エレ片のコント太郎 2019年4月6日
片桐「理事長挨拶で「皆さんは4年間で自分の道を見つけてください。集中力をもっていろんなことに。日本人で外国へ行ったら一番なのはイッセイミヤケです」と」
ほかにたくさんいるだろうと、やついさんと今立さん。
(中略)
片桐「それで、「満を持して、皆さんの先輩のOBの96年卒業の片桐仁さん。俳優、コメディアン、そしてアーティストとして活躍される」。それでヘラヘラしてさ、俺もどうしていいかわかんないから」
(中略)
片桐「「イッセイミヤケじゃなくてどうもすいません」つって。そしたら、理事長だけ爆笑ね。理事長だけ。理事長笑ってるからよかった。「僕なんかよりも佐野研二郎のほうがよかったんじゃないですか?」そしたら、理事長も笑わなくて。あら?理事長も笑ってない。サノケンだめでした?と思って。「今こそいろんな話あるでしょうから」みたいな。全然、全然反応なくてさ。もうほとぼり冷めてるかなあと思って「デザイン界のしくじり先生ですけど」って言ったら、またウケなくてさ」
今立「危ない、危ない。よく掘るよね」(笑)
(中略)
片桐「これは、自分の話するしかないなと、版画科に補欠で入ったし、前の日描いてた絵を描いて受かったという話をして」「先ほどの首席の方みたいな立派なところは僕はないんです。こんな僕ですけど、こうやってこういうところに来てますから。皆さん、素晴らしいです、みたいな話して」
片桐「親御さんもね」「すっごい高い学費をね、よくぞ、よくぞ決断してくれましたと。医科歯科、音大に続く。何かを学べるわけでもない多摩美で。何の資格も手に入れられない多摩美で」
今立「大丈夫?怖い、怖い、怖い。怖い、怖~い」
やつい「なれるでしょう?先生とか」
片桐「教職か学芸員、どっちか。美術の教師なんて学校に1人しか要らないし」
やつい「そこまで言ったんですか?」
片桐「そこまで言ってないです。だって、いくら追っかけても誰も反応なくなってきちゃったから」「すぐ切り換えましたよ。僕は美大に入って、自分が親の立場として子どもが美大に行きたいと思ったら、ぞっとしますと言った時、すごい変な空気になったけど、まあ、それはもう」
やつい「でも、晴れの舞台だからね」
今立「恐ろしい。恐ろしいよ。これはすごいね」
(中略)
今立「なんで言うの?」
片桐「わかんない。実情として、モニターで観てる親御さんにウケたかったんだろうね。親御さん、いないから。入れないから」
今立「いないからこそわかんないじゃん、反応が」
片桐「そうなんだけど。止まんないんだよね」
今立「その間違ったたけしイズムみたいの、やめなよ!」
やつい(笑)
片桐「お笑いロックみたいのは言いたいんだよね、俺は、やっぱ。お笑いロックとして言いたくなっちゃう。キャラクターじゃないんだよね」
今立「全然違う(笑)」
片桐「僕なんかは、絵がダメだからっていう時に誘われてお笑いやったら学校でウケて、「うわ、これだ!」と思って、で、外でやったら全然ウケなくて、あれ?みたいなのを思ってて、ずっと、うぬぼれとぬか喜びの連続みたいな感じなんですと。幸か不幸か、俳優とかもやらせてもらって、この年になって思うのはっていう話で、俺は最近思ったこととして、お笑いと俳優とアートって同じことってありますか?と言われた時に、いい演技とか、いいアートとかというものがあるとして、過去にこういうものがいいアートとしてあった。巨匠たちがいた。名優たちがいたけど、そういうものをそのまま真似するんだと真似になっちゃう。だから、どうしていいかわからないことが不安だけど、それが面白さなんじゃないかっていうのを俺、最近思ったから、それ言ったの。これ面白くないですか?」
やつい・今立(笑)
今立「押しつけてくる(笑)」
片桐「「答えがわからない。これ、面白くないですか?」って言ったら、生徒が、俺を見てはいるんだけど、俺を見てない顔をするんだよね。5メーターぐらいのところにいるんだよ、一番近い子なんて」
やつい「もっと前からずっとスベってるから、一回思考を切っちゃっているんじゃない?向こうが」
(中略)
片桐「わからないということが面白いとか、最近、慶応の女の子が言っていた「心の中に常識的な気持ちとパンクの気持ちを同居させるといいんじゃないか」と言っていて」
やつい「何の話?」
今立「何で急に慶応大学の女の子(笑)」
片桐「クリエイティブ、創造する時に、いろんな常識がある中、この常識で考えていく中、こういうものをつくろうという時に、新しいものをつくろうとすると、それはもうダメなんじゃないか。常識的に考えて」
今立「片桐さんがちょっと前にクラウドファンディングのイベントに出た時に会った慶応大学の子が言ってたんでしょ?」
片桐「そう!よく知ってるじゃない」
今立「言わないとわかんないよ、そんなの」
片桐「よく知ってるじゃない!」
今立「たまたま俺も当たったけど、俺出てねぇーからね、それ」
やつい(笑)
片桐「クラウドファンディングのプレゼンした時の、僕よりもちゃんとできた子が言ってたことなんだけど、それを言ったんですよ。「常識的でダメだと思うけど、そんなもの知らない、やってみようというパンクな気持ちと両方あるといいんですよ」つって。これもすごいいい言葉じゃないですか?つって」
やつい「(笑)なんなの、その最後のやつ」
片桐「そういう面白がること、そしてコミュニケーション。アクションとリアクションですよと。リアクションがないんですよつって。そのあたりぐらいから、授業がつまんないなあとか思って、自分には必要ないなと思ったけど、後々これは自分にとって大事だったとかというのを思ったので、つまんない授業をつまんなくするのは皆さんですよと。楽しんでくださいね。面白がる気持ちが大事ですよ、みたいな。そうしたら、長くなっちゃってたから、本当にみんな、これ長げぇーな、みたいになっちゃってて、「以上をもちまして、挨拶と代えさせていただきます」って、ヘラヘラしながら終わって」
やつい・今立(笑)
(中略)
片桐「その後、大学生、在校生がしゃべるんだよ。4年生が。それがすげぇウケてんの。「片桐さんの後だとちょっと緊張しちゃうんですが」みたいなこと言って。すっごいみんなニコニコしてて」
今立「その在校生は何がよかったんだろうね」
片桐「優しい口調だったね。でも、読んでんだよ、書いてきたものを。それで終わってさ、終わって帰ろうとしたら「おい!」って言われてさ」
今立「御礼参り?」
片桐「誰だろうと思ったら、佐野研二郎だったの」
今立「うわっ」
やつい「同級生だっけ?」
片桐「そう。佐野研二郎いたの、そこに」
今立「うわっ!」(笑)
片桐「俺もびっくりしてさ、「あー!佐野いたんじゃん!おまえが言えよー!」みたいな」
やつい(爆笑)
今立「これはすごい。これはすごい」
片桐「だから、結局ザワザワしたのは、佐野いるの知ってる先生たちだったの。いるのに変なイジりしちゃったの」
やつい「いるのわかってればね。「いますしね」とか言えば」
片桐「そうなんだよ」
今立「ということは、片桐さん、完全に気づいてなくて言ってんなっていうのがまたバレちゃってるし」
片桐「そう。それ見た前のほうの生徒なんか、変な顔してて。いたんじゃんと思って。「いますけど」とか「おい!」とかイジったりできればよかったけど、佐野も変な感じになってるし。別に怒ってないけどね」
やつい「表面的にはね。もしかしたら仕返しするのを考えてるかもしれないけどね」
片桐「いや、向こうは先生ですから」
今立「これは、やっぱ真骨頂(笑)」
やつい「ほんと真骨頂」
今立「ほんとに恐怖ですよ(笑)。ホラーだなあ~。2019も、すごいね」
やつい「身を滅ぼすやつだよね。たまたまうまくいってるけど、今のとこ」
片桐「閉じたとこでよかったよね、入学式というね」
今立「それをまたキョクがふえて、広げてますけどね」(笑)