ラジ(コ)フェス 2019年3月21日
太田光:昨日のあれ面白かったな。
伊集院光:何?
太田:斉藤由貴。
伊集院:斉藤由貴さん、よかったよ。
太田:久々だろ?
伊集院:斉藤由貴さんは、僕は30年前に斉藤由貴さんがニッポン放送でやってた番組が大好きで。
太田:昨日出てたの、(「伊集院光とらじおと」の)ゲストで。
伊集院:そうなの。その話をすごいしてたの。すごい楽しかったんだけど、それは楽屋でしよう、その話。
太田:いやいや、でも、聴いてますよっていう話でさ。青銅さんの話とか出てさ。
伊集院:その人はラジオの構成の天才の人よ。藤井青銅さんという人がいて、その人が作ってた。斉藤由貴さんが忙しい時に、30分の番組を録るのに、長い時4時間ぐらいかかったっていう。(太田「それぐらいちゃんとやってた」)それは斉藤由貴のよさを出すために。これからラジオ論に入るんだろう?きっと。
太田:ラジオ論だよ。その斉藤さんが不倫しちゃったんだよなあ。
田中:そっちに振るな。
太田:「斉藤さんだぞ」って言っちゃった。
伊集院:でも、斉藤さんすごかったのは、当然そんな話に触れてほしくないじゃん、生放送で。でも、俺の言い方としては、「いやいや、やらかしちゃうことありますよね?」って言ったら、したら、それを生放送で、「私は大事なものが欠けている人間です。(太田「そうだ。全く俺もそう思う」田中「お前はいいんだよ」)だからこそきちんと女優をやりたい」という。
お前、なんにもねぇーじゃねぇーか!逆に。欠けてないもんがねぇーじゃねぇーか!
太田・田中・宇垣美里:(笑)
伊集院:でも、そのやりとりが、俺はラジオのいいところだと思うんだよね。
太田:そう。「ごめんなさい」つってたね。
伊集院:「本当にごめんなさい」って言うんだけど(太田「謝ることない」)、それがさ、テレビだとおそらく、しかも生じゃないテレビだと、全カットだと思うの。
田中:まあ、それは全カットだから。
伊集院:でいて、俺も危ないことを言いたいわけじゃないんだけど(田中「わかるよ」太田「そこ聞きたいもんな」)、その微妙な、相手の判断に任せるけど、聞かないわけにはいかないじゃんていうことに、本人が機転を利かせて。
田中:伊集院はそういうふうに聞くじゃない。コイツはただ単に「〇〇〇被ってますか?」みたいなことにしちゃうから。
伊集院:言うんだよ。
宇垣:情緒がないなあ(笑)。
太田:小枝師匠が股間にプリン。
田中:小枝師匠ならいいわ。
太田:あれ、大福も載せてたらしい。
伊集院:小枝師匠の話題、今急に(笑)。
田中:(笑)
太田:でも、だから、伊集院はそういう志が高くて、ラジオに関しては。
田中:それはそうですよ。
伊集院:ちょっとそれはこだわるか。自分は本業がないからね。
太田:それがLFともめた原因だけど。
伊集院:はははは(笑)
田中:もめ過ぎだろ、みんな。どんだけみんなもめんだよ。
太田:でも、TBSはいいよね、そういう意味ではね。
伊集院:いや、よくしてもらってますよ。本当に楽しくやらせてもらってて。
伊集院光:こんなにこだわっている人がいないから、聞かれないと思う、その初期のラジオの『斉藤由貴 ネコの手も借りたい』は何歳から。
斉藤由貴:たぶん18~19ぐらいだと思うんですけど、その前に『(斉藤由貴 見えますか?)青春輝(きらめ)き色』とかすごく短い番組があって、その後『ネコの手も借りたい』に移行して、それで十何年ぐらいかな、やったんですけど、たぶん、30分、40分、50分ぐらいの番組なんですよ。何分間だったかよく覚えてないの。
伊集院:録って編集するじゃないですか。
斉藤:この、週1だったんですけど、番組を作るのに、1本録るのに3時間ぐらいかかるの。
伊集院:俺ね、のぞきに行ったことあるんです。実は。
斉藤:えっ?LFに?
伊集院:僕、当時、オールナイトニッポンを始めたばっかりで、斉藤由貴さんがその番組始めてしばらくたった頃に僕のオールナイトニッポンが始まるんです。その時に、藤井青銅さんという人は鬼コーチみたいな役割で。
斉藤:(笑)わかる。
伊集院:すごく細かくいろんなことを教わった人で、斉藤由貴の番組はどんな顔をしてあの人やってるんだろう?と思ってのぞきに行ったら、たぶんスタッフが、照明まで気を遣っていたと思う。
斉藤:えっ?何それ?
伊集院:スタジオの照明を少し暗めに調整したりしてた。
斉藤:本当に?
伊集院:はい。それぐらいみんな斉藤さんもスタッフも一生懸命やってましたよね。
斉藤:そう。本当に丹精込めて作ってたと思う。今、すごく偉くなっちゃった人、ラジオね。
伊集院:俺喧嘩した人じゃないですよね?ニッポン放送を出禁になってるんで。
斉藤:わかんないけど(笑)。40分の番組だから、曲抜いたら30分ぐらいで録れるんじゃない?って言われたこともあったんですけど、私のディレクターの鳥谷さんという方は。
伊集院:はい。…鳥谷さん、喧嘩した(笑)。
斉藤:他局の話、こんなにしていいんですか?
伊集院:全然問題ない。全然問題ないです。
斉藤:とにかく最初の打ち合わせから、今週どんなことがあった、どんなことを話したい。それから葉書の選抜から、最後の私の『ネコの手(も借りたい)』の一行詩まで、全部、本当に丁寧にきちんと打ち合わせして、あなたの番組なんだから、あなたから出てくるものを書こう……。
伊集院:つくろう。
斉藤:話そうっていって、本当にすごかったし、だから、怒られました。ちゃんとノートに自分が何を経験したか、どんなことを話したいか、ちゃんと書いてネタ帳を作ってこいって言われて、その頃、ピッカピカのアイドルで、すごく忙しかったんですけど、あっ、本当にそうだなと思って。そういう感じで作ってました、ラジオ。
伊集院:そのラジオ、長く僕もやるようになって、いろんなことを教わって、いろんなアプローチがあるから、例えば、アイドルちゃんの番組の中には、ちゃんとそのアイドルちゃんのキャラクターに沿ったものを書きますから読んでくださいという番組もあるの。あって、それは全然悪いことじゃないの。それ自体は。その人のアプローチで、それが一番可愛らしさが出るということならば。
斉藤:客観的に見えるしね。
伊集院:それはそれで、僕はアリだと思っているんだけど、たぶん斉藤さんへのアプローチではそうではなかったと思うんだよね。
斉藤:だからね、本当に自分から出るものがないと、話してて、ああ、スカスカだなとか、甘いなということをわかりながら話しているという、その、何て言うの?葛藤というか、逡巡というか、何と言ったらいいのかな、そういうジレンマというか、がありながら、収録しちゃうこともままありましたね。今思うとね。恥ずかしながら。
伊集院:でも、すごかったのは、これが今まさにラジオでやっているから、ラジオを聴いている方に届いてほしいと思うのは、この30年前の本を勝手に僕は読んできて、こういう話が好きなんですというのを言ったとたんに、覚えているっていう誠実さ。僕は、自分の住んだお家をリフォームする話になる時に、誰もいなくなっている家が象の墓場のようだったという話が好きで、そのくだりをちょっと言っただけで、あ、あの話ねってなるのは、本人の中から出てきた本当に大事なことなんだなと思ったり。
斉藤:そうですね。
伊集院:あと、ちゃんと読んで見ると、この人意外に厄介な人だなって全部出てますね。
斉藤:めっちゃ厄介だと思います。
伊集院:(笑)
斉藤:私は本当に面倒くさくて厄介な人間なんです。すごく自覚してる。
伊集院:あの、ごめんね。本当、生だから、ここを掘ってる気はないんだけど、厄介なことも起こすし、起こる、じゃないですか?(笑)
斉藤:あの、何て言ったらいいのかな、ごめんなさい。
伊集院:でも、本当そうですよね。最終的に「ごめんなさい」って言うしかないし、いろんな人と解決したこともあるんだろうとは推測するんですけど(笑)。
伊集院さんの口から青銅さんの名前を聴いたのが初めてだったので、興奮してしまった。しかも「ラジオの構成の天才」と。
いつか伊集院さんの番組にゲストで出る日がくるかな。
こちらで青銅さんがアイドルのラジオ番組について少し語っています。