爆笑問題の日曜サンデー 2019年5月12日
ここは赤坂応接間 ゲスト 藤井青銅
田中裕二:TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー-ここは赤坂応接間-』本日のお客様は、放送作家の藤井青銅さんです。
本当にご無沙汰しております。
田中裕二:我々がまだ本当にデビューしたての頃、ニッポン放送でラジオ番組をやっていたんですけども、我々の初めてのラジオのレギュラーというか。
太田光:そうでしたね。
太田光:その前、大倉(利晴)さんの番組がちょっと。
田中裕二:『(腹よじれ)AGOHAZUSHI連盟』というのがちょっとあって、それは週1でちょこっとだけ出させてもらってたんですけど、本格的に爆笑問題の番組というのでは『オモスルドロイカ帝国』。その時に、ニッポン放送というところで「オモスルドロイカ」という。面白くて鋭い。
藤井青銅:キャンペーンみたいなね。
田中裕二:そういう新しい言葉を作ろう。
江藤愛:ああ!
田中裕二:とにかく若い人たちでラジオをニッポン放送の打って出た、盛り上げていく。そこにシッピー(?)とか、尻尾のノベルティとかね。
藤井青銅:ああ! よく覚えてますね。ありました、ありました。
太田光:全然流行らなかった。
田中裕二:全然流行らなかったけど、そういうので、とにかくニッポン放送をいわゆる改革していくというんで、それこそ伊集院だとか、我々だとか、その辺がいろいろ番組をやってた時期があって、その時に青銅さんは。
太田光:もう、あの時巨匠でしたからね。我々にとっては。
田中裕二:1人だけおじさんがいるという感覚で僕らはいて。
太田光:大御所作家としてね。
江藤愛:そうか、30年前ですもんね。
田中裕二:青銅さんて、今考えたら、その時ってまだキャリア8年ぐらい?
藤井青銅:10年目ですね。
田中裕二:だけど、ほかの曜日の作家さんはもうちょっと僕らと似た世代、同世代ぐらいの。
太田光:吉井ちゃんもそうだもんね。
田中裕二:吉井ちゃんもその辺にいたんですよ。だから、青銅さんと吉井ちゃんも30年ぶりぐらいに。
藤井青銅:そうそうそう。さっきご挨拶して。
江藤愛:へえ。
田中裕二:有楽町でやっていた人たち。
太田光:懐かしいよね。ホントに。だから、あの頃、LFって本当にいろんな仕掛けというか。
藤井青銅:あの頃はすごかった。
太田光:すごかったですよね。次から次へと。
藤井青銅:あの頃は、です(笑)。
太田光:今や風前の灯火(笑)。
田中裕二:いやいや、そんなことはないですけども、その時に一番若手でバーッて出てきたのが伊集院です。
藤井青銅:そうそうそうそう。
太田光:伊集院は青銅さんが全部仕切って、芳賀ゆいから何から仕掛けて。
江藤愛:いや、私、知らなくて、調べて、すごいの。今だったら考えられそうなものを、当時やってた。
藤井青銅:「バーチャル」という言葉が当時なかった。「架空のアイドル」ってみんなで言ってた。
太田光:架空のアイドル。
田中裕二:いないんだけどね。
太田光:伊集院が「“はがゆい”という言葉は女の子みたいな名前だね」ということを言って、それを仕掛けたんですね。芳賀ゆいっていう架空のアイドル。
藤井青銅:そうそう。初めは伊集院さんがそう言い始めて、そのうち僕は、ぜひ握手会をやるべきだとか言い始めて(笑)。
太田光:それも担当でもないのに。
藤井青銅:そうそう。担当ではないのにね。やるべきだ、とか言って(笑)。
太田光:インチキくさい(笑)。
江藤愛:インチキ(笑)。
藤井青銅:インチキですよ(笑)。ほんとインチキです。
太田光:僕はね、ちょっと前に『PAO〜N(パオーン)』という九州の番組で、それこそ元号の話を沢田幸二さんのやっている番組で、藤井青銅さんという作家の人だというので、電話で。
藤井青銅:電話で出たんです、私が。
太田光:えっ?藤井青銅? 聞いたことある。まさかと思ったら、オードリーをやってるとかなんとかプロフィールを言ってたから、えっ?あの青銅さんだと思ってびっくりして。
藤井青銅:僕もびっくりしましたよ。こっそり出たのに、なんで太田さんが知ってんだ(笑)。
太田光:それで、俺、だから、てっきり青銅さんて、あの頃から巨匠だったから。
藤井青銅:いえいえ、とんでもない、とんでもない。
太田光:もう現場は関わってないのかなとか、下手すりゃ亡くなってるんじゃないか。
田中裕二:それはない! いやいや、でも、本当にそれぐらい会ってなくて。
藤井青銅:そうなんですよ。
田中裕二:だから、本当に、小西さんとかね。
太田光:チャチャのね。
田中裕二:ウンナンのオールナイトやってる作家。もともと芸人なんだけど、そのぐらいの人たちより下の世代と我々は何となく仕事して、その後も何となくしてて。だから、その上というと、本当に巨匠になっちゃうんです。
藤井青銅:いえいえ、とんでもないです。
太田光:当時、オールナイトはウッチャンナンチャンでしたか。
田中裕二:だから、ニッポン放送というラジオの中で本当欠かせない人で。
藤井青銅:とんでもないです。
太田光:それで、やっぱり本読ませていただいたけど、面白いよねえ~。
田中裕二:面白かったというか、ワクワクした。
藤井青銅:あの頃のラジオ界とか音楽界が元気があった頃だから、面白いエピソードがあるんですよ。いるだけで(笑)。
太田光:そうですよね。
田中裕二:今じゃちょっとやらないこととかね。
太田光:今、結構テレビ評論家みたいのが多いでしょう。
藤井青銅:多いですね。
太田光:ネットで現場も知らないくせに、視聴者で書いてる。
藤井青銅:そうそうそうそう。
太田光:ああいうの、ま、それはいいよ、それを視聴者が読んで楽しむ分には。俺なんか読んでも、全然面白くないんですよね。現場知らない。
藤井青銅:リアリティがないですよね。
太田光:リアリティがなくてね。
田中裕二:さあ、とりあえず、藤井青銅さんのプロフィールをまずはご紹介させていただきます。
藤井青銅:そうですね。何者だということですね。
江藤愛:本日のお客様、藤井青銅さんは、1955年(昭和30年)、山口県でお生まれになりました。23歳で講談社主催の第1回星新一ショートショートコンテスト入賞後(太田:知らなかったな)、作家、脚本家、放送作家として活動。
放送作家としては、フジテレビ『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』や、日本テレビ『おしゃれ30・30』、ニッポン放送『オードリーのオールナイニッポン』など、数多くの人気番組を担当。
プロデュース面では、当時無名だった伊集院光さんとともに、初のバーチャルアイドル「芳賀ゆい」をつくり、伊集院さんをメジャーへと押し上げました。
また、脚本、演出、プロデュースを兼ねて、腹話術師いっこく堂を売り出し、衝撃的デビューを後押し。(田中裕二:これも知らなかった。いっこく堂を売り出しのが青銅さんて知らなかった)今では大御所となったスターを世に送り出しています。
作家、脚本家としては、ニッポン放送『夜のドラマハウス』やNHK-FM『青春アドベンチャー』をはじめ、書いたラジオドラマは数百本。
著書も多く出版されており、これまでに『ラジオな日々』や『誰もいそがない町』、『【悲報】本能寺で何かあったらしい』(藤井青銅:なんだ、これ(笑))、『光秀ブログ炎上中……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0』などを執筆されています。(藤井青銅:なぜこの本をチョイスした? 太田光:ハハハハ)
そして、現在も番組づくりや執筆活動、イベントなど、さまざまなジャンルで活躍中。
藤井青銅さん、本日のお客様です。
田中裕二:ゲストの一番好きな曲、思い出の一曲を伺いまして、その曲をBGMにプロフィールを紹介していますが、大滝詠一さん、『冬のリビエラ』というのは森進一さんが歌っている歌ですけれども、あれを作ったのは大滝さんなんですけど、これは『夏のリビエラ』という曲。英語で。
藤井青銅:『Summer Riviera』 。(注・『Summer Night Riviera』、『Summer Night in Riviera』となっているものもある)
田中裕二:歌っているんですけれども、1985年、コンピレーションアルバム『SNOW TIME』に入っている。
藤井青銅:これが出るずっと前に、私、聴かせてもらいました。
田中裕二:それを本で僕も読んで、もう興奮して読みましたよ。
藤井青銅:スタジオで、オープンリールかけて、「何ですか?大滝さん」「これ、俺歌ってるんだよ」つって。「へえ、こんな、面白いですね」って言って、終わって、自分の手でリールを外して、全部自分でやるの。「なんでですか?」「こんなの放送局の奴らにやらせたらダビングされるに決まってるんだよ」って(笑)。
田中裕二:でもね、それね、ホントに大滝詠一さんが『冬のリビエラ』をレコーディング自宅で。
藤井青銅:そうそうそう。自宅でやってたんです。
田中裕二:レコーディングとかして、それを本人からガシャッてやって聴かされたって、これはもう大滝詠一ファンからしたら、とんでもないことなんです。
太田光:当時、大滝さんとの関係というのは、ハッピーエンド再結成。
藤井青銅:そう。その特番もやりました。僕は大滝さんのわりとお笑い人脈のほうで、音楽人脈ではないんですけれども。
太田光:そういうことなんですね。
田中裕二:お笑いにすごく造詣が深い方だったんで。
藤井青銅:そうそうそう。
太田光:だから、結構積もる話はいっぱいあるんですよ。
田中裕二:3時間ぐらい話したい。
江藤愛:そうですよね。
太田光:いろんなことがちょっと早いですよね、青銅さんて。
藤井青銅:そうそう。よくおっしゃってくださって。
江藤愛:早い?
藤井青銅:大体早いと成功しないんです(笑)。
太田光:そうなの。だから、ヒットがないんです。
藤井青銅:そうそうそう。そうなの。
藤井青銅:そうそうそう。
太田光:あれもちょっと早いんですよね。
藤井青銅:僕、『宇宙の法則』というのを2冊出して、半年後に『マーフィーの法則』が出たんで。
田中裕二:ほぼ内容は同じようなものらしいんです。
藤井青銅:うん。だけど、私は便乗本と言われるという(笑)。
太田光:ハハハハ
江藤愛:先なのに?
藤井青銅:先に出した便乗本。ハハハハ
田中裕二:『マーフィーの法則』に便乗してきたんじゃねぇーかって言われちゃう。
藤井青銅:そうそうそう。
田中裕二:その辺、ツキがない(笑)。
太田光:先見の明があるというか、間が悪いというか。
藤井青銅:間が悪いんでしょうね。
藤井青銅:そうですね。
太田光:ショートショート、今、僕、審査員、この間やったんです。
藤井青銅:日経のやっているやつですよね。私の時は講談社の時。
太田光:ああ、そうか。変わったんだ。
藤井青銅:違うんです。
田中裕二:そこで何人かの選ばれ。
藤井青銅:5000人応募があって、10人選ばれて、その10人と星さんとお嬢さんで一緒に、カイロ、パリ、ウィーン、ロンドン、11日間の旅というのが商品なんです。
田中裕二:すごくない?
江藤愛:すごい!
藤井青銅:すごいでしょう!
田中裕二:今、考えられない。
藤井青銅:出版社に力があったんです。その頃は。
江藤愛:勢いがありますよね。
藤井青銅:すごいでしょう。
田中裕二:すげぇいい話だと思って。
藤井青銅:人生の頂点ですよ、それが。
太田光:ハハハハ
藤井青銅:その後ずーっと落ちてく(笑)。
田中裕二:その後でしょう、いろいろ。ほんと、ラジオを聴いてた、だから、爆笑問題より前の聴いてた頃の話が、『夜のドラマハウス』もそうだし、あと、松田聖子さんのデビューの『ザ・パンチ・パンチ・パンチ』というね。
藤井青銅:『パンチ』は、私やってないんですけど、その後の『夢で逢えたら』。
太田光:単品でやったやつね。あれも聴いてたもん、僕。
藤井青銅:それはわかんない。
田中裕二:だから、あれって『(大入りダイヤルまだ)宵の口』のワイドの中の箱ですよね。
藤井青銅:聖子さんのは日曜か何かですね。『宵の口』の中の箱はまた別だと思います。
太田光:『宵の口』の中には『欽ドン(欽ちゃんのドンといってみよう!)』が入っていたんですから。
藤井青銅:あ、そうそうそう。
藤井青銅:そうなんです。
田中裕二:そうなのよ。
太田光:だから、すごいんだ、いろいろ。
江藤愛:本当ですね。
太田光:やっぱりね、あれを読んでると、まさに放送作家という人たちが、吉井ちゃんなんかもそうだけど、俺らLF行って、オールナイトも何回かやらさせてもらったけど、笹沼君もそうだけど、放送作家がいかに俺らを助けてくれるかというのは実感としてわかってるんだけど、それをなかなか世間にはわかんないですよね。
藤井青銅:わかんないですよね。何やってる人なの?っていう感じがある。
江藤愛:ああ、そうですね。
田中裕二:台本ともちょっと違うしね。
太田光:例えば、俺らが番組をやる。爆笑問題を誰も知らない時に、葉書コイコイしたって、きやしないんですよ。そうすると、その場でバーッとネタ書いて、ポンて、要するに、作り葉書だけど、ポンポンポンポンそれを、こうしたほうがいい、こうしたほうがいいというのを入れてくれるのが、その場で考えてるんですよ。
江藤愛:すごい。
太田光:それがみんな、あの時のLFは優秀でしたね。
藤井青銅:あの頃はそうですね。
太田光:こういうのに我々はどんどん乗せられて。
藤井青銅:お互いが高め合っていく感じですよね。
太田光:そういう感じでしたよね。
田中裕二:青銅さんね、今、30年ぶりにこうやって話す。当時の僕ら、どう思ってました?
藤井青銅:僕、好きでしたよ。
田中裕二:本当?
太田光:またまたぁ。
藤井青銅:太田プロのライブかな、コントやってるのを観た記憶がある。進路相談。
田中裕二:はいはい、一番最初の。
太田光:最初のやつですね。
藤井青銅:イイクニツクロウを最後まで数字にするやつ。あれ、覚えてます。面白いなあと思って、その時、もう一人、松村邦洋君。スベりまくったことがあって(笑)。
太田光:ハハハハ
藤井青銅:メンタル強いなあと思って見て、その2組だけ覚えてる(笑)。
太田光:そうですか。
だから、あの頃に、それこそ、いっこく堂をその後青銅さんが手掛けるっていうことになって、番組を作ろうということになるんだけど、誰かと絡ませないとというので、俺らの名前とかも候補に上がってたらしいんですね。
田中裕二:ああ、そうなんだ。
藤井青銅:そうそう。普通はね、当時ようやく出てきたいっこく堂さんなんだけど、テレビの特番としては、誰かタレントさんと絡ませないとと普通思うじゃないですか。あと、絶景を行ったりとか、おいしいもの食べなきゃダメでしょうという時に、例えば、爆笑問題とか、みたいな、企画的にはそうなりますよね。それ、僕は全部断って、いっこく堂だけでやりたいって。
太田光:あの話も僕はすごく感動したんだけど。
藤井青銅:それは僕がプロデューサーという肩書だったから。その時は。作家ではできないです、それは。
太田光:ああ、なるほど。プロデューサーとして。
藤井青銅:プロデューサーだから、いっこく堂だけでやりたいんだというと、何となく通っちゃって。
太田光:それで、結局ラスベガスまで行くんですね。
藤井青銅:そうそう、行きました。
太田光:だから、あの時に、それこそ最初の本で言うと、青銅さんが団塊の世代がどうしても目の上のたんこぶ。
藤井青銅:そうそう、目の上のたんこぶなんです。
太田光:俺は、あれを読んでた時に、ああ、高田先生とかあの辺は目の上のたんこぶ。
藤井青銅:たんこぶなんです。
太田光:でしょう?
藤井青銅:追い抜けないのよ(笑)。
太田光:でしょう? だけど、あのいっこく堂を、要するに、ビバリーでいっこく堂を高田先生が発掘して。
藤井青銅:そうそう、発掘して。
太田光:で、青銅さんが引き継ぐわけですよね。
藤井青銅:そうそう、そういうこと、そういうこと。
太田光:ラスベガスで拍手喝采までいくわけですよ。その打ち上げの席で高田先生と2人で話した時に、「よかったな」って高田先生が言ったと。
藤井青銅:そうそうそう、言ってくれて。
太田光:だけど、先生が一言「でも、大衆向けのいっこく堂も見てみたかったな」っていう。
藤井青銅:そうそうそうそうそう。
太田光:あの辺の何とも言えない微妙な2人の関係は、俺、痺れましたね。
藤井青銅:そうですよね。
太田光:でも、やっぱり高田先生から預かったものをここまでしたぞという自負は。
藤井青銅:それはあるし、僕がやるからにはこっちの方向だろうなと思ってああいうふうにしたし、たぶん高田さんがやると大衆芸能のいっこく堂になったでしょうけどもね。
太田光:そういう作家…
田中裕二:プロデューサー的なね。
藤井青銅:そうだね、プロデューサー。
藤井青銅:ああ、あります。
太田光:当然ありますもんね。
田中裕二:仕掛けるとか、話題作りみたいなのとか全部そうだからね。
藤井青銅:(笑)
田中裕二:それ、びっくりした。ラノベ、ラノベって、今、ライトノベル。
江藤愛:聞きますね。
田中裕二:よく聞くじゃないですか。あれって、まだ「ライトノベル」という言葉がなかった。
藤井青銅:「ジブナイル」と言われていた頃ですね。
田中裕二:頃に、青銅さんの本が、それの最初だって今でも言われているんだって、ちゃんと。
藤井青銅:言われている。何冊かあるんですけど、その中の2冊だけ。
田中裕二:だから、アニメとかもちょっと早過ぎるっていうか。
藤井青銅:おっしゃるとおり。タイミングが悪いんですよ(笑)。
太田光:だから、『死人にシナチク』っていう。
藤井青銅:ハハハハ
太田光:どうしようもないタイトル。
藤井青銅:どうしようもないタイトル(笑)。
太田光:あれも僕読んだんですけど。
藤井青銅:やめときゃよかったと思って(笑)。
田中裕二:それ読んだの?
太田光:読みました。で、あれ、やっぱすげぇなと思ったのは、アニメ同好会の中で殺人事件が起きる、みたいな、わけのわかんない(笑)。
藤井青銅:わけのわかんない話です。『アニメージュ』に連載してるからね、そういう話になる。
太田光:だから、マンガみたいな小説を書きたいということなんですよね。
藤井青銅:そうそうそうそう、そうなんです。
太田光:で、確かにライトノベルなんです。だけど、その中に、コスプレとかがもう既に出てきてるんですよね。
藤井青銅:そうですね。その頃、僕は、アニメの特番。当時、ラジオは松本零士の時代でしたから。
太田光:やってた。
藤井青銅:やってたから、接してたんですよ。
藤井青銅:そうそうそうそう。よく古い名前をご存じですね。
太田光:僕はだって夢中で聴いてた世代ですから。『さらば宇宙戦艦ヤマト前夜祭』とか、ああいうのを夢中で聴いたんです。
藤井青銅:そうそうそう、やってましたね。映画館に並んだりとかしてやってましたよね。
太田光:そうそうそう。あれをやってたんですよね。麻上洋子さんて今、講談師。
太田光:ねえ、あれも意外だったしねぇ。
田中裕二:あと、俺面白かったのが、長渕剛と世良正則が番組をやってた。
太田光:ハハハハ
藤井青銅:やってたんです。
田中裕二:これ、正直、僕は知らなかった。僕は『桑田くんと関口くん』は聴いてたんです。これはサザンの桑田さんと関口さんが一緒にやって、何々君と何々君、確かに昔から。
藤井青銅:そういうシリーズはずっと昔からあるんです。
田中裕二:昔からあるんです。ニッポン放送の番組、深夜でね。で、僕は初めて本で知ったんだけど、長渕さんと世良さんがやってたって信じられないでしょう?
江藤愛:信じられないです、なんか。
田中裕二:その頃って、確かに本でも青銅さん書かれているんだけど、長渕剛さんて今のあのキャラじゃ全然ないんですよ。
藤井青銅:全然違う。全然違う(笑)。
田中裕二:田舎のフォーク。
太田光:お兄ちゃん。
藤井青銅:軟派なフォーク兄ちゃん。
田中裕二:軟派なフォーク兄ちゃんで。
藤井青銅:スケベな話しかしないっていうタイプ。
江藤愛:そうなんだ!
田中裕二:若者と同じ目線みたいな感じだったの。片や世良正則さんというのは、大人気のキャーッていうアイドル的なロックスター。その2人が番組をやってて、その時の会話がすごく興味深かったのが、世良正則さん、人気もあって男前だから、ドラマも出てて、当時『太陽にほえろ』のボギー刑事。
藤井青銅:そうそうそうそう。
田中裕二:刑事にもなってた。それを、同じニューミュージックの歌手である長渕剛さんがバカにしてたと。もちろん本気じゃないんだけど。
藤井青銅:イジってた。
田中裕二:ミュージシャンが何ドラマに出てんだよって言って、そんな会話をしているその現場に、長渕さんに役者の仕事が。
藤井青銅:来るんですよ。
田中裕二:森田さんの映画で松田優作さんがやったのが映画なんだけど、そのテレビドラマシリーズをやるんだけども、結局。それを、その依頼を受けて、どうしようって言っているのに、青銅さんが「やるべきだ」。
藤井青銅:やったほうがいいですよって(笑)。
田中裕二:だから、長渕さんがその後役者…
藤井青銅:私の言葉でやったわけじゃないけど。
田中裕二:だけではないにしてもね、後押ししたというか、すごいな、このなんか、いろんな過渡期、変わっていく。
田中裕二:ハハハハ
藤井青銅:なれなかったー!(笑)
太田光:すごい人なんだけどね。
田中裕二:でも、本当すごい人ですよ。
太田光:でも、すごく思えないという。ハハハハ
藤井青銅:ハハハハ
太田光:でも、そう考えると、僕は、この間、オードリーが武道館やったじゃない。
藤井青銅:武道館やりましたね。
太田光:大成功で。
藤井青銅:大成功でした。すばらしかった。
太田光:『ビバリー(昼ズ)』聴いてるんですよ、僕。すると、高田先生が。
藤井青銅:高田さんが観に来て。
太田光:絶賛してる。
藤井青銅:そうそうそう。
太田光:目の上のたんこぶだった高田先生が絶賛してる。これは、やっぱり「やってやった」っていう。
藤井青銅:やっぱりちょっと嬉しいですよね。高田さんが認めてくれたというのはね。私の力じゃない。オードリーの力ですけども。
太田光:もちろんそうだけども、やっぱりね。
田中裕二:青銅さんが一緒にやってるわけですから。
太田光:絡んでやってるわけで。だって、若林を見つけたのもラジオ日本でしたっけ?
藤井青銅:そうそう。ラジオ日本でしたね。
太田光:青銅さんがやっていた番組で。
藤井青銅:すごくしゃべれる子がいると。全然有名じゃなかったんだけど、フリートークがうまいからというんで、ずっと何度も使ってて、その後、勝手に彼らはブレークしたんですけども、したら、ちょっとやんない?って(笑)。
太田光:オールナイトに。
田中裕二:持ってきたわけだ。
太田光:青銅さんが持ってきたんだから。これも、だから、俺らも青銅さんにハマっときゃよかったなあ。
田中裕二:ハハハハ
藤井青銅:何をおっしゃいますか(笑)。
太田光:ハハハハ
太田光:出入り禁止になっちゃった。
田中裕二:出入り禁止になっちゃった。
江藤愛:そりゃダメだ。
田中裕二:そっからダメだね。
太田光:でも、ほんとはこれからもずっと小説的なことをやっていきたいとか。
藤井青銅:うん。だんだん、たぶん僕は小説、ショートショートに戻っていく感じがしますね。
太田光:そうですか。僕、ライトノベルというと、喜多嶋隆さんて、『ポニーテールはふり向かない』というのを当時やってた。
藤井青銅:ありましたね。
太田光:あの人の軽い小説の感じが、なんか最初っぽい感じがするんですけど。
藤井青銅:ああ、なるほどね。その頃、結構あったんですよ。「少女小説」と言われたりとか、花井愛子さんとか氷室冴子さんとかが。氷室冴子さんとか読んでて、すごい面白いんです。すごい面白いんだけど、「少女小説」と言われていることで、彼女はものすごく損をしているなと思ったんです。
太田光:ジャンルとして。
藤井青銅:うん。そこらの文芸小説より全然面白いのにと思って。で、なんかライトノベルっぽいのは僕は書くのをやめようかなと思ったの、その時。まだそういう名前はなかったですけどね。
太田光:あのライトノベル、青銅さんが書いたやつ読んでると、ああ、この人、本当に、それこそ最初にラジオの時に、作り葉書をワーッと横で書いた、あの感じで書いてるなっていうのが。
田中裕二:ハハハハ
太田光:思いつくままに筆が走ってる感じ。でも、これが放送作家の(田中裕二:そうなんだよねぇ)職人的な感じなんだよなあっていう。
田中裕二:そうなんだよねぇ。ちょっとまたテレビとかとも違って、特にラジオの放送作家さんの。
藤井青銅:ラジオの人ってわりと書いちゃうんですね。文章をいっぱい書くんですよ。だから、本に近いですよね。ラジオの作家は。
太田光:そう。文学的なものがあるから。だから、すごいですよね、そう考えると。
田中裕二:やってることが節操ないぐらいいろいろ。
藤井青銅:節操ないんですよ。
田中裕二:本当に。
太田光:本当にそうなんですね。
藤井青銅:何やってんだ、コイツはって。
太田光:結局、元号ブームにしろ、全然前に本出しているわけですよね。
藤井青銅:この4年前に一回元号の本を。世間が全く話題になってない時に、元号だー!つって、4年前に出して、全く話題にならないで(笑)。
田中裕二:そうか! これ4年前に出している本。
藤井青銅:それを見た人が、今回話題だから出しましょう。僕にとって2冊目の元号本になるんです。ハハハハ
太田光:ハハハハ 面白いよね。ちょっと早い。
田中裕二:早いんだよねぇ。
江藤愛:すごいですね。本当にすごい。
太田光:先見の明は(笑)。
田中裕二:だから、全部後の人においしいとこ持ってかれるパターン。
藤井青銅:そうそう。
太田光:だけど、やっぱり文章からも感じるけど、そういうことを全然気にしてないというか。
田中裕二:そう。
藤井青銅:いやいや、そんなことないですよ。もっと売れたいんですけど(笑)。もっと儲けたいんですけど。
太田光:あんまり自己主張が。
田中裕二:ないんだけど、でも、本読んでると、こういうことをやりました、これでちょっと話題になったんだけどってなるんだけど、でも売れなかった、みたいなオチが多いじゃないですか(笑)。
藤井青銅:そうそうそうそう。売れなかった。話題にはなったけど売れなかった(笑)。
田中裕二:売上には影響しなかった、みたいな。
藤井青銅:全部それ(笑)。
(CM)
(太田さん、青銅さんの笑い声)
田中裕二:TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー-ここは赤坂応接間-』今週のゲストは放送作家の藤井青銅さんです。
作りじゃない、ちゃんと本当に来た質問。
太田光:吉井ちゃんも作りがうまかったからなあ。
藤井青銅:作るからなあ、また。
田中裕二:吉井ちゃんも、それはだって。
藤井青銅:そういうふうに育てられてきた。
田中裕二:育てられてきているわけだから。
江藤愛:今日は青銅さんの「せ」「い」「ど」「う」の文字から始まる質問をリスナーに募集しています。
太田光:「せ」できました。RNサンチョ。世知辛くなったラジオ業界と感じることはありますか。
藤井青銅:ああ。
太田光:どうです?
藤井青銅:「お金がないからできないんだよ」とか、さんざん聞くんだけど、昔からないんだよとか思って(笑)。
太田光:確かにそうですよね。
藤井青銅:昔からないのよ、ラジオって。
田中裕二:まあ、ラジオはね。ラジオは昔から。ただ、イベントで特にニッポン放送とかって。
太田光:イベントはうまかったよ。
田中裕二:とてつもないイベントをよくやってたじゃないですか。
藤井青銅:そうそうそうそう、やってましたね。
田中裕二:それこそ僕も行ったんだけど、大滝詠一さん、サザン、そしてラッツ&スター、これが西武球場でやるわけよ。コンサートを。すごくない?
江藤愛:うん、なんかすごい。
田中裕二:そんなのとか。
藤井青銅:やってましたね。
田中裕二:それこそ武道館とか。
太田光:当時のニッポン放送って、ちょっとブームを作ってやろう、みたいなのがすごくありましたよね。
藤井青銅:フジサンケイグループのスピリットみたいなのは、たぶんニッポン放送的に強かったでしょうね。
太田光:あったんですね。
田中裕二:あと、やっぱり、ラジオのリスナーが多かったからね。
藤井青銅:そうそうそう。それは言えますね。
田中裕二:それこそたけしさんのオールナイトニッポンの聴取率とか。
太田光:あれは圧倒的だったね。
藤井青銅:あれはすごかったですね。
田中裕二:テレビだからね、もう。
太田光:だから、やっぱり我々もあれに憧れてラジオとかやるんだけど、青銅さんが高田先生が目の上のたんこぶのように、やっぱり漫才ブームというのは、どうしても俺たちは。
藤井青銅:ああ、なるほど。
太田光:どうしても俺たちは。
藤井青銅:なるほど。世間の熱気がやっぱり違いますもんね。確かにね。
太田光:違いましたよね。
田中裕二:そこは全体的なムードが。その時代だからそうだったということが。
藤井青銅:そうそうそうそう。タレントの問題じゃないんですよね。
田中裕二:今どうするということでもなくなっちゃってる。
藤井青銅:確かにそうかもしれない。
太田光:でも、ドラマ、やっぱりラジオドラマ、それこそ大滝さんのやつとか、いろんなドラマやってましたよね。
藤井青銅:やってましたね。大滝さんでは『マイケル・ジャクソン出世太閤記』という。原案、小林信彦さん。
藤井青銅:5~6枚の原稿が僕に来ただけという。これで1時間のドラマを作れ。ハハハハ
太田光:1時間に伸ばせと。ハハハハ
『芳賀ゆいのオールナイトニッポン」もひどいですもんね。
藤井青銅:ひどいですよね。2時間全部作りですから。
田中裕二:ハハハハ
太田光:いないんだから。
田中裕二:それはそうだよ。
藤井青銅:いないんだもん。
田中裕二:架空なんだから。
藤井青銅:作らざるを得なかった。
田中裕二:コントとしてね。それはしょうがない。
太田光:だけど、伊集院が、青銅さんがよかれと思って、伊集院こうしたほうがいいみたいなメモで伊集院に渡して、したら、伊集院も、実は青銅さんが、あれ、ご病気された時ありましたもんね。
藤井青銅:ちょっとありました。
太田光:その時に、圓鏡・談志の歌謡大全集。(注・『幸せな裏方』では、『談志・圓鏡 歌謡合戦』とある)
藤井青銅:有名な。
太田光:それを、お見舞いに行って、照れくさそうに青銅さんに渡したのをお互いどっちも大事に持っている。
田中裕二:ねえ。それはいい話だよね。
太田光:涙もんだよね。
田中裕二:涙もの、本当に。
藤井青銅:伊集院君は大事に持っているかどうか知りませんよ。腹立たしくて持っている可能性も(笑)。
太田光:いやいやいや。
田中裕二:でも、持ってるってね。
太田光:俺はこの前伊集院と話して、青銅さんの話になったんです。したら、「やっぱ天才作家だった」って言ってましたから。
藤井青銅:いやいやいや、とんでもないです。
太田光:『(伊集院光と)らじおと』という番組、今度出てください。
田中裕二:出てください?
藤井青銅:出てください、じゃないでしょう(笑)。
吉井さん(?):伊集院君がどう思っているか。
藤井青銅:そうですよね。
太田光:いやいや、だから、青銅さんからオファーしてください。伊集院と青銅さんの会話を聴きたいから。
田中裕二:聴きたいということね。
太田光:聴きたい。
江藤愛:ああ、聴きたい、聴きたい。
太田光:RNももいちろう。「せ」できました。青春時代、憧れのアイドルは誰でしたか。
藤井青銅:憧れのアイドル? 誰だろうなあ。
田中裕二:ちょうど僕らの10コ上。桑田さんとか。
太田光:ああ!
藤井青銅:今、悲しい感じ(笑)。
太田光:悲しい、悲しい。
田中裕二:やめなさいよ! なんでその話を。当時のかわいい話だけしよう。当時のかわいかった話だけでいい!
太田光:架空だとか。
田中裕二:架空じゃねぇーよ! 架空じゃねぇーよ!
藤井青銅:ハハハハハ
太田光:かわいかった。本当白雪姫だったもんね。
太田光:RNよしもう一発。「い」できました。田舎、地方のリスナーを意識していますか。
藤井青銅:それはすごく意識する。僕も山口出身だから、主に九州のを聴いて育っているんですけど、イベントってやっぱり東京でどうしてもやるじゃないですか。(?)のイベントも東京じゃないですか。出待ちとかなんか、あり得ないですよね、地方でというのは。だから、今回のオードリーの武道館も、その前に各局を回って武道館にしたいというのは、そういうことだった。
太田光:あったんだ。
藤井青銅:それでも大都市しか行けないですけどね。でも、やっぱりそういうのをやったほうがいいなと思って。
田中裕二:それこそ、今、エリアフリーで最近はラジコでね。
藤井青銅:そうそうそう。全国で聴けますから。
田中裕二:俺は、太田さんもそれですっげぇ聴いてて。
藤井青銅:太田さんはすごい各局。
田中裕二:日本中のいろんなのを聴いてるんだけど。
藤井青銅:太田さんはすごい各局。だって、ミュージックソンのとき、地方局側の立場で(太田光:ハハハハ)、「声の握手」が気になるってお話しになってて、すっごい面白かった。
田中裕二:あれ、キスマイの北山に無理を言って。
太田光:仕込みましたから。
田中裕二:仕込んで、「お前、RCCに横山っていう奴がいるから、「横山この野郎」とにかく大声で叫べ、とにかく何にも考えなくていい。「横山この野郎!」って怒鳴れ」とかね。「枝曾丸(しそまる)というのが和歌山で出てくるから、「あでー」って言え」みたいなことを無理やり仕込んで。
江藤愛:面白い。最高。
田中裕二:でも、こういうことが本当にラジオを。
太田光:面白かったね。
田中裕二:楽しいというかね。
藤井青銅:面白いですよね、そういうのがね。
田中裕二:なかなかテレビじゃできないしね。
江藤愛:いいこの架け橋。
太田光:シッピーの失敗も面白いもんね。
田中裕二:シッピーはね。
太田光:あれ、何だった? 尻尾があるんだよな。
藤井青銅:尻尾のこうやるとキュッと曲がる。あれ、何に使うんだろう。
太田光:ハハハハ
田中裕二:キーホルダーみたいに、とか、鞄とかにつけたりするような。
藤井青銅:でも、30センチぐらいあったよ。
田中裕二:そうなのよ。シッピーというのがあってね。
太田光:それがいわゆる。
藤井青銅:グッズですよね。
太田光:グッズ。葉書読まれた人に送る。架空の恐竜だか。
田中裕二:恐竜みたいななんかの尻尾。
太田光:尻尾だっていう。ただのモコモコした、安そうなやつだけど、それを配ってたよね。
田中裕二:そうそうそうそう。
太田光:一向に話題になんなかった。
田中裕二:全く話題になんなかったね。
藤井青銅:ハハハハ
太田光:俺らも「なんだ、これ」って言いながらやってたもんな。
太田光:RNイエスミソオ。「ど」できました。どうして放送作家になったんですか。また、目指すにあたり影響を受けたものは何ですか。
藤井青銅:これは、最初に出た星新一ショートショートコンテストの中に1人放送作家がいたんです。その人が秋元さんといつも一緒にやっていた人。
藤井青銅:よく一緒にコンビを組んでやっていた人で、ショートショートを書けるならドラマも書けるんじゃないの?というので、『夜のドラマハウス』でショートドラマの番組に紹介してもらってという経緯ですね。
太田光:だから、本当にラジオドラマが多くて、TBSでも。
藤井青銅:ありましたね。
太田光:ああいうの面白かったよねぇ。
藤井青銅:面白いですよね。最高の映像を頭に浮かべるから(笑)。
田中裕二:そうね。
太田光:でも、あれを毎週やってたって、当時のラジオ、偉いですよ。
田中裕二:偉い。
藤井青銅:偉いですよね。
太田光:あのクオリティでね。
田中裕二:偉い、偉い。本当にそれは。
太田光:また鶴光さんが、あの頃、第1次声優ブームでしたっけ。
藤井青銅:はい、そうですね。
太田光:だから、声優、ハイジの人とか。
田中裕二:エロいことを言わすのね。
太田光:スケベなことを言わそうとする。それもまたおかしかったよね。
藤井青銅:みんな想像しちゃうから(笑)。
太田光:ハハハ ひどい放送だけど。
田中裕二:ひどいんだけどね。
太田光:RNトンカチ大臣。「ど」できました。どうしても締め切りや収録に間に合わない時、どうやってとぼけましたか。
藤井青銅:まず、連絡に出ないですよね。
太田光:ハハハハ
田中裕二:でも、これね、ケータイない時代は、放送作家にとっては天国ですよね。
藤井青銅:天国です。家出ちゃえばいいんだもん。
太田光:ハハハハ
江藤愛:留守電にしとけばいいんですもんね。
藤井青銅:そうそうそうそう。
藤井青銅:そうそうそうそう。あと、ぎりぎりは何となくわかるじゃない。ぎりここまでに間に合えば何とかなるっていうのはわかってるから、それでやりくりするという。またディレクターもいい時代で、あんまり怒らないんですよね。しょうがないな、みたいな感じですね。
太田光:面白かったのが、チェッカーズの特番で作家が飛んじゃって、直前に廊下で会って、「いま暇? オープニングのコント考えて」って、また安請け合いしたんだけど。
藤井青銅:「あ、いいよ」つって。
太田光:本番5時間前ぐらいですか?それは。
藤井青銅:5時間ぐらい前に声をかけられて、でも、オープニングコントだから、3分とか5分ぐらいのものですよ。だから、頑張れば書けるんだけど、あんまり早く渡したらよくない。
田中裕二:でき上がってるのに、ずっと考えてる振りして。
藤井青銅:振りして。
太田光:ADは青ざめて。
藤井青銅:ADは効果音ができないんだよとか言って、効果音とか、音楽とか、必要なぎりぎり30分もあればたぶん大丈夫だなと思って、「できたよ」って。
太田光:それが要するに生放送的な。
藤井青銅:そうそう。勢いでボンと突っ込む。
太田光:面白さも同時に計算してるっていうのは、やっぱりこれは放送作家じゃないと、こういう発想ってないですもんね。
田中裕二:だから、何でもこっちのほうが面白いっていうほうに行ける。
藤井青銅:そうそうそう。大体大変で儲からない(笑)。
田中裕二:そうなの。結構自分が怒られたりとか、損したりするんだけど、どっちが面白いかっていうのが(太田光:面白いよなあ)たぶん青銅さんの中では基準なのよ。だから、本当だったら、合理的にいったらこっちなんだけど、これだったら、でも、面白くねぇーなと思っちゃうんだと思うの。
太田光:そういうことだよね。
田中裕二:だから、先にいいやって。そうすると、面白くて盛り上がるんだけど、自分にとっては何の功績にもならないというね。
太田光:この間のオードリーの、さんざん春日が感動させて落ちたじゃない。
藤井青銅:はい。落ちましたね。
太田光:あの時は大喜びしたでしょう、青銅さん。ハハハハ
田中裕二:面白かったもんね、あれは。
藤井青銅:まあ、でも、これが春日さんだよなあと思って(笑)。持ち上げすぎだよという。
太田光:ハハハハ
田中裕二:いや、あれは面白かった。本当面白かったね。最高だった。
藤井青銅:昨日、入籍しましたけどね。
田中裕二:そう。昨日、入籍した。あれもだから、俺らの楽屋に来て、お祝いをあげたのね。それで、まだ「おめでとう」って感動の時だった。まだ出る前。春日、お礼を言いに来て、さんざんお礼を言った後に、「実はもう一つお話が」。
太田光:「明日出ます」。
田中裕二:「明日、ついに出ます」。何が出るんだよ!
太田光:ひっくり返ったなあ、あの時な。
田中裕二:あれは嬉しかった。嬉しかったって言ったらあれだけど。
藤井青銅:でも、お笑い芸人としては最高ですよね。
太田光:最高でしたね、あれはね。
田中裕二:芸人としては最高だもの。
太田光:また奥さんも立派な方。
藤井青銅:そうそう。
江藤愛:大きい方ですよね。
田中裕二:奥さんも、クミちゃんだっけ? よかったよね、そういう人で。
太田光:RNあじよしのうり。「う」できました。ウッチャンナンチャンやオードリーと口論になったことはありますか。
藤井青銅:口論はないですね。
太田光:でしょうね。
藤井青銅:ないですよね。
田中裕二:ないですよね。
太田光:本当に物腰がやわらかいというか、巨匠然としないですもんね。
藤井青銅:巨匠じゃないし、あと、怒らない人としか仕事しないようにしてる(笑)。怖い人とはやらないようにしてる(笑)。
田中裕二:ハハハハ
太田光:いやいや、でも、青銅さん自体が怒らないでしょう?
藤井青銅:私も怒らないですね。
太田光:なんか腹立つ若手とかもいたでしょう?
藤井青銅:ああ、いるかもしれないけど、でも、人それぞれだしね、別に。いろいろあったほうがいいじゃないですか、こういう仕事って。
太田光:ああ、そうかあ。
田中裕二:それこそ生意気なアイドルだとか、ちょっと勘違いしたミュージシャンとか。
太田光:あの頃多かったもんな。
田中裕二:いたんじゃないですか、青銅さん、そういう。
藤井青銅:まあ、いたでしょう。
太田光:ハハハハ でもね、いまだに現役っていうのは嬉しいやね。
田中裕二:そう。でも、本当に放送作家の人って、ギャグ漫画家もそうだけど、大変なんですよ。続けることが。
太田光:大変です。毎週だから。
藤井青銅:わりとそうですよね。
田中裕二:だから、その場その場の仕事。
太田光:その場しのぎだから、大体。
藤井青銅:しのいでしのいで数十年(笑)。
田中裕二:多いから、本当に。超大作をずっと連続で作るみたいな感覚とはやっぱり違うじゃない。ポイント、ポイントで、次外したら終わっちゃうみたいな。
太田光:高田先生もそうだもんね。
藤井青銅:そうそうそうそう。
太田光:速攻力というか。
田中裕二:だって、3年後とか想像もつかない世界だから、本当に大変だと思うんですよ。
太田光:すごいよね。たけしさんが実は流行らせたと思われていることも、高田先生がパッと拾って、これを広げたっていう。
藤井青銅:それはあると思います。
太田光:すごい多いですもんね。
田中裕二:それはあるでしょうね。
太田光:そういうところなんだよね。
今の若手の作家をどう見てます?
藤井青銅:あまり知り合いはいないんですけども、でも、やっぱりみんなすごいなと思いますよ。
太田光:やっぱりね。でも、なんでLFはこんな状況になっちゃったんですか。
田中裕二:いやいやいや、こんな状況って何?
藤井青銅:放送局って引っ越すと業績が悪くなるというジンクスがありまして。
太田光:ハハハハ なるほど。
藤井青銅:2回引っ越してます(笑)。
太田光:RNゲゲゲのサラリーマン。「う」できました。うどんと日本蕎麦、ラーメン、パスタ、どれが一番好きですか。
藤井青銅:これね、聴きたいとこでしょう、やっぱりね。
太田光:ハハハハ
田中裕二:全く興味ないから。一応くだらない質問がきたんでね。何ですかね。
藤井青銅:蕎麦ですね。
太田光:どういうところが好きですか。
藤井青銅:これ以上広がらないんで(笑)。
江藤愛:終わり。
太田光:普通、ラーメンて言いますよね。
藤井青銅:普通はそうですけどね。
田中裕二:普通とも限らないでしょ、別に。俺も蕎麦だな。1位、ざる蕎麦。せいろの蕎麦が一番好き。
太田光:愛ちゃんはやっぱパスタでしょ?
江藤愛:私、パスタかな、やっぱり。
田中裕二:お前も蕎麦じゃねぇーの?
太田光:いや、僕はラーメン。
田中裕二:本当?
田中裕二:1回も行ったことないですから。
藤井青銅:広がってここまでですね。
太田光:広げてもここまで(笑)。
田中裕二:どうですか、この質問を選んだ放送作家の吉井っていう奴は。
藤井青銅:ちょっと出直したほうがいいんじゃないですか(笑)。
江藤愛:藤井さんの本のご紹介です。
藤井青銅:ありがとうございます。
江藤愛:『元号って何だ?: 今日から話せる247回の改元舞台裏』元号に関する素朴な疑問に答える入門書。いま一番楽しめる元号本で、小学館より絶賛発売中です。
田中裕二:これも何かの後追いとか言われるのかな。
藤井青銅:何とか熱があるうちに売り切ってしまう(笑)。
田中裕二:令和に決まりましたけど、どうでした? 令和というのを初めて、あ、これになったんだと。
藤井青銅:なんか今風な言葉だなと思いましたよ。キラキラほどではないけども、現代風な。平成の時にちょっと古くさいなと思いませんでした?
田中裕二:そうですよね。なんかね。
藤井青銅:それに比べれば。
田中裕二:気に入ってますか。
藤井青銅:まあ、気に入らざるを得ないです(笑)。
太田光:でも、本当に新しいことも全部受け入れるっていうか、あれですよね。要するに、パソコンとかも早いじゃないですか。ネットとか。
藤井青銅:早くはないですけど、やっていかないと生き残っていけないんで、頑張って勉強するという。
太田光:それがすごいですよね。俺なんか、もういいやと思っちゃうけどね。
田中裕二:俺なんか完全に置いていかれてるから。
江藤愛:本当に。同じくです。
藤井青銅:でも、例えば、タレントさんの名前なんか、もう覚えるの、僕は放棄してますけども。
太田光:確かにね。
藤井青銅:だって、TikTokで有名な誰々って言われてももう。
江藤愛:わかんない、わかんない。
太田光:それはわからない。
田中裕二:それはわかんない。乃木坂の人の名前言えます?
太田光:諸星ナントカ。
田中裕二:SMAPがいるでしょう。嵐もわかるでしょう。なんで光GENJIで終わっているの。
太田光:でも、オードリーは幸せだな。
田中裕二:そうだねぇ。
太田光:そう考えると羨ましいな。
田中裕二:そうだよ、羨ましいね。
江藤愛:本当ですね。
田中裕二:だって、本当にオールナイトニッポンていうのは、我々、今、ラジオこうやってやってるけど、TBSでやってるけど、なんだかんだ一番憧れてる番組なわけでね。
太田光:本当はね、そうだよねぇ。
藤井青銅:(笑)
田中裕二:だから、そのオールナイトニッポンを今オードリーが。
藤井青銅:名前としてはね。
太田光:残ってる。
田中裕二:そうそう、残ってるし、それはもう歴史もある。もちろん『パックインミュージック』、TBSもそうなんだけれども、そこで僕らがちょうど中学とか高校の頃聴いてたあの番組ねっていうのに青銅さん関わってたわけだからさ、そういうことを思うとね、羨ましいなってふうに思いますよね。
青銅さん、今後やりたいこと、気になっていることはあるんですか。
藤井青銅:ああ。今、本を書いているんですけども、本当は連休前に上がってるはずなのが、まだ半分しか上がってない。
太田光:遅い。
田中裕二:何関係ですか?
藤井青銅:国関係ですね。
田中裕二:すっげぇ大雑把(笑)。
ということでございまして、どうもありがとうございました。
藤井青銅:こちらこそありがとうございました。
爆笑問題とのトーク、楽しかったです。さすが、ずーっと売れ続けてる方は凄いなあ。
— 藤井青銅 (@saysaydodo) May 12, 2019
お会いしてないなあ。まあ、故郷は遠きにありて、的な人ではある。 https://t.co/Dt4WBM1a6v
— 伊集院光 (@HikaruIjuin) May 12, 2019