陽気の人

 

うしろシティ星のギガボディ 2019年4月3日

 

金子:お花見してきてさ。別に普段、例年はやんないんだけど、東京に妹が住んでて、妹が去年結婚したんだけど、その旦那と仲いいのね、俺。いい奴だし、話も合うし。

阿諏訪:年下?

金子:うん。たまに「飯行きましょう」みたいに言われてさ、2人で飯行ったりもしてんだけど。「お花見行きましょうよ」みたいなになって、妹が仕事終わってから合流するから「先行って場所取っておきましょう「みたいな。「あ、いいね、いいね、やろう、やろう」つって行ったのよ。上野公園。もう。

阿諏訪:ザだね。花見と言えば上野公園みたいのあるね。

金子:穴場みたいのわかんなかったからさ。

阿諏訪:あるんだろうね、都内もね。

金子:いいんじゃない?逆にそういうもろなとこでつってさ。妹の旦那が先に上野着いててさ、「うわ、結構満開です」みたいなLINE送ってくれるのよ。写真とかも。うわ、すげぇなあと思って楽しみにして向かっててさ「今ここら辺にいます」みたいな写真送られてるんだけどさ、桜の木じゃんか。どこよ?

阿諏訪:(笑)確かに。確かに。

金子:こればっかじゃん。桜の木の前で満面の笑みの自撮り送られてきたんだけど。

阿諏訪:でも、桜入れたいもんな(笑)。

金子:そう。どこよ?この空とピンクとお前だけで(笑)。引きで、引きでやって。

阿諏訪:もうちょっと引きでな。看板とかなんかを。

金子:自分も入ったやつ撮った後に引きで撮って。ノーヒントで結局電話で合流してさ。

場所取らなきゃね、みたいな。行ったタイミングで夕方5時ぐらいだったのよ。

阿諏訪:夜桜みたいな感じになるね。

金子:まだちょっと明るいぐらいかな。提灯とかもちょっとつき始めてて。

阿諏訪:ああ。雰囲気いいもんねえ。

金子:俺、ビニールシートは買っていってたからさ、どこだ?つって、トイレの近くとかイヤだなあみたいな話しててさ、いろいろ探してたんだけど、桜並木がバーッとあるような下はさ、余裕で埋まってんだよね。

阿諏訪:土日?

金子:平日、平日。

阿諏訪:平日で?

金子:うん。でも、たぶん春休みとかの時期だったのかな。会社帰りの人、よく、ベタだけどさ、新入社員の人が場所取りとかさせられてるじゃん。泊まったりさ。ここ、シートは敷いてあるけど、誰もいないな、みたいな。ここ、どうなんだろうと思ったら、そこに人来てさ。便利屋さんとかもいるのよ。

阿諏訪:場所取りの?

金子:そう。「ここって取ってるんですか?」って聞いたら「ここは取ってます」みたいな。その人と話したら、その人便利屋さんで、会社に頼まれて30人分の場所取りをしてんだって。「ちなみに明日の分です、これ」って。

阿諏訪:うわ、すごっ。

金子:「え、そうなんす」かつって。「今日借りれないですか?ここ。ダメなもんすかね?」

阿諏訪:明日の分でしょう?

金子:うん。でも、会社はその人に、額は言えないけど。結構な額を払ってるから。

阿諏訪:違う違う違う、数時間で帰るから。

金子:じゃん。思うんだけど。

阿諏訪:俺ら、便利屋としていますよってことで。

金子:(笑)その人が1人で座ってんだよ、そこに。

阿諏訪:ずっと明日まで?

金子:交替制って言ってた。何時にほかの人が来て代わるんですけど。一応ルール上、貸せない。又貸しみたいのはできないつって。又貸しなのかなあつって。前の時間だから別によくないですか?みたいに思ったんだけど。そういうのがいたりさ。

みんな張り切ってるんだよね。段ボールでテーブル作ったりする人とかさ。少しでも快適にしようとしてんだろうね。全然場所ないね、どうしようつって。いろいろ、結構広いから、歩いて探してたらさ、結構桜もあるし、屋台とかもちょっとあるし、トイレもまあわりと近いいい感じのところに、基本びっしりシートあんだけど、空いてるスペースあったの。「うわ、やった、あそこにしようぜ」つって「オッケ、オッケー」。走ってってそこにシート置いてさ、なんでここ空いてんだろうっていうさ。変じゃん。

阿諏訪:まあな。そんな絶好の場所でそこのスペースだけ空いてる?

金子:そう。

阿諏訪:え?何?

金子:あのね、周りが大学生の陽気の人たちっているじゃん。

阿諏訪:うん。陽気の人たち……陽気の人たち?

金子:ウエーーーイ!

阿諏訪:はいはいはい、いる。

金子:俺らがそのシート敷いた時に、ちょうどその場所取りしてるところに集まってきたぐらいの人たち、陽気の人たち。

阿諏訪:陽気の人たち?

金子:スタート時間は一緒ぐらいよ、俺らと。開幕でコールしてんの。

阿諏訪:はあ!

金子:チョイ残し~♪みたいな。

阿諏訪:何それ?何それ?何それ?

金子:わかんない、わかんない、俺もちゃんと聞き取れなかった。

阿諏訪:最近のやつ?

金子:うん。陽気言葉だから、それは。

阿諏訪:チョイ残し~♪チョイ残し~♪

金子:あと、誰かが誕生日で、おめでとう~♪おめでとう~♪みたいな、知ってる?コール。

阿諏訪:知らない、知らない。

金子:そういうのやってるの、ずっと。開幕からよ。

阿諏訪:乾杯から?

金子:まだ座ってねぇー奴いるぐらいの勢いの段階で、全員がでっけぇ、1リットルぐらい入ってそうなシャンパンみたいなボトルラッパ飲みで。

阿諏訪:うわあ。でも、まあまあ、花見なんて年イチだから、テンション上がってるんでしょ、たぶん。

金子:いや、そいつら言っててさ、「俺、毎日花見してんだけど、春休み~」みたいな。「それな~」みたいな。それな~?

阿諏訪:(笑)毎日のようにやってるんだ。

金子:そう。そいつらが、そういう陽気の人たちが、その一群だけじゃないのよ。周り何チームかいて。別で。

阿諏訪:囲まれてんの?

金子:そう。だから、その真ん中は人がいないのよ。

阿諏訪:はあ、なるほど。

金子:そう。

阿諏訪:そういうエリアなんだ。

金子:そう。

阿諏訪:陽気エリアなんだ。

金子:そうそう(笑)。

阿諏訪:陽気エリアかあ~。

金子:みんなさ、段ボールでプラカードみたいの作ってさ、大学の新入生歓迎、サークル勧誘みたいな感じで、何々大学、何々サークルみたいの書いてあるプラカードみたいの持ってさ、わかるようにしてんのよ。

阿諏訪:集まりやすいように。

金子:そうそうそう。それがいろんなグループがあって。

阿諏訪:囲まれて(笑)。

金子:そのドーナツの真ん中を埋めるように、俺と妹と妹の旦那(笑)。

阿諏訪:いやあ、結構だねえ。孤立感があるね。

金子:うん。旦那もいい奴だけど、イケイケじゃないからさ。優しい気のいい奴だから、ノリ的には、ずっと俺が3人いるようなもんよ。妹も似たようなもんだから。

阿諏訪:(笑)

金子:だから、声も聞こえないしさ、お互いの。

阿諏訪:うるさくて?

金子:うん。

阿諏訪:そんなにずっとコールしてんの?

金子:そうだよ。だって、陽気の人たちだよ(笑)。

阿諏訪:何なの?さっきから「陽気の人」って。

金子:俺たちが空気を吸うのと一緒よ。空気を吸って吐くのと一緒よ。陽気の人たちはコールを吐く。ずっと。

阿諏訪:「陽気の人たち」って何なの?陽気の。「陽気の」って何なの?

金子:ははははは(笑)

阿諏訪:「陽気な」じゃないの?ずっと気になってたんだけど。「陽気の」なの?

金子:で、苦手だなとは思ってたの。俺さ、お花見に限らず、いろんな場で会うことあるじゃん。例えばサッカー、スポーツバーに観戦しに行ったりしても、絶対そこにも陽気の人たちは。

阿諏訪:「陽気の」気になるんだよな。

金子:いるじゃん。

阿諏訪:気になるけど、ま、ま、わかる、わかる。いるよ。

金子:何が苦手なんだろうなって考えさせられてさ。やっぱノリが単純に違うから無理なんだなっていう。

阿諏訪:バイブスが合わねんだよな、俺らと。

金子:そう。でも、それってさ、嫌いになる理由じゃないじゃん。

阿諏訪:そう。ちゃんといい子たちだったりするんだよ。

金子:じゃん。

阿諏訪:ただバイブスが合わねんだよ、俺らと(笑)。

金子:そう。それがでかいのはあるんだけど、もう一個気づいたのよ。陽気のグループにいる女子って可愛いんだよね。

阿諏訪:ああ、ああ、ああ。

金子:圧倒的に。

阿諏訪:うん、うん。

金子:で、そういう子たち、可愛いなと思うのに、絶対になじめないじゃん。

阿諏訪:なじめないねぇ。

金子:そこへの妬みとかが自分にあるんだ。

阿諏訪:はあ、なるほどねぇ。

金子:うるせぇーなっていう言葉で自分でかき消してるだけで。

阿諏訪:なるほど。実は羨ましい。

金子:そう。があるから、こんなに苦手意識が。まぶしいというかさ。

阿諏訪:うん、わかる、わかる。

金子:なんだなーとか思いながら。

阿諏訪:いやあ、本当にね、可愛いんだよね。

金子:そう。

阿諏訪:くっそー。

金子:そうなんだよ。くっそーだよな、ほんと。

阿諏訪:可愛くなきゃなあ。

金子:そう。

阿諏訪:可愛いんだよなあ。

金子:俺たちも陽気の人たちになれればいいんだよ。でも、俺たちなれないじゃん。

阿諏訪:そう。それか、可愛い子が陽気の人を嫌ってくれればいいんだよ(笑)。

金子:そうそうそうそう、そうそうそうそう。

阿諏訪:でもやっぱ。

金子:そうじゃねぇんだよ。

阿諏訪:陽気の人ってさ、やっぱ、なんつうの、押しも強いわけじゃない。

金子:そうなんだよ。だから、陽気の人のほうが可愛い女の子との距離を詰めやすいんだよ。

阿諏訪:そう、そうなの!

金子:可愛い子は陽気の人たちのほうが楽なの。

阿諏訪:そう。で、押しに弱かったりするじゃん。陽気の人が…「陽気の人」って何?

金子:はははは(笑)

阿諏訪:「陽気の人」って何?ずっと気になるんだよなあ。

金子:お前が言ってた。お前のほうが言ってたぞ、後半。

阿諏訪:俺も言ってたんだ。

金子:で、まあ、仕方ないつって、ここでひっそり。旦那が俺のために「家で実は焼きそば焼いてきたんですよ」つって。いい奴だから。「それ食おうぜ」っつって。めっちゃまずいんだけど(笑)。

阿諏訪:(笑)まずいんかい!

金子:焼きそばなんかまずくなんないはずなんだけど、めっちゃまずいんだけど、「ありがとな」つって食っててさ、楽しくこっちはこっちでやってたのよ。そしたらさ、俺らの隣にいた陽気の人たちのその中でも一大勢力の男子が妹の旦那に「一緒に飲みましょうよ!」つって。

阿諏訪:おわー。

金子:でっけぇボトルのシャンパン持って、肩組んできて。

阿諏訪:うわあ。

金子:いやいやいやいやつって。陽気の人たちの「一緒に飲もう」はさ、「おい、サッカーやろうぜ、お前ボールな」みたいなことじゃん。

阿諏訪:ははは(笑)

金子:俺たちの受け取り方は。

阿諏訪:なるほどなあ。そうだな。対等ではない感じはするな。

金子:そうそうそう。いやいや、みたいな。旦那も、いや、すいません、みたいな。

阿諏訪:たぶん悪気はないんだろうけどね。

金子:ないのよ。

阿諏訪:その人たちもね。

金子:ないんだけど、要はさ、その一群の中で、陽気の人たちが場所取りした、真っ白キャンパスに一点墨汁をこぼしたように俺たちがいるわけじゃない。見逃せなかったんだと思う。

阿諏訪:なるほど。なるほど、なるほど。絶対こっちのほうが年上でしょう?

金子:そう。

阿諏訪:(笑)

金子:だって大学生とかだからね、周り。

阿諏訪:20代だよね。

金子:「一緒に飲みましょうよォ」つって「あ、すいません、ごめんなさい」みたいな。へへへみたいな。ああいう時なんで笑っちゃうんだろうな。へへへって。悔しいよな。毅然としてりゃいいのにさ。

阿諏訪:情けないよな。

金子:すいませーん、みたいな感じで断ってさ。ちょっと面倒くせぇなあ、みたいになってたんだけど、しばらくしたら、大学生の1人が潰れちゃって。ウエーってなって。

阿諏訪:男?

金子:うん。ズボンとかビッチョビチョよ。顔面蒼白で一点見つめてる、みたいな状態になってて、うわ、かわいそうと思って、やっぱ陽気の人たちのゴールはここしかないのかと思って。ハッピーエンドでなくない?

阿諏訪:いや、俺、見届けたことはねぇけど。どうなの?

金子:渋谷とか見てもさ、こうなるまで行く、みたいなさ。

阿諏訪:そうねぇ。

金子:楽しかったからここで終わりっていう終わり方してないのかな。

阿諏訪:しないよ。行くとこまで行くよね。

金子:そう。よく見る景色だなと思って。でさあ、うわ、吐いちゃったんだね、みたいな感じでこっちも見てたんだけど、周りの陽気の人たちはさ、看病とかあんましないの。

阿諏訪:慣れてんじゃない?

金子:なのかな。タカをくくってるのかわかんないけどさ、こっちは心配になる、ちょっと。

阿諏訪:そうだね。

金子:え、大丈夫?急性アルコール中毒とかあるでしょうと思って。さすがに、放っておこうかと思ったけど、これはちょっと無理だなと思って、「お水飲みなよ」みたいにやって、水渡したらさ、顔面蒼白で一点見つめてる男の子がさ「うしろシティ」って言ったの。

阿諏訪:(笑)ヤバい、ダイイングメッセージみたいになるね。

金子:うぅわ、面倒くせぇーと思って。

阿諏訪:(笑)いいじゃん、言ってくれたんだから。

金子:いやいやいやいや、普段なら嬉しいよ。普段町中で「あ、うしろシティだ」って言われたらさ、別にどんな、呼び捨てでも何でも嬉しいよ。あ、見てくれてんだなと思うけど、ここでは面倒くせぇーと思って。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:しかも、お前その状態でよく気づいたなと思って。自分を見失うぐらい飲んだ奴が、うしろシティを見つけるってなんだよと思って。

阿諏訪:でも、大声じゃなくてよかったね。

金子:そう。元気もないから。まだだから、周りの陽気の人たちに気づかれてない。

阿諏訪:それ気づかれてたら大変なことじゃん。

金子:そうそう。ここで止めようと思って。

阿諏訪:ヤバい。もう殺すしかない、コイツを(笑)。

金子:コイツをここで封殺して。悪いが。知ってしまった以上。俺がうしろシティであることを知ってしまった以上。

阿諏訪:かんざしを取り出して、首もとにクッてやるしかないって、これ。ヤバいよ、大変なことになるよ。出られなくなるよ、一生そのドーナツから(笑)。

金子:(笑)で、そいつが「写真撮ってください」って言うの。

阿諏訪:マジで?

金子:ま、いいけど。

阿諏訪:だって、気づかれるじゃん。おかしいじゃん、知らない人たち。

金子:後々気づかれるのは別にいいじゃん。今見せる力はない。ね。ほかの陽気の人たちもこいつを気遣ってはいない。それで、撮ってくれなかったということでなんかあった場合のほうが広がるリスクがあるから。

阿諏訪:なるほど。だったらササッと撮る。それか殺す。

金子:うん。

阿諏訪:(笑)

金子:たまたま、その日、俺、かんざし刺してなかったから撮るしかねえ。

阿諏訪:ああ、そうか、手段はないんだ。

金子:で、「わかった、わかった。いいけど、お前、その状態でいいの?」つって。

阿諏訪:大丈夫?

金子:「あの、ツー、ツーショットで」って言って。

阿諏訪:(笑)

金子:ズボンとかビッチョビチョだしさ、顔も全然楽しくなさそうなのに、俺、横でピースしてさ、ツーショット撮ってさ。「あ、ありがとうございました」って言って、それで息を引き取ったんだけど。

阿諏訪:いやいや、死んでない(笑)。

金子:たぶん(笑)。

阿諏訪:お前が、殺しただろ、それ。

金子:すごい静かになって、一応大丈夫そうだから、しゃべれてるし、痙攣とかもないし、大丈夫かなつって戻ろうとしたら、陽気の人たちの長(おさ)みたいな奴がいたのね。そいつが「あ、大丈夫!看病してもらってたのォ?」つって来て。来んなよつって。お前もしゃべんなよと、そいつしゃべんないように見てた。そしたらね、その陽気の長が「あー、なんかすいませんし……うしろシティ」。

阿諏訪:ヤベーーー!ヤベェ!

金子:こんなことある?と思って。

阿諏訪:長も知ってた。

金子:変じゃね?と思って。

阿諏訪:だから、殺しとくべきだった(笑)。

金子:いやいや、そうなんだけど、俺もちょっとなめてたというか、俺たちって、陽気の人たちにあんまりハマってないと思ったの。

阿諏訪:ああ、そんな気は。

金子:知られてないだろうって勝手に思ってたのね。

阿諏訪:うんうん、そんな気はする。

金子:意外と思って。お笑いって、特にコントとか観ないでしょ、皆さんて。

阿諏訪:うん、そんな気がするよ。

金子:思ってたから、えっ、なんでこんな2分の2で知ってんの?みたいななって。よく知ってんなと思って、殺すことも忘れて。

阿諏訪:ははは(笑)今、長を殺しておけば広がんないのにな。

金子:うん。でも、なんか驚いちゃって。で、「よく知ってんね」って。もっとパーティ系のネタでやってる人とかさ。

阿諏訪:わかる、わかる!

金子:飛び道具系の人とかが若い陽気の人にはもてはやされない?とか。

阿諏訪:きつねとかね、今ならね。

金子:まあ、そうそうそうそう。

阿諏訪:ノリのいい感じの。

金子:そうそう。あっちのほうがハマりやすい感じするのにと思って。したら、「いやあ、でも、逆にうしろシティいいんすよ」つって。あん?と思って。

阿諏訪:(笑)

金子:「逆に」つったか、コイツ。

阿諏訪:(笑)ストレートではねぇんだ。

金子:逆に、なんだ?ストレートだと面白くないと言われていますが、っていうことか?コラ!と思って。コイツと思って。

阿諏訪:真っ直ぐ聞いたらつまんねぇですが、逆に面白い。

金子:なんだ?コイツと思って、ちょっと話聞いてみようと思って。「ど、ど、どういうこと?」つって。「あのォ、コントとかもォ、結構あれふれたテーマじゃないすかァ」みたいな。ああん?

阿諏訪:(笑)長が?

金子:ネタのことはやめとけよ。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:「芸人にとってネタとはなんぞやっていうのはあるぞ」と思って。

阿諏訪:いくらお前が長だからとはいえ。

金子:俺もうしろシティの長として。

阿諏訪:(笑)長だったの?

金子:そこは守らなきゃいけないもんはあんぞと思って。「だからこそ、みんなわかるんすよね。学校とか、だって、俺らも高校とかは行ってたから、高校の話ってわかるじゃないすかァ。でも、そういう高校のありふれたテーマとかやってくれるとわかるしィ、でも、そん中で、あんま人が言わないこと言うじゃないすか」。

阿諏訪:はははは(笑)わりと深い話してんな。

金子:あん?つって。もう顔真っ赤で、そいつ。酔っぱらってるから。ありふれたテーマですいませんね、みたいな感じで聞いてて、「だから、要は、わかる奴にはわかるし、わかんねぇ奴にもわかるように、丁寧にやってくれてると思う」って言われたの。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:ンだよ、いい奴じゃねぇーか。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:おい、なんだよと思って。なんだ、ちゃんと観ててくれてる人がこんなところにいたのかよと思って。

阿諏訪:ちゃんと観てんじゃん、長(笑)。

金子:ありがとうなと思って。妹とかもいるし、ホクホクよ、俺にとっちゃ、もう。「一緒に飲むか!」みたいになって。そしたらね、ちょっと盛り上がってるから、めっちゃ可愛い女子たちも「どうしたの?」みたいな来んのよ。これ、ちょっと、ついにきたんじゃねぇーかと。

阿諏訪:ヤバい。

金子:勝手に自分たちのイメージで遠ざけてたんじゃないか。

阿諏訪:そうだね、そうだね。なんかきっかけさえあれば。そのきっかけを長が作ってくれたと。

金子:女子が来て「誰?誰?」つって「うしろシティだよ」って長が言って、バカ!

阿諏訪:やめろと。

金子:やめろ。

阿諏訪:声高に。

金子:したら女子がさ「知らない」。

阿諏訪:はははは(笑)

金子:陽気の人たちに好かれたいなあ。

阿諏訪:好かれたいなあ。

金子:もっとなあ(笑)。

阿諏訪:「そうなんだー」でいいじゃん。「知らない」って言うなよ。

金子・阿諏訪:はははは(笑)

 

 

金子さんが妹さんの旦那さんと初めて会った時の話もいい話だったのよ。

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