『孤狼の血LEVEL2』は松坂桃李と鈴木亮平のラブストーリー

 

赤江珠緒たまむすび 2021年8月3日

 

赤江珠緒:この時間は、映画評論家、町山智浩さんの「アメリカ流れ者」。今日は、ご自宅のあるカリフォルニア州バークレーからのご出演です。

もしも~し町山さ~ん。

山里亮太:もしも~し!

町山智浩:はい、町山です。よろしくお願いします。

赤江:今日は久しぶりの日本映画ですね。

町山:そうですね。今日は東映の映画ですね。『孤狼の血LEVEL2』という映画についてお話しします。

孤狼の血」というのは、「孤狼」というのはなんだって、ラジオって難しいですね。

赤江:確かにね。孤独の孤に狼でございますね。コロウ。

町山:そうですね。孤独な狼という意味なんですけど、一匹狼のことですね。「LEVEL2」で続編なんですが。1作目は、役所広司さんが一匹狼の役を演じたんですね。名字が大上(おおかみ)というんですけど。

彼は悪徳刑事だ言われている刑事で、ヤクザとつながって賄賂を受け取ったりしていると言われて評判が悪かったんですけど、その大上刑事とコンビを組まされたのが、ものすごく真面目で正義感が強くて、若いエリート警官の松坂桃李さんなんですね。役名は日岡というんですけれども。それが1作目だったんです。

ご覧になってます?

山里:はい、観ました。

赤江:観ました。

山里:凄かったですよね。

町山:ねえ。最初、役所広司さん扮する大上が、悪の限りを尽くしているように見えるんですよね。日岡は、松坂桃李さんは、最初は彼を軽蔑していて、憎んでいるんですけど、汚れた刑事だなと思って。ところが、だんだんわかってくるのが、役所広司さん扮する大上刑事は、ヤクザの中に入っていくことでヤクザをコントロールしようとしていると。

赤江:そうなんです。だから、悪と正義の線引きがね。難しいというのがね。

町山:そう。非常に難しいんですね。善悪を超えた形で、ヤクザ同士の抗争を何とかコントロールしようとしているんですね。だから、一言で言うと、毒を盛って毒を制す。悪を持って悪を制する正義の刑事が大上刑事だったんですけれども、非常に危ない橋を渡っているので、警察からもやくざからも狙われて、結局殺されてしまうんですね。

赤江:そうなんですよ。

山里:エグい殺され方するんだよね。

町山:凄い殺され方をするんですけど。その死を知った日岡は、実は大上は正しかったということを知って、彼の孤狼の血ね、一匹狼の血を引き継いで。

山里:はあー。

町山:やくざ同士を戦わせて潰していくという話が1作目だったんですね。

孤狼の血』という映画は、東映で作られた映画であることが非常に重要なんですよ。これは、白石和彌監督の東映ヤクザ映画、実録ヤクザ映画へのオマージュとして作られているんですね。具体的には、『仁義なき戦い』シリーズですね。

赤江:そうですね。だから広島か。そうか。

町山:そうなんです。広島と呉が舞台なんですけども。東映の三角マークで、ドバーン!と波が打ち寄せる、あのオープニングがないと、この映画は全然意味がないんですけども、あれでグワーッとくるんですよ。で、その続編が今回の『LEVEL2』なんですね。

既に松坂桃李さんは、日岡は、もうすっかり孤狼になって、不良刑事になってます。

赤江:あの日岡君が。

山里:なるんだ。

町山:そうなんです。バーのママさんを恋人にしてるんですが、バーのママさんをやってるのは、(元)乃木坂の西野七瀬さんが演じているんですけども、その彼女を愛人にして、その彼女の弟をやくざの組に無理やり入れて、スパイにして情報をとっているという酷い男というか、悪と正義のギリギリのところをいっている刑事なんですね。

で、その彼がせっかくそうやってヤクザをコントロールしているのに、バランスをとっているのに、そのバランスを壊す男が出てくるんですよ。それは、鈴木亮平さんが演じる上林という男なんですが、彼が刑務所から出てくるんですね。彼は、ものすごく凶暴なので、刑務所の看守たちが面倒くさくなって出しちゃったんですよ。

山里:(笑)

赤江:えっ、そんな?

町山:そういう奴なんですね。ムショから出てきたその足で、自分を苛めた看守の家族の家に行って、家族を殺しに行くんですよ。

赤江:えーっ!

町山:そういう殺人マシーンなんですね。鈴木亮平。で、彼が敵だろうと味方だろうと、自分の兄貴分だろうと、親分だろうと、片っ端から殺していくと。

赤江:えっ、味方まで?

町山:味方まで。自分の兄貴と親分も全部殺しちゃうんですよ。

赤江:えーっ?!

町山:めちゃくちゃになっていくという話なんですね。それが今回の『LEVEL2』なんですよ。とにかくこの映画、鈴木亮平さん演じる上林が凄いんですよ。これね、髪形が写真で見るとわかるんですけども、もみあげを全剃りして、鈴木さん、ちょっと耳が尖ってるんですね。

赤江:ああ、ホントだ。

山里:ああ、たしかに。

町山:すごい独特の怖い悪魔的な感じになってるんですよ、今回。

山里:たしかに。

赤江:剃り上げた上にパンチパーマっていう感じですか?

町山:そうなんですよ。で、凄く冷たい目をして、片っ端から、ヤクザの上下関係とかを無視して殺しまくるんですね。

赤江:はー。

町山:それだけじゃなくて、ヤクザって、普通、金儲けが重要じゃないですか。

山里:はい、はい。

町山:シノギと言われるね。それと、ヤクザ同士の中で出世していくことが目的じゃないですか。

赤江:うん。

山里:はい。

町山:そういうことを全然考えないんですよ。この上林というのは。とにかく全部殺しちゃうんですよ。片っ端から。

山里:一番ヤバい奴だ。

町山:一番ヤバい奴なんです。「ヤクネタ」と言われるんですね。ヤクザ業界ではこういう人をね。東映のヤクザ映画史上、最も凶悪なヤクザの中に入るぐらいのキャラクターですね。一番凶悪と言われているのは、『仁義の墓場』で渡哲也さんが演じた石川力夫という実在のヤクザ。

山里:はい、はい。

町山:ご覧になりました?

山里:はい、観ました!

町山:これ、凄いんですよね。親分でも殺しちゃうし。超アナーキーなんですけれども、彼が一番最強と言われているんですね。

2番目が、『仁義なき戦い 広島死闘編』に出てくる千葉真一さんが演じた大友勝利というヤクザなんですね。

山里:あー、はいはいはい。

町山:これは、凶暴というか、でたらめなんですよ、この人。木刀を振り回して、いつも暴れてるんですけど、とにかく粗暴で下品で、一番問題なのは、千葉真一さん演じた大友勝利のセリフはラジオで絶対に放送ができないんです。

山里:はい、わかります。あれだなっていうの。

町山:凄いんですよね(笑)。まあ、言えないの。俺でも言えないんですよ(笑)。

赤江:あはははは(笑)

山里:相当ですよ。町山さんが言えないって。

赤江:そうですね。

町山:言ったら人格を疑われるようなセリフを言っているんですけど、この2人が最も凶悪と言われているんですが、そこにかなり肉薄しているのが今回の鈴木亮平さんですね。

山里:凄いな。

赤江:凄いですね。

町山:ものすごく強くて、ヤクザも警察も彼を止めることができないんですよ。

でね、白石和彌監督にインタビューしたんですけど、彼ね、「この映画は基本的にヤクザ映画というよりはゴジラ映画みたいなものです」って言ってました。

山里:はあ!

町山:ゴジラっていうのは、登場すると、それを食い止めるために人間たちがいろんな新兵器を作ったり、いろんな作戦を使って、何とかゴジラを食い止めようとするじゃないですか。あれのヤクザ版であると。

山里:わあ、観たい!

赤江:じゃ、善も悪もなく、全て破壊っていう。

町山:そう。全て踏み潰していく鈴木亮平を何とか止められないのかっていって、メカゴジラとか作っていくんですけど、この映画の場合にはその役が松坂桃李さんなんです。

赤江:ははは(笑)鈴木亮平さん凄いですね。

町山:そう。松坂さんもね……。

赤江:『西郷どん』やったり、救命救急医で。

町山:そう。救命して人の命を救ったかと思うと、こっちで殺してバランスをとってる人なんですね。

山里・赤江:(笑)

赤江:なんの帳尻ですか?みたいな(笑)。

町山:帳尻合わせてるんですけど。

でもね、松坂さんもね、敵が怪獣だったら、彼、侍戦隊ですからね。

赤江:ああ。

町山:シンケンジャーだから。

山里:あ、そっか。

町山:止められるんじゃないかという話になってるんですけど(笑)。

とにかく1970年代の実録ヤクザ映画へのオマージュでもあるんですけども、白石和彌監督はもう一つ、今、目標にしているのが、香港とか韓国映画の韓国ノワール香港ノワールなんですよ。もともと、あっちは日本のヤクザ映画を真似して始まったんですけどね。ジョン・ウー監督とか、韓国のヤクザ映画って。でも、向こう、超えちゃったんですね、完全に日本の映画をね。やっぱりアクションが凄まじいんでね。それに何とか迫ろうとして、逆襲しようとして、白石監督、今回、もの凄く頑張ってるんですよ。

でね、ちょっと言えないんですけれども、普通に話しているかと思うと、ガッとアクションが入るという、それをワンショットの中でやるとかいう形で、次々とびっくりさせて、全く飽きさせないという映画になってますね。

でね、もう一つは、日本映画独特のよさというのは、アクションとかでは香港映画、韓国映画に負けるかもしれないけど、カーチェイスとかでは。ただ、日本のヤクザ映画の最大の魅力というのは、脇役たちの面白さなんですよ。

赤江:ああ、うんうん。

山里:ああ、なるほど。

町山:ヤクザが怖いだけじゃなくて、みんな一癖も二癖もあって、ものすごく人間臭いんですね。群像劇になっているんですけど。先日亡くなった田中邦衛さんなんか、まさにそういう人で、『仁義なき戦い』で本当にずるくて卑怯で、最低の役をやっているんですけど(笑)。

山里:嫌な奴だった。

町山:そう。で、物凄く弱いんですよね。でも、一番面倒くさい奴なんですよ、ずるくて。

山里:そう。

町山:ああいうのが、要するに、強さだけじゃなくて、一番困った奴みたいなのが出てくるんですね。その面白さなんですけど。

今回は、すごくみんな俳優がいいんですよ。さっき言った、西野七瀬さんの弟で、ヤクザの組に入れられるチンピラの役をやっているのが村上虹郎さんという人なんですけども、彼が、どんどんヤクザと警察の間で、日岡との間で板挟みになって、大変な事態になっていくんですよ。それが物凄く切なく描かれてて、これは昔の東映仁義なき戦い』シリーズで必ず出てくるチンピラの悲劇という定番なんですけども、これが泣かせるんです。

赤江:彼は結構、高校生役とかも観てましたけど、弟としてヤクザに、組に送り込まれるんですね。

町山:そうなんですよ。その彼がね、物凄く切なくて素晴らしいですね、今回。

あとね、日岡、要するに不良刑事ですよね。松坂桃李さんの相棒に抑え役としてベテラン刑事がつけられるんですよ。それが中村梅雀さん。

山里:ああ。

赤江:中村梅雀さん。

町山:そう。非常に味のあるね。「いやぁ、ほんと、困るんだよ、君みたいな人は」みたいな感じで。奥さんが宮崎美子さん。

山里・赤江:ああ。

町山:でね、日岡というのは両親がいないらしいんですね。その彼を息子みたいに可愛がって、中村さんと宮崎さんが自分の家に呼んで手料理を食べさせてくれたりするんですよ。その家族団らんみたいな場面は、この殺伐とした映画の中で唯一ほっこりするシーンなんですけど、これが後で大変なことになってくるんです。

山里・赤江:えーっ?!

赤江:その唯一のオアシスみたいなのが、えー!

町山:そう。

あと、吉田鋼太郎さんがヤクザの親分をやってるんですけども、吉田鋼太郎さんて最初結構怖い、カッコイイ役で出てきた人ですけども。

赤江:強面というイメージですね。

町山:最近、いろいろキャラが、本人の素が結構バレてきて、三枚目になってきてますけども(笑)、今回もね、非常に卑怯でずるいタヌキ親父役で、めちゃくちゃ笑わせてくれるんですよ。

山里・赤江:へえ。

町山:これは『仁義なき戦い』における金子信雄さんみたいな役をやっているんですね。

赤江:ああ、あれ。

山里:ああ。

町山:これがまた非常に味があっていいんですけど。

あとね、寺島進さん。

山里:欠かせないですね。

町山:寺島進さんという人は、「オラァ!」とか言ってるんですけど、この人、結構ヤクザ映画とかそういうのに出ると、苛められ役なんですよ。

山里:ああ。

赤江:そっか。

町山:『殺し屋1』という映画があるんですけど。

山里:はいはいはい。

町山:観ました?

山里:観ました。

町山:あれで全裸で寺島進さんがかぎ針を体じゅうに刺されて、天井から吊るされて。

山里:はいはい。油かけられるやつ。

町山:そう。浅野忠信さんに煮立った油をかけられるっていう。

赤江:え~。

山里:あ、あれ寺島さんか。

町山:酷い拷問コメディみたいのやらされてましたけど。

山里:はいはい。

町山:ダチョウ倶楽部みたいな仕事をしてましたけど。

山里・赤江:はははは(笑)

町山:今回の『孤狼の血』でも、また酷いことをされてますよ、寺島さん。

赤江:ああ、そうですか。

町山:「テメェこの野郎!」とか言ってるんですけど、酷い目に遭ってるっていうね。

山里:はいはいはい。

町山:これは東映のヤクザ映画だと川谷拓三さんがやるような役なんですね。

山里:ああ。

赤江:ああ、はい。

町山:川谷拓三さん、手を縛られた状態で走るボートから海に突き落とされたりしてますからね。

赤江:そうだ!

町山:東映のヤクザ映画で。

赤江:そのシーン観た。

町山:あとね、音尾琢真という俳優さんがいるんですよ。彼がやってる役が、スケベでインチキな、ヤクザから社長になった男の役をやるんですね。強い奴にはペコペコして、秘書とかのケツは触るっていう最低の男なんですよ。これは完全に山城新伍さんなんです。

赤江:ははは(笑)

山里:はあ。

町山:山城新伍さんはいつもこういう役でしたね。

山里:そうですね。

赤江:オマージュですね。

町山:そう。あとね、中村獅童さんがね、非常にインチキな、ギリギリのところでやってる「トップ屋」って昔呼ばれたような新聞記者を演じてるんですね。人を隠し撮りして、それをうまく使って金儲けしようとしているような奴として出てきて、この辺も非常に最近の映画にはない、昔の東映らしいところなんですよ。正義と悪とどっちかわからないっていうね。

赤江:配役いいですね、伺うと確かにね。

町山:いいんですよ。凄くいいんですよ。今回の配役。

あとね、滝藤賢一さん。

山里:ああ、いいですね。

町山:がね、広島県警のエリート、いわゆるキャリア組なんですね。東大か何か出てるっぽいんですよ。これはね、東映のヤクザ映画だと佐藤慶さんが必ず演じる役なんです。で、実は本当は父っていう話なんです。

山里:ああ。

赤江:えっ?

町山:これは、東映のヤクザ映画に出てくるキャリア組っていうのは一番悪いんですけどね(笑)。そういう決まりがありまして。

で、かたせ梨乃さん。もちろん極妻ですよ。

赤江:あ、そうですか。

町山:これは決まってますね。

赤江:そこはやっぱり。

町山:これはね、絶妙なんですよ、キャスティングが本当に。

山里:たしかに。

町山:でね、今聞いてもわかるように、全員海千山千じゃないですか。

山里・赤江:はい。

町山:それこそさっき言った、チンピラが刑事のスパイとしてヤクザの中に潜り込んでたり、全員が二面性があるんですよ。全員が裏表があって、誰かが必ず誰かを騙してる。そのまんまの、見たまんまの人って1人もいないんですよ。

赤江:ああ、そっか。

町山:いいと思った人が悪かったり、悪いと思った人がよかったり。その中で、全く裏表がない人が1人だけ出てるんですよ。『孤狼の血 LEVEL2』では。1人だけ裏表がないのが上林なんです。

赤江:まさかの鈴木亮平さん?(笑)

山里:おー!

町山:鈴木亮平さん。だって、何もかもぶち壊してやるって言って、本当に何もかもぶち壊してますから、有言実行なんですよ、この人だけ。

という凄い映画になってるんですよ。

山里:観たいなぁ。

町山:じゃ、まあ、これ酷いんじゃないの?っていう、それこそ鈴木亮平さんのファンとか、松坂桃李さんのファンとか、話聞いていると、こんなもの観れないわという人もいると思うんですよ。

赤江:直視できるかなっていうね。

町山:これ、直視できないんじゃないの?って。たしかに残酷シーンも凄いんですけど、これは、なんか私は松坂さんすごく好きだけど、ちょっと怖いわという人もいると思うんですよ。鈴木さんすごい好きだけど、ちょっと怖いっていう人もいると思うんですよ。でもね、我慢して絶対行ったほうがいいです。

赤江:あっはっはっはっ(笑)

山里:我慢?

町山:我慢して。これね、実はね、鈴木亮平扮する一種のモンスターがいるわけですね。このモンスターはどうしてモンスターになったかというと、本当に可哀想なことが子どもの頃にあったんで、そうなってしまったんですね。哀れな男なんですよ、実際は。本当は彼は荒ぶる気持ちを誰かに鎮めてほしいんです。でも、あまりにも強過ぎて、誰も彼を倒せないんで、どうしようもないんで暴れてるんです。

赤江:なるほど。

町山:これ、怪獣映画における怪獣なんです。

赤江:ホントだ。ゴジラだ。

町山:白石和彌監督ね、今、『仮面ライダーBLACK』を進行させてるんですけど、その辺はすごく通じるところがあるっておっしゃってましたね。

で、このどうしようもない暴れる荒ぶる魂を何とか鎮めてやろうとする人が、狼の血を継ぐ者、日岡なんですよ。

山里:はあ!

町山:だから、この映画、実は、松坂桃李鈴木亮平のラブストーリーなんです。

赤江:はっはっはっ(笑)おー!

町山:本当に。いろいろあったけれども、最後は2人きりになりますよ。

赤江:えー?

町山:で、愛を交わすんです。

赤江:えー?

町山:なんか、違うもの刺したりとか、いろいろするわけですね。

山里:えっ? ちょっと待って。

赤江:えっ?

町山:という大変な映画なので、はっきり言ってBLなんで。

赤江:えっ?

町山:我慢して、ファンの人は観にいったほうがいいと思いますよ(笑)。

山里:なるほど! いやあ、観たいわぁ。

赤江:1とはまた全然違う感じに展開が。

町山:全然違うんです。今回、オリジナルなんですよ、原作なしで。

赤江:うーん。

町山:だから、その先に行く行き先が誰にもわからないんですよ。

山里:なるほど。

赤江:そういうことか。

町山:ここも素晴らしいなと思いますね。

孤狼の血』というタイトルが、狼が1人しかいなくなってしまった。日本に狼はどこに行ってしまったんだっていうタイトルでもあって、それは、今、日本映画がこういったアクション映画とか作らなくなってきているんですよね、だんだんね。ましてやこういった、今言ったような凄まじい物語というのはだんだんだんだん作られなくなって、高校生のラブストーリーみたいなものばっかりになっちゃったんですけども、「狼はどこに行ったんだ。日本にも狼がいたはずじゃないか」というのは、白石監督たちの日本映画に対する叫びでもあるんですよ。だから、最後の狼の映画ということで、ぜひ『孤狼の血 LEVEL2』観にいっていただきたいなと思います。

赤江:『孤狼の血 LEVEL2』は、8月20日から全国で公開されます。

そうですか、町山さん大絶賛ということで、ありがとうございました。

町山:どうもでした。

 

 

桃李さんは、『JAF Mate』でカーチェイスを「2人のドライブデート」と言い、『キネマ旬報NEXT』で後半の立ち回りは「愛し合っているような気さえしたほど。もはや恋人の気分」と言い、鈴木亮平さんの絵に至っては、もうこれは愛だな、と。

サプライズのノーカット版が見たいですね。

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