大人が怖く見えた話

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年9月8日

 

若林:『どうぶつピース』とかやってたらさ、動物は感じるよな。楽しいことしてる時は楽しくて、叱られてる時は叱られてんのかな?って何となくわかってる感じするもんね。

春日:ああ、動物はね。まぁ、そうだね。

若林:動物も。

春日:反省……表情はないけどね。

若林:なんかあるんだ、ああいうの。感じでわかんだよ、なんかな。

春日:そうなんだろうね。声のトーンとか。

若林:『どうぶつピース』って、ワンちゃん、ネコちゃん、1匹ずつ預けられるわけ。

春日:出演者にね。

若林:抱きながらスタジオを回してくの。

春日:うん。

若林:けど、俺、預けられたネコ、まぁ、逃げるもんね。なんか、すっごいグーッて押してくるし、俺を。出たいんだけど、持ってなきゃいけないから、手とかひっかかれる。出たいから。だから、俺は結構早々にオープンワールドにしてんのよ。

春日:放すっていうことね。

若林:そうそうそう。だけど、春日とか大政ちゃんとか見てると、嫌がってないもんね。

春日:ああ、まぁまぁ、そうだね。そんなにどうしても逃げたくてしょうがないみたいなことはなかったかな。

 

若林:だってさ、マジで春日覚えてるでしょ? 20匹ぐらいの子犬だったよね?

春日:うん、うん。

若林:20匹ぐらいの子犬をね、俺と春日が5メートルぐらい檻から離れたところで2人で待ってて。

春日:ああ、なんかあったね。

若林:どっちにワンちゃんが多く来るか勝負するってなって、檻を「よーい、スタート!」って開けたら、マジで一斉に、20匹全部春日のほうに一直線に走ってた。本当に。ねえ?

春日:うん。

若林:あれ、凄かったよね。

春日:なんかあるんだろう、感覚的にね。野生の勘じゃないけど、こっちに行きたくない、みたいなさ。

 

若林:俺たちの時代はさ、まだヤバい大人がまちにいたじゃん。

春日:ふふふふ(笑)

若林:公園とかに。大五郎とか持ってさ。

春日:ああ、わかる、わかる。

若林:「あ゛~こらぁ!あ゛~!」って言って歩いてる大人。いた?お前の地元にも。

春日:いた。いたね。関係なく怒ってくるというかね。ま、いたよね。なんか普通に大声で怒られるとか。変な、変というかね。

若林:そうそう。子ども心にわかってたもんね。あ、この大人はちょっと冗談通じない大人だとか。

春日:いや、そうだね。

若林:親戚とかで集まる時にさ、ああ、全然面白み……子ども用の顔しない人だわ、みたいな。

春日:あるね。あれなんだろう。言葉には条件みたいので挙げられないけど、なんか懐けないというか。わかる。

 

若林:俺、小学生の時とかに、まだタモリさんが深夜の帝王みたいな時だったと思うのよ。怖かったもん、タモリさんてなんか。

春日:うんうん、うん、わかる。

若林:なんか怖いなぁと思ってて。

春日:うん。なんかやっぱり、ヤバい人の(笑)。

若林:ふはははは(笑)

春日:なんかあるね。印象。なんだろうね。

若林:さんまさんとかはなかったのよ。

春日:ああ、まぁ、そうだね。

若林:なんか明るい人、みたいな。子ども心に。タモリさんはちょっと怖かったもんね。

春日:うん。

若林:たけしさんもちょっと怖かったよね。一番子どもの時は。

春日:ああ、そうだね。

若林:俺ら6歳とか、たぶん。5歳とか、俺らが。

春日:カカカカ(笑)

若林:怖かったよね?

春日:まぁ、そうだね。そう言われてみると。なんかを読み取ってんだろうね。

 

若林:春日とか怖くないんだろうな、子どもから見たら。

春日:うん。

 

若林:それで、そうそう、それで、海の家じゃないんだけど、マリンハウス的なところが、レギュラー番組のスタッフさんの知り合いのところで、レギュラー番組のスタッフさんの子ども、小学校1年生と3年生みたいな子どもが来てて。

春日:へえ。

若林:それで、ずっと遊んでたの、俺。

春日:うん。

若林:浜辺で。

春日:うん。

若林:すごい懐いてくれて、アメフトのボールとか持ってたから、それ、キャッチボールとかして、凄い喜んでて。

春日:へえ、ああ、いいじゃないですか。

若林:でさ、マリンハウスに戻るじゃん。それで、俺、ずっと、ずっと側に来るの。懐いてるから。

春日:ああ、いいじゃない。

若林:だから、飲み物とか飯とか食ってても、ずっと横に来て話しかけてきたり。「ナントカはさぁ」とか。

春日:ああ、いいじゃない。

若林:だけど、俺がちょっと離れたところで葉巻吸い始めたのね。したら、なんかこう、遠くから見てるけど、近づいてこないもんね。

春日:ああ。

若林:小学1年生でも感じるんだな、あれ。大人が悪いことしてるって。

俺、子どもの時に、ばあちゃんが、隣の隣の家とおばあちゃんと友達で、夕方の相撲が始まるぐらい、前頭ぐらいのが始まる時、必ず来て、必ず2人で真っ赤なラーク。

春日:ハハハハ(笑)

若林:うちのばあちゃん、普段煙草吸ってないんだけど、2人でラークを1本だけ吸って帰ってくのよ。

春日:いいねぇ。

若林:毎日夕方5時に。昭和の灰皿だから、ゴリゴリのガラスのゴツゴツしたでかい。

春日:はいはいはいはい。

若林:ばあちゃんが1本だけ、2人で、2人とも煙草吸って、なんか怖かったもんね。

春日:ああ、わかる。

若林:はははは(笑)

春日:わかるよ。

若林:わかるでしょ?(笑)

春日:なんだろうね。大人の象徴だからじゃない? 煙草が。あの仕草がちょっと怖いもんね。ああ、でも、わかるわ。

若林:所詮子ども用の顔で俺と接してる時は接してくれてんだなっていう、そこはかとない怖さあったよ。

春日:そうだね。見せない。でも、それがだから、ばあちゃんだから怖いっていうのあるね。じいさんだったら別にさ、結びつくじゃない。なんだろうね、子どもながらに。

若林:普段、常に吸う人じゃないんだよ、うちのばあちゃん。真っ赤な、今より赤く見えてた。ラークの箱が。

春日:赤ラークが?

若林:うん。ははは(笑)真っ赤なのを机の上に出してた。2人で「煙草吸おうね今から」とか言わないからね。無言で世間話しながらすっと出してさ、パチッて火つけて喋る(笑)怖わっ! めちゃ怖いなと思ってたもん。

春日:怖いね。

若林:はははは(笑)

春日:怖いね。なんだろう。いや、あるあるある。うーん、うんうんうんうん。

若林:お酒だと思わないんだけどな、別に。

春日:まあ、そうだね。なんか怖いんだろうね。

 

若林:それを感じるんだろうな。全然近づいてこなかったもんな、葉巻吸ってる間は。

春日:それは全く同じじゃない? 幼い頃の若林さんと。

若林:子ども用の顔してないなと思うのかな?

春日:うん、まぁ、そうなんじゃない? そっちが本当というかさ。

若林:はははは(笑)

春日:はははは(笑)

 

若林:子どもの時に、家に電話かかってきてさ、「子どもでも出なさい」って言われてて、電話に気づいたら。小学低学年ですよ。出たら「お父さんいる?」みたいな。会社の人から。たぶん親父の上司なんだよね。親父が代わった瞬間、全然家で見せない口調。「あー、どうもどうもどうも。あのぉ、そうですねぇ」みたいな。「いやぁ、なかなかうまくいかないもんすねぇ」みたいな。怖わっと思って。

春日:(笑)

若林:ははは(笑)全然本心で喋ってないじゃん、みたいな。

春日:はいはいはい。ああ、あるね。

若林:でも、それを最近春日がやってるのを見るのよ。

春日:あたし?

若林:うん。

春日:何? あたし別にやんないよ、そんなもん。

若林:なんかね、あるある。春日がね、主に『どうぶつピース』のスタッフさんだな、春日は。

春日:ハハハ(笑)いやいや、普通に話してる。

若林:あと、TBSのスタッフさんだな。

春日:そんなことはない! 何?何がよ?

若林:そういうレギュラー番組のスタッフさんと会った時に、「春日君、最近、夏休みとか取るの?」「いやぁ、ないっすねぇ」みたいな。「ゴルフとか行ってる?」「いやぁ、行きたいっすけど行ってないっすよねぇ」とか。「いやぁ、なかなかね、半日あいてないと無理っすもんねぇ」とか話してる時に、俺、横で見てて、怖わっ!

春日:何が怖いんだ!?それ。おたくのとこの親父と違うだろう、話が。

若林:ものすごい、社会の、社会の顔だわ。社会フェイス。ソシアル・フェイスじゃん、と思って。

春日:いやいやいや(笑)それぐらいするでしょ。若林さんだってそういう話。

若林:俺はしてない。俺は、魂と魂で喋るから、スタッフさんとは。

春日:ウソつけよ!

若林:そのツッコミはダメだよ。

春日:ウソつけよ。

若林:それはダメ。俺は、イヤなの。魂、魂だから。

春日:ははは(笑)。

若林:喋る時は。

春日:いやいやいやいや。

若林:近いしね、距離も、喋る時、だから。

春日:いやいや、それは別に魂のやり合いと関係ないでしょ、距離は。

若林:すぐ数字の話だから、俺は。魂と魂の数字の話が始まるから。

春日:カッカッカッカッ(笑)いや、魂と魂だったら……

若林:春日さん、社交辞令を。春日、同級……中2の時の春日からしたら考えられない。ずうっとウソついてる、春日。

春日:ハハハハ(笑)ウソじゃないわ!

若林:「いやぁ、なかなか難しいっすねぇ」みたいな。

春日:ウソじゃないわ!

若林:「また行きましょうよ!」みたいな。いや、全然思ってないじゃん。

春日:いや、思ってるよ!

若林:ブラックのコーヒー飲みながらさ。

春日:ブラック飲むだろ、別に。

若林:ブラックのコーヒー飲みながらアイコス吸ってさ。

春日:吸ってない!

若林:いや、なかなかね、怖わっ!

春日:それは怖いよ。

若林:ははは(笑)

春日:ブラックのコーヒーまでだよ、私が飲んでるのは。アイコスは飲まん。

若林:真っ黒いコーヒー飲んでてさ。

春日:それは真っ黒よ、ブラックだから。

若林:砂糖もミルクも入れないで、黒~いコーヒー飲んでる親父、怖かっただろう?

春日:怖くないよ、別にブラック。

若林:子どもの時。

春日:ブラックコーヒーは怖くないよ!

若林:怖くなかった?親父。

春日:怖くないよ別に!

若林:俺は怖かった。

春日:別に、大人だなと思った。

若林:当時は、透明で、ポトッポトッて1滴ずつ、悪魔の滴みたいなさ。1滴ずつ垂れてきてさ、それを注いでんだよ。なんかね、煙草吸ってたり、ブラックコーヒー飲んでるその奥に、「社会って大変なんだろうな」っていうのが見えんのよ。それが怖いのよ。春日のトークもそうだと思って。

春日:ははは(笑)スタッフさんと?

若林:社会って大変なんだなっていうのが見えて、俺には怖い。まだ。

春日:ハハハハ(笑)それは、それぐらい、みんなやってるでしょうよ。若林さんだってやってる。

若林:俺はやってない。俺は魂と魂だから、本当の話しかしないもん。

春日:いやいやいやいや、そんなことはないよ。

若林:見たことないだろう?俺が上っ面の社交辞令……

春日:いや、大体上っ面だと思ってるよ。話してるの見るけど。

若林:本当?

春日:そうよ。それまで黙ってて、「まぁ、そうっすねぇ」みたいなさ(笑)、「入れたな」っていうのがさ、多々見える。自分から話しかけたことはないでしょ、だって。あんま見たことないもん。

若林:だから、お前と20歳とかで出会ってればびっくりしないんだけど、中学2年の青い布ベルトしてたお前がさ

春日:ははは(笑)ポパイのね。

若林:「いやぁ、なかなかねぇ、半日空いてないと」とか、なんか褒められた時にさ「いやぁ、もう本当言われるがままやってるだけですよ」みたいな返ししてる時に、怖わっコイツって。

春日:カカカカ(笑)

若林:ははは(笑)なんかもう全然ピュアな部分ないじゃん、みたいな。

春日:いや、そんなことない。

若林:悪魔に魂売り渡したのかなって思っちゃう。

春日:じゃあ、逆にそういうふうに話しかけられたら、どうしてたら怖くないのよ? 言われたらそう返すじゃない。「いやいやいや」とか返すでしょ、だって。

若林:返しがピュアとか、そういうことじゃなくて、だったらとんがっててほしい。

春日:どういうことよ? とんがるって何?

若林:台本睨みつけながら、その日のシミュレーションしてて、スタッフも気遣って話しかけられない、みたいな空気でいてくれるほうがピュアだよ!

春日:いや、ピュアじゃねえ!(笑)それは評判が悪くなるよ、そんなもん。

若林:ほら、今も怖いもん。評判気にしてんだもん。

春日:それは気にするだろ!

若林:中学2年の時に遠泳してた奴が評判気にしてんだよ。

春日:いや、気にしてるし、中2の頃だって気にしてるよ、多分。

若林:ははは(笑)

春日:ははは(笑)関係ねぇと思ってないよ、別に。