卒業

 

ミュ~コミ+プラス 2018年1月18日

 

吉田尚記「今、日本中で一番話を聞かれたい人に来ていただきました」

有安杏果「いやいやいや。あの、お邪魔してます。ももいろクローバーZの有安杏果です」

吉田「まだまだ、ももいろクローバーZは4人で続きますけど、有安さんは芸能活動自体も一回」

有安「はい。距離をおかせていただこうと思ってます」

吉田「ね。という話なんですよね」

有安「うん、うん、うん」

吉田「テレビとか、すっごい時間が短いんで、「引退ですか?」って聞かれて、仕方なく「はい」って言ってることありますけど」

有安「うんうんうん」

吉田「自分で「はい」って言ってないですよね?」

有安「「卒業」って言ってて、事務所も私も「卒業」っていうふうに言ってて。でもやっぱり、いろんなところで、ありがたいことにニュースになってると、いろいろ、「引退」だったり、「卒業」だったり、ごっちゃにはなってて。でも、自分の中では、「引退」というよりは、あくまで「卒業」というふうに思ってるんですね。芸能界って、人によって、どこまでが芸能で、どこまでが芸能じゃないかって、たぶん違うかなぁというふうに思ってて。

例えばですけど、大学、芸術学部行ってて、友達がつくった、本当にどこにも上映されないぐらいの小っちゃい映画とかをつくってて、表現することが嫌いになったわけじゃ全然ないんで、「あ、じゃあいいよ」って言ってもし出た場合、それが、芸能界引退とかまでになってると、それですらダメみたいな、本当に決め事っていうのがあると、縛りがあるのがイヤだな、この先、人生というふうに思ってて。なので、そうですね、「引退」っていう感じじゃないかなぁというふうに勝手に思ってるんですけど」

吉田「この世界がイヤになったわけじゃないですもんね?」

有安「「疲れた」っていう感じです(笑)はい」

吉田「それはわかる。それは、だって二十何年走り続けてきたから」

有安「ちょっと一回、そう。距離をおきたいなって。でも、そこでなんか、一回お休みしますって言うと、確実に復帰しなきゃいけない、みたいな感じにもなっちゃうんで、あくまで一回距離をおいてみて、やってみたくなるのか、それとも、本当に全然違う道に行きたくなるのかっていうのは、うん、本当に初めて普通の女の子になってみないとわからないなというふうに本気で思ってるので」

吉田「で、まあ、今回、なんでやめたんですか、みたいな話って、たぶんめちゃくちゃ聞かれてるじゃないですか」

有安「ねぇ。ちょっとありがたいことに、私も15日のお昼の12時に発表させていただいてから、基本的に、いただくマスコミの方の取材は全部受けるという事務所の方針で、どうなるかわからないねというふうにマネージャーさんとも話していて。だったんですけど、思いの外たくさん取材がきたみたいで、本当に一日中たくさんいろんなところに行かせてもらって、取材をしましたね。こんなふうにニュースになってて、自分でもびっくりです」

吉田「僕らは、まぁ、それを見せてもらって、ブログとかも読んで、まだ振り返って考える余裕はないのかもしれないですけど、あえて「なぜ」とかじゃなくて、今日聞きたかったのは、アイドルって何だと思います?」

有安「アイドルって何だと思います? いやぁ……大変だなっていうふうには思いますし、私のイメージは、やっぱり、いつも笑顔とか、キラキラしてるとか、どんなことがあってもファンタジーというか、全てを話せるわけじゃないっていうのがアイドルかなというふうには思うんですけど、でも、本当に、夜中のテレビとか観てると、もう何百人いるんだ、何千人いるんだというぐらいたくさんのアイドルの方たちがいるんだなぁというふうに思うと、なかなか一言じゃ言えない感じになってきてるなっていうふうにも思います」

吉田「自分は、ももいろクローバーZとしては、どういうことをして、どういうことをしないのがアイドルだと思ってたか」

有安「ああ、なるほど。でも、なんか、確かに王道な、いつも可愛い、ミニスカートを穿くとか、へそを出すとか、そういうアイドルではなかったなというふうに思うんですね。髪の毛とかも、最初は染めちゃいけないとか、黒髪でロング、みたいなイメージでみんなで守り抜いてきてたんですけど、途中からね、年齢も重ねていって、髪の毛を染めるメンバーがいたり、髪の毛を切るメンバーがいて、私も切りたいなっていうふうに思って、あるタイミングで覚悟をもって切ったりというのもあったので、うーん、逆に聞きたいです。吉田さん的にどう思います?アイドルって」

吉田「本当にアイドルって、その人のことを「いい」って思ってくれた人の生活をちょっと豊かにするのがアイドルだと思ってますね」

有安「はぁ、はぁ、はぁ」

吉田「今、この時、有安さんはどうしているのかって、たぶん考えている人、いっぱいいるんですよ」

有安「うん、うーん、うんうんうん(笑)」

吉田「その時に、なんか思い出すといい気持ちになる人と、思い出すと辛い気持ちになる人、いるじゃないですか」

有安「うーん、うん」

吉田「自分の心の中で。好きな人のことを思い出すと、ちょっと「あっ!」ていい気持ちになるじゃないですか。それがたぶんアイドルなんだろうなぁと思って。で、ももくろとしては、そして芸能活動としては終止符を打つと思うんですけど、有安さん、この先もそういう人でいるのはできると思うんですよね」

有安「うーん、うんうんうん」

吉田「アイドルっていう職業じゃないかもしれないけど、存在として、誰かを幸せにする人にはこの先もなれるんじゃないかなと思ってるんですけどね」

有安「はい。ありがとうございます」

吉田「ももくろであったことって、めっちゃ財産ですよね」

有安「いや、本当にいろんな経験させてもらって、本当に二度と立てないようなステージ、たくさん立たせてもらったので、本当に感謝ですね。うん」

吉田「それを活かしてくれると、なんか、応援してた側からすると、きっと報われると思いますんで」

有安「もちろん、絶対に無駄にはならないと思うので。はい。うん」

吉田「この先も、ももくろを続ける4人もそうですけど、有安杏果さんの人生にこれから幸運があることをお祈りしております」

有安「ありがとうございます。これからも、れにちゃん推しのももくろのファンでいてください」

吉田「まぁ、そうなんだけど(笑)そこで(笑)まぁ、そうなんだけどね、そこはね(笑)」

有安「はい(笑)。否定しないんかい!」

吉田「えへへ(笑)否定は、すいません、アイドルファンなんで、そこの主義は曲げません。そういうの」

有安「潔くていいと思います。うふふ(笑)」

吉田「最後に有安さんに、何か1曲リクエストを」

有安「はぁ!突然」

吉田「ももいろクローバーZの曲でもいいし、それこそもっと昔の曲でもいいし、推されたいでもいいし、ソロでもいいし、何か1曲」

有安「聴いてください。ももいろクローバーZで『コノウタ』」

吉田「本日のゲストは、もしかしたらこうやってお話が聞けるのは最後かもしれません。有安杏果さんでした。どうもありがとうございました!」

有安「ありがとうございました」

 

ももいろクローバーZ『コノウタ』