オードリーのオールナイトニッポン 2012年7月7日
若「この間、サトミツと6年ぶりぐらいに、仕事ない時、仙川の、温泉じゃないんだけど、スパっていうか、スーパー銭湯的なところへよく行ってて、当時、金ねぇからさ、スーパー銭湯だけが娯楽だったのよ」
春「ああ、よく行ってたね、2人。高井戸のあそことかね」
若「高井戸の美しの湯とかは」
春「しょっちゅう行ってたよ、2人。ハハハハ(笑)」
若「あそこでソフトクリーム食べるっていうのが娯楽のピラミッドの一番てっぺんだった」
春「ああ。上がった後に座敷かなんかで」
若「そうそう。で、ほんとは、インターネットで調べて、府中かなんかの結構高い温泉行こうって言ってたんだけど、20号、甲州街道走ってたら、「ちょっと仙川のとこ行ってみない?久しぶりに」みたいな」
春「なるほど!昔よく行ってた」
若「6年ぶりぐらいにガーッて入って、当時、死ぬ思いで500円払ってたけど、「もう俺は金はあるんや」って言って。ははは(笑)」
春「カーッ!成り金芸人!」
若「はははは(笑)」
春「出ましたねぇー!」
若「お前に言われたくないわ!成り金芸人て」
春「ハハハ(笑)」
若「それで、ちょっと値上げしてたんだよね。500~600円値上げしてたかな」
春「えっ?500~600円」
若「バスタオル代なんかなかったよね? 150円とかだったのがちょっと高くなってて、「金はあるんや」つって、出してさ。入って、「変わんねぇーな」なんつって、ほいで、ちょうどサウナにテレビがあるんだけど、『インパクト!』で藤岡弘と中尾彬(注)やったの、オンエアをそのサウナで観たななんつって」
春「ああ、当時ね?うんうんうん」
若「て言って、「今じゃ顔指されちゃうやっぱり」つってサトミツと話しながら、ま、1回も指されなかったんだけど」
春「うっふふふ(笑)ああ、残念だね」
若「で、風呂上がって、ソフトクリームが、また食べてみようぜつって、でも、俺、ソフトクリームにメロンソーダのフロート?つけちゃおうかなつって」
春「はあ」
若「そういう身分の」
春「あの頃出来なかった贅沢な」
若「懐かしいなつってて、帰り、通り道だから、サトミツが昔住んでたさ、行ったことある? 久我山のサトミツの家」
春「あるある。何回も訪れたことあるよ」
若「あの汚ったねぇさ(笑)」
春「汚ったねぇ、引き戸のとこでしょう?」
若「そうそうそうそう。階段崩れそうだった」
春「うんうんうん。一丁前に部屋にシャワーがあるとこでしょ? あんな狭くて」
若「そうそうそうそう。うわ、ここだ、ここだつって、サトミツと原付停めてたのつって。うわ、舗装されてんななんつって。俺が、あまりにもネタ番組でテレビ出れねぇから、車に轢かれてテレビ出るつって大の字になったT字路にも行ってみてさ、ここだ、ここだつって」
春「へぇ~」
若「何年前だつって、6年前だつって、27歳なんだね。よくここ座ってさ、2人で缶ジュース飲みながら、もう辞めようかどうかつって喋ってたなつって。今思えば、27で深夜3時にここに座り込んで芸人辞めようかなんて言ってるのダメだねつって。はははは(笑)」
春「ダメだよね」
若「ほんとだよ。「成り上がったよね」つってサトミツが「今じゃねぇ、ほら、ちょっとしたコーナーのMCやられるじゃないですか」なんて言われて。ははは(笑)」
春「ハハハ(笑)」
若「ほんとだよつって。サトミツのとこのアパートに行ったら、住んでる、住んでるよつって」
春「へぇ~。また新しい人が」
若「そうそうそう。で、舗装されてて、ほいで、ここのラーメン屋行ったわ、ああだこうだつって、ほら、よくさ、ジョナサン、高井戸の」
春「うぅははは(笑)環八のとこのでしょう?」
若「あそこでさ」
春「あそこも行った?」
若「行ったよ。ファミレスでネタ作るんだよね、俺と春日」
春「そうそうそう」
若「サトミツはほら、ぶっちゃけた話さ、どきどきキャンプでサトミツの意見なんて一切採用されねぇからさ」
春「(笑)ぶっちゃけたね」
若「はははは(笑)」
春「そういうシステムだからね」
若「そういうシステムだから、やることないからさ、サトミツが当時から来てくれて。だから、その頃から放送作家の片鱗はあったわけですよ」
若「片鱗はあって、あそこで春日とネタ作ってさ、ああでもない、こうでもないつって。ネタできたら駐車場で稽古して帰るっていう」
春「そうね」
若「あそこのジョナサン、ここだよ、ここつったら、焼き肉と寿司の食べ放題のレストランに変わってた」
春「えーーーーーっ!? うそ!? 建物自体はそのまま? 駐車場の感じとかも」
若「雰囲気はそのままで」
春「はー、ジョナサンじゃなくなってるんだ」
若「うん」
春「はー、じゃあ、もうネタ作りできないね、あそこでね」
若「食いまくらないとね」
若・春「ははははは(笑)」
若「その後、永福町の俺の3万のM-1の時住んでた家行ってみようぜつってさ、行ってさ、うわぁつって、住んでたよ人が」
若・春「はははは(笑)」
若「明かりがパーッと点いて、うわぁっつって。100円ショップでいつも塩焼きそば買ってたとこがあって」
春「うんうんうんうん」
若「あそこのマクドナルドでよくネタ作って。ちょうど『レッドカーペット』とか『イロモネア』に出たての」
春「はいはい。マクドナルドぐらいしかなかったんだよ、夜中やってるところがね」
若「なかった。あんなとこ住んでてさ、俺も戒めのためにアパートの写真撮って帰るわつって、アパートの写真撮ったの。見てみたら、アパートの写真にさ、俺、あんまそういうの信じないんだけどさ、煙みたいな白い、うぅわぁー。あはははは(笑)」
春「ええーっ!?」
若「俺、全然そんなの怖くないから、何にも気にしなかったけど、なんかこう、当時の俺の怨念の生霊みたいのが。はははは(笑)」
春「それ、なんか供養したほうがいいんじゃないの?」
若「全然供養しないけど、そんなの俺は」
春「そこにそんなの残してきたら」
若「正直、残ってても変じゃないから、何にも。2人で爆笑。消そう消そうつって」
若・春「はははは(笑)」
若「あのアパート、お前も来たことある?」
春「何回もありますよ」
若「思い出すわつって」
春「まだ住んでたってこと?新しい人が」
若「そう」
春「同じところに洗濯機置いたりとかしてた?」
若「そうそうそうそう。で、俺が使ってた物干し竿置いてったんだけど、その物干し竿使ってました。竹のやつ」
春「あらららららら。それは知らないだろうね、今住んでる人はね」
若「なんか爆笑するね。角を車で曲がって、そのアパートを見た瞬間爆笑するよ」
春「ふふふ(笑)」
若「いや、でもさつって、春日、いまだに住んでるからねつって」
若・春「ははははは(笑)」
若「あいつ、こんな巡るとかないからねつって」
春「ないないない。巡るとかじゃなくて、家に帰るっていうことだからね、普通に」
若「俺、バカだからさ、今、経済の本とか一から読んでんだけど、あと、資本主義の漫画になってるやつ読んでんだけど、面倒くさい性格になるよ、あの生活してたら」
春「ふふふ(笑)それはどういうこと?」
若「俺、今でこそ『ヒルナンデス』仕様の人間にならなきゃいけないからさ、いろいろ勉強してますよ。スイーツ食べ放題っていうのがあって、そういうものを食べに行くと人って幸せになるんだなぁとか、ちょっとしたこじゃれた三つ星、ミシュランの店とか行ったらとかって。本来、お仕事っていうものを全部取ったら、いまだにクソくらえだと思ってる」
春「へへへ(笑)まあね」
若「はははは(笑)本来ね。それはしようがなくない? だって、資本主義とか経済っていうもので言うと、これ、誰も言わないけど、誰も言わないことがいかがなものかと思うんだけど、正直、順位つけてるて」
若・春「はははは(笑)」
若「なんかグループ分けされてるて」
春「うんうんうんうん」
若「これは」
春「まあね」
若「それをウヤムヤにするんじゃん」
春「うん」
若「歌とかでも、愛が大事とか、教育のものでも友情だとか、お金が全てじゃないとか言うけど。全てじゃないよ。全てじゃないし、友情とか、もちろん大切だし、何を大事にして生きていくか大事だけど、そうは言っても面倒くさい性格になるよ」
若・春「はははは(笑)」
若「俺、金持ってるっていうだけでいけ好かないから。いけ好かなかったからね」
春「いや、まあ、そうね」
若「そんな奴が3万の部屋住んで、ボケナス! ボケコラ!と思って漫才やってんだから、それは面倒くさい性格になる(笑)」
春「まあ、そうだなぁ」
若「そんな2万、3万の給料だった奴が、M-1の次の年の8月に急に40万もらうっていうんだから」
若・春「はははは(笑)」
春「まあ、おかしくなるわなぁ」
若「そらぁ、なかなかだよね」
春「うん」
若「俺、もし子どもができたら、そうやって教えようと思う」
春「どういうことですか?」
若「「なんで勉強しなきゃいけないの?」とか「お金が全てなの?」みたいな、俺のガキだろうから、そんなこと聞いてくるだろうから、俺は言うよ。「お前、マジで勉強しないとインフルエンザになっても病院行けねぇからな」つって」
若・春「ははは(笑)」
春「ああ、まあ、そうか」
若「その一発で済むと思うもん」
若「あんまり、これ大げさに言っちゃいけないけど、すっごい一生懸命頑張ってるの。こういうものが幸せなんだとかさ。ものすごい好きじゃん。女の人もそうだし、男の人もそうだけど、パエリアのおいしい店とか、すげぇ好きじゃん。テーマパークとか」
春「まあね」
若「でも、俺はたまに次の日休みもらった夜だけ、全部を解放するということをやってるんですよ」
春「全部を解放?」
若「頑張ってるよ、俺は。いろんなレジャーとか旅行とか洋服とかブランドものの時計とかもわかんなきゃいけないってことで凄い勉強して、この間、時計――。時計なんかマジでクソくらえだと思ってるから」
春「うっふふふ(笑)」
若「ブランドものの時計なんて、本当に地面に置いてありったけの痰を吐いていいもんだと、いまだに思ってる部分(笑)」
春「ああ(笑)なるほどね」
若「ゴルフやる奴なんてクソ野郎だと思ってる」
春「あぱーーーーー!ハハハハ(笑)」
若「ほんとはね」
春「はいはい」
若「だけど、そんなマインド持ってたら仕事できないってことも俺は学んで、俺は虎のぬいぐるみの件で超スベったりして、いろいろ学んで頑張った。時計も買いましたよ。『時計の仕組み不思議』(?)という本を買って、どこの時計が、やっぱり時計って凄い。勉強しましたよ。でも、次の日、休みの時だけ解放してるの、それを。部屋にガンガン変拍子のバンドのZAZEN BOYSとかを流して、古谷実さんのダークなやつを読みながら、時計の悪口を言うっていうね。はははは(笑)クソくらえだ、ほんとに!っていう日を、次の日休みの日だけガス抜きをしてるんですよ」
春「なるほどね。それでバランスとれてるんだったらね、まあ、いいんでしょうね」
若「コンプレックス持つっていうか、劣等感持つっていうかさ、女の子自体も、まあ、話聞いてくれるね。春日さんもそう思わない?それは思うでしょう?」
春「それは思いますよ」
若「こういう言い方もできるよね。モテたかったら、いい大学入って、いい会社入って、お金持ちなさいよっていう」
春「まあ、そうだね」
若「月5万で26歳だと思ってみ、ということを我々は経験してるから、本当にゴミを見るような目で見るよな、女が」
春「そうだね」
若「はははは(笑)これ、私が言うならさ、また若林のいつものと思うでしょう、みんな。春日さんが言うんですよ。この生まれながらにずっと幸福感を感じれるという、ある意味私から見ると完璧な、私が目指すところでもあるんですけど、この春日さんが「ゴミのような目で見てくる」って言うんだから、これ、リアルだよな?」
春「リアル、リアル、リアル。昔なんて飲み会行ったら、私なんて会って5分で「お前」って言われてたからね」
若「はははは(笑)」
春「「お前さぁ、カシスオレンジ頼んでくんない?」とか」
若「はははは(笑)」
春「今じゃ、「あー春日!トゥースやって」とかだから、何をそんなに変わるもんかというところで、その辺でいったら、もうそういうもんなんだろうなと絶望してますよね。そういった意味じゃね」
若「資本主義の本とか読んでて、俺、ぞっとしたね。一生懸命働いて、いっぱいお金を使うという生き方が、一個しかねぇな、それが良しとされてるなと思ったから、何を俺は純文学を読んで、生きるとは何かとか考えてんだよとか思って」
若・春「はははは(笑)」
若「経済の本読めば一発じゃんと思って」
春「そっちのほうがシンプルだと(笑)」
若「働けや!と思って」
若・春「はははは(笑)」
若「シビアよ。俺らそこ知ってるからさ。悪いけど」
春「まあ、そうね」
若「ディズニーランドとかテーマパークとかをなんだかんだいちゃもんつける男はモテないし、一々理屈みたいのを垂れる男はモテないから、今じゃ俺はそうしてますよ、正直。「結局行ったら面白いよね」って言うよ。言ってるけど、ただ、腹の中では「うっせぇこの野郎」っていまだに思ってるからね」
春「そう言わないっていうことは大人になりましたよね」
若「言ったら結構スベるじゃん。はははは(笑)」
春「スベる、そうだね。訳わかんないこと言ってる、みたいな感じになるからね」
若「それをキレてるみたいに思われるじゃん。それ、ちょっとマイナスだし、流行ってないじゃん」
春「流行ってない!」
若「ははは(笑)その辺を押さえたから、今は「この間、蕎麦屋で鴨南蛮のおいしいとこを発見して」とか俺が喋りだすと周りが安心すんの」
春「ハハハ(笑)」
若「若林もそういうの普通に言うようになったな。ただ、腹の中じゃ「なにせ牛丼食って生きてきゃいいんだ」と思ってる」
春「(笑)まあね」
若「正直ね」
春「そうなのよ」
若「それだけは春日さんにだけは忘れないでほしい。お前もそうだけどね。はははは(笑)」
春「あたしもそう。だからこそ風呂なしに住んでるからね、私はね」
若「本来そこそこの、ゴルフとか行ってるけど、ゴルフはもちろん楽しいと思うんだけど、ゴルフやってる自分ていうのを意外と俯瞰で見てたりするでしょ?」
春「ああ。違和感も楽しい一つに入ってますけどね。あの春日がゴルフをやっているっていう。「春日俊彰」って書いたプレートのゴルフバッグを持って。ハハハハ(笑)行っているという、その違和感の面白さっていうのももちろん含まれているんですけどね」
若「それはちょっとありますよね」
春「ありますな。それはもう、治る治らないじゃないけど、ずっとあるもんなんでしょうな。そういうのは」
若「これほど変わる職業もないよな。そういう言い方するならさ、社会的には、もちろんお金持ってるほうじゃない層だったじゃない」
春「うんうん」
若「それが短期間に見ちゃうとさ」
春「そうね」
若「頑張り方としては、モテたくて、お金欲しくてっていう頑張り方もあるのかな」
春「それが一番純粋かもしれないですね。そのモチベーションが」
若「安心すんだよ。モテたくて、服買いたくて。ちょっと車とか、俺も先輩と話してる時言ってるんす。ちょっと車とか見ていい車欲しくなっちゃうとこがあるんすよねっていう言い方してるけど、正直クソくらえだと思ってる」
春「ハハハハハ(笑)」
(注)