『芸人交換日記』本番1週間前

 

オードリーのオールナイトニッポン 2011年7月30日 第93回

 

春日:ジーニアス英和辞典プレゼンツ

若林・春日:オードリーのオールナイトニッポン

(ビタースィートサンバ♪)

若林:こんばんは。オードリーの若林です。

春日:土曜の夜、カスミン

若林:始まりましたけれどもね。

春日:ひとつよしなに。

若林:なんか声がずいぶん枯れてますね。

春日:そうでごんすな。あたしも今自分で発してみてびっくらこいちゃったわよ。

若林:理由はわからないんですか?

春日:昨日、ちょっと(『黄金伝説』の)ロケーションではしゃぎすぎたっていうね。

若林:(笑)あれ?そんなにはしゃいでましたっけ?

春日:知らない間にはしゃいでたんだよね。朝起きたらこんななってたから。別に風邪とかじゃないんですけど、もう昨日も朝も早よから、あれ何時ですか? 8時……7時ぐらいか?

若林:何が?

春日:昨日のロケーション。

若林:いや、5時半だよ!

春日:はははは(笑)

若林:ふざけんなよ!マジで。

春日:はははは(笑)そうだ。

若林:俺、5時半-5時半だからね。稽古終わったの。1人24時間テレビやってたからね。最後、帰り、原付乗りながら『サライ』歌ったわ! 冗談じゃねーよ!

春日:「完走おめでとう!」つって(笑)。あ、そう。あれ5時半-5時半でした?あなた。

若林:5時半入りだよ!

春日:そんでね、結局ロケーション自体も12時ぐらいまでやってたじゃないですか。

若林:はい、はい。

春日:1時ぐらいか。

若林:1時半だよ!

春日:ははははは(笑)

若林:ふざけんなよ! 最後になんかいろいろ、あれもこれもって。何とは言わんけども。

春日:いろいろちょい足しがありましたけれども。ロケのちょい足しがね。

若林:(笑)

 

若林:本来、僕はここで雑談してる場合じゃないんですよ。

春日:雑談じゃないよ! 立派な放送でしょうが、あなた!

若林:『芸人交換日記』の、もうあと1週間なんですから、本番まで。

 

若林:結構えぐって聞くと、あの世界は芸人とちょっと逆っていうか、芸人て、30になってから売れる・売れないみたいなところあんじゃん。早く売れる人は早いけど。

春日:そっちのほうが稀ですからね。たいがい30。

若林:ちょい前ぐらいで出てきてっていう感じになってるじゃない。だけど、俳優さんとか女優さんは逆なんだって。20代、若いうちに何個自分の記念碑的な代表作を残すかで30代から以降、役があるかどうかなんだって。

春日:へえ。

若林:っていうのは、役が減ってくるんだって。

春日:やれる役が。

若林:お父さんとか。微妙な年になってくるから。映画とかドラマっていうのは、若い子の恋愛とか、若い子が頑張るっていうのが多いんだって。

春日:確かに主人公、若いもんね。

若林:クラスをモチーフにしたり、例えば、野球部とか不良グループとかだと、10人ぐらいは出て、みんな人気のあるモデルさんだったり俳優さんだったりするところに入るっていうのを20代でやって、そこで頭1コ抜けて、30以降も演技力があって、でも、若い子のワーキャーがなくても演技力で残ってくのが、20代で勝負かけなきゃ、結構厳しい部分もあるんだって。

春日:あ、そう。

若林:30、40で出てくるとなると、もう六角精児パターンしかないからっていう(笑)。

春日:なるほどね。インパクトで。

若林:いわさなきゃいけないんだって、地肩で。

 

若林:自分の人格にあるものをやる。例えば、俺、モンスター平田とかさ、春日で言うと怪男とかさ。

春日:すごい楽だね。

若林:自分の中にある引き出しを出すのに凄い長けてんのは、芸人が演じる時なんだって。

春日:へえ。

若林:要するに、舞台の最近一緒にいる人に聞いたんだけど。だけど、プロだから、女優さんとか俳優さんとか、全く自分にない性格の人を、まあ見事に演じるっていうことが1コのステータスなんだって。

春日:なるほどね。

若林:そうそうそうそう。だから、俺だったら、めっちゃ社交的で、めっちゃ飲み会行って、ちゃんと礼儀も正しい人を見事に演じれることが、俳優さんとかから見たら凄いことなんだって。でも、芸人さんがドラマとか映画に出て、凄いあの演技、鬼気迫るって言われるのは、引き出しの中の狂気とかを引っ張り出すから。春日さんも怪男が中にあるわけですから。

春日:怪男。ボラー男優ね。

若林:はははは(笑)ホラー男優ですから。ちょっと面白いでしょ、この話。

春日:そうだね。

 

若林:確かに芸人さんで、あの映画凄いよかったっていう人って、自分の中にあるものの人が多いもんね。

春日:その人のキャラクターからそんなに離れていないっていう感じしますわな。

若林:そうそう。だから、逆から考えたの。その話を聞いて、目から鱗でさ。ということは、芸人は、内面のヤバい部分とかを拡大解釈して出すのが得意ならばさ、例えば、春日に正統派のツッコミをやらせようとしてた俺はバカなんだよね、やっぱりね。

春日:そうだね。愚かな行為だったね。5年間ぐらい。

若林:はははは(笑)

春日:なるほど!

若林:若い時っていうのはさ、芸だけじゃなくて、人生観とか、自分の見られ方とかも、まず理想を追うじゃん。理想に近づけようとするじゃん。

春日:なるほど、なるほど。こうなりたいと。

若林:こう見えたい、こう見せて。

春日:この人みたいになりたい。

若林:こう見られたいとかさ。そういう部分があるからさ、こういう漫才がやりたいっていうのが俺の頭にバッコリあったから、それに春日を近づけさそうとするけど、できるわけないね、今から考えたら。

春日:そうね。あの時のあなたに教えてあげたいね。

若林:教えてあげたい。

春日:ふっふふふ(笑)

若林:なんで春日が人の間違いを訂正するような、しかも歯切れ…小気味のいいリズムで、できるわけないよ!(笑)

春日:わけがないんだよ! ボケじゃないところを拾って笑いに変えるとか、できるわけがないんだよ!

若林:それでさ、正直、春日さんも思い出すと思うけどさ、将棋の駒を変なところに置いちゃう、みたいな。

春日:はははは(笑)

若林:シュールなネタを、ナイスミドル時代、やったりしてたんですよ。

春日:あーははは(笑)やったね。

若林:死んじゃった言葉の死語の現場検証を2人で刑事の格好して、「あの言葉はどこに行った?」みたいにやってんの。薄暗い照明でさ。

春日:そうね。

若林:ちょっと、何? 箱馬って言うの? 箱の。箱馬に座ってさ「あの言葉はどこ行った?」とかやってんだけど、できるわけないよ!オードリーに。あはははは(笑)

春日:うーん。できるわけない。

若林:ちょっと薄暗い照明で、箱馬に乗って、ちょっと狭めの小屋でシュールコントやりたいと思ってたんすよ。ふはははは(笑)

春日:そう。あったなぁ、そういう時期。

若林:あったなぁ。

春日:あった。あと、黒のスラックスと白のワイシャツだけでやってた半年間みたいのあったもんね。漫才を。

若林:時事ネタやってたもん。

春日:時事ネタを。そうね。はっはっはっはっはっ(笑)

若林:22歳ぐらいで「いやあ、2000年問題ね」つって。はははは(笑)

春日:そろいの黒のズボンと白ワイシャツで。ははは(笑)

若林:「パソコンがこうなっちゃって」みたいな、そんな時事ネタやってたもんね。

春日:はははは(笑)やってた。

若林:それをしかも、将棋のさ。で、本当は3人必要なコントの設定なのに、2人しかいない、みたいなネタやってたんですよ(笑)。だから、だから成立しないし、セリフが見えない、みたいなネタを、結構ガタイのいい春日が。はははは(笑)

春日:澄まし顔でやってましたよ。

若林:やってたねえ。でも、だから、それができないって気づいてさ。

春日:まあ、そうか。

若林:自分たちだったら何ができる。ニンに向き合うじゃない。自分のさ。

春日:はいはいはいはい。

若林:それで、ある部分でやってくからさ。

春日:なるほどね。

 

若林:稽古しててさ、俺だけが過保護にされてるんだけど。

春日:ほうほうほう。どういうこと?

若林:それはなんでかっていうと、(鈴木)おさむさんの哲学で「芸人はへこみやすい」っていう。ははははは(笑)

春日:なるほど。

若林:褒められて伸びる人がほとんどだっていう。

春日:はいはいはいはい。

若林:めっちゃ優しいの。

 

若林:春日は怪男やってる時、ジャック・ニコルソンからやっぱり。

春日:もちろんそうよ!

若林:はははは(笑)

春日:斧でドアを叩き割る、で、覗くっていうね。もうそれしかないよ、あの見る、見る感じは。

若林:俺さ、お前がシャイニングの話してる時、結構好きなんだよね。ははは(笑)

春日:はははは(笑)

若林:「あの恐怖はないよ」っていう。うふふふ(笑)

春日:あれはほんとに恐ろしい。あれだよ、完全にあたしはね。あるものから。

若林:あれは衝撃だった? 『シャインニグ』のジャック・ニコルソン

春日:あれは衝撃だった。

若林:ふふふはははは(笑)あはははは(笑)

春日:覗くさま。

若林:やっぱりあれだもんな、『2001年宇宙の旅』とか『時計じかけのオレンジ』とおんなじ監督だよね?たしか。

春日:そう、そうだね。

若林:なんか怖いんだよな。『フルメタル・ジャケット』もそうでしょ?

春日:そう。なんかホラーじゃないけど、うっすらなんか暗い。

若林:あれ、怖いよな、『シャイニング』な。

春日:怖いよ『シャイニング』。

若林:なんかもう一回観たくなった。

春日:廊下のシーンとか凄い怖いじゃない。

若林:ずっとな。

春日:対称のね。

若林:結構長回しでね。

春日:長回しの。子どもが三輪車かなんかに乗ってる。

若林:やっぱりあれ?

春日:あれ、怖いねぇ。

若林:ははは(笑)

春日:あれ、あたしの原点。

若林:あれ、高校の時だっけ? もっと年取ってから、「ジャック・ニコルソンだ!」って言うと、柵から顔を出してくるっていうくだり。春日が。あははは(笑)

春日:あたしね、よくやるんだよね。ドアをちょっと開けて見てるとか、よーくやる。

若林:春日にね「ジャック・ニコルソンだ!」って言うとね、バーッて柵を探してね、結構遠くまで走ってくれてね、柵の間からニヤッと顔を出してくるんだよね。

春日:こう見るっていうね。

若林:ちょっとジャック・ニコルソンの画像をみんな見てください。春日にそっくりですから(笑)。

春日:『シャイニング』のDVDのパッケージですよ。

若林:これ、ぶっちゃけた話、漫才のヘェアッっていう顔も、あれ、ジャック・ニコルソンですからね、あれ。はははは(笑)

春日:そうね。だから、あのヘッの顔とジャック・ニコルソン、『シャイニング』を並べて見てもらうと非常にわかりやすい。

若林:本当は漫才の時、ヘェアッて言う時、黒子が柵だけを持って春日の前でね。

春日:本来なら。

若林:本来ならね。

春日:本来なら、手もこうやって前に持っていきたいんだよね。ヘッの時ね。

 

(若林フリートーク途中から)

若林:私に関してはあんまり役作りというのがない立場なんですよ。

春日:若林さんのもので出ると。

若林:でいいですという。

春日:持ってるもので。

若林:でも、田中圭ちゃんとか女優さんが頑張って、田中圭なんて売れない若手芸人の引き出しを作り上げなきゃいけないわけですからね。

春日:そうかぁ。

若林:それこそ、ないものをやるわけですよ。

春日:ごんすなぁ。

若林:私はせめてもと思いまして、先週もちらっと言ったけどね、原付。当時、テレビの仕事する前に乗ってた原付を前ちゃんにあげたのよ。放送作家の。

春日:はい、はいはいはいはい。

若林:前ちゃんにあげたのを取り戻して、ちょっと貸してくれと。『芸人交換日記』の役作りしてんです。原付乗ってまた。

春日:へえ。ああ、乗ってんの?

若林:原付に乗ると思い出すと思って。

春日:なるほどね。あの時のことを。

若林:そうそう。

若林:原付に乗って稽古場行ったりしてんだけど。

春日:思い出すの?やっぱり。

若林:思い出すよ、やっぱり。やっぱり何が思い出すかってね、あなたは普段から今も乗ってるからあれかもしんないですけどね、原付に乗ってると、横をステーションワゴンとかに抜かれると、んっ負けてる!って思うね、やっぱり。

春日:へへへへ(笑)

若林:もっともっといかなきゃって思う感情はあるね、やっぱり。僕、普段乗ってる車と比べるとね。車で行くよりは。

春日:確かに車に乗るなんてことはリアルに想像できないものね、原付に乗ってる時。

若林:そうです。考えたら、俺、それで怖いですよ。あんまり、そうか、どこまで言っていいかわかんないけど、あれですよ、27ぐらいですよ。

春日:はいはい。当時ね。

若林:原付に乗って、親にも会ってくれるなというのに拇印押された人間で。

春日:はいはいはい。

若林:3万の部屋住んで、で、事務所もクビになっていいと思ってて、そんな奴がセックスピストルズを歌いながら走ってくるわけですから、めちゃめちゃ(笑)。

春日:恐ろしい。

若林:めちゃめちゃ怖いなと思って、自分で。はははは(笑)。

春日:恐ろしい話!

若林:『アナーキン・イン・ザ・UK』を音痴なのに歌いながら、原付乗って、どうなっちゃってもいいと思ってるわけですから。彼女もいないし、セックスもできない男が。

春日:恐ろしいね。

若林:原付にまたがって走ってくるわけですからね。

春日:捨て身の攻撃ですよね。

若林:捨て身の攻撃ですから。

春日:ふふふふ(笑)

若林:はははは(笑)で、思い出す、いろいろそれを。

春日:なるほど。

(以下、マエケンさんにもらった黄色いジョルノという原付が、代田橋の踏み切りを超えS字カーブを曲がった時にドガガガガガボーン!といったきり動かなくなり、当時、どきどきキャンプハマカーン・オードリーで行っていたライブ「キックオフ」でジョルノのお葬式をやった話)

 

(エンディング)

セックスピストルズ『アナーキン・イン・ザ・UK』

www.youtube.com

若林:あはは(笑)さあ、エンディングでございます(笑)。これもうね、ラジオ体操みたいに毎朝聴いてたもん。

春日:あ、そう。これ歌いながら?

若林:セックスピストルズの『アナーキン・イン・ザ・UK』っていうやつで、この曲を歌いながら原付で、親父にも会えねえ、事務所もクビになっていいんだと思ってる奴が、ズレ漫才を引っさげてライブ会場に入ってましたよ。

春日:なるほどね、テーマソングだ。

若林:どうなってもいいと思ってた。ただ、今死んだら死に切れねぇーなと思ってたから、超安全運転してたけどね。

春日:はははは(笑)

若林:25キロぐらいで走ってたけどね。はははは(笑)

春日:はははは(笑)これ歌いながら?

若林:これ歌いながら、スピードを法定速度より抑えて走ってたけどね。

春日:どうしたいんだっていう(笑)。

若林:いや、でも、凄いね。

春日:ええ。

若林:いや、凄いねと思っちゃう自分がよくないなと思ったから、春日さんがああいう部屋に住んでるっていうのは、なんか納得しちゃった。原付乗ったら。

春日:なるほどね。

若林:変な話、たけしさんが凄い売れてお金持ちになった時に、3万のアパート借りてっていう話、伝説としてありますよね。

春日:へえ。

若林:同じことしようかな。ははは(笑)言わないけど、人には絶対。

春日:まあま、自分の中で持っておくというね。

若林:うんうん。

春日:確かに大事なのかもしれないですな。

若林:でも、これ、やっぱり稽古してると思い出すのよ。自分たちの形を探すじゃない。アメフトやったりして(笑)。

春日:いや、そうね。

若林:アメフトで、自分たちはそんなに好きじゃないけど、やったらやったで褒められてさ、ちょっと出れたりしたじゃん。

春日:そうね。

若林:なんか勘違いすんだろうな。

春日:まあ、そうだろうね。結果が出ればね。それがいいというふうな感じになりますよ。

 

若林:俺、この曲、超好きで、あれはM-1の前だったかな。セックスピストルズが日本に来るつって、観に行ったのよ。観に行って、この曲を生で聴けるってことがないじゃん。幕張のサマソニだったかな。俺、もうドッキドキ。1人できったない格好で観に行って、一番後ろで。

春日:テーマソングが生で。

若林:心臓バクバクしてさ、したら、ピストルズが出てきてさ、うがいするんだけど、瓶でうがいするんだけど、そのままのうがいの水をステージにブワーッて吐くのよ。

春日:クーッ、やってくれるね。

若林:この曲がダンダンダンダンダンダン♪ってかかったら、曲の4分の3、マイクを客に向けてたからね。

春日:アパスだねぇ~。

若林:あれはへこみましたけどね。あははは(笑)

春日:そうじゃねぇんだと。

若林:うん。思い出の曲ですけど、舞台頑張りますねので、春日さんも舞台(『日本の夏、春日の夏』)頑張ってください。

春日:ええ、やりますよ、あたしもね。

若林:ということで、オードリーのオールナイトニッポンでした。ありがとうございました。

春日:この後また、夢でお会いしましょう。アディオス!

 

 

黄色いジョルノ

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まだ「おやすミッフィーちゃん」じゃない頃。

プチオードリー会議もあり、なかなかに面白い回でございました。

 

今日はミッフィーちゃんのお誕生日なのね。

「おやすミッフィーちゃん」の初登場は5年前らしいです。

kw.ntbr.info