箱根旅行②

オードリーのオールナイトニッポン 2015年1月10日

 

若「あれさぁ、この面白さをさ、何の面白さかわかんないんだけど、面白れーなって伝わるかなあ」

春「何よ?」

若「御殿場アウトレット着いて、駐車場が4階ぐらいに分かれてて、(春「あー、広いよね」)屋上しか空いてないのよ。(春「なるほど混んでるから」)一番上しか。(春「なるほど、なるほど」)混んでるから。一番上停めて、したら、もう雲一つない晴天で(春「いいじゃない、素晴らしいじゃない」)バッコーン、富士山見えんのよ。(春「うわあ、いいじゃない)で、俺、車の鍵閉めるから一番遅いじゃん。(春「はいはいはい」)アウトレットのほうに行くエレベーターのほうに歩いてったらさ、デジカメでさ、親父がさ、富士山の写真撮ってんのよ」

春「(笑)撮ってんじゃねーよ!」

若「ははははは(笑)」

春「何撮ってんだよ(笑)」

若「いや、わかんだよ。俺、お前が笑う気持ち。俺も全く今のお前と同じテンションで、撮ってんじゃねーよって笑って」

春(笑)

若「でね、俺、運転しながら考えてたんだけど、どういう笑いなんだろうな。いろんな面白さの種類あるんだけど、親父がこう、デジカメってさ、目をつけないで、ちょっと離れながら撮るじゃん」

春「うんうんうん。はいはいはい」

若「屋上の駐車場から富士山に合わせて一人で写真撮ってんだけど、何が面白いんだろうね、これ。なんか面白いは面白いんだけど」

春「面白いね。面白いよ」

若「あるあるの笑いなのか」

春「あるあるなんじゃない?あるあるじゃないのかなぁ」

若「あるあるなのかな、やっぱり」

春「親父っていうのがあるじゃん」

若「親父あるある、親あるある」

春「親ある……、うん、親父が残そうとしてるっていうのがやっぱ面白いんじゃない?写真(笑)」

若「やっぱそうか」

春「この瞬間を、まず一回富士山見て、刺さって、感動して」

若「なるほどな」

春「カメラに一生懸命おさめ、残そうとしてる。後世に残そうとして(笑)」

若「残そうとすることって面白いのかな」

春「(笑)面白いのかもね」

 

若「どういう面白さなんだろう。それも家族にその場で伝えれない面白さがいっぱいあって、これ、伝わんないだろうなと思ったから、ちょっとオープニングで話持ってきたんだけど、もしかしたら伝わったかもなあ。

あのね、アウトレット着いて、入り口のゲートくぐった瞬間に親父が、じゃ、一回解散だなって」

春「えっ?」

若「1時間半後ぐらいかな、タリーズコーヒーにまた集合って、みんな買うモノがそれぞれ違うから、4人バラバラになったんですよ、そこで」

春「時間の使い方としてはそっちのほうがいいかもね」

若「うちの家族、よくあることなんだけど」

春「うんうんうん」

若「で、2時間さ、俺、別に見るもんねえからさ、無駄にアルマーニとか入ってさ、見るんだけど、別に買う気ねーしなぁと思って」

春「まあまあまあね」

若「結局、タリーズコーヒー、かなり早い段階で着いて、本読んでたんだけど、タリーズコーヒー待ち合わせなって言った親父がさ、タリーズコーヒーにいないんだよな、やっぱり」

春「それは見てるからじゃなくて?」

若「いやあ、かあちゃんもねえちゃんも来て、いない、いないって結構騒ぎになってさ。したら、ゲートのとこに立ってんだよ。タリーズコーヒーからちょっと離れた所にあるんだけど。駐車場のゲートの所に。何なんだろうな」

春「どういうことよ、それ」

若「うちのかあちゃんも、何なの?って言ってたけど。タリーズコーヒーって言った本人が。俺はタリーズコーヒーにいたよって言ってんだけど、いなかったのよ。まあまあ、いいや。よくわかんないんだよ。そんなことが起こんだよ」

春「ちょっとおかしいんじゃねーか?(笑)」

若「まあ、いいや。俺がちょっと、なんでこれが面白いのかなって思うんだけど、エディー・バウアーの袋を持って親父が立ってたんですよ」

春「ははははは(笑)買ってんじゃねーよ!(笑)」

若「ははははは(笑)」

春「一番はしゃいでんじゃない。富士山撮って、買い物して、ゲートの下に立って。一番はしゃいでんじゃねーか(笑)」

若「いや、わかんのよ、春日が言って。俺、全然春日に対して、なんだ、親父イジってんじゃねぇと思わない。わかんだよな。エディー・バウアーって書いてある紙袋持って立ってる」

春「ははははは(笑)」

若「何の面白さだろうな。もっとこの面白さを自分で文脈を受けとめて、論理的に受けとめて、形にしたいぐらい、一人で運転しながら考えてるんだけど、わかんない。何が面白いのか。ただ、エディー・バウアーって書いて。「遅いよ」って親父が言ってんの。

でも、ねえちゃんとかかあちゃんが持ってるユナイテッドアローズの袋はそんなに面白くないの。ちょっとスベってんのよ、俺の中で」

春「意外じゃないからじゃない?」

若「親父のエディー・バウアーは面白い。これは何でなんだ?っていう」

春「エディー・バウアーは面白いよ。ポロだったらそんなに面白くないと思うよ。ポロ・ラルフローレンだったら。親父が。エディー・バウアーだから面白いんじゃない?」

若「でもさぁ、うーん、そうだなぁ、例えばボッテガって書いてある袋持っててもちょっと面白いじゃない」

春「面白いね」

若「袋が面白いのか、メーカーによるのか、ブランドによるのかってこともあって」

春「ああ、それはでも、あるんじゃない。まず、親父が買い物してるっていうのが一つ面白いよね」

若「なんで面白いんだと思う?もう苦しかった。旅行してて、なんで面白いかがわかんないから。大体なんで面白いかわかるじゃん」

春「ああ、まあ、そうだね」

 

若「でね、チェックインまで時間があったから、御殿場の後に、神社行きたいって親父が言って、神社行ったのよ」

春「箱根の?」

若「箱根。したらさ、太っとい杉とかあるじゃん。すんげぇ背の高い。写真撮ってんだよな、親父が」

春「(笑)うん」

若「鳥居も写真撮ってんだよ」

春「結構撮るね」

若「面白いんだよな、鳥居撮ってんの。撮るよ、とも言わずに撮ってんだよなぁ」

春「それ、鳥居だけを撮ってるんでしょ?みんなでその前でとかじゃなくてでしょ?」

若「みんなで撮ってる。芦ノ湖にちょっと沈みかけの太陽とかも写真撮ってて、これ、親父だからかなと思ってたの、その時。面白いのは。

でもね、正月だから、神社で――。うちのかあちゃんて、何々が食べたいとか、自分の欲を全然前に出さないのよ。家族が食べてるもんを揃って食べて、例えば寿司屋行っても、ウニとか絶対頼まないのよ。うちの母親」

春「あるものでいいわよと」

若「だけど、すごい好きな物があって、正月は神社で甘酒が売ってたんですよ」

春「はいはいはいはい」

若「で、かあちゃんが200円出して甘酒を買って」

春「(笑)うん」

若「紙コップを両手で持って、すごいおいしそうに甘酒を飲んで戻ってきたのがすげぇ面白かったんだよね」

春「うん、面白いね」

若(笑)

春「面白い」

若「甘酒って書いてある紅白のテントみたいな所で、地元の人と高校生がバイトしてんだと思う。エプロンつけた高校生」

春「寸胴みたいな所からガバッとすくって」

若「そう。で、紙コップに甘酒200円て書いてあるとこに並んでて」

春「(笑)並んでまで」

若「甘酒を買って、ちょっとこう、もう我慢できないんだろうね。着いてから飲む(んじゃなくて)、すすりながら戻ってきたのがちょっと面白かったんだよね」

春「ああ、面白いね。やはり、あれじゃない?親が、親御さんが欲を出してるところがやっぱり面白いんじゃない?食欲だったり、なんか見ないじゃなん。ちびっこの頃。人間ぽい、じゃないけどさ、なんか親っていう感じだからさ、何か好きなものをおいしそうに食べてるとか」

若「ははははは(笑)」

春「ちょっと面白いのはあるかもしれない」

若「なるほどな」