菅田将暉のオールナイトニッポン 2018年9月17日
ラジオネーム:ツヨシン
怖い話していい? これね、昨日のことなんだけど、友達と4人で「出る」っていう噂の廃校に行ったの。しかも山奥。うん。軍事施設の跡地に学校建てたんだって。いかにもじゃん?
でさ、夜中に車走らせてさ、着いて、真っ暗よ。でさ、懐中電灯照らしながら入ったの。それで、噂の「出る」っていう場所が、入り口から室内フットサルコートを抜けて、吹き抜けになった連絡通路を通って、スカッシュのフロアから螺旋階段上がったところにある、パソコン室の手前のエレベーターホールがヤバいらしくて、で、まあ、行ったんだけど、なんもなかったわけ。
で、写真だけ撮って帰ろうってなって車乗ったら、窓の内側に子どもの手形がめちゃくゃついてたの。うん。どう? この話。
うーん、そうなんだよなあ。廃校がさ、めっちゃ私立なんだよなあ。うーん。軍事施設とかも関係ないし、そうなんだよなあ。そうなんだよなあ。子どもの手、めちゃくちゃ急だよな。いやほんと、なんか、ゴメン。
(続く)
ラジオネーム:ガイルガーゴイル
伸びすぎたヘチマの蔓に両手両足を封じられて1週間。隣で寝ていたじいちゃんは、ヘチマに取り囲まれ、ヘチマへと姿を変えた。覚悟を決めた僕は、最後の力でじいちゃんを収穫した。そして、せめてもの供養として、じいちゃんヘチマにかぶりついた。
しかし、現実は残酷だった。苦い。ゴーヤだった。
信じていた世界が崩れ去ると、人間は脆い。あっけなくゴーヤとなった僕は、この世を恨み、そして復讐を誓った。
僕、ゴーヤ改めボーヤは、全長2000メートルまで生長する。ボーヤの蔓は、街を縦横無尽に駆け回り、破壊の限りを尽くした。しかし、所詮は一人。最後は自衛隊によって駆除されてしまった。が、これで終わりではない。始まりなのだ。
ボーヤの種たちは、地中奥深くで生きている。そう。僕、いや、僕たちはまだ死んではいないのだ。
(続く)