西田敏行:映画づくりというのは、一つの交響曲を奏でるのと非常に似たところがあると思います。今回、この『マエストロ!』の製作に携わったスタッフ、キャスト、すべてオーケストラにたとえてみると、やはり、この作品のコンサートマスターは松坂桃李君だったというふうに思います。本当にすばらしい、すばらしい努力と、情熱と、集中力を傾注して。
この映画製作に携わって、今日の日を得るまでに1年8カ月を要したということをここで申し上げたいと思います。日々、撮影を離れていた時でも、片時もバイオリンを離さず、絶えず、絶えず、いつも練習している松坂君の姿を見た時に、胸が痛くなるというか、胸が締めつけられるような思いの中におりました。
彼は、たぶんこれから、今、弱冠26歳ですけれども、人間の気力と体力というのは、重なると、37歳が一番ピークだということらしいですね。それからゆっくりと放物線を描いて下降していくということらしいんですけれども。ですから、あと10年ありますよ。彼がキャリアを積むまでに。37までに。これからどんどんどんどんいっぱいキャリアを積んでいただいて、この日本の映画界を牽引する一人の俳優として、ビッグな俳優として成長し続けてほしいというふうに心から願っております。皆さんも応援してあげてください。よろしくお願いします。
2019年の第42回日本アカデミー賞授賞式
— imayuu (@imadokiyuuka) 2020年10月2日
いろいろとご縁がつながってる pic.twitter.com/H3YZWwaWbj