これからの社会で必要な能力

 

禁じられた遊び 2017年8月28日

 

テーマ「これからの社会で必要な能力を1つ教えてくれ」

正能茉優「世の中ではコミュニケーション能力とか、いろいろ言いますけど、私は、1コだけ大事なことがあるとするならば、“ネオヒロイン思考”と呼んでいるんですけど、そういう考え方が必要なんじゃないかなと思っていて、どういうことかというと、これまでのヒロイン思考って、“結局、私なんて”みたいな、結構“悲劇のヒロイン”として語られがちだったと思うんですけど、そうじゃなくて、“私は人生の主人公なのである”と。だから、これから起こることは全て、良きことも良くないことも全部、私という人間が主人公の物語なんだ、というふうに思い込む力がめちゃくちゃ必要なんじゃないかなと。

というのも、世の中どんどんどんどん変わっていって、どうなるかも、正直、これだけの話をしてもわかんないじゃないですか。だったら、何が起きても、“それはそれだよね”ってちゃんと思って、それを飲み込んで、前に進む力が必要だと思うんですよ。何か嫌なことがあった時に、それをネタにできたりとか、そういうこともあったよね、というふうに思い込む力、それこそが“ネオヒロイン思考”だなと思っているので、これからの時代はそういう思考が必要なんじゃないかなと思いますね」

若林「ああ、なるほどねぇ。僕も何か1つ能力をくれるつったら、“根拠のない自信”が一番欲しくて」

正能「欲しいですよね」

若林「うちの相方が、ずっと根拠のない自信だけあって、どんなにスベってた時代も、ずっと幸せそうで、「努力しろ」って20代の全然仕事ない時に言ってたら、努力の意味がわかんないって。今が楽しいから。俺、それがなんか悔しくて。それでなんにも努力しないのに、テレビに出始めたら、絵になるからすげぇ仕事呼ばれたりして」(笑)

飛鷹全法「(略)今、正能さんが言われた“自分の人生の主人公になる”というのは、すごく僕も感覚としては共感できるというか。要は、“縁”という言葉が日本にはあるじゃないですか。これ、ご縁だな。でも、“縁だな”と感じるのは、我々自身なんですよね。お寺の前を通って、そこに入らなければ何も起こらなかったわけだし、実際にその先生に連れていかれたお寺に、その後、私がいろんな関係性を作ってきたという意味では、外から与えられながら、自分自身がそれを縁と思って行動したという意味では、そういう意味で自分の人生というのはそうやって、あ、人生というのは、そうやって前に進んでいくんだなという感覚が、結構若い時に私も感覚として持っていた気がするんですね。(略)」

(略)

正能「(略)行動ベースで考えると、どんなに小さくてもいいから、自分がやっていることがお金になるという経験を一刻も早くすること、というのが、実はこれからの社会を生きていく上には必要なんじゃないかなというのは思ったりします」

飛鷹「それは、ベンチャーをやっている人は、みんなたぶんそこの感覚を持っていますね。世界中でアイデアは毎日たくさん、自分が思いつくぐらいのことは、ほぼ世界の人は思いついていると考えたほうがよくて、いかにアクションを起こせるか。行動というものにはどうしても勇気も要るし、いろんな障害も、いろんな生活が、日々のものがあって、妨げる、やらない理由は簡単に見つかるわけですよね」

林修「ということは、そのためにはリスクもとらなければいけない。思い切って行動するというのは、まさに僕とか、僕らの周りがバブル時代に既にやったことなんですよ」

若林「へえー」

林「で、ちょっと皮肉めいた話になるんですけど、お2人はリスクをとって上手くいかれた。僕らの周りでも、大企業を辞めて、自分たちで始めて、当時10人ぐらいでやっていたんですよ。今、一番その中で残っているのは、当時、一番借金があった奴なんです。つまり、リスクをとって、そこのところで、おっしゃるように、自分の行動がちゃんと社会に認められて金になる。そこには投資も必要だと。そういうふうに残った奴は、確かに一番借金を抱えていたんですけど、今考えてみると、わりあい今の成功度と借金は比例しているんです。

ところが、ところが、10人のうち半分は行方不明なんです。だから、お2人は上手くいっていますけど、やっぱりそうやって行動に出ると、行方不明で、生きているかどうかもわからないということも起きる危険性の中でどうするか、という選択肢の幅は、これからはますます狭くなる」

若林「これ、でも、タイプがあるじゃないですか。自分で起業して稼ぎたいっていう奴と、うちの相方みたいに与えられた仕事だけをいくっていう、バンジーやれって言われたらバンジーするし、みたいな。言われたことをやるほうが楽だったりする人間もいますもんね」

林「でも、そういう人が、たぶん今までの日本社会は多かったんだと思うんですね」

若林「そこが大きく変わってきているのかもしれないですね」

飛鷹「全ての人に「起業しろ」とか言うつもりは全くないですし、さっきの社会というのは、ある程度スタティックで安定性と、それをエネルギーを与えて流動化させるという、両翼が必要だと思うんですよ」

若林「日本て、そんなに宗教が根強くもないじゃないですか。自分の内側にどう生きていくかを決めるって、頭のいい人とかはできると思いますけど、なかなかみんながみんなは難しいですよね」

正能「難しいと思う」

いしいしんじ「だから、あんなにすごい電車に揺られて何十年も通えたわけですからね」

若林「そうですよね(笑)」

いしい「あれはできないですよ」

若林「ほんとできないですね、あれはね」

いしい「あれはすごいエネルギーだと思います」

若林「ですよね」