第1話モノローグ
その殺人事件が起こったのが今日だったことは
何かの運命なのか
「教育を改革する」それがこの硬直する社会を変えるために必要だということは誰もが分かっているのに
そのための本丸であるはずのここは
こんな事件にもやけにはしゃいで野次馬を決め込んでいる
自分がその事件の主役になってしまう可能性を
実際なるまでは誰も考えようとしない
君は今
社会のひずみの責任を一身に背負わされ
そこで一人きりだ
その孤独を僕は見捨てない
帰るべき場所を君も探している
君たちの中に眠っている可能性が僕を導く
泥水をすする覚悟ならできている
あなたの声にならない叫びを聞こえないことにしない
愛と憎しみはとても近くにあると
あなたに教えられた
僕は行く
御上先生最後の一言
この一年、僕は一つのことだけを君たちに言ってきた。「考えて。自分の頭で」と。「考えて」と君たちに言うたびに僕も考えた。これはもう無理かもしれないと何度も思った。
この一年は、僕が考えていたよりずっと困難な一年で、君たちは、そのたび、信じがたい解決策を導き出してきたね。
君たちは気づいていないかもしれないけど、君たちが、例えば東雲さんのために、椎葉さんのために、千木良さんのために、導き出した一つ一つの答えが、国の大きな問題を白日の下に引きずり出した。こんなことが可能なのだと君たちが僕に教えてくれた。それは、『パーソナル・イズ・ポリティカル』、その言葉の見事な具現化だった。
でもね、僕は思うんだけど、結果としての解決は素晴らしい。でも、もっと素晴らしいのは、君たちの中に、今、人生かけて考えるべき「答えの出ない質問」が数え切れないほどあるということだ。その質問は、時に投げ出したくなるほど大変で、絶望することもあるだろう。
でも、その時に思い出してくれたら嬉しい。ここに、君たちの頭の中にあるということを。誰より楽しみにしていた人間がいるということを。だって、君たちの頭の中の「答えの出ない質問」は、未来そのものなんだ。そして、君たちが苦しみの中で選びとる答えは、きっと弱者に寄り添うものになる。
君たちならできるよ。僕はそれを信じてる。
卒業おめでとう。
第10話モノローグ
君は今
自分の罪を背負いきるために
ようやく取り戻した心を抱えてそこに立っている
何度でも立ち返る
教育とは一体何だ
そして
僕は行く
毎週楽しみにしていたドラマが終わってしまった。私の頭では理解の及ばないところもあったけれど、毎話、考えさせられるテーマだった。毎回余韻に浸っていた。何があっても生き抜かなきゃね。