春日語が世に出て恥ずかしかった話

 

佐藤満春in休憩室 2020年3月21日

 

水曜日のダウンタウン』という番組に出させていただいて。出させていただいたというか、出させていただいたんですけれども、恥ずかしい思いと、基本的には嬉しい。嬉しさもあるんだけど、恥ずかしさがあるロケになりまして。

どういうことかというと、『水曜日のダウンタウン』というのは、何々説というのを立証して検証する番組じゃないですか。その時は、「今もう着く」って言いまくって、話術があれば相手が何時間でも待つ説、みたいな、ちょっと正しい文言はこんなんじゃなかった。大体こんなようなやつ。相手と待ち合わせしている時に、「もう着くから」と言っているとずっと待つ。話術があれば待たせることができるんじゃないか、という説の検証だったんです。

だから、僕はドッキリに引っかける側。引っかかるのはオードリー春日。プライベートで呼び出して、「今着くから」ということで延々何時間待たせられるかというロケだったんですよ。非常に楽しそうなロケで。

たまに新橋で飯食うことがありますので、いつもどおり新橋SL広場で19時に約束だけ取り付けて。ロケ車で春日さんの様子を見ながら、連絡を取りながらやるんですけど、「もうすぐどこどこに着くよ」とか「浜松町のゴールドジムから向かってるよ」みたいなLINEがどんどんきてて。

一回電話かかってきたんだったかなあ、こっちからかけたんだったかなあ。最初の電話よ、要は。その時にはたと気づくんですけど、僕と春日さんていうのは、オリジナルの言語“春日語”っていう言葉で喋っているんですよ。つまり、春日語を喋らないとロケが成立しないということに、回し始めてから気がつくんです。しかも、向こうにドッキリでと悟られないようにしなきゃいけないから、ゴリゴリの春日語を使っているところを、何の説明もせずに、なんにも知らないスタッフさんの前でやらなきゃいけないっていう状況に気づくわけです。

最悪でしょ? 急に、わけわかんない奴がオリジナルの言語で「ごんすなー」とかって言うんですけど、「イピス、イピス、イピス。ヘイ、ヘイタ」とかって言うんですけど、それ、急に言い出すんですよ。しかも、この番組、『水曜日のダウンタウン』じゃないですか。ダウンタウンさんに聞かれるんの?これっていう。

クラスの3軍、4軍の奴が端っこで、友達いなくてオリジナルの言語で喋ってる奴がいたじゃないですか。つまんない奴が。それなんですよ、俺たちがやってるのは。わかっててやってるんですよ、もちろん。俺たちだけしかわかんないから。息抜きみたいなもんですよ。

だけど、もう15年ぐらいそんなことをやっているから、キャッチボールを2人でしかしないから、濃度がどんどん濃くなっていくわけじゃないですか。もともと、わけわかんない言葉なのに、どんどん雪だるま式にわけわかんない言葉になっていくの。

で、その時に会話をして、本当は、「今着くから」だけ言って、相手が待つっていう検証なんだけど、1個目の電話の時点で、スタッフさんに「え?な、な、な、なんすか?今の」ってなっちゃって、「そうなりますよね」つって、今のを淡々と説明するしかないの、これは。

「これは、春日さんと僕で使っている通称“春日語“という言語になりまして、我々はオリジナルの言語で喋っています」と。「えっ? どういう意味ですか、今のは」。「「HEY!たくちゃん」「ヘイタ」「ヘイ」っていうのは、「わかったよ」とか、そういう意味ですね」と。「「オブです」って何ですか?」「「オブです」は何という意味でしたっけねえ。「よろしく」とか、そんななんっすよ」「えー?」。うわあと思いながら。

何回かLINEをやりとりとして、春日は「待ってて」っつうと待つ男ですから、ずっと待ってるんですけど、たまに連絡が来るわけですね。「今どうしてんの?」とかつって。で、電話をしてみましょうといって電話をすればするほど、向こうは普通の電話だと思ってるから、ゴリッゴリの春日語でくるんです。

で、もう、僕もしょうがないです。いつもどおり春日語で会話をして、「ごんすなTV」とかつって喋って。で、電話を切って、「なんすか?今の」ってまた言われて。「早く帰れよ!」とか思いながら、春日に。ロケが、待ち続けると、「この後何度春日語で喋んなきゃいけないんだよ!」と思いながら。

そうしたら、ずっとあいつが3時間ぐらい待ってたのかな。充電が切れるっていうことで、春日語で言うと「充の電が切れ男」になるっていうので移動したので、企画が終了になったんです。その後、ネタばらしがあって、恥ずかしいなあなんて思いながらさ。

その後、2人で飯食いに行って、「これは事だな」つって。「これが世間様にバレるというか、テレビで放送されるのは事だな」って言って。「特にダウンタウンさんに見られるのだけは本当に恥ずかしい」。ダウンタウンで育ってますからね、こっちは。

それで、まあ、何とかなるのかな~どうなの?と思いながら、放送を見て、俺と春日が会話しているところに、全部テロップで日本語訳を入れてくれてたんですけど、マジでわけわかんなかったね。気持ち悪かった。あれはもう「気持ち悪い」でいいでしょう。わけわかんなかったなあ。

でも、「オブです」が「よろしく」という言葉になっていると説明しましたけど、それももともと「よろしく」でも何でもなかったんですよ。語源が。何かというと、「アウトオブ眼中」という言葉があったじゃないですか。「眼中にない」ということを「アウトオブ眼中」と言っていたじゃないですか。春日語で喋ってる時に、「全然眼中にない」とか「関係ない、そんなこと」ということを「アウトオブ眼中」と言っていたんですよ。あの時言っていたつまんないことをもう一回改めて言うと面白い、みたいな。つまんな過ぎて面白い、みたいなところに、その当時、「アウトオブ眼中」というワードがハマって、「アウトオブ眼中」から「アウト」と「眼中」が削ぎ落とされたの。なんか知らないけど。「オブです」って残ったの。意味は、「関係ねえ」とかそんな意味でもなくなって、合いの手で「オブです」って言うようになったのよ。

で、「オブです」になったんだけど、「オブです」の語源が思い出せなかったのよ。ディレクターさんに「どういう意味ですか?」って聞かれて、「よろしく」みたいなことですねって。「語源何ですか?」と聞かれて、「何でしたっけ」。そこで春日と話して、ずっと、ぐーっと考えて、「あ、アウトオブ眼中だ」ってなったんですよね。

誰か言語の歴史を研究している人に、一回材料として扱ってみませんか?とは思うね。春日語というものを。

春日語は、これまでもいろんな番組で、そんなことをやってるつったら、気持ち悪いってなって、取り上げてくれるってなったこともあるんですけど、大体カットされるのよ。つまんな過ぎて。今回はカットのしようがないから放送されましたけど。

うーん、なんというか…。

僕は基本的に春日と喋るときに、お互いそうなんだけど、1ミリも脳みそなんか使いたくないんですよ。ちゃんとした日本語でちゃんとした会話なんかしたくないの。だから、「ごんすなー」とかつって、これを「イピー」ってしてると「アピスだな」とかって言ってるぐらいがちょうどいい。なんで春日相手に脳みそをちょっと使わなきゃいけないんだよということ、屁をこいてたい、ということなんだと思う。気持ち。向こうもそうだと思うし。

というのがあって。ということなんだよなあ。

これが世に出てしまって、これ、結構、あの番組、業界関係者が見てるから、いろんなところで言われましてね。恥ずかしさ…まあ、嬉しいですけど、『水曜日のダウンタウン』に出れるっていうのはね、嬉しいけど、今回は恥ずかしさが勝ったなあ。

いろんな人に聞かれるんですけどね、「春日語でコレなんて言うんですか?」みたいな。まあ、ちょっと恥ずかしさがあって、あんまり丁寧に教えらんないんだよなあ。

この前、宇宙Sixというジャニーズの子たちに会った時もすごい言ってたもんな。「春日語のやつ面白かったですね」つって。いやあ、ダメだよなあ、あんなものが世に出ちゃうとなあ。本当にすいませんでした、っていう。(笑)

春日語で言うと、そうね、「ごめんくさい」だな。謝罪は。(笑)日々変わるんですよね、また春日語っていうのがねえ。ま、いいや。

 

 

まあ、春日語っていうやつはさあ、僕がすごい応援している日向坂46の皆さんも『水曜日』を見てくださってたみたいで、ちょっと真似してくださっていた方がいたようでね、あんなにスーパーアイドルに、あんなつまんないことを言わせちゃったのかぁという、ちょっと反省はあるよなあ。

あと、これはまたすごく変な話になっちゃいますけど、ツイッターとかで皆さんが盛り上がってくれて、オードリーのラジオのリスナーとか、自分で春日語を使ってくださっていた方もいたみたいなんですけど、リプライとかくれて、春日語で話しかけてくれたりする人もいるんだけど、使い方が全然違う人が多くて。これ、説明のしようがないんだけど、それは古いなかとか、昔、それはそういう言い方したけど、今、そうじゃないんだよなとか、あるんです。どうしても。それをどう説明していいかわかんないけど、それが正解かのように使ってるけど、でも、別に本来どうでもいい話じゃないですか。修正するのもなあ…とか思いながら。

春日語に変換する何かを作っている人もいるのよ、インターネットでね。試しにやってみたんだけど、もう違うんだよな。古いんだよな。本当は最新の情報を、そんなふうにしている人には与えたいんだけど、何ともなあ…。(笑)

何とも、みんなのやつを添削するのも違うしなあ、違うんだよなあっていうことも時々あったりしてさ。文章をつくろうと思うとたぶん難しくなっちゃう。新しい言葉が出てくるから。なあ。でも、なんか申しわけないなと思いながら。「ごんすなー」とか語尾につけて、「ごんすでごんす」とかっていうぐらいが、ちょうどライトでいいのかもな。

ちなみにですけど、『水曜日のダウンタウン』さんもかなり配慮してくださって、もっと濃いめの春日語をめちゃくちゃ喋ってんですけど、全部カットしてくれてましたんで、大人の愛情だなと思っております。

 

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