ニューヨークのオールナイトニッポン0(ZERO) 2017年1月19日
屋敷「一番聞きたいのは、俺らどうしたらいいですか? 決勝行って優勝狙ったほうがいいってことやないですか、たぶん僕らも」
石田「うんうん」
屋敷「僕らのネタ、たぶん何個か見ていただいた上で、もうちょいこうしたほうがええ、みたいな、ありますか」
石田「俺ね、ホンマにもう一声やと思うねやんか。結局ね、この間、笑い飯さんとかと俺らが一緒に見てて、敗者復活を。密着みたいなので見てて、やっぱりみんな口そろえて言ってたのが、面白いねんけど、あと一歩やねんなあ。この間のネタに関して言うとやねんけど、やっぱ、あるあるを一個超えてないというか」
屋敷「僕らの敗者復活のネタが」
石田「そうそうそうそう。超えてないというか。なんかもっと期待しちゃうねん。入りが高い分、後半もっと期待しちゃうねんけど、後半にそこまでの、ないというか。俺らが求めてるもんが。そこが惜しいねえっていう話をしてたんやけどね」
屋敷「へぇー」
嶋佐「難しいな。そうすね。確かにね」
石田「いいとこ行ってんねんけどな、っていう」
嶋佐「最近、カブセを覚えたんですけどね」
屋敷・石田「ははははは(笑)」
嶋佐「それだけじゃまだ」
屋敷「気づかんかった。お前カブセ覚えてた?俺の知らん間に」
嶋佐「後半もう一回出してウケる、みたいな。あれをちょっと意識して作ったりもしたじゃん」
屋敷「そうね。遅っせぇーなカブセ覚えるの」
嶋佐「もっとか」
屋敷「いっぱい畳みかけたりな」
嶋佐「畳みかけとか、そういうことじゃないな」
屋敷「僕らのネタの性質上、ここではめっちゃスベるとか、ここではめっちゃウケるとかがある以上、優勝できひんということなんすかね」
石田「いや、できひんことはないねんけど、ホンマに欲を言うならばやけど、ネタと、ネタ部分でウケて、それプラスアルファ、2人の関係性でウケるのがベストなのね」
屋敷・嶋佐「ああ」
石田「そこを出すとめちゃくちゃ強いわけやな」
屋敷「関係性かあ」嶋佐「関係性」
石田「そうそうそう。だから、ボケとかそういうところじゃないところ。千鳥さんなんていうのはそれの最たるもので」
屋敷「まあ、そうすね」
石田「関係性で笑いとってるねんやな。ネタ部分と関係性。それで、もっと言うと、中川家さんとか、華大さんとか。もうね、ずっと人柄が出てくるやん」
屋敷「そうですね。それ、めっちゃ言われるんすよ。ニン(人)とかを出せ、みたいな」
石田「そうそう。人柄が見えへんから、ただ“2人で面白いことをしている人たち”になっちゃう。じゃなくて、あの人たち面白いよね。あのネタ面白いよね、じゃなくて、あのコンビ面白いねって言われるようになってかなアカンから、それは俺も今勉強中やけど、そうしていかな」
屋敷「どの辺意識しています?NON STYLEさんやったら、関係性とか」
嶋佐「確かに。関係性となるとどういうイメージなんですか」
石田「それって、千鳥さんでいくと、結局は大悟さんのことをどんだけノブさんがボロカスに言っても、ずうっと大悟さんのこと好きやん」
屋敷「はいはいはいはい」嶋佐「そうですね」
石田「「ちゃんとやれ」と「言え」でもね。こういうところに昔の同級生感というかがこびりついているわけやんか。結局、この2人が楽しんでんねん。そういう、相方を愛でるじゃないけど、やっぱそういう、コイツのこういうところが見たい、コイツが困ってるところが見たいとか」
嶋佐「それが伝わってますよね」
屋敷「そうすね。それって、意識して作っていったらいけるもんなんすかね」
石田「じゃあ、これがやりたいと、例えば相方が言ったとする。俺これがやりたいねんて言って、なんでやりたいねん。普通に聞くやんか。好きやからこういうのやりたいねん。ほなやろうかと言うのと、でも、それホンマにやりたいの?って何度も聞いていくと、ここになんでかという理由がおのずと出てくんねん。なんでコイツがホンマに聞いているかっていうのを聞いてく。こういうことをホンマは作らなアカンくて」
嶋佐「NON STYLEさんの関係性というのはどういうふうに意識してやっているんですか?」
石田「これは、うちらで言うと、俺らも中高の同級生やから、井上は「よく思われたい人」で、こうしたい。自分主体でいたい人なのね。俺はどっちかというと、中学からずっとそうやけど、アイツのちょっと下というか、常にずっとそこら辺におった奴や。だからこそ、あいつがよく思われるのはイヤやねん。で、俺はコイツのしょうもないところを知ってるから。といって、俺は、その井上がやりたいこととか、よく思われるのを、ただただ阻止して、俺はただそれをケラケラ笑ってるだけやん。それに対して井上は、過剰に腹が立ってく。下の奴にイジられてるから」
屋敷「そう言われてみたら、いっつもやりたいことできてないっすね、漫才で、井上さん(笑)」
石田「そやねん。でも、アホやから、何回も挑戦すんねん」
屋敷「ははは(笑)」嶋佐「なるほど」
石田「俺、絶対ちゃんとやれへんねん」
屋敷「そうか、そこに必然性というか、なんかあるんすね。ただやってるだけじゃないというか」
石田「そうそう。だから、そういうのはたまに入れたりする。ネタで。なんでまだあきらめへんねんとか。これが人間性というか。いやもう、やらへんでと言っても、やってくれや、頼むわって、ここで温度が変わるやん。ええからやれや、から、なんでわからへんの? もう長年やってるやん。俺ちゃんとやったことないやん、て俺が言ったことによって、井上の温度が変わる。こういうのが人間味になってくる」
屋敷「それって、最初から絶対意識してないですよね」
石田「全然」
屋敷「最初はとりあえず闇雲に作るじゃないですか、ネタなんて」
石田「そうそうそう」
屋敷「どっかのタイミングでそれや!と思ったということですか。ホントのことやろう、言おう、みたいな」
石田「ある日、自分のネタ見てもそうやし、ほかの人の見てても、ある日、さっきのボケはウケたのに、次のやつ冷めて、次のボケ、もっとおもろかったのに、さっきの冷めがあったせいであんまハネてへんな、とかあって、どんどんウケにくくなっていくというか。これ、何やろうな、みたいな。でも、この人らって、そんなにバカバカおもろいボケ出してないのに、なんかずっとウケてんねんなという人も」
屋敷「わかりますわ」
石田「俺はこれを最近は“床暖が効いてるタイプ”か”効いてないタイプ”かっていう。ホクホク人間同士のやつがあるのって、床暖効いてるから、結構長いことウケてなくても見てられんのよ」
屋敷「ああ」
石田「なんかずっとニヤニヤしちゃうというか」
屋敷「はいはいはい、なるほど」
石田「でも、ホンマにシステムだけでやってるとか、ただ面白いことをやりたいだけの人ら、だから、そこに熱、人間としての温度がない奴って、やっぱゴリゴリっのコンクリート打ちっぱなしみたいなもんで、すぐ冷えんねん」
屋敷「なるほどなぁ」
石田「だから、バーンいいボケしても、次でなんかスンてなる」
屋敷「はいはいはい」嶋佐「はー」
石田「結構おるやろ?」
屋敷「はい。おるし、経験あります」
石田「あれって、ただの大喜利でしかないやん。大喜利と同じ現象やねん、あれは」
屋敷「はあ。面白いことを言うか言わんかのジャッジでしかないということですか、お客さんが」
石田「そうそう。だから、中川家さんが出番10分やねんけどさ、たまにスイッチ入ってもうて、10分のところ、15分ぐらいやって、その伸びた5分、スイッチ入り過ぎて、お客さんついてこれずに、チンチンにスベってる時あんねん。その5分。好きなことをやりまくって。あるやんか。ね? でも、それってみんな見てられんねん。めちゃくちゃ楽しいやん、あれって。笑いぞせぇへんけど、めっちゃ楽しい。ああいうことやん」
屋敷「なるほどなあ、深けぇな」
石田「華大さんもそう。華大さんなんか、あれなんか床暖そのものやんか。ずうっと見てられるやん。フリがどんだけ長かろうが、ずっと見てられる」
屋敷「それは、やっぱり経験もありますし」
石田「うんうん。やっぱり出てくるな」
屋敷「なるほどな。難しいなあ」
嶋佐「難しいな。ホントに」
“床暖”の話は、村本さんがAbemaTVでやっていた番組でも言っていて、ああ、面白いなあと思ったし、すごく納得できた。
あと、お正月に見ていた番組で、たまたまノンスタと千鳥、華丸大吉が出ていて、3組とも、一方が相方にこういうことをやって(言って)ほしいという設定で、3組の関係性がそれぞれなのが面白いなあと思って見ていたこともあって、とても興味深い話だった。
言語化できるってすごいな。