや、俺は筋肉に包まれててほしかったけどね(笑)。

春日:へへへへ(笑)筋肉もだから同じよ。

若林:そう。

春日:トレーニングしてできたっていう自信になる。

若林:だから、俺はジムに通ってる女性なんか共感するもん。シックスパックにすることで、日々の生活、恋愛、仕事、公私共にどんどんどんどん攻めの姿勢になる女性。俺、すごい共感すんの、それ。

春日:ふふふ(笑)

若林:きれいになることだってそうだよ。

春日:な、何よ?きれいになることで?

若林:きれいになることによってね、見えない部分であってもね、恋や仕事に積極的になれんだと思うんだよ。

春日:うるせぇーなあ。

若林:(笑)

春日:女性で例えなくて、男のほうで例えてくれよ。

若林:男もしかりよ。

春日:男だったらまだわかるよ。

若林:男だってノーパンであったりね、ノーパンでオフィスで仕事に出社することによって、この上司、俺がノーパンて知らないんだぜ、じゃあ、今日攻めの営業しちゃおうかなっていう気になると思うの。

春日:(笑)

若林:それと一緒。俺がフリップをお前に差し込むのは。

春日:(笑)

若林:だから言うなよ!

春日:ノーパンサラリーマンの例がよくわかんないからさ(笑)。例えが特殊だから。はははは(笑)

若林:お前がノーパンで出てたんだぞ、M-1に。

春日:私はいいのよ。

若林:“ノーパン旋風”って言われましたけどね、あの時のオードリーは。

春日:いやいやいや、バレてんじゃん、だから、ノーパンのこと。

若林:部活みたいにやんな!息詰まるわ、そのお笑い。

春日:(笑)

若林:ストイックだわあ。

春日:お笑いでも何でもないんだよ(笑)。おかしなことを言ってるから、変だなつっただけでさ。

若林:まあ、いいや。で、今週何?なんかあったの?

春日:はははは(笑)いや、今週、…なんだよ、それ。何だったんだ、今のお話。なかなかの時間話してたな、今。

若林:(笑)

 

 

陽気の人

 

うしろシティ星のギガボディ 2019年4月3日

 

金子:お花見してきてさ。別に普段、例年はやんないんだけど、東京に妹が住んでて、妹が去年結婚したんだけど、その旦那と仲いいのね、俺。いい奴だし、話も合うし。

阿諏訪:年下?

金子:うん。たまに「飯行きましょう」みたいに言われてさ、2人で飯行ったりもしてんだけど。「お花見行きましょうよ」みたいなになって、妹が仕事終わってから合流するから「先行って場所取っておきましょう「みたいな。「あ、いいね、いいね、やろう、やろう」つって行ったのよ。上野公園。もう。

阿諏訪:ザだね。花見と言えば上野公園みたいのあるね。

金子:穴場みたいのわかんなかったからさ。

阿諏訪:あるんだろうね、都内もね。

金子:いいんじゃない?逆にそういうもろなとこでつってさ。妹の旦那が先に上野着いててさ、「うわ、結構満開です」みたいなLINE送ってくれるのよ。写真とかも。うわ、すげぇなあと思って楽しみにして向かっててさ「今ここら辺にいます」みたいな写真送られてるんだけどさ、桜の木じゃんか。どこよ?

阿諏訪:(笑)確かに。確かに。

金子:こればっかじゃん。桜の木の前で満面の笑みの自撮り送られてきたんだけど。

阿諏訪:でも、桜入れたいもんな(笑)。

金子:そう。どこよ?この空とピンクとお前だけで(笑)。引きで、引きでやって。

阿諏訪:もうちょっと引きでな。看板とかなんかを。

金子:自分も入ったやつ撮った後に引きで撮って。ノーヒントで結局電話で合流してさ。

場所取らなきゃね、みたいな。行ったタイミングで夕方5時ぐらいだったのよ。

阿諏訪:夜桜みたいな感じになるね。

金子:まだちょっと明るいぐらいかな。提灯とかもちょっとつき始めてて。

阿諏訪:ああ。雰囲気いいもんねえ。

金子:俺、ビニールシートは買っていってたからさ、どこだ?つって、トイレの近くとかイヤだなあみたいな話しててさ、いろいろ探してたんだけど、桜並木がバーッとあるような下はさ、余裕で埋まってんだよね。

阿諏訪:土日?

金子:平日、平日。

阿諏訪:平日で?

金子:うん。でも、たぶん春休みとかの時期だったのかな。会社帰りの人、よく、ベタだけどさ、新入社員の人が場所取りとかさせられてるじゃん。泊まったりさ。ここ、シートは敷いてあるけど、誰もいないな、みたいな。ここ、どうなんだろうと思ったら、そこに人来てさ。便利屋さんとかもいるのよ。

阿諏訪:場所取りの?

金子:そう。「ここって取ってるんですか?」って聞いたら「ここは取ってます」みたいな。その人と話したら、その人便利屋さんで、会社に頼まれて30人分の場所取りをしてんだって。「ちなみに明日の分です、これ」って。

阿諏訪:うわ、すごっ。

金子:「え、そうなんす」かつって。「今日借りれないですか?ここ。ダメなもんすかね?」

阿諏訪:明日の分でしょう?

金子:うん。でも、会社はその人に、額は言えないけど。結構な額を払ってるから。

阿諏訪:違う違う違う、数時間で帰るから。

金子:じゃん。思うんだけど。

阿諏訪:俺ら、便利屋としていますよってことで。

金子:(笑)その人が1人で座ってんだよ、そこに。

阿諏訪:ずっと明日まで?

金子:交替制って言ってた。何時にほかの人が来て代わるんですけど。一応ルール上、貸せない。又貸しみたいのはできないつって。又貸しなのかなあつって。前の時間だから別によくないですか?みたいに思ったんだけど。そういうのがいたりさ。

みんな張り切ってるんだよね。段ボールでテーブル作ったりする人とかさ。少しでも快適にしようとしてんだろうね。全然場所ないね、どうしようつって。いろいろ、結構広いから、歩いて探してたらさ、結構桜もあるし、屋台とかもちょっとあるし、トイレもまあわりと近いいい感じのところに、基本びっしりシートあんだけど、空いてるスペースあったの。「うわ、やった、あそこにしようぜ」つって「オッケ、オッケー」。走ってってそこにシート置いてさ、なんでここ空いてんだろうっていうさ。変じゃん。

阿諏訪:まあな。そんな絶好の場所でそこのスペースだけ空いてる?

金子:そう。

阿諏訪:え?何?

金子:あのね、周りが大学生の陽気の人たちっているじゃん。

阿諏訪:うん。陽気の人たち……陽気の人たち?

金子:ウエーーーイ!

阿諏訪:はいはいはい、いる。

金子:俺らがそのシート敷いた時に、ちょうどその場所取りしてるところに集まってきたぐらいの人たち、陽気の人たち。

阿諏訪:陽気の人たち?

金子:スタート時間は一緒ぐらいよ、俺らと。開幕でコールしてんの。

阿諏訪:はあ!

金子:チョイ残し~♪みたいな。

阿諏訪:何それ?何それ?何それ?

金子:わかんない、わかんない、俺もちゃんと聞き取れなかった。

阿諏訪:最近のやつ?

金子:うん。陽気言葉だから、それは。

阿諏訪:チョイ残し~♪チョイ残し~♪

金子:あと、誰かが誕生日で、おめでとう~♪おめでとう~♪みたいな、知ってる?コール。

阿諏訪:知らない、知らない。

金子:そういうのやってるの、ずっと。開幕からよ。

阿諏訪:乾杯から?

金子:まだ座ってねぇー奴いるぐらいの勢いの段階で、全員がでっけぇ、1リットルぐらい入ってそうなシャンパンみたいなボトルラッパ飲みで。

阿諏訪:うわあ。でも、まあまあ、花見なんて年イチだから、テンション上がってるんでしょ、たぶん。

金子:いや、そいつら言っててさ、「俺、毎日花見してんだけど、春休み~」みたいな。「それな~」みたいな。それな~?

阿諏訪:(笑)毎日のようにやってるんだ。

金子:そう。そいつらが、そういう陽気の人たちが、その一群だけじゃないのよ。周り何チームかいて。別で。

阿諏訪:囲まれてんの?

金子:そう。だから、その真ん中は人がいないのよ。

阿諏訪:はあ、なるほど。

金子:そう。

阿諏訪:そういうエリアなんだ。

金子:そう。

阿諏訪:陽気エリアなんだ。

金子:そうそう(笑)。

阿諏訪:陽気エリアかあ~。

金子:みんなさ、段ボールでプラカードみたいの作ってさ、大学の新入生歓迎、サークル勧誘みたいな感じで、何々大学、何々サークルみたいの書いてあるプラカードみたいの持ってさ、わかるようにしてんのよ。

阿諏訪:集まりやすいように。

金子:そうそうそう。それがいろんなグループがあって。

阿諏訪:囲まれて(笑)。

金子:そのドーナツの真ん中を埋めるように、俺と妹と妹の旦那(笑)。

阿諏訪:いやあ、結構だねえ。孤立感があるね。

金子:うん。旦那もいい奴だけど、イケイケじゃないからさ。優しい気のいい奴だから、ノリ的には、ずっと俺が3人いるようなもんよ。妹も似たようなもんだから。

阿諏訪:(笑)

金子:だから、声も聞こえないしさ、お互いの。

阿諏訪:うるさくて?

金子:うん。

阿諏訪:そんなにずっとコールしてんの?

金子:そうだよ。だって、陽気の人たちだよ(笑)。

阿諏訪:何なの?さっきから「陽気の人」って。

金子:俺たちが空気を吸うのと一緒よ。空気を吸って吐くのと一緒よ。陽気の人たちはコールを吐く。ずっと。

阿諏訪:「陽気の人たち」って何なの?陽気の。「陽気の」って何なの?

金子:ははははは(笑)

阿諏訪:「陽気な」じゃないの?ずっと気になってたんだけど。「陽気の」なの?

金子:で、苦手だなとは思ってたの。俺さ、お花見に限らず、いろんな場で会うことあるじゃん。例えばサッカー、スポーツバーに観戦しに行ったりしても、絶対そこにも陽気の人たちは。

阿諏訪:「陽気の」気になるんだよな。

金子:いるじゃん。

阿諏訪:気になるけど、ま、ま、わかる、わかる。いるよ。

金子:何が苦手なんだろうなって考えさせられてさ。やっぱノリが単純に違うから無理なんだなっていう。

阿諏訪:バイブスが合わねんだよな、俺らと。

金子:そう。でも、それってさ、嫌いになる理由じゃないじゃん。

阿諏訪:そう。ちゃんといい子たちだったりするんだよ。

金子:じゃん。

阿諏訪:ただバイブスが合わねんだよ、俺らと(笑)。

金子:そう。それがでかいのはあるんだけど、もう一個気づいたのよ。陽気のグループにいる女子って可愛いんだよね。

阿諏訪:ああ、ああ、ああ。

金子:圧倒的に。

阿諏訪:うん、うん。

金子:で、そういう子たち、可愛いなと思うのに、絶対になじめないじゃん。

阿諏訪:なじめないねぇ。

金子:そこへの妬みとかが自分にあるんだ。

阿諏訪:はあ、なるほどねぇ。

金子:うるせぇーなっていう言葉で自分でかき消してるだけで。

阿諏訪:なるほど。実は羨ましい。

金子:そう。があるから、こんなに苦手意識が。まぶしいというかさ。

阿諏訪:うん、わかる、わかる。

金子:なんだなーとか思いながら。

阿諏訪:いやあ、本当にね、可愛いんだよね。

金子:そう。

阿諏訪:くっそー。

金子:そうなんだよ。くっそーだよな、ほんと。

阿諏訪:可愛くなきゃなあ。

金子:そう。

阿諏訪:可愛いんだよなあ。

金子:俺たちも陽気の人たちになれればいいんだよ。でも、俺たちなれないじゃん。

阿諏訪:そう。それか、可愛い子が陽気の人を嫌ってくれればいいんだよ(笑)。

金子:そうそうそうそう、そうそうそうそう。

阿諏訪:でもやっぱ。

金子:そうじゃねぇんだよ。

阿諏訪:陽気の人ってさ、やっぱ、なんつうの、押しも強いわけじゃない。

金子:そうなんだよ。だから、陽気の人のほうが可愛い女の子との距離を詰めやすいんだよ。

阿諏訪:そう、そうなの!

金子:可愛い子は陽気の人たちのほうが楽なの。

阿諏訪:そう。で、押しに弱かったりするじゃん。陽気の人が…「陽気の人」って何?

金子:はははは(笑)

阿諏訪:「陽気の人」って何?ずっと気になるんだよなあ。

金子:お前が言ってた。お前のほうが言ってたぞ、後半。

阿諏訪:俺も言ってたんだ。

金子:で、まあ、仕方ないつって、ここでひっそり。旦那が俺のために「家で実は焼きそば焼いてきたんですよ」つって。いい奴だから。「それ食おうぜ」っつって。めっちゃまずいんだけど(笑)。

阿諏訪:(笑)まずいんかい!

金子:焼きそばなんかまずくなんないはずなんだけど、めっちゃまずいんだけど、「ありがとな」つって食っててさ、楽しくこっちはこっちでやってたのよ。そしたらさ、俺らの隣にいた陽気の人たちのその中でも一大勢力の男子が妹の旦那に「一緒に飲みましょうよ!」つって。

阿諏訪:おわー。

金子:でっけぇボトルのシャンパン持って、肩組んできて。

阿諏訪:うわあ。

金子:いやいやいやいやつって。陽気の人たちの「一緒に飲もう」はさ、「おい、サッカーやろうぜ、お前ボールな」みたいなことじゃん。

阿諏訪:ははは(笑)

金子:俺たちの受け取り方は。

阿諏訪:なるほどなあ。そうだな。対等ではない感じはするな。

金子:そうそうそう。いやいや、みたいな。旦那も、いや、すいません、みたいな。

阿諏訪:たぶん悪気はないんだろうけどね。

金子:ないのよ。

阿諏訪:その人たちもね。

金子:ないんだけど、要はさ、その一群の中で、陽気の人たちが場所取りした、真っ白キャンパスに一点墨汁をこぼしたように俺たちがいるわけじゃない。見逃せなかったんだと思う。

阿諏訪:なるほど。なるほど、なるほど。絶対こっちのほうが年上でしょう?

金子:そう。

阿諏訪:(笑)

金子:だって大学生とかだからね、周り。

阿諏訪:20代だよね。

金子:「一緒に飲みましょうよォ」つって「あ、すいません、ごめんなさい」みたいな。へへへみたいな。ああいう時なんで笑っちゃうんだろうな。へへへって。悔しいよな。毅然としてりゃいいのにさ。

阿諏訪:情けないよな。

金子:すいませーん、みたいな感じで断ってさ。ちょっと面倒くせぇなあ、みたいになってたんだけど、しばらくしたら、大学生の1人が潰れちゃって。ウエーってなって。

阿諏訪:男?

金子:うん。ズボンとかビッチョビチョよ。顔面蒼白で一点見つめてる、みたいな状態になってて、うわ、かわいそうと思って、やっぱ陽気の人たちのゴールはここしかないのかと思って。ハッピーエンドでなくない?

阿諏訪:いや、俺、見届けたことはねぇけど。どうなの?

金子:渋谷とか見てもさ、こうなるまで行く、みたいなさ。

阿諏訪:そうねぇ。

金子:楽しかったからここで終わりっていう終わり方してないのかな。

阿諏訪:しないよ。行くとこまで行くよね。

金子:そう。よく見る景色だなと思って。でさあ、うわ、吐いちゃったんだね、みたいな感じでこっちも見てたんだけど、周りの陽気の人たちはさ、看病とかあんましないの。

阿諏訪:慣れてんじゃない?

金子:なのかな。タカをくくってるのかわかんないけどさ、こっちは心配になる、ちょっと。

阿諏訪:そうだね。

金子:え、大丈夫?急性アルコール中毒とかあるでしょうと思って。さすがに、放っておこうかと思ったけど、これはちょっと無理だなと思って、「お水飲みなよ」みたいにやって、水渡したらさ、顔面蒼白で一点見つめてる男の子がさ「うしろシティ」って言ったの。

阿諏訪:(笑)ヤバい、ダイイングメッセージみたいになるね。

金子:うぅわ、面倒くせぇーと思って。

阿諏訪:(笑)いいじゃん、言ってくれたんだから。

金子:いやいやいやいや、普段なら嬉しいよ。普段町中で「あ、うしろシティだ」って言われたらさ、別にどんな、呼び捨てでも何でも嬉しいよ。あ、見てくれてんだなと思うけど、ここでは面倒くせぇーと思って。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:しかも、お前その状態でよく気づいたなと思って。自分を見失うぐらい飲んだ奴が、うしろシティを見つけるってなんだよと思って。

阿諏訪:でも、大声じゃなくてよかったね。

金子:そう。元気もないから。まだだから、周りの陽気の人たちに気づかれてない。

阿諏訪:それ気づかれてたら大変なことじゃん。

金子:そうそう。ここで止めようと思って。

阿諏訪:ヤバい。もう殺すしかない、コイツを(笑)。

金子:コイツをここで封殺して。悪いが。知ってしまった以上。俺がうしろシティであることを知ってしまった以上。

阿諏訪:かんざしを取り出して、首もとにクッてやるしかないって、これ。ヤバいよ、大変なことになるよ。出られなくなるよ、一生そのドーナツから(笑)。

金子:(笑)で、そいつが「写真撮ってください」って言うの。

阿諏訪:マジで?

金子:ま、いいけど。

阿諏訪:だって、気づかれるじゃん。おかしいじゃん、知らない人たち。

金子:後々気づかれるのは別にいいじゃん。今見せる力はない。ね。ほかの陽気の人たちもこいつを気遣ってはいない。それで、撮ってくれなかったということでなんかあった場合のほうが広がるリスクがあるから。

阿諏訪:なるほど。だったらササッと撮る。それか殺す。

金子:うん。

阿諏訪:(笑)

金子:たまたま、その日、俺、かんざし刺してなかったから撮るしかねえ。

阿諏訪:ああ、そうか、手段はないんだ。

金子:で、「わかった、わかった。いいけど、お前、その状態でいいの?」つって。

阿諏訪:大丈夫?

金子:「あの、ツー、ツーショットで」って言って。

阿諏訪:(笑)

金子:ズボンとかビッチョビチョだしさ、顔も全然楽しくなさそうなのに、俺、横でピースしてさ、ツーショット撮ってさ。「あ、ありがとうございました」って言って、それで息を引き取ったんだけど。

阿諏訪:いやいや、死んでない(笑)。

金子:たぶん(笑)。

阿諏訪:お前が、殺しただろ、それ。

金子:すごい静かになって、一応大丈夫そうだから、しゃべれてるし、痙攣とかもないし、大丈夫かなつって戻ろうとしたら、陽気の人たちの長(おさ)みたいな奴がいたのね。そいつが「あ、大丈夫!看病してもらってたのォ?」つって来て。来んなよつって。お前もしゃべんなよと、そいつしゃべんないように見てた。そしたらね、その陽気の長が「あー、なんかすいませんし……うしろシティ」。

阿諏訪:ヤベーーー!ヤベェ!

金子:こんなことある?と思って。

阿諏訪:長も知ってた。

金子:変じゃね?と思って。

阿諏訪:だから、殺しとくべきだった(笑)。

金子:いやいや、そうなんだけど、俺もちょっとなめてたというか、俺たちって、陽気の人たちにあんまりハマってないと思ったの。

阿諏訪:ああ、そんな気は。

金子:知られてないだろうって勝手に思ってたのね。

阿諏訪:うんうん、そんな気はする。

金子:意外と思って。お笑いって、特にコントとか観ないでしょ、皆さんて。

阿諏訪:うん、そんな気がするよ。

金子:思ってたから、えっ、なんでこんな2分の2で知ってんの?みたいななって。よく知ってんなと思って、殺すことも忘れて。

阿諏訪:ははは(笑)今、長を殺しておけば広がんないのにな。

金子:うん。でも、なんか驚いちゃって。で、「よく知ってんね」って。もっとパーティ系のネタでやってる人とかさ。

阿諏訪:わかる、わかる!

金子:飛び道具系の人とかが若い陽気の人にはもてはやされない?とか。

阿諏訪:きつねとかね、今ならね。

金子:まあ、そうそうそうそう。

阿諏訪:ノリのいい感じの。

金子:そうそう。あっちのほうがハマりやすい感じするのにと思って。したら、「いやあ、でも、逆にうしろシティいいんすよ」つって。あん?と思って。

阿諏訪:(笑)

金子:「逆に」つったか、コイツ。

阿諏訪:(笑)ストレートではねぇんだ。

金子:逆に、なんだ?ストレートだと面白くないと言われていますが、っていうことか?コラ!と思って。コイツと思って。

阿諏訪:真っ直ぐ聞いたらつまんねぇですが、逆に面白い。

金子:なんだ?コイツと思って、ちょっと話聞いてみようと思って。「ど、ど、どういうこと?」つって。「あのォ、コントとかもォ、結構あれふれたテーマじゃないすかァ」みたいな。ああん?

阿諏訪:(笑)長が?

金子:ネタのことはやめとけよ。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:「芸人にとってネタとはなんぞやっていうのはあるぞ」と思って。

阿諏訪:いくらお前が長だからとはいえ。

金子:俺もうしろシティの長として。

阿諏訪:(笑)長だったの?

金子:そこは守らなきゃいけないもんはあんぞと思って。「だからこそ、みんなわかるんすよね。学校とか、だって、俺らも高校とかは行ってたから、高校の話ってわかるじゃないすかァ。でも、そういう高校のありふれたテーマとかやってくれるとわかるしィ、でも、そん中で、あんま人が言わないこと言うじゃないすか」。

阿諏訪:はははは(笑)わりと深い話してんな。

金子:あん?つって。もう顔真っ赤で、そいつ。酔っぱらってるから。ありふれたテーマですいませんね、みたいな感じで聞いてて、「だから、要は、わかる奴にはわかるし、わかんねぇ奴にもわかるように、丁寧にやってくれてると思う」って言われたの。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:ンだよ、いい奴じゃねぇーか。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:おい、なんだよと思って。なんだ、ちゃんと観ててくれてる人がこんなところにいたのかよと思って。

阿諏訪:ちゃんと観てんじゃん、長(笑)。

金子:ありがとうなと思って。妹とかもいるし、ホクホクよ、俺にとっちゃ、もう。「一緒に飲むか!」みたいになって。そしたらね、ちょっと盛り上がってるから、めっちゃ可愛い女子たちも「どうしたの?」みたいな来んのよ。これ、ちょっと、ついにきたんじゃねぇーかと。

阿諏訪:ヤバい。

金子:勝手に自分たちのイメージで遠ざけてたんじゃないか。

阿諏訪:そうだね、そうだね。なんかきっかけさえあれば。そのきっかけを長が作ってくれたと。

金子:女子が来て「誰?誰?」つって「うしろシティだよ」って長が言って、バカ!

阿諏訪:やめろと。

金子:やめろ。

阿諏訪:声高に。

金子:したら女子がさ「知らない」。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:陽気の人たちに好かれたいなあ。

阿諏訪:好かれたいなあ。

金子:もっとなあ(笑)。

阿諏訪:「そうなんだー」でいいじゃん。「知らない」って言うなよ。

金子・阿諏訪:はははは(笑)

 

 

金子さんが妹さんの旦那さんと初めて会った時の話もいい話だったのよ。

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