2本目のネタ

 

大竹まことゴールデンラジオ!「大竹メインディッシュ」 2009年1月15日

 

大竹:1回やったじゃない。1回やった時の感触はどうだ? 1回やってから、最後3組残るよね? あの時やった感じは自分たちでどうだったの?

若林:2本目を全く用意してなかったんで。

春日:そうなんです。考えてなかったんで。

大竹:あ、そうなの?

春日:ええ。

若林:そればっかり考えましたね。だから、稽古しないですぐできるネタ2本しかなかったんで。

光浦:あらららら。

若林:どうしようと思って。

春日:だから、後から言われるのは、決勝の決勝、もう一回やる時に、1番手を選んでドン!てやってたらよかったんじゃない?って言われたんですが、3番じゃないと時間が。

若林:何のネタをやるか。

大竹:稽古しなくちゃいけないし。

若林・春日:そうなんですよ。

若林:タクシー乗った時点で夢叶えたみたいな顔で放心状態になっちゃってて、1本目終わってもまた放心状態みたいになってるから(どうしようと思って)。

光浦:ウケたしね(笑)。ああ、気持ちよかった~。

若林:そうなんですよ。

大竹:帰ってきて、噛んでもウケたって威張ってなかった?コイツ。

若林:そうなんですよ。噛んで笑えるのは俺だけだ、みたいなこと言ってましたからね(笑)。

光浦:ははは(笑)

春日:あれがなかったらえらいことになってた。

若林:いや、あれないほうがよかったわ、あんなの。

大竹:でも、春日君はもともと噛みやすい体質なんだよ。

若林:そうなんですよ。

大竹:だから、ああいう芸風がたぶん生まれたと思うんだよね、俺はね。

若林:そうなんですよ! 本当に。

春日:そうでございますね。

大竹:噛みやすいからしっかり作っておかないと、間違ったら、アタタタタって噛んじゃうから。

若林:ははは(笑)

大竹:変なこと言うより、ある程度、だから、漫才で、普通、漫才だったら「はい、どうも~」って始まるわけじゃない。だけど、春日君は、はなから形象を作って入ってくるわけじゃない。役者さんが入ってくると同じことでしょう。

若林:ははは(笑)

春日:そうでございますね。

大竹:役を作って入ってきた。そんな漫才今まで見たことないわけ。

光浦:そうですね。

大竹:いま、ネタばれしちゃったけど。

若林・春日:ははは(笑)

大竹:俺、審査員の側からすればね、「はい、どうも~」って入ってきて、なんやかんややって、ちょっとやってみましょうでネタでやったりして役になる。そうじゃないんだから。「はい、どうも~」の前に、階段を下りる時から役で入ってくるじゃない。

春日:ええ。

大竹:たぶん苦肉の策だと思うよ。

春日:ハハハハ(笑)

光浦:へえ。

若林:いや、ほんともうそうですね。

大竹:苦肉の策なんだけど、でも、今まで漫才のはなから形象の中にいながら漫才をやった人は、俺たち審査員は見てないんだよ。

若林:(笑)

光浦・春日:はあ。

大竹:だから、そういう意味でも目新しさというか感じちゃうわけだよね。

光浦:そうか、そうか。

大竹:それからまた蒸し返すようだけど、俺は審査員のほうにいて。

光浦:審査員、オードリーに投票したのは、大竹さん、中田カフスさんのお2人。

若林:そうなんですよ。

大竹:それはね、評価いろいろ分かれるところだと思うよね。

若林:ええ。

大竹:確かに現場では、正直に君達よりかNON STYLEのほうが笑いはとってた。

春日:そうでございますね。

若林:はい。

光浦:テレビで観てるとわかんないっす。全然わかんないっす。

大竹:わからない。だけど、現場だとそうなの。だから、NON STYLEが会場の雰囲気から、現場で全部総合すると、そっちのほうに入れるという。

光浦:風が吹いてたんだ。

大竹:風も吹いてたし、その気持ちはよーくわかる。だけどもね、俺はこいつらのネタが好きだったのね。それはなぜ好きかというと、ネタの中に、春日が指だけで、腕だけでね、「はい、お客さんいなくなった」と。「はい、お客さんまた出てきた」と。それで、春日が、今までマイクの前で喋ってるのに、こっちにいた春日があっちに移動するのよ。お客さんの中を。それを腕2本でお客さんに出して、戻して、春日の移動を指だけでやって、しかも「ウィ」という変な声で。しかもだよ、こんないい加減な状況を一瞬のうちに客に共有させるんだ、こいつら。

春日:ウィ。

大竹:ウィじゃねぇーよ!(笑)

春日:すばらしい。

若林:(笑)自分が作ったみたいな。

大竹:そこら辺は俺は評価はとっても高いとこなんだけど、それはだって、若林が作ったんだろう?

若林:もちろん、そこはそうなんですよ。今この録音のテープを関係者に配りたいですね、録って、大竹さんの。2本目の選択を間違えたって、いろんなところで言われるんですよ。

春日:そうなんでございますよ。

光浦:へえ。私、別に面白かったし。

大竹:全然間違えてないよ。

光浦:間違えてないと思うよ。

若林:同じパターンをお客さんは待ってたからっていって。で、待ってるだろうなと思うと、また違うことをやりたくなっちゃう性格なんで。

光浦:それが正解じゃない?

大竹:それが正解だよ。

光浦:こっちが正解ですよ。

大竹:こっちが正解だよ。

若林:それが余計だって言われちゃって。

光浦:同じようなネタやったら最悪のパターンがあったかもよ。3位になってたかもよ。

若林:お前、なんも考えてなかっただろう? 1本目と2本目の間(笑)。

春日:言わなかったら、俺もなんか一緒にやってみたいな感じの雰囲気でいけただろう、今!

若林:お前なんも考えてなかったわ(笑)。

春日:まあまあ、そうなんですけどね。私は“春日”をやるだけでしたから。

光浦:ははは(笑)