2008M-1から10年

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年12月8日

 

若林:思い出してたらさ、自分たちのことも。あれで、M-1で敗者復活してさ、トーク番組とか呼ばれた時にさ、いま思えばよ、ほんとに春日のケチネタがあってよかったよね。

春日:まあ。

若林:あれってさ、ああやってなんか出てった時にさ、こういうキャラクターがっていうことをさ、1個話の芯になってたのね。毎回同じ話して、こんなの大丈夫なのかなと思ってやってたけど。

春日:ハハハハ(笑)

若林:あの1年、俺、何回飴ジュースの話したかなと思ってやってたけど。

春日:いや、そうよね。

若林:あれあってよかったよね。

春日:あってよかったね。

若林:番組作りやすいじゃん、たぶん。

春日:まあ、そうだね。そうなんだろうね。話すネタというかね。

若林:本人たちはさ、毎日やっていることだからさ、コインシャワーにシャンプー家でして歩いていくとか、あんまりおかしなことしてる意識なかったけど。

春日:いや、そうそう、そうなのよ。

若林:いま、家にお風呂がある立場になると、やっぱり変な奴出てきたってなるんだね、あれ、世間的には。

春日:だろうね。

若林:当時は、何をそんなにおかしく思うんだろうなって、俺は飴ジュースとかやってないけど、コインシャワーとか俺もやってたから、ちょっと思ってた。何度も喋りつつ。だけど、やっぱちょっと変だったんだろうね。

春日:ハハハハ(笑)

若林:やってる行動が。

春日:まあ、普通ではないよね。でも、やっぱり理由はある。お金がないからってさ。我々としては理由、正義みたいのがあったから、おかしいとは思わないけど、それがいいんだろうね、ズレててね。世間と。

 

若林:なんかさ、昔はさ、そうやってネタで出た後、トーク番組あってさ、その最高峰のところに『アメトーーク!』だ、『しゃべくり007』だ、『おしゃれイズム』だっていう感じあるじゃない。

春日:へい、へい、へい。

若林:今ってさ、そうなのかな、やっぱり。同じなのかな。

春日:どういうこと?トークでってこと?

若林:何だろう。なんか、昔もあったけど、今は、どっきりにハマって世間の皆様に可愛がられたほうがいいのかなっていう、そういう感じしない?どう?

春日:まあ、そうだね。

若林:そっちが強めというか。

春日:うーん、まあ、まずそっからじゃない? そっちからじゃない? だけど、だんだんだんだん興味が持たれてきて、その人に。どんな奴なんだこいつ?といった時に、なんじゃないの? お話があるかどうか、みたいなさ。

若林:そこね。

春日:そこで。そこでもう1周できるか2周できるか、みたいなことになってくるんじゃないですか?

若林:そういうことになってくるのか。

春日:最初はでもいいんじゃない?別に。

 

若林:ずっとドッキリにひっかかったりしてたもんね。

春日:ハハハハ(笑)

若林:ドッキリして飴ジュースの話して、ドッキリ食らって飴ジュースの話して、が、1日に4本ずつ毎日、みたいな。

春日:ケケケケ(笑)

若林:多かったんだよ、お笑い番組も、あの時のほうが、たぶん。

春日:ちょっとブームだったからね。

若林:50人とかのひな壇の番組がよくあったもんね。

春日:そうね。

若林:今はそんなに見ないね。30人とかブワーッと並んでる番組ね。

春日:まあ、そうだね。

若林:昔、5段ぐらいあったもんね、ひな壇。

春日:うん。

若林:落ちたら怖ぇーな、みたいな。一番後ろに座ってて、俺。ピンマイク付けてもらってなくて、その頃。そのぐらいの人数の頃。春日だけに付いてて。

春日:ほんとそうだね。

若林:俺、だから、鼠先輩のピンマイクの近くで喋ってたもん。

春日:ハハハハ(笑)

若林:急に振られた時、ピンマイクないから。人数多すぎて。はははは(笑)いや、ほんとによ。

春日:ああ、そうだね。

若林:毎日、ジョイマンと髭男爵さんと一緒で。

春日:うん。

 

若林:俺、なんかトム・ブラウンは大丈夫なような気するよな。

春日:うん。

若林:返しとかも上手だし。あとさ、何が俺らと違うってさ、可愛がられるんだよ、先輩に、トム・ブラウンて。2人とも人がいいから。

春日:ああ、はいはいはい。

若林:人見知りじゃないから。

春日:うんうんうん。

若林:そのほうがいいよね、やっぱり。

春日:うふ(笑)まあまあ、そうだね。

若林:それがあるから、凄くよかったよね。こういうの事務所も盛り上がってくるね。ああいうウケ方してたら、こういうふうに脚光を浴びる時が来るんだって後輩たちも思ってさ。すごくいい効果が出るんじゃないの?

春日:まあ、やる気にはなるでしょうな。

 

 

M-1グランプリ2018の感想

若林:「春日さん、若林さん的に、今年のM-1で、このコンビ面白かったというのは誰でしたでしょうか?ちなみに僕はかまいたちさんが一番好きでした」というのが来てますけど、春日さん、どうですか?

春日:誰がおもしろ、誰、まあ、まあ、みんな面白いよね。その中でもっていうことでしょう。ネタでっていうことですか?

若林:うーん、まあ、「このコンビ面白かったなっていうのは誰でしたか」っていう。ネタっていうか、ネタ以外だったら何だろうなってちょっと思いますけど。

春日:ネタ以外だったら、待機ルームのスーパーマラドーナの田中ちゃんでしょう。あれはもう素晴らしい!と思いながら毎回観てたけどね。

若林:凄かったなあ。

春日:テッテレーのあれは本当にすげぇなと思いながら。ネタはね、もちろんみんな凄いけどさ。

若林:ボケの人だよなあ。

春日:あそこで、一言で(笑)。

若林:大ボケだもんな。

春日:大ボケで、陣内さん呼び止めて(笑)。ちょっちょっ呼んで、テッテレー、ベルトが違うとかさ、あれは凄いと思ったよ。

若林:田中さんの無欲な感じでさ、音もたてずに射程圏内に入ってくる感じ。一発かますぜっていう気負いがないじゃない。テッテレーつったら、もう至近距離に入ってるっていうか、あれ凄いよね。かかっちゃうじゃん、ああいうことやろうと思っちゃったら。

春日:そうね、なんか残そうとか思っちゃうじゃない。

若林:やってて当たり前っていう感じが凄かったね。

春日:うーん、あれはまあびっくりしたけどね。

 

若林:あとは、どなたが春日さん、ネタのほうで言うと。

春日:ネタのほうで言うと、誰、誰でしょうね。かまいたちは面白かったね。

若林:かまいたちさん面白かったね。

春日:ポイントカードだけでね。

若林:面白かったなあ(笑)。

春日:あれは、うん、たまらんかったな。

若林:急に怒りだすとかとか、ほんとに(笑)、マジだもんね。

春日:マジ。そう。

若林:マジでそうなんだろうなって。

春日:そう。あれ、山内君がああいう人なんだろうなっていうさ。

若林:そうそうそうそうそうそう。山内さんね。

春日:感じするから、凄い(笑)よかったね。

若林:急にエンジンかかる山内さんのところとか(笑)。

春日:そうそう、そういう人なんだろうなっていうね。

若林:人が出てるっていうのはM-1はかなりありますもんね。

春日:(笑)面白かったね。ジャルジャルも面白かったしなあ。

 

若林:そうね。トム・ブラウンさん。

春日:トム・ブラウンさん。

若林:トム・ブラウンさんは凄かったな。

春日:トム・ブラウンさんて言っちゃったよ。

若林:俺ね、でもね、凄いね、初めての感情になったわ。布川のこと、結構飲んだり遊んだりしたことあるからかもしれないけど、あと、ゴンちゃんがめっちゃ布川のこと好きで可愛がってたっていうのもあるんだけど、凄いうれしかったなあ。なんかそういう気持ち。ハマカーンとHi-Hiは先輩っていうか、Hi-Hiは先輩だし、ハマカーンは同期みたいな感じだし。でも、次の日ずっと考えてたんだけど、ちょっと悔しかったね。あそこまで面白いと。

春日:トム・ブラウンが?

若林:うん。

春日:ああ、そう。

若林:あのね、審査員の方が理解できないけど面白いつって、それが凄い羨ましかったな。かっこいいっていうか、理解できないけど面白いっていうのが、なんだろうな、タイプ的にさ、自分たちが面白いってことを信じてることを貫いて、あの猛者たちの理解を超えた上で松本さんにあの点数つけてもらうって、世に出てくる出方としてかっこよすぎない?

春日:うーん、まあまあ、そうだね。

若林:なんかすごく、お客さんとの急所ここだなってテクニックで打ってくるっていうよりは、自分たちが面白いと信じてるんですっていう、それが凄い感動しちゃって、次の日悔しかったな。

春日:ハハハ(笑)まあ、そうだね。

若林:面白すぎてね。

春日:あんまりほかにないというか。

若林:かっこよかったなあ、それがすごいね。

春日:そうね。

若林:異様だったもんな、出てくる時からね。

春日:うん。

若林:ははは(笑)みちおのクマと布川のロン毛が。はははは(笑)みちおのクマ、ちょっと深かったよね、いつもより。はははは(笑)

春日:ハハハ(笑)いや、そうね。持ってった感じだもんな。力でね。

 

若林:結構、決勝戦、まあ、凄かったなあ。15年となると。霜降り明星さんの粗品君のツッコミは、ちょっとショッキングだったな。

春日:面白かったね。

若林:言い切るっていうか、2回に分ける、説明とツッコミになって、1発目のツッコミの後、説明で足すみたいな、2行に台本が、オードリーっていうか、なってるコンビって多いんだけど、突っ込んだ後、ナントカナントカ、いや、ナントカナントカじゃないかって言って次行くんだけど、その説明とツッコミが兼ねてさ、だから、あそこ1行減って、次のボケにもう行ってるし、ちょっとなんか、自分のこと、おじさんだなと思ったかな。ちょっと。ははは(笑)それを、いかに短くするかっていうのがナイツとノンスタと俺たちのレッドカーペットの時代の、レッドカーペットが1分だったっていうのもあって、フリと説明をいかにタイトにするかっていうのをすごく時代が流行ってたんだよね、あの時は。10年前。

春日:うん、うん、うん。

若林:だけど、あの言い切って次行って、ボケもやったら、説明兼ねて、もう次のボケに行ってるからさ。

春日:うん。

若林:で、あと、決勝戦、それぞれの武器がまたあったじゃない。台本凄い人もいるし、設定凄い人もいるし、漫才のああいう大会の隠しコマンドの熱とか、衝動っていうか、執着っていうか、熱だね。それが乗りやすいネタだったよね、霜降り明星さんのネタが一番、あの中だと。

春日:ああ、そうね。そうかもね。

若林:間とか演技のほうに意識が行くと、そこのクオリティがめちゃくちゃ高いから、熱ということをやると、熱演になっちゃうと、また違ったりしちゃうのもあるんだろうなあとかね。で、それ、M-1ぽいなと思ったし。

春日:うん、うん、うん、うん。

若林:なんかプラスアルファのところが凄い伝わってきたもんね。

春日:うん、いや、もうそうね。

 

若林:春日さん、決勝の3組どうでした?観てて。

春日:決勝の3組、まあまあ、やっぱり面白いのは当たり前だからね。それはね。甲乙つけがたしだよね、あそこまで行っちゃうとね。

若林:そうでしょうね。皆さんも悩んでましたもんね、審査員の方も。

春日:いや、難しい。審査員になったらと思うとぞっとしたね、私はね。

若林:自分が?

春日:そうね。あそこで審査員だったと思うと(笑)。

若林:(笑)普通にきてましたよ。「春日さん、審査員のオファーきたらどうしますか」っていうメールが。

春日:(笑)オファーきたら、受けるでしょうね、それはね。やってくれって向こうが言ってくるってことは、ある程度認められたということだから、断るっちゅう……。

若林:受けるのがいいんじゃない?

春日:光栄なことだから。

若林:トム・ブラウンはチョー羨ましかったな。「理解できない。何なんだ君たちは」って言われてぇーな。はははは(笑)

春日:うん。

若林:でも、俺達もね、大竹まことさんに「噛んで面白いってどういうことなんだ!」って言われたけどね。

春日:いや、そうよ。全然我々だって自信持っていいよ。松本さんにだって「エントリナンバーすら面白い」って言われたからね。胸につけてるね。

 

若林:でもね、トム・ブラウン一番頑張ったけど、うちの社員は本当にいい酒飲んだと思うよ。社員だけで。10年かかったから、システム変えて。

春日:まあ、そうだね。

若林:キングオブコント行ったことないよね、ケイダッシュステージ。おもしろ荘のあれにクロコップが選ばれたけど。コントで。ほんとにうれしかったと思うよ。

春日:それはうれしいでしょ、それこそ生え抜きみたいなもんだからね、トム・ブラウンは。

若林:そうね! 大介とか岡田とか吉見とかがマネージャーだから。

春日:ハマカーンとかはそもそも実力がね。

若林:あるからね。

春日:あって、人気があって入ってきてるわけだから。

若林:だってケイダッシュステージってどのぐらい世間の人に知られてるかっちゅう話になってくるね。

春日:いや、そうだね(笑)。いやあ、だから、あんま知られてないよ。聞かれるじゃない、ちょこちょこ。

若林:アダモを筆頭にっていうことになってくるから。

春日:そうね。アダモステがね。

若林:はははは(笑)。

春日:アダモステがやっぱりトップで引っ張ってもらってっていうところだから。

若林:はいはいはいはい、凄いね。

 

 

(エンディング)

若林:M-1は自分たちが出てきてから10年というのもあるんだけど、なんかM-1ていうのはやっぱ特別だね。

春日:まあ、そうね。

若林:M-1によって、命の恩人みたいなところ、あんだろうな。

春日:まあ、そうだね。

若林:あるなあ。

春日:うーん、でかいイベントですよ。

若林:でさあ、あの辺の、M-1とか目指してんじゃない、やっぱりあの時代はさ。

春日:まあ、そうですな。

若林:思い出して、漫才だけやってたなあと思って。

春日:うん、うん、うん、うん。まあ、そうだね。

若林:だって、エッセイ書いたりしてなかったもん、あの頃は。

春日:ふふ(笑)まあ、そんな余裕というか、そんな時間はないだろうね。

若林:でね、全国ツアーではネタやらせてもらってるけど、10分、15分、20分になるじゃない。

春日:はいはい。

若林:エッセイ書いてるでしょう。

春日:うん。

若林:司会なんかもやらせてもらったり、パネラーとしても座るし、たまに大喜利の番組に出させていただいたり、うーん、ラジオもやるし。

春日:はいはい。

若林:うーん、ちょっと多いなと思ってて。

春日:多い?

若林:うん。

春日:何がですか?

若林:もともと器用なタイプじゃないから、全てを一流にやってる人もいるから、逆に言いにくいんだけど、1カ所を掘り続けるみたいな性格なことはだんだんわかってくんのよ。もういろんなことしてたり、興味あったり、俺しないからさ。

春日:うん。

若林:幾つかに絞りたいんだよ。

春日:はあ。ちょっと多いと。種類が。

若林:多い。多くないか? なんかいろいろできなきゃダメじゃないか、マルチに、今。

春日:まあ、そうだね。そんな器用じゃないと。

若林:絞りたいからね。

春日:どうする? 何? 幾つぐらいに絞りたいの? どれぐらい減らしたいの?

若林:2個にしたいわ。

春日:2個にしたいということ? それ、何と何よ?

若林:だから、どうする、どうすればいい? 2個選ぶの。その2個をすごく毎日一生懸命研究してやりたい。

春日:うんうんうん。

若林:でも、それじゃ、いま、時代的に残れない。

春日:まあ、そうだね。

若林:どうすればいいの?

春日:どうすれば……。

若林:いろんなことできて、いろんなことできなきゃダメ。昼の番組も、夜も、深夜も、ライブも、エッセイも、いろんなこと、こんな器用な人間じゃないの、もともと俺は。

春日:うん、うん、うん。

若林:絞らせてくれよ。

春日:(笑)それは、絞る宣言しちゃったら、それでいいんじゃないの? 大変だろうけどね、それはそれで。

若林:なんかそう思ってんだろ? どれも2.5流だなみたいな目してんな、お前? おい!

春日:いや、しちゃない。

若林:笑ってんじゃないかよ!

春日:いや、笑っちゃないよ別に。

若林:じゃ、どう思ってんのよ?

春日:えっ?

若林:どう思ってんの?

春日:手広くやられてるな。

若林:(笑)もうイジちゃってんじゃん。いいかげんにしろ!お前!

春日:ハハハハ(笑)

若林:お前に言われたくないしな、手広くやってるなって(笑)。

春日:ご自身がおっしゃるからさ、確かになっていう意味で……。

若林:おやすミッフィーちゃん。

春日:この後また夢でお会いしましょう。アディオス。