第13話
春日の結婚式当日。若林のもとへ駆ける白川マネージャー
結婚披露宴会場
司会「それでは、新郎新婦の入場です。皆様、盛大な拍手でお迎えください」
新郎新婦入場
浜谷「おい、マジで来ねぇのかよ」
岸「みたいだな」
浜谷「いよいよあの噂マジじゃん」
単独ライブの稽古場
白川マネ「少しは考えたらどうですか?」
春日「うーん、そうねぇ~、どうしようかねぇ~、うーん」(着信音)「あ、お疲れさまです~。はいはいはい。あ、はいはい、大丈夫ですよ。いや、正直迷ってるんですよねぇ~、引き出物。何でもいいっちゃ何でもいいんですけどねぇ。ふふ(笑)ああ、そうですか。うーん、じゃあ、ま、とりあえず嫁に聞いてみますわ。はい。はい。時間なら、まあ、あるんで。はい。はい。はい。お願いしまーす。失礼しまーす」
白川マネ「準備で大変なのはわかりますけど、いくらなんでも浮かれ過ぎじゃないですか! 協力する姿勢くらい見せないと」
春日「う~ん。今日、若林さん来んの?」
白川マネ「もうすぐ来ます」
春日「あ、そう。ふ~ん」
白川マネ「若林さん、今回の単独ライブに芸人人生賭けてるんですからね。このままだとマジで捨てられちゃいますよ!」
春日「ふふん(笑)そんなわけないじゃないのよ。まあま、落ち着きなさいよ。座んなさいよ、とりあえず。椅子があるんだから」
白川マネのもとに若林からLINEが「一人で色々と考えるわ…今日バラしで」
カフェにて若林「単独ライブ/解散」の文字がノートに
(おまえとはもうやってらんねぇーよ)
1カ月後。スポーツ新聞、写真週刊誌に「オードリー解散」の見出し
白川マネ「うそ…」
公園にて春日「おまえ、それ本気で言ってんの?」
移動のバスの中で若林。ワイドショーを観ている。
ピロト「オードリー若林さんが解散を決意。春日さんをして新しい相方と新たな道へと踏み出すということですが」
つぶやきシロー「春日さん、結婚のタイミングっていうところに驚きなんですよね」
サエちゃん「ですよねえ。そういう噂聞いたことありました?」
つぶやきシロー「ないですよ。ネットで知りましたよ。春日さん大丈夫なんですか? ピンになるということでしょう?」
ピロト「解散ということになると、そういうことになりますよね」
つぶやきシロー「オードリーの漫才が観れなくなるというのがね」
ピロト「今、流れてますね」
白川マネ「若林さん」
若林「「うん」て言うところだろ、今のところよ、おまえ」
春日「約束はできないからね」
若林「そんなおまえとね、もうこれ以上漫才やってられないよ、おまえ」
春日「おまえ、それ本気で言ってるのか?」
若林「いや、本気で言ってたら、こんな長い時間漫才やらないでしょう」
2人「エへへへへ~」
サエちゃん「さみしいですよねえ」
つぶやきシロー「ねえ。したら、やっぱ僕と組んだほうがいいのかなあ…」
サエちゃん「それ、本気で言ってるんですか?」
つぶやきシロー「いや、本気で言ってたらこんな楽しくやってないでしょ。えへへへ、やんねぇーのかよ!」
白川マネ「もう一度考え直してもらえませんか?」
ピロト「新相方候補として、これまたピンのはなわさんの名前が挙がってますよ」
つぶやきシロー「らしいですね。もし本当に実現したら強力な新コンビになるけど…」
白川マネ「あと、春日さんの披露宴なんですけど」
若林「俺、その日原稿書くから」
サエちゃん「同じピン芸人ですもんね。でも、はなわさんと若林さんの新しいコンビも楽しみじゃないですか?」
披露宴の打ち合わせの席
スタッフ「出席者は確定でよろしいですか」
美幸「いいんだよね?」
春日「……うん?」
美幸「いいんだよね?」
春日「おーおーおー、うん、はい」
美幸「もう、ちょっと、しっかりしてよ」
春日「ごめん、ごめん」
美幸「それでお願いします」
スタッフ「はい」
春日「ちょっと。いいですか」
春日「一応」
スタッフ「かしこまりました。失礼します」
ピンの仕事
若林「これからもずっと漫才やろうな」
春日「それはわからねぇーよ!」
若林「なんでだよ!」(笑)(拍手)
若林「「うん」て言うところだろう、おまえ、今のところよ、おまえ」
春日「約束はできないからね」
若林「そんなおまえとね、もうこれ以上漫才やってられない」
春日「おまえ、それ本気で言ってるのか?」
若林「いや、本気で言ってたら、こんな長い時間、漫才やらないでしょう」
2人「エへへへへ~」
若林「どうもありがとうございました」(拍手)
通りかかる母娘連れ
春日「ヘッ!」
逃げる母娘。
スタッフ「ダメだな」
スタッフ「そうだねぇ」
スタッフ「ダメですかね?」
スタッフ「ああ、いやぁ…」
スタッフ「厳しいな」
スタッフ「ないっすね」
スタッフ「ハハハハ(笑)」
白川マネが近づいたのに気づき苦笑いのスタッフ
スタッフ「じゃ、すいません、車に」
春日「ウィ。ありがとうございます」
スタッフ「ロケバスあちらです」
春日「あざす」
白川マネ「春日さん、本当にいいんですか? 若林さん、昨日、はなわさんと会ってましたよ。本気ですよ、新コンビ。この世界、そんなに甘くないですよ。春日さん1人だとネタも企画も考えられない。筋肉だけが取り柄の脳味噌空っぽ芸人がこれからどうしていくつもりなんですか?」
春日「言うね、白川」
白川マネ「そりゃ、言いたくもなりますよ。解散危機なんですから!」
春日「もうほんとわかんないんだよ。どうすればいいのか」
白川マネ「じゃあ、証明しましょ。相方は俺だって。力づくでも取り戻しましょうよ!」
春日「どうやって」
白川マネ「どうやってって……。だから、力づくでも……」
春日「……おお、あったよ」
白川マネ「あった?」
春日「あった。四股を踏めだ」
白川マネ「四股を踏め?」
春日「うん。四股を踏めだ」
白川マネ「ちょっと何言ってるかわかんない…」
相撲の稽古場で四股を踏む春日。現れるはなわ。
結婚披露宴会場
まだ来ない若林
♪『情熱の薔薇』(THE BLUE HEARTS)/稚菜
カフェにいる若林のもとに駆ける白川マネージャー
白川マネ「若林さん」モバイルを取り出す。
若林「それ、今じゃなきゃダメ?」
白川マネ「今じゃなきゃダメなんです」
若林「何よ?」
白川マネ「とにかく観てください」
『若林の相方選手権』の文字
白川マネ・ナレーション「『若林の相方は俺だ選手権』
てっぽうをする春日
白川マネ・ナレーション「若林に捨てられ、今後、自分はどうすればよいのか、ピンでやっていく? それで嫁を養える? 結婚を来月に控えたものの、春日の生活は荒れていた。本当に俺は必要ないんだ。春日は失意のどん底に。
だが、春日は立ち上がった。
やっぱり俺は若林の相方だ。ない脳味噌をひねって春日が思いついたのが…」
春日「はなわさんが本当に若林の相方にふさわしいのか、ここで決着つけさせてもらいます。『若林の相方選手権』開催だ!」
はなわ「はあ?」
白川マネ・ナレーション「そう。これが春日なりのけじめのつけ方」
若林「なんでだよ!(笑)」
白川マネ・ナレーション「この日のために、春日は己の肉体を限界までいじめ抜いた。すべては若林の相方候補より自分が強く、若林を守ることができると証明するため。結婚にうつつを抜かし、相方に頼りきっていた自分を戒めるため」
若林「自分だけ練習したらずるいだろう(笑)」
白川マネ・ナレーション「そして、ついに幕が切って落とされた。これに勝ったほうが若林の相方。オードリーの未来がこの一番で決まる」
若林「いや、この大会、俺、認定してねぇーし(笑)」
♪『C.h.a.o.s.m.y.t.h.』/ONE OK ROCK
白川マネ「はっけよーい、のこった!」
白川マネ「春日さんにとってのオードリーって何ですか?」
春日「やっぱり若林君と春日の作品? 2人で協力してでっかくしていかなっきゃいけないから。ビルか。ビルかな。オードリー……ビル、ダセぇな。山だな。うん、山にしよう」
白川マネ「私、春日さんで笑ったこと、今まで一度もないです! せめてここで勝って、私を笑顔にしてみろ! 春日ー!」
春日、はなわに勝つ。
春日「トゥース! よーし!」
はなわ「俺が若林の相方だっていうのはしっくりこねぇって、ええ? 若林への愛は春日には勝てねぇよ。痛ぇな」
「来てくれると嬉しいかも。春日の結婚式」
結婚披露宴会場
春日の挨拶「本日は、春日と美幸の結婚披露宴にお越しいただきまして、まことにありがとうございます。結婚の幸せをかみしめると同時に、不安もございます。私春日は、オードリーというコンビで活動しておりました…」
白川マネ「春日さん」
若林登場。ざわつく会場
春日「おい、若林! 解散したかったら春日を倒してからにしなさい!
おい、白川」
白川マネ「はい。いきますよ!」
ふんどし姿になる春日。
春日「ブルってんのか? それとも負けるのが怖いのか!」
白川マネ「お願いします」
司会「皆様、新郎春日様たってのご希望で、若林様と相撲対決を行います」\おー!/\春日―!/
白川マネ「春日さん、最後のチャンスですよ。いいですね」
春日「おう」
白川マネ「はっけよーい、のこった!」
若林が春日を負かす
若林「そんなおまえと!漫才やってらんねぇーよ!」
春日「おまえ、おまえそれ本気で言ってんのか?」
若林「本気で言ってたら、披露宴で相撲やんねぇーだろ」
春日「へへへへへへへ」
2人「へへへへへへへ」(拍手)
♪『絆。』/ハジ→
白川マネージャー号泣
若林「ちょっと面白かったよ」
春日「えっ?」
若林「ま、いいや」
カフェにて若林
解散ドッキリ
白川にも内緒で実行→このままじゃ春日は芸人としてダメになる→
覚悟とやる気を出させたい→解散のウワサを仕掛ける→
春日がどうでるか?→春日への結婚祝い→あいつの芸人魂復活!!
若林「頭ひねって相撲かよ!」
春日「ああ(笑)」
『まんざいたのしい』より
若林「これからもずっと漫才やろうな!」
春日「それはわからないよ!」
若林「なんでだよ! 「うん」て言うところだろ、おまえ今のところよ、おまえ」
春日「約束はできないからね」
若林「そんなおまえとね、もう以上漫才やってられないな」
春日「おまえ、それ本気で言ってんのか?」
若林「いや、本気で言ってたら、こんな長い時間漫才やらないでしょ」
2人「エヘヘヘヘ」
若林「どうもありがとうございました」
春日さんが結婚で浮かれる? 若林さんが解散を口にする? ウーン…という感じだったけど、スポーツ報知の「あの時」の連載といい、テレビ東京のこの番組といい、オードリーが世に出て10年をお祝いしてくれているのだな、愛されているのだなと思いました。
今日は春日さん、40回目の誕生日ですね。おめでとうございます。
一生漫才を続けてください。これからも2人の活躍を楽しみにしています。