プロレスとお笑い

 

伊集院光とらじおと 2018年12月24日 ゲスト 棚橋弘至

 

 

新井麻希:本日のゲストは、プロレスラーの棚橋弘至さん。1976年生まれ。岐阜県出身。現在42歳。立命館大学の法学部を卒業後、1999年に新日本プロレスに入門。2006年にIWGPのヘビー級王座を獲得。その後も日本人離れした肉体を生かしてIWGPヘビー級王座に何度も輝くなど、人気、実力ともに日本のプロレス界を牽引する存在となっています。プロレスファンを魅了し続ける“100年に1人の逸材”棚橋弘至さんが本日のゲストです。

伊集院光:ということで、スタジオには棚橋弘至さんです。よろしくお願いします。

棚橋弘至:お願いします。皆さんおはようございます。新日本プロレス“100年に1人の逸材”棚橋弘至です。よろしくお願いします。

伊集院:それは自分で言っていくものなんですね。

棚橋:そうなんです。先ほど皆さんが「“100年に1人の逸材”と言われている」と言われていましたけども、これね、自分で言い出したんです。自分発信なんです。“100年に1人の逸材”お、凄いのかなって人々の心にフックするかなと思って。

伊集院:まんまとフックしました(笑)。

棚橋:でもね、プロレスラーとして自分のキャッチコピーを自分で考えるという僕はパイオニアですから。

伊集院:普通は、誰か呼び始めるとか、そういうことですよね?

棚橋:そうですね。リングの実況の方が言うとか、会社が考えるとかあるんですけど、自分で考えました。

伊集院:でも、その逸材感があるのは、さっきも言ってたんですけど、そのボディですよ。胸板の厚さ、上腕の太さ。なんですかね、この体は。

棚橋:ありがとうございます。言葉で僕の筋肉を伝えてみてください。

伊集院:この筋肉をラジオ聴いてる人に伝えるとするならば何よ?

新井:絵に描いたような凄さだなと思いました。漫画でしか見たことのない体を今実物で見ているという感じがします。

伊集院:そう! アメリカンコミックに出てくる。

棚橋:マーベル感がね。

伊集院:はい。ヒーローの体です。

棚橋:ありがとうございます。

新井:ほんと、そんな感じ(笑)。

伊集院:これは、それを維持するための、そして作り上げるための努力っていうのは。

棚橋:僕、年間300ワークアウトと言って、年間300回筋トレをするのをずっと目標にやってまして、月25回練習すれば、年間300回を達成できるんですけども、今年、ちょっと気合が入りまくってて、11月を終わった段階で筋トレが341回。

伊集院:ごめんなさい。休みがないどころの話じゃないじゃないですか。そうなってくると。

棚橋:朝晩2回練習すると、2カウントにするので。

 

(略)

 

伊集院:プロレスラーにとって、ボディというのかな、説得力のあるボディって大切ですよね。

棚橋:大切ですね。リング上の体を見て、選手への期待感というのは変わってくるので、しっかり体をつくることも大事ですし、僕、入門してすぐに山本小鉄さん、“鬼軍曹”と言われたコーチの方に、「いいか棚橋、プロレスラーはチケット代の半分は見てもらう体だと思え」というふうに言われたので、しっかり体をつくるのをずっと心がけてやってますね。

伊集院:僕は、僕の周りの尊敬する人たちはみんなプロレスファンなんですよ。

棚橋:ありがとうございます。

伊集院:にもかかわらず、僕の師匠の円楽が大のプロレスファンだったおかげで、会場に行くと会うかもというのが怖くて、プロレス音痴。僕は。

棚橋:なるほど。師匠に会いたくないために(笑)会場には足が遠のいてしまって。へえ。

伊集院:いつも思うのは、プロレスって離れてると、例えば、マニアの友達に言わせると、こういう因縁があって、いきさつがあってって、あれも面白いじゃないですか。

棚橋:そうですね。

伊集院:でも、僕らにとっては、まず説得力。この人たち何食ってんだ?っていう人同士がバンバンぶつかり合ってるって、それが俺の中ではまず凄い。

棚橋:それでいいと思うんですね。プロレスを長く観てる方は、誰と誰が抗争してて、ベルトを賭けてとか、ライバル関係でっていうのがわかってきたら、より面白いんですけれども、プロレスのいいところは、初見で面白いんですよ。どんなストーリーがあるとかじゃなくて、大きい選手、大人が戦っているという、その状態が既に面白いというかね。

 

伊集院:でもね、それで俺は本当に格闘技のゲストを迎えるのに向かないなと思うのは、それがどんどんみんな要求がエスカレートしていくじゃないですか。

棚橋:はいはいはい。

伊集院:しかも、興奮にまた自分もインフレで、お客さんが盛り上がる、自分が盛り上がる、お客さんが盛り上がるを繰り返していくから、プロレスって、俺、ちょっと昔に見たプロレスに比べて、最近テレビで見たりすると、特に新日、凄いことになってませんか?

棚橋:そうですね。力道山先生から始まったプロレスなんですけども、攻防というか、技の危険度だったりとかは上がってますね。なので、怪我もふえてるので、そこは僕は今、一つポイントにしてて。

伊集院:はい。

棚橋:危険な技を使わなくても、試合の組み立てで説得力のある勝ち方はできるんじゃないかというところを今投げかけてやってますね。

伊集院:ほう。ちょっと、それが面白そう。凄く聞きたいです。

棚橋:今のチャンピオンのケニー・オメガって、今度、東京ドームで僕と戦う選手なんですけれども、若いし、身体能力も高いし、どうしてもお客さんに楽しんでもらいたいという彼の気持ちがあって、どんどん技がエスカレートしてって、攻防が。そうすると、どこまでも行ってしまうものなんですよ、やっぱり。でも、どこかで止めないといけない。違う角度からプロレスを楽しんでもらわないといけないというところを、これから僕が価値観として提示したいので、この1月4日の東京ドームは、ケニー・オメガ対棚橋っていう対戦で、プロレスの価値観、イデオロギー対決を持ち込んでるんですよ。

伊集院:え、どういうこと? どういうこと? どういうこと? それ、なんか……。

棚橋:難しそうでしょ? 難しそうですけど面白そうでしょ?

 

伊集院:僕ね、ある時期、バラエティ番組がどんどんグロテスクになったことがあるんです。それはエスカレートしたんです。

棚橋:笑いが。

伊集院:笑いが。笑いが、より痛みやプレッシャーみたいなものをエスカレートさせていったことで、確かに笑えるんだけど、何だかおかしな方向に行った時期があったと思うんです。もちろん、そういう笑いも面白いんだけど、それ重ねてって、先に何があるのかよくわからなかった頃があって、そういうことなのかな。

棚橋:うーん、そうですね、プロレスが長く文化として今、日本に続いているので、それをどんどんいい形で後輩にも引き継いでいきたいんですよ。プロレスっていうものを長く楽しんでいただきたいので、誰かがストップをかけないといけないなと思って、そこで“100年に1人の逸材”僕が立ち上がったわけですよ。ね(笑)。

新井:うん(笑)。

伊集院:そうすると、それこそ1月4日を観ると、そのメッセージはそこに込められてる。

棚橋:そうですね。

伊集院:少なくとも棚橋選手の立ち回りは、やり方は、そのメッセージを込めていこうということだ。

棚橋:そうですね。

伊集院:俺らは初心者だから、単純に「すげぇーなコイツら」って思って観るっていうことで。

棚橋:そうですね。だから、ケニー・オメガのプロレスは、初見の人にとってみたら、むちゃくちゃ面白いと思いますよ。

伊集院:へえ~。

新井:どういうところがですか?

棚橋:やっぱり場外に飛んだりとか、すごいスピーディな攻防であったりとか。

伊集院:場外の跳び方も昔のレベルじゃないじゃないですか。

棚橋:そうですね。トップロープに登って、場外で倒れてる敵にボーンと跳んでったりとか、その高さ3メートルとか4メートルとか。100キロの人間が降ってくるんで、下の人間はたまったもんじゃないですけどね。

伊集院:うぅわぁ。

じゃ、棚橋さんの思う、プロレスはここが面白い、もしくは肝、どこですか。プロレスの肝。

棚橋:そうですね、単純に技とかの攻防というか勝ち負けではなくて、人間対人間の人間力というか、その試合までにたどり着くまでの過程だったりとか、そういうところの戦いかなと思いますね。

伊集院:うわ、なんかすげぇ抽象的なんだよ。何だろう、それって。どこに現れていくんだろう。

棚橋:単純に技が凄いとか、体が凄いとかいう競い合いではないんですね。

伊集院:はい。だんだん数字になっちゃうじゃないですか。さっき言った、高さがあいつは2メートルだったけど、2メートル50だ、じゃあ、3メートルだ、4メートルだってなっていくじゃないですか。俺ね、それが例えば、お笑いがヤバくなった時はそれだったんですよ。面白いかどうかという話じゃなくて、より過酷かとか、そういう話になってったから、数字で競い合うとおかしなことになると思うんですけど、そこじゃない。

棚橋:そうですね。たぶん盛り上がるシチュエーションをどう整えるかっていうね。だから、出したい、一番出して、出したらいいタイミングの時に技が出せるかとか。

伊集院:はあー。

棚橋:お客さんとの呼吸というか。

伊集院:うん、うん、ちょっとわかってきた。

棚橋:僕、昔、アメリカのレスラーに「プレイ・バイ・イヤー(Play by Ear)だ」って言われたことがあって、「耳で試合しろ」って。プレイ・バイ・イヤー。

伊集院:プレイ・バイ・イヤー。

棚橋:お客さんの声援を聞いて、その瞬間、瞬間を判断しろ。だから、ワーッと応援がきたら反撃に移れとか、そういうことだと思うんですね。ただ凄い技をやるだけじゃなくて、お客さんとの呼吸を合わせていくというか、瞬間、瞬間の判断で試合を構成していくっていうことがやっていきたいなと思うんですね。

伊集院:ちょっとわかってきました。なんとなく、今、何を求められているのかっていうのと、自分の中で、もちろん相手のあることだから、それは思いどおりいくかどうかはわからないけど、を感じながら、ただ闇雲に出していくと、結局インフレになっていくしっていう、ある意味グズグズになっていくし、行き着くところは、それこそ選手生命だったりするわけですね。

棚橋:そうですね。どんどんどんどん激しい技に慣れていってしまうので、じゃ、もっと次は凄いことをしないとお客さんも喜んでもらえないという状況にはしたくないんですよね。

伊集院:うーん。

新井:お客さんの声援て、会場内で変わったりするんですか。風向きじゃないですけど。

棚橋:変わったりしますね。基本的に、昔から“力道山先生対誰か”“いいもの対悪者”というのが昔からあるんですけど、今はそういうのが、形式は崩れてきているので、とにかく自分の推している選手、好きな選手を応援していただければいいんですけれども、僕なんかはブーイングをもらっていた時期があるんですけども、ある試合を境に声援に変わったりとか、というのは、お客さんの声援というのは本当に水物なので、どこでどう変わるかわかんないですね。

伊集院:でも、なんかそれは、格闘オンチの自分が、自分の尺度にしたり、あと、これを聴いている方も、格闘がわからない人もたぶん自分の尺度でいろいろあると思うんですけど、僕はもともと落語家なんですけど、お客さんの反応がうまく掴めない時って、スベると、ただ単にさっきより大きい声になってくるんです。スベってるのが怖いだけだから。お客さんの強弱がわかってないから。あんまわいてねぇーなつって、でかい声がよりでかくなるんですよ。最終的に怒鳴ってるのと同じになってくんですよ。結局、喉を潰していくんです。たぶんそういうことなのかなと思った。

棚橋:大きい声を出すことが、大きい技を出していく。

伊集院:技を出していくとか、高さが上がっていくとか、危険度が……。

棚橋:喉を潰していくということが。

伊集院:大怪我をするということだと思う。

棚橋:うわあ、凄い。シンクロした。

伊集院:ということなんだと思う。

棚橋:はい、はい。

伊集院:おそらく、何でもそうなんだと思うの。子育てしてる時に、子どもが泣いてたら、「泣き止んで!」って大きい声出していても意味ない。

棚橋:はい。

伊集院:だけど、今、何を欲しがっている、みたいな。

棚橋:お腹すいてるのか。

伊集院:そういうこと、そういうこと。

棚橋:おしめが濡れてるのかっていう状況の判断をね。

伊集院:まして、それが相手のあることというのは凄いな。

棚橋:そうですね。

伊集院:しかも体を使って。

棚橋:はい。で、向こうの選手はそれがよかれと思ってやってますので、それが最先端のプロレスだと。ケニーに言わせれば「棚橋はもう古くさい」と。僕「老害だ」と言われましたからね。

伊集院:はっ! そうなんだ! 逸材が。

棚橋:はい。100年に1人の老害になってます。(笑)

新井:ケニーさんは何歳なんですか?

棚橋:ケニーさんはまだ30代前半ぐらいですね。

伊集院:まさにその辺はイデオロギー対決だ。

棚橋:そうなんですよ。だから、自分が正しいと思うプロレスのぶつけ合いなんですよね。わりとプロレスファンにとっても、今、難しいことを言ってます。すいません、本当に。

伊集院:いや、でも、これは凄い思うな。これもね、ラジオでしゃべるとか毒舌を言うということが、ただただ言っちゃいけないことに近づいていく、みたいなことだと、もたないんですよ。そんな笑いは。もたないから、そうすると、こっち側は、いや、それは違うんじゃねぇーかっていう、もっとテクニカルなことを入れていって、どこで言う。もっと言うと、本当に危険なことを危険じゃないように言うこととか、逆に言うと、危険じゃないことを危険なように言うとかを組み合わせていくことじゃないと、毎週番組なんかできないんです。深夜放送なんて。でも、若い生きのいいのは、ただただ、より危ないことを言っていくんですよ。「それでもちます?この文化」って思うんですよ、いつも。たぶん完全シンクロしてますよね、これね。

棚橋:いや、シンクロしてますね。

伊集院:なんかわかりませんけど、まさかのプロレス音痴が、深夜放送と今ちょっと、俺の中で、ラジオの深夜放送が、ちょっと今、そういう意味ではヤバいほうに向かってるんです。やっぱり、You Tubeができたりとか、わりと、コンプライアンスなしの言論がいっぱい攻めてきてるから、そこに合わせると、たぶん未来がないってちょっと思ってたりとかして。

棚橋:そうなんですよね。プロレスはプロレスのいい部分があって、そこを楽しんでほしいし、自分が好きになったプロレスっていうのはそういうものなので、自分が見て好きになったものを、これからも伝えていきたいという気持ちがあるんですね。

伊集院:でも、これを聴いて、おそらくプロレス通の人が見ると、感じること、たぶんあるだろうし、今、凄いうなずいている人と、あとは、わかんないから、とりあえず観てみるっていう人、この2通りいてくれればいいですね。

棚橋:そうですね。プロレスっていうものは、なかなか目に触れることが今ないので、こういうところからでも興味を持ってもらえると嬉しいですね。

 

(CM)

 

伊集院:ずうっとCM中も話してた。まさかの。僕は格闘技のゲストの方が来ると、いつもドキドキするんです。ファンがいっぱいいるから、そういう人たちに失礼がないようにとか思って。めちゃめちゃ僕の中ではシンクロしちゃってて。

棚橋:シンクロしましたねぇ。新旧の価値観のぶつかり合いがどのジャンルにもあるんだなということがね。

伊集院:ねえ。でも、一言一言おっしゃることが、この後お知らせするのは、東京ドームでの興行なんですけど、でかいドームだと、その見せ方も違うし、呼吸も違う、みたいな。

棚橋:そうなんですよ。2階席、3階席の上のほうまでになると、リング越しにモニターを見たりとかということが多くなるんですけども、やっぱり一つ一つの動きを大きくしたいなっていう、届けたいな、上のほうまでと思いますし、あと、大きい会場は何が難しいかというと、声援が少し遅れてくるんですよ。

伊集院:ディレイがかかるんだ。

棚橋:ディレイするんですよ。だから、パンパンパーン動いて、よーし、盛り上がるだろうと思って、こない。こないと、試合のリズムを作りにくいというか。

新井:焦っちゃうんですか。

棚橋:焦っちゃうんですね。

伊集院:お笑いも一緒ですよ。やっぱり歓声って、笑いって、前のほうから後ろにゆっくりきて、それが戻ってくるじゃないですか。それを全部吸収してから、俺たちで言う次のギャグに行く。次の技に行くっていうことだし、その間、わかんないけど、好きではない、その間の埋め方があるわけじゃないですか。

棚橋:はい、はい。

伊集院:面白いわあ。

棚橋:僕なんか声援を目いっぱいもらいたいんで、棚橋コールが来るじゃないですか。立ち上がって頑張ってる時に。棚橋コールが終わるまで、次に動かないですからね(笑)。

伊集院:それが自分の中に満ちる。お客さんも精いっぱい言って。

棚橋:限界まで棚橋コールをいただきまして(笑)。

伊集院:この大胸筋に全部吸い込んだ後での。

棚橋:エネルギーを身体じゅうにため込んでから次に動きますからね。

伊集院:お客さんに見せるもの、全てそうだと思うんですよ。全部そうで、そうじゃないと、生で観る面白さってないじゃないですか。

棚橋:はい。

伊集院:生で感じることの面白さって。なんかたぶんみんな、そういうわけのわかんない空気みたいなもので動いてるんでしょうね。

棚橋:はい。リングとお客さんで呼吸してるんですよね。エネルギーの交換というか。それはライブ観戦の楽しみというか。

伊集院:それを聞いてドーム観るの凄い面白いだろうな。

ちょっとお知らせしておきますね。

来年です。明けてすぐです。1月の4日金曜日、新日本プロレス年間最大のビッグマッチです。『バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM13 in 東京ドーム』夕方5時から開催されます。

棚橋さんはメインイベント。IWGPのヘビー級王座に挑戦します。名前は何度も出てますが、相手がケニー・オメガ選手。

凄い?

棚橋:はい。やっぱ35歳ということで、コンディションもいいですし、やっぱり身体能力が高いですね。前チャンピオンのオカダ・カズチカというのももの凄い高いドロップキックを打ちますし、内藤哲也というのも運動神経いいですし、身体能力に特化したプロレスが今最先端なんですけれども、奥ゆかしい、わびさび(笑)、ベテランならではの味みたいなところもプロレスのよさなので、いろんな切り口があって、全部楽しいよっていうところを提示していきたいなと思ってます。

伊集院:いいのが、それを棚橋さんと同じイデオロギーの人同士で戦うというのはわかりやすいんですよ。じゃない人と戦うわけじゃないですか。

棚橋:もう全然違いますから。どっちの試合になるかっていう。『スプラトゥーン』というゲームがあるんですけど、色を塗りまくるやつ。

伊集院:はい、はい。イカのね(笑)。

棚橋:試合をどっちの色に塗りつぶせるかという戦いなんです。

伊集院:はあ、それはちょっと……。それを聞くと面白い。そうですよね。全然イデオロギーの違う、スタイルの違う主張のある人と王座を賭けてやるわけだから。それもそれだけのお客さんの中で。もっと言うと、こっちは、今言ってたことを聞くと、埋める声援の呼吸を吸収してやろう。騒ぎたいだけお客さん全員騒いでくれ、俺に声援くれを待つ間に、奴に攻撃をさせないっていう、なんつうんだろう、力が要るわけじゃないですか。

棚橋:そうですね。試合の展開をね。で、僕に来る声援ももちろんそうなんですけど、相手に来る声援も、試合自体は盛り上がっているわけですよ。

伊集院:なるほど、なるほど。

棚橋:だから、その声援というのは、2人で引き出したものなんですね。

伊集院:なるほど、はい、はい、はい。

棚橋:だから、試合のその後の展開というのにも、試合の盛り上がり、ファンの応援というのは大きく変わってくるんですよね。

伊集院:へえ~。なんかそれを感じに、ちょっと行きたいなあ。

棚橋:一度観ていただければ、好きになってもらえる要素はいっぱいあるので。今、いろんな選手がいるんですよ。なので、観戦に行ったら、推しが見つかるんですよ。

伊集院:自分の。自分、何か共鳴するやつが出るわけですか。

棚橋:そうです。若い選手が好きなのか、ジュニアの華麗な選手がいるのか、格好いい選手がいるのか。1人応援したい選手が見つかると、応援にも熱が入りますので、観に行く喜びや楽しみがふえますので。

伊集院:今回の『WRESTLE KINGDOM 13』の中で、棚橋さんの推しは誰? こいついいよ。俺がすごく見込んでる。こいつが好きだ。

棚橋:好きではないんですけども、今、オカダ・カズチカっていううちの前チャンピオンがいるんですけども、その対戦相手のジェイ・ホワイトというのが、若いんですけど、むちゃくちゃ悪いんですよ。

伊集院:悪いんだ(笑)。

棚橋:ファンからすっごいブーイングを引き出してて、見た目はすごい俳優さんみたいな男前で。その試合も注目ですし、あと第1試合ですね。オープニングマッチで飯伏幸太という選手と。

伊集院:あ、見たことあります。僕、高木社長とご縁があって見た。

棚橋:もともとDDT出身の選手と、ウィル・オスプレイという選手がむっちゃくちゃ運動神経いいんですよ。空中で2~3回転するわけですよ。その運動神経のいい、言ったらば、今、最先端のアスリートのプロレスが第1試合なので、たぶん僕の予想では、第1試合から東京ドームが爆発しそうな気がします。

 

伊集院:ということで、本日のゲスト、プロレスラーの棚橋さん、どうもありがとうございました。

棚橋:ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライバル

 

オリエンタルラジオ 中田敦彦オールナイトニッポンPremium 2018年12月19日

 

中田敦彦「次のメールいきましょう。

ラジオネーム19歳のデイドリッパー。

中田さんはじめまして。人生で初めてラジオ番組にメールを送ります。

僕は医学部志望の浪人生です。勉強に疲れたらたまにラジオを聴くのですが、たまたま中田さんのオールナイトニッポンPremiumを聴いて、「何者でもないからこそ何でにもなれることをこのラジオで証明したい」という言葉に感動し、また、そのラジオの内容の面白さにも感動し、それからタイムフリーで全ての回を聴きました。毎週このラジオだけを楽しみに生きています。(「ラジオだけを頼みに生きてるんだ(笑)」)

ところで、本題なのですが、僕は大事な試験が近づくと落ち着きがなくなってしまい、震えて夜も眠れなくなります。そんな不甲斐ない自分が嫌いです。模試ではいい点が取れるのですが、いざ本番となると、頭が真っ白になってしまいます。もうすぐセンター試験で精神バランスがよくない状態です。

中田さんは大事な日(例えば大きな特番や生放送や音楽ライブやプロポーズ、結婚、子どもの出産など)の前日にはどのようなことを考えて過ごしましたか。その時、不安などは感じなかったですか。もしも不安を感じていたなら、どのように乗り越えましたか。いつも成功してきた成功者の中田さんからのアドバイスをぜひいただきたいです。いま、何者でもない自分ですが、来年は第一志望の大学に合格し、将来は小児がんの専門医になりたいです。

 

小児がんの専門医か、すごいな。

うーん、そうかあ…。本番で、ね、あれが出ないっていうことなんだけども、人にもよるんだろうけど、基本的にはみんなむちゃくちゃ緊張するよね。何で緊張するかっていうと、自分にとって絶対に大事な場面だからだよね。だから緊張しない人はいないですよね。緊張しない人は、絶対に大事な場面をスルーして生きようとしてるもんね。だから、それはそれでいい人生なんだろうけど、一個上のステージに行くぞとか、勝負するぞっていう時は、必ず不安に苛まれるからなあ。

でもね、僕としては「死ぬほど準備する」っていうね、それしかないと思うんすよ。何もかもやり尽くして挑んだら、逆に言うと、何もかもやり尽くしている状態が辛過ぎて、本番の日、ようやく助かるって思うのよ。

俺もさ、『しくじり先生』っていう番組でプレゼンする時も、ほんとに、ほんとに人生賭けてたんすよ。あの番組に。なんでかっつうと、あの番組、何もかもの思い入れが詰まってて、言ったら、あの時最初に出た時、すっげぇ悔しかったんすよ。

というのも、オードリーっていう存在は、俺にとってコンプレックスなんですよ。オードリーさんは5年先輩なんだけど、言ったら、俺らのほうが早めに世に出たのね。で、俺らが『武勇伝』バブルでバーン!て行ってる時は、まだオードリーさん出てなかったんですよ。俺らがバーン!と崩れ始めた時に、M-1で準優勝して大ブレークするんですね。

そんな時に、俺、『いいとも』のレギュラーだったんだけど、いつクビになってもおかしくないって言われてたの。オリラジ、もう落ち目だから、いつクビになってもおかしくないって言われてた時に、オードリーがブレークするのを見て、絶対俺らと交代だ。もう絶対交代だ。オードリーが来て、俺らコンバートだ。絶対だもん、それはって思った時に、ぎりコンバートされずに、どうなったかっていうと、同じ曜日になったんですよ。同じ曜日に、オードリー追加だった。

でもさ、スタジオではオードリー出てきたらギャーーーー!なるわけじゃない。俺らは1~2年前まではギャーー!言われてたのに、対比でなるわけ。そこで、もう俺、必死こいて、なんとか『いいとも』残んなきゃと思って、何でもやるわけですよ。

出番前にオードリーさんの楽屋行っていろいろ話聞いて、なんか話つくんなきゃとか、スタッフさんにも毎回反省会聞きに行って、なんかしなきゃ、みたいな。『いいとも』が最後の砦だと思ってたから、全部やり尽くしたんですね。

それでこう、やってた時に、それでも『いいとも』クビになった日とかは、クビ宣告された翌日も『いいとも』だったんだけど、翌日初めて遅刻するんだよね、俺。ショックで起きれなくて。それぐらい精神的にかかってて、オードリーっていうものがあって。

そっからもさ、俺らは『オールナイトニッポン』を続けられなかったんだよ。でも、オードリーさんは続いてんだよ。で、今年、それで武道館も行くわけでしょう。

オードリーっつうのは、本当に、お笑いの俺らのジェネレーション、て言っていいと思う。前後5年ぐらいで言うと。本当に全員がさ、血だらけになって息絶えた中で、まだ走り続けてるんですよ。オードリーが。

そのオードリーの若林さんが、俺はゴールデンの番組で一個成功するというのだけは、要するに、城を持つのだけは勘弁してくれと思ってた。まだ追いつきたいって思ってたの。

そんな時に、深夜で、言ったら若林さんの番組があると。それが『しくじり先生』だった。ゲストはしくじった奴。失敗した奴なの。それの初回だよ、レギュラーの。深夜レギュラーの初回がオリラジなの。こんなことあるか。

俺はなんでライバルだって思ってた人の前で、負けたっていう話しなきゃいけねぇんだよ。だけど、俺はもう、でも、それでプライド持って、これで出なかったらダメだから、嫁にもいろいろ言われて、「あんた失うものないんだから戦ってこい」って言われて、「わかった」って、打ち合わせの時に全部用意して、これをやらせてくれないんだったら出ない。俺は自分のプランで負けるんならいいけど、人のプランで負けるのだけは許せないから、許したくないから、俺、全部の自分の喋りたいこと喋って、それでいいかどうか見せてくれって叩きつけて、それで、「藤森すまん」と。「今回、俺が、俺が喋りたいこと全部言っていいか」「わかった」。

それでやって、それがよかったってなって、それでさ、何回か呼ばれるんですよ。ゴールデンへガンて上がるんですよ。そんな時にさ、ゴールデン上がらせてるわけだし、わけがわかんないんだよ。上がってほしくない。でも、俺、出たい。どういう状況? だから、せめて出るからには、絶対に「最高だ中田」ってなって終わらせたいし、若林さんにだけは負けたくねぇ!と思って、全力で球を投げるっていうね。

だから、死ぬほど練習して、全部自分で原稿をつくって、みんなに聞いてもらって、5回、6回練習して、本番行く時に、俺、当日、1時間、2時間前に入って、スタイリストに喋って、マネージャーに喋って、ディレクターに。全部よ。1時間分全部喋ってから、体温ギンギンに上げて、若林さんの前に登場すんよ。

その時ね、もう教壇に立つ時にはどうでもよくなってんだよ(笑)。もう疲れちゃって。緊張とかもないのよ、そうなると。

だからね、19歳のデイドリッパーも、死ぬほど頑張って、もうこれ以上ないっていうぐらい頑張ったら、テスト当日、ちょっとどうでもよくなってるから(笑)、その境地をね、ぜひ共有したいなって思ってます。

頑張れ!」

 

 

タイトルと中身が合っていないことは重々承知なのだけど、ライバルの部分だけを抜き出すのもなあと思い、前後も書き起こしました。当時、ライバルをオードリーと言うことに違和感があって、モチベーションを保つためにそういう発言をしていたのかなと思っていたけれど、ライバル発言の一端がわかるお話。 

 

ツィッターで見る限り、

「ライバルはオードリー」発言の初出は2011年7月15日のよしログで。

その後、月刊オリラジで「(ライバルは)今はオードリー」。

2013年2月3日、『ヒルナンデス』でナンチャンに「ライバルは誰?」と聞かれて、あっちゃんが「オードリーです」と。

2013年2月22日オリラジANNRであっちゃんが「何度もオードリーさんをライバルだと言っている。自分がライバルだと言うということは、ちょっと負けてるということ」「背伸びしてライバルをオードリーさんと言っている」と。

2014年10月のトークライブでもライバル発言。

 

 

2008M-1から10年

 

オードリーのオールナイトニッポン 2018年12月8日

 

若林:思い出してたらさ、自分たちのことも。あれで、M-1で敗者復活してさ、トーク番組とか呼ばれた時にさ、いま思えばよ、ほんとに春日のケチネタがあってよかったよね。

春日:まあ。

若林:あれってさ、ああやってなんか出てった時にさ、こういうキャラクターがっていうことをさ、1個話の芯になってたのね。毎回同じ話して、こんなの大丈夫なのかなと思ってやってたけど。

春日:ハハハハ(笑)

若林:あの1年、俺、何回飴ジュースの話したかなと思ってやってたけど。

春日:いや、そうよね。

若林:あれあってよかったよね。

春日:あってよかったね。

若林:番組作りやすいじゃん、たぶん。

春日:まあ、そうだね。そうなんだろうね。話すネタというかね。

若林:本人たちはさ、毎日やっていることだからさ、コインシャワーにシャンプー家でして歩いていくとか、あんまりおかしなことしてる意識なかったけど。

春日:いや、そうそう、そうなのよ。

若林:いま、家にお風呂がある立場になると、やっぱり変な奴出てきたってなるんだね、あれ、世間的には。

春日:だろうね。

若林:当時は、何をそんなにおかしく思うんだろうなって、俺は飴ジュースとかやってないけど、コインシャワーとか俺もやってたから、ちょっと思ってた。何度も喋りつつ。だけど、やっぱちょっと変だったんだろうね。

春日:ハハハハ(笑)

若林:やってる行動が。

春日:まあ、普通ではないよね。でも、やっぱり理由はある。お金がないからってさ。我々としては理由、正義みたいのがあったから、おかしいとは思わないけど、それがいいんだろうね、ズレててね。世間と。

 

若林:なんかさ、昔はさ、そうやってネタで出た後、トーク番組あってさ、その最高峰のところに『アメトーーク!』だ、『しゃべくり007』だ、『おしゃれイズム』だっていう感じあるじゃない。

春日:へい、へい、へい。

若林:今ってさ、そうなのかな、やっぱり。同じなのかな。

春日:どういうこと?トークでってこと?

若林:何だろう。なんか、昔もあったけど、今は、どっきりにハマって世間の皆様に可愛がられたほうがいいのかなっていう、そういう感じしない?どう?

春日:まあ、そうだね。

若林:そっちが強めというか。

春日:うーん、まあ、まずそっからじゃない? そっちからじゃない? だけど、だんだんだんだん興味が持たれてきて、その人に。どんな奴なんだこいつ?といった時に、なんじゃないの? お話があるかどうか、みたいなさ。

若林:そこね。

春日:そこで。そこでもう1周できるか2周できるか、みたいなことになってくるんじゃないですか?

若林:そういうことになってくるのか。

春日:最初はでもいいんじゃない?別に。

 

若林:ずっとドッキリにひっかかったりしてたもんね。

春日:ハハハハ(笑)

若林:ドッキリして飴ジュースの話して、ドッキリ食らって飴ジュースの話して、が、1日に4本ずつ毎日、みたいな。

春日:ケケケケ(笑)

若林:多かったんだよ、お笑い番組も、あの時のほうが、たぶん。

春日:ちょっとブームだったからね。

若林:50人とかのひな壇の番組がよくあったもんね。

春日:そうね。

若林:今はそんなに見ないね。30人とかブワーッと並んでる番組ね。

春日:まあ、そうだね。

若林:昔、5段ぐらいあったもんね、ひな壇。

春日:うん。

若林:落ちたら怖ぇーな、みたいな。一番後ろに座ってて、俺。ピンマイク付けてもらってなくて、その頃。そのぐらいの人数の頃。春日だけに付いてて。

春日:ほんとそうだね。

若林:俺、だから、鼠先輩のピンマイクの近くで喋ってたもん。

春日:ハハハハ(笑)

若林:急に振られた時、ピンマイクないから。人数多すぎて。はははは(笑)いや、ほんとによ。

春日:ああ、そうだね。

若林:毎日、ジョイマンと髭男爵さんと一緒で。

春日:うん。

 

若林:俺、なんかトム・ブラウンは大丈夫なような気するよな。

春日:うん。

若林:返しとかも上手だし。あとさ、何が俺らと違うってさ、可愛がられるんだよ、先輩に、トム・ブラウンて。2人とも人がいいから。

春日:ああ、はいはいはい。

若林:人見知りじゃないから。

春日:うんうんうん。

若林:そのほうがいいよね、やっぱり。

春日:うふ(笑)まあまあ、そうだね。

若林:それがあるから、凄くよかったよね。こういうの事務所も盛り上がってくるね。ああいうウケ方してたら、こういうふうに脚光を浴びる時が来るんだって後輩たちも思ってさ。すごくいい効果が出るんじゃないの?

春日:まあ、やる気にはなるでしょうな。

 

 

M-1グランプリ2018の感想

若林:「春日さん、若林さん的に、今年のM-1で、このコンビ面白かったというのは誰でしたでしょうか?ちなみに僕はかまいたちさんが一番好きでした」というのが来てますけど、春日さん、どうですか?

春日:誰がおもしろ、誰、まあ、まあ、みんな面白いよね。その中でもっていうことでしょう。ネタでっていうことですか?

若林:うーん、まあ、「このコンビ面白かったなっていうのは誰でしたか」っていう。ネタっていうか、ネタ以外だったら何だろうなってちょっと思いますけど。

春日:ネタ以外だったら、待機ルームのスーパーマラドーナの田中ちゃんでしょう。あれはもう素晴らしい!と思いながら毎回観てたけどね。

若林:凄かったなあ。

春日:テッテレーのあれは本当にすげぇなと思いながら。ネタはね、もちろんみんな凄いけどさ。

若林:ボケの人だよなあ。

春日:あそこで、一言で(笑)。

若林:大ボケだもんな。

春日:大ボケで、陣内さん呼び止めて(笑)。ちょっちょっ呼んで、テッテレー、ベルトが違うとかさ、あれは凄いと思ったよ。

若林:田中さんの無欲な感じでさ、音もたてずに射程圏内に入ってくる感じ。一発かますぜっていう気負いがないじゃない。テッテレーつったら、もう至近距離に入ってるっていうか、あれ凄いよね。かかっちゃうじゃん、ああいうことやろうと思っちゃったら。

春日:そうね、なんか残そうとか思っちゃうじゃない。

若林:やってて当たり前っていう感じが凄かったね。

春日:うーん、あれはまあびっくりしたけどね。

 

若林:あとは、どなたが春日さん、ネタのほうで言うと。

春日:ネタのほうで言うと、誰、誰でしょうね。かまいたちは面白かったね。

若林:かまいたちさん面白かったね。

春日:ポイントカードだけでね。

若林:面白かったなあ(笑)。

春日:あれは、うん、たまらんかったな。

若林:急に怒りだすとかとか、ほんとに(笑)、マジだもんね。

春日:マジ。そう。

若林:マジでそうなんだろうなって。

春日:そう。あれ、山内君がああいう人なんだろうなっていうさ。

若林:そうそうそうそうそうそう。山内さんね。

春日:感じするから、凄い(笑)よかったね。

若林:急にエンジンかかる山内さんのところとか(笑)。

春日:そうそう、そういう人なんだろうなっていうね。

若林:人が出てるっていうのはM-1はかなりありますもんね。

春日:(笑)面白かったね。ジャルジャルも面白かったしなあ。

 

若林:そうね。トム・ブラウンさん。

春日:トム・ブラウンさん。

若林:トム・ブラウンさんは凄かったな。

春日:トム・ブラウンさんて言っちゃったよ。

若林:俺ね、でもね、凄いね、初めての感情になったわ。布川のこと、結構飲んだり遊んだりしたことあるからかもしれないけど、あと、ゴンちゃんがめっちゃ布川のこと好きで可愛がってたっていうのもあるんだけど、凄いうれしかったなあ。なんかそういう気持ち。ハマカーンとHi-Hiは先輩っていうか、Hi-Hiは先輩だし、ハマカーンは同期みたいな感じだし。でも、次の日ずっと考えてたんだけど、ちょっと悔しかったね。あそこまで面白いと。

春日:トム・ブラウンが?

若林:うん。

春日:ああ、そう。

若林:あのね、審査員の方が理解できないけど面白いつって、それが凄い羨ましかったな。かっこいいっていうか、理解できないけど面白いっていうのが、なんだろうな、タイプ的にさ、自分たちが面白いってことを信じてることを貫いて、あの猛者たちの理解を超えた上で松本さんにあの点数つけてもらうって、世に出てくる出方としてかっこよすぎない?

春日:うーん、まあまあ、そうだね。

若林:なんかすごく、お客さんとの急所ここだなってテクニックで打ってくるっていうよりは、自分たちが面白いと信じてるんですっていう、それが凄い感動しちゃって、次の日悔しかったな。

春日:ハハハ(笑)まあ、そうだね。

若林:面白すぎてね。

春日:あんまりほかにないというか。

若林:かっこよかったなあ、それがすごいね。

春日:そうね。

若林:異様だったもんな、出てくる時からね。

春日:うん。

若林:ははは(笑)みちおのクマと布川のロン毛が。はははは(笑)みちおのクマ、ちょっと深かったよね、いつもより。はははは(笑)

春日:ハハハ(笑)いや、そうね。持ってった感じだもんな。力でね。

 

若林:結構、決勝戦、まあ、凄かったなあ。15年となると。霜降り明星さんの粗品君のツッコミは、ちょっとショッキングだったな。

春日:面白かったね。

若林:言い切るっていうか、2回に分ける、説明とツッコミになって、1発目のツッコミの後、説明で足すみたいな、2行に台本が、オードリーっていうか、なってるコンビって多いんだけど、突っ込んだ後、ナントカナントカ、いや、ナントカナントカじゃないかって言って次行くんだけど、その説明とツッコミが兼ねてさ、だから、あそこ1行減って、次のボケにもう行ってるし、ちょっとなんか、自分のこと、おじさんだなと思ったかな。ちょっと。ははは(笑)それを、いかに短くするかっていうのがナイツとノンスタと俺たちのレッドカーペットの時代の、レッドカーペットが1分だったっていうのもあって、フリと説明をいかにタイトにするかっていうのをすごく時代が流行ってたんだよね、あの時は。10年前。

春日:うん、うん、うん。

若林:だけど、あの言い切って次行って、ボケもやったら、説明兼ねて、もう次のボケに行ってるからさ。

春日:うん。

若林:で、あと、決勝戦、それぞれの武器がまたあったじゃない。台本凄い人もいるし、設定凄い人もいるし、漫才のああいう大会の隠しコマンドの熱とか、衝動っていうか、執着っていうか、熱だね。それが乗りやすいネタだったよね、霜降り明星さんのネタが一番、あの中だと。

春日:ああ、そうね。そうかもね。

若林:間とか演技のほうに意識が行くと、そこのクオリティがめちゃくちゃ高いから、熱ということをやると、熱演になっちゃうと、また違ったりしちゃうのもあるんだろうなあとかね。で、それ、M-1ぽいなと思ったし。

春日:うん、うん、うん、うん。

若林:なんかプラスアルファのところが凄い伝わってきたもんね。

春日:うん、いや、もうそうね。

 

若林:春日さん、決勝の3組どうでした?観てて。

春日:決勝の3組、まあまあ、やっぱり面白いのは当たり前だからね。それはね。甲乙つけがたしだよね、あそこまで行っちゃうとね。

若林:そうでしょうね。皆さんも悩んでましたもんね、審査員の方も。

春日:いや、難しい。審査員になったらと思うとぞっとしたね、私はね。

若林:自分が?

春日:そうね。あそこで審査員だったと思うと(笑)。

若林:(笑)普通にきてましたよ。「春日さん、審査員のオファーきたらどうしますか」っていうメールが。

春日:(笑)オファーきたら、受けるでしょうね、それはね。やってくれって向こうが言ってくるってことは、ある程度認められたということだから、断るっちゅう……。

若林:受けるのがいいんじゃない?

春日:光栄なことだから。

若林:トム・ブラウンはチョー羨ましかったな。「理解できない。何なんだ君たちは」って言われてぇーな。はははは(笑)

春日:うん。

若林:でも、俺達もね、大竹まことさんに「噛んで面白いってどういうことなんだ!」って言われたけどね。

春日:いや、そうよ。全然我々だって自信持っていいよ。松本さんにだって「エントリナンバーすら面白い」って言われたからね。胸につけてるね。

 

若林:でもね、トム・ブラウン一番頑張ったけど、うちの社員は本当にいい酒飲んだと思うよ。社員だけで。10年かかったから、システム変えて。

春日:まあ、そうだね。

若林:キングオブコント行ったことないよね、ケイダッシュステージ。おもしろ荘のあれにクロコップが選ばれたけど。コントで。ほんとにうれしかったと思うよ。

春日:それはうれしいでしょ、それこそ生え抜きみたいなもんだからね、トム・ブラウンは。

若林:そうね! 大介とか岡田とか吉見とかがマネージャーだから。

春日:ハマカーンとかはそもそも実力がね。

若林:あるからね。

春日:あって、人気があって入ってきてるわけだから。

若林:だってケイダッシュステージってどのぐらい世間の人に知られてるかっちゅう話になってくるね。

春日:いや、そうだね(笑)。いやあ、だから、あんま知られてないよ。聞かれるじゃない、ちょこちょこ。

若林:アダモを筆頭にっていうことになってくるから。

春日:そうね。アダモステがね。

若林:はははは(笑)。

春日:アダモステがやっぱりトップで引っ張ってもらってっていうところだから。

若林:はいはいはいはい、凄いね。

 

 

(エンディング)

若林:M-1は自分たちが出てきてから10年というのもあるんだけど、なんかM-1ていうのはやっぱ特別だね。

春日:まあ、そうね。

若林:M-1によって、命の恩人みたいなところ、あんだろうな。

春日:まあ、そうだね。

若林:あるなあ。

春日:うーん、でかいイベントですよ。

若林:でさあ、あの辺の、M-1とか目指してんじゃない、やっぱりあの時代はさ。

春日:まあ、そうですな。

若林:思い出して、漫才だけやってたなあと思って。

春日:うん、うん、うん、うん。まあ、そうだね。

若林:だって、エッセイ書いたりしてなかったもん、あの頃は。

春日:ふふ(笑)まあ、そんな余裕というか、そんな時間はないだろうね。

若林:でね、全国ツアーではネタやらせてもらってるけど、10分、15分、20分になるじゃない。

春日:はいはい。

若林:エッセイ書いてるでしょう。

春日:うん。

若林:司会なんかもやらせてもらったり、パネラーとしても座るし、たまに大喜利の番組に出させていただいたり、うーん、ラジオもやるし。

春日:はいはい。

若林:うーん、ちょっと多いなと思ってて。

春日:多い?

若林:うん。

春日:何がですか?

若林:もともと器用なタイプじゃないから、全てを一流にやってる人もいるから、逆に言いにくいんだけど、1カ所を掘り続けるみたいな性格なことはだんだんわかってくんのよ。もういろんなことしてたり、興味あったり、俺しないからさ。

春日:うん。

若林:幾つかに絞りたいんだよ。

春日:はあ。ちょっと多いと。種類が。

若林:多い。多くないか? なんかいろいろできなきゃダメじゃないか、マルチに、今。

春日:まあ、そうだね。そんな器用じゃないと。

若林:絞りたいからね。

春日:どうする? 何? 幾つぐらいに絞りたいの? どれぐらい減らしたいの?

若林:2個にしたいわ。

春日:2個にしたいということ? それ、何と何よ?

若林:だから、どうする、どうすればいい? 2個選ぶの。その2個をすごく毎日一生懸命研究してやりたい。

春日:うんうんうん。

若林:でも、それじゃ、いま、時代的に残れない。

春日:まあ、そうだね。

若林:どうすればいいの?

春日:どうすれば……。

若林:いろんなことできて、いろんなことできなきゃダメ。昼の番組も、夜も、深夜も、ライブも、エッセイも、いろんなこと、こんな器用な人間じゃないの、もともと俺は。

春日:うん、うん、うん。

若林:絞らせてくれよ。

春日:(笑)それは、絞る宣言しちゃったら、それでいいんじゃないの? 大変だろうけどね、それはそれで。

若林:なんかそう思ってんだろ? どれも2.5流だなみたいな目してんな、お前? おい!

春日:いや、しちゃない。

若林:笑ってんじゃないかよ!

春日:いや、笑っちゃないよ別に。

若林:じゃ、どう思ってんのよ?

春日:えっ?

若林:どう思ってんの?

春日:手広くやられてるな。

若林:(笑)もうイジちゃってんじゃん。いいかげんにしろ!お前!

春日:ハハハハ(笑)

若林:お前に言われたくないしな、手広くやってるなって(笑)。

春日:ご自身がおっしゃるからさ、確かになっていう意味で……。

若林:おやすミッフィーちゃん。

春日:この後また夢でお会いしましょう。アディオス。

 

 

不思議な縁

 

ナイツのちゃきちゃき大放送 2018年12月8日

 

塙:熱い話あるんですよ。

土屋:何ですか、熱い話。

塙:大吉さんが (M-1の審査員を)抜けたんですよ。大吉さんね、結構初めから、俺、食事した時に「サンドの富澤君とか塙君がやればいいんだよ」って言ってたのよ。「でも僕は決めれませんから」って言って。松本さんもいたの、そこに。松本さんも「俺も決めれんからな」って言ってたのよ。それで俺になったじゃないですか。俺、高校生の時に華大さんの番組でね。

土屋:そうだね。福岡で。

塙:初めて、吉本興業に入ろうかどうかという時になったわけでしょう。それで松本さんに憧れて芸人になって、それでそこの枠に入ったっていうのは、なんかちょっとやっぱり凄いつながりだなと思った。その時。

土屋:そうだね。

塙:その時、入らなかったけど、吉本の大会で自分が審査してるっていうのは、恩返しみたいな感じだったよね、ちょっと。

土屋:なるほどね。九州吉本に入りかけたわけだから。高校生の時ね。

塙:そう。そのハイスクール漫才でまた活躍した2組でさ。

土屋:ああ、霜降り(明星)は。

塙:せいや君なんか、ちょっと学生時代いじめられてさ、お笑いを武器にして無敵だってわかったの、全く一緒なんだよ、俺も。俺の、たぶんいじめの度合いはもっと低いけど、俺はでも、「うんこ」って言われてたから、友達からさ。ある日突然「うんこの歌」を作ってさ、そこから無敵だっていうのがちょっと重なったね。

出水アナ:へえ~。

塙:後でいま作っている話なんですけど。

土屋:後かよ! 後付けかよ! いい話だ。

出水アナ:作ってるって言っちゃダメですよ。

塙:まだ完成してなかった(笑)。

土屋:それ披露するな!

塙:見切り発車だった。

土屋:本当の話でしょう、だってそれは。

塙:だけど、その時の高校の『お笑いめんたいこ』の司会をやってたのは今田さんだから。それが凄いよ。今田さん、俺が高校生の時に出てたのを司会やってた人だから。

土屋:25年前とかでしょ? それは凄いよね。

塙:24年前だから。凄い不思議な縁を感じましたよ。

 

 

塙さんがいじめられていたとい話はウソなのかな?

 

 

 

ゲスト 鈴木おさむ

 

よゐこオールナイトニッポンプレミアム 2018年11月29日

 

東島衣里アナ:ここでプロフィールをご紹介しましょう。

鈴木おさむさん、1972年4月25日生まれの千葉県のご出身です。

高校時代に放送作家を志して、19歳で放送作家デビューされていますね。

濱口優:でも、一回芸人挟まったよな?

鈴木おさむ:芸人を太田プロ放送作家になりたいって言いに行ったら、演者の気持ちがわからないとダメだつって、それで半年間舞台に出ろって言われたの。その時に松村さんになぜか凄い可愛がられて。

有野晋哉・濱口:バウバウの?

鈴木:バウバウの。松村さんが『電波少年』に出る前ぐらいで、バウバウができたぐらい。

有野・濱口:へえ。

鈴木:俺が放送作家をやりたくて、やっているのをまた聞きつけて、ちなみに同期がU-turn。ツッチーと対馬君ていたじゃない。ネタ見せで並んでる時に「俺は放送作家になりたくてこれやってんだ」って言ったら、津島君が、いきなり、初対面だよ「そんな気持ちで芸人やってんじゃねぇーよ!」って(笑)。

有野:怖わっ(笑)。辞めたほうが?

鈴木:これね、土田君も凄い覚えてるって言ってた。その後に松村さんに可愛がられて、毎週俺のネタ見てくれって。拷問よ、松村さんのネタ見るの。バウバウ、バウバウ!って言って、2時間、高田文夫先生と別なんだけど。

有野:ははは(笑)2時間も!

濱口:おさむ、舞台で「メロンの気持ち」。

鈴木:メロンの気持ち、メロンの気持ち。

有野:あ、芸名?

鈴木:違う、違う、擬人化コントみたいの。

濱口:メロンの気持ちをやってた(笑)。

鈴木:バカにすんじゃないよ!(笑)

有野:今日はそれできるんですか?

鈴木:できねぇーよ!(笑)

その時に、松村さん、俺ね面白かったのが、松村さんで毎週呼ばれるわけ。その間に『電波少年』始まったんですよ。したら、もう、まち歩いてたらいきなり高校生「コラ!松村!」とか。

有野:狩りだ。松村狩りだ。

濱口:ほんま、そんな時代。

鈴木:ほんとそんな時代で、しかも、あの人給料手取りで、タンスに入れてたの。だから、どんどん給料が増えてって、分厚い封筒から、「鈴木君、飯行こう!」とかって行ったりとか、本当に初めて夢を見させられた人ですよ。

濱口:何でもでっかい鞄に一つにしてたもんね。

鈴木:そうそうそう。で、俺が辞めて、放送作家になったじゃないですか。その後に松村さんが可愛がったのがロンブーの淳ですよ。淳が最初に太田プロでふぐの助・ふぐ太郎っていうコンビ組んでて。

濱口:ああ、そうだ!

鈴木:それで、淳のことを僕が抜けた後に淳が代わりにやらされてきた。

 

有野:(メール)よゐこライブをもっと円盤にしてほしい。お願いします。DVDですかね。

濱口:使われへん音楽いっぱい使ってるもんな。

鈴木:そう。あと、ゲームとか漫画とかそういうのが多いからね。

濱口:許可取りが大変やねん。

鈴木:そうなんですよ。

濱口:おさむが言うもんね、円盤にしないでしょ?DVDにしないでしょ?しないね?って。

鈴木:一時期DVDにするのはやったからね。

濱口:どうせ売れないんだからって言われる。

鈴木:そうそうそうそう。

有野:はははは(笑)

濱口:あれ傷ついてるからな。

鈴木:はっはっはっはっ(笑)どうせ売れないじゃん。

濱口:どうせ売れないからな。

鈴木:どうせ売れないじゃん。どうせ売れないんだから。

濱口:20代の時キャッキャ言われてたのに、ほんと売れねぇんだよ。

鈴木:売れないんだから。余ってんだよ。グッズだってあんな余るのにさ。

濱口:グッズ、300枚余ってます。

有野:CDもね。

濱口:びっくり。

有野:シールも余ったしね。こっちのグッズにすることにした。

鈴木:アッハッハッハッ(笑)

濱口:ケータイの後ろに貼るシール、昔つくったやつ、めっちゃ余ってんねん。

鈴木:めっちゃ余ってる。デザインもよくねぇーしな。

有野・濱口:はははは(笑)

濱口:傷ついてるからね!

鈴木:ハハハ(笑)わかったよ。

濱口:笑ってるけど、傷はついてるよ。

鈴木:いいじゃん、ジジイなんだから、傷ついたって。

有野:ハハハ(笑)ジジイちゃうわ!

 

有野:(メール)皆さんは自分の子どもがユーチューバーになると言い出したら応援しますか?

鈴木:有野さんがゲームセンターでやってることって、元祖ユーチューバー動画だよね?

濱口:ああ、そうやよな。

有野:ゲーム実況ね。

鈴木:あれ、元祖、元祖。

有野:若い子に「有野さん、ゲーム実況って知ってますか?」って言われたことある。

鈴木:ハッハッハッ(笑)

濱口:俺や!言うて。

有野:加藤さんが凄げぇ怒ってた。「つくり出したんだよ有野が!」加藤さん、まあまあ、いいです、いいです、時代です(笑)。

 

有野:(メール)最近のテレビはお笑いネタ番組が少な過ぎると思います。もっとネタ番組を増やしてほしいです。

濱口:最近は深夜に増えているって若手は言ってたけどね。それでも少ないんだ。

鈴木:でも、前みたいにはなんないんじゃない?たぶんコント番組はできないでしょう、もうテレビで。

濱口:無理やねぇ~確かに。技術がなくなるよね。

鈴木:でも、たぶんそれこそネットとかでできんじゃない?だってさ、秋山のやつなんて、言ったら、あれ全部、『クリエイターズ・ファイル』なんて、全部ネット打つ(?)からね。

濱口:そうか。

鈴木:だから、ユーチューバーとか、みんな意外と勘違いしがちだけど、秋山の『クリエイターズ・ファイル』って、俺は初めて芸人さんのネットでブレイクしたものだと思ってて。

濱口:なるほどね。

鈴木:だってあんなに完成度高いものがネットで。だって、本当だったら、昔テレビでやってるじゃん、秋山の。だけど、ああやって『クリエイターズ・ファイル』みたいものがネットでガンガン、You Tubeで回ってたりすると、たぶんそういう時代はもっときますよ。

濱口:作りやすくなるのか、もっともっと。

鈴木:そう。だって、若手芸人さんとか、今、ネタをめちゃくちゃネットで上げてるでしょう。

有野:うん。

濱口:ああ、やってるね。

鈴木:そうそう。だから、もちろん逆にテレビで観れなくても、そうやって本当にスマホで気軽に、もっとネタと触れ合ったりとか。音楽がそうじゃないですか。音楽はテレビに出なくても、米津玄師は売れるし、今、結構若いロッカーとかミュージシャンいっぱい出てきてるから、逆に、そんなにテレビでやりにくいじゃない。視聴率のこともあるし、視聴率のこととか考えると、逆にそこを気にするんだったらやらなくていいじゃんと思っちゃう。

濱口:ほー! まさか鈴木おさむからその言葉が出るとは。

鈴木:俺、ほんとに思ってますよ。テレビはちゃんと分けて、逆にネットとかで若手芸人の人とか、早く、ユーチューバーとは別に、ネットで売れる芸人さんが。だから、それが俺、次のダウンタウンさんなんじゃないかなって。

濱口:はあ!

有野:入り口が違うようになってくるのや。

鈴木:そう。入り口が違うところで、今の20代の子でネットでバカ当たりして、現場も面白いと思うようなネタをそこでやって、テレビ出ない!みたいな。

濱口:どうなるの?テレビは、じゃあ。

鈴木:でも、テレビの制作の人って優秀じゃん。テレビの制作の人は優秀だから、テレビの制作能力のある人は、それこそいろいろなところでやると思うんですよ。

有野:ディレクターって、こいつをもうちょっとテレビ的にしたいっていう人が多かったもんね。

鈴木:そうそうそう。だから、絶対にたぶんそのうちスマホでも始まるじゃないですか。スマホでも放送が始まるし、どんどんそこは変わっていくし、テレビが、これはシニアの観るものに。俺らの年代より上の人たちがより観るものになっていくだろうし、分かれてくる。

濱口:途中でおさむに「テレビこれからどうなると思う?」みたいなこと聞いたら、おさむが、今、役者さんが自分のやってるドラマを紹介するみたいな感じでバラエティに出てくると。だから、芸人とかもみんな自分のチャンネルを紹介するためにテレビに出る。テレビが全部番宣になるんじゃないかっておさむが。

鈴木:芸人さんが番宣で出る時代に。友近なんか明治座で2週間とかやるでしょう。そうやってみんなが、今度これが出たんですって言いながら、ネットで人気の芸人さんがとか、あと、舞台で人気のとか、だから、より舞台は大事になっていくんじゃない?

濱口:テレビが宣伝のツールでしかなくなる。

鈴木:だから、意外とネット、ネットって言われているんだけど、芸人さんて中川家とかめっちゃ強いと思うよ、これから。漫才とかコントとかステージが強い人とか。だから、あっちゃんとかも、今リアルなところに行くじゃない。意外と間違っていないと言ったら偉そうだけど、わかる。だって、テレビ座席ないもん。みんなジジイがどかないから。

有野・濱口:ハッハッハッハッ(笑)

有野:そやねんな。年輩まだ元気やもんな。

鈴木:年輩って言いながら、あんたらももう46ですよ。

濱口:そうやねん。

有野:若手です。(笑)

濱口:ベルトに腹乗っかっとる。(笑)

鈴木:自分らが20代の時に46の芸人さんとかってめっちゃジジイだったでしょ?

濱口:師匠!言うとった。

鈴木:40代の芸人さんが若手ぶり過ぎるんだよ。

濱口:ハハハ(笑)まだ売れてん奴いっぱいおんねん。

鈴木:そう。それも弊害ですよ。

有野:売れてへんから若手ぶってる奴ね。

濱口:面白いね。今日、ちょっとためになる。

有野:売れてへん若手はどんどん辞めればいいのにな。

鈴木:俺も本当にそう思う。

濱口:どうしたらええの?

鈴木:どんどん辞めて、ほかのことをやったらいいし、いろいろ試してみたらいい。

有野:普通の業界の仕事でいいのにな。

鈴木:ユーチューバーでめちゃくちゃ多いのが「元芸人でした」という人凄い多いよ。

有野:ああ、多いね。

濱口:多い、多い、多い。

鈴木:ただ隠すけどね、みんな。逆に芸人さんに失礼みたいなところもあって、そういうのもあって意外と隠すけど、俺、どんどん辞めたらいいのにと思う。芸人を辞めるのってタブーみたいのあるじゃん。

濱口:ある、ある。

鈴木:あと、いくじなし、みたいな。もうそんな時代じゃないよ。

有野:違う、違う。

濱口:辞めて違う道から売れる方法もあるかもしれんしな。

有野:何人かで組むとかね。

 

鈴木:俺、来年からくるかなと思うのは、テレビ局を辞める社員がすごい出てくると思う。正社員で。

濱口:もらえてるで、お給料。

鈴木:お給料もらえてるけど、今やってることとか、外のほうが楽しそうだったり。

有野:そうやねんな。

鈴木:濱口さん、僕ね、2年前に慶応大学で文化祭で喋ってくれとやったんですよ。テーマは何にしましょうと打ち合わせしたら、おさむさん、お願いしますと。ワーク・ライフ・バランスで喋ってください。

濱口:ワーク・ライフ・バランで?

鈴木:僕はね、また何でもイケるの。僕は、1年休んだじゃない。放送作家の仕事を。あれを見て、要は日本人は働きすぎて、結構最近の20代、ニッポン放送の人もたぶんそうだと思うけど、要は「なんでそんなに働くんですか」みたいな。

濱口:外国から言われてることだ。日本が。

鈴木:そうそうそうそう。だから、ちゃんと仕事して休みで満喫したほうが、ワーク・ライフ・バランス。だから、ワーク・ライフ・バランスで語ってくれって言われて、ワーク・ライフ・バランスで90分はきついかな、みたいな。

濱口:噛みそうやもん、ワーク・ライフ・バランス。

有野:全然噛んでへん。

鈴木:お給料がよくたって、そんなバカみたいに働いたってとか、あと、自分のやりたいことをやるとか、そういうことにみんな価値を見つけだしているんですよ。

濱口:マネージャーさんももう働けないって。働き方改革で。途中で帰らされるもんね。若手の社員。

 

有野:(メール)放送作家として数々の芸人さんが売れていく姿見てきたと思いますが、売れる芸人、売れない芸人の見分けはつきますか。売れる芸人の条件があったら知りたいです。

鈴木:こればっかりはわかんないね。

有野:読めなかったやつとかあるの?これ売れんのや!っていうの。

鈴木:例えば、最近、ようやく売れたけど、ガリットチュウの福島とかって。

濱口:おさむショー出てたもんね。

鈴木:そう、出てる。昔から面白かったじゃん。

濱口:面白かった。

鈴木:昔から面白かったんだけど、それこそBコースのハブなんてなかなか売れないけどさ、ハブ名人て。ハブと福島の差がわからないというか。

濱口:(笑)

鈴木:だけど、福島は子どももできて、本当お金ないのに、あいつはインスタを始めて、インスタにモノマネを毎日アップして、それでクッキーと一緒でしょ。

有野:へえ。写真からやったんや。

鈴木:そう。だから、舞台だけやっててもダメだからつって。毎日めっちゃしんどいじゃん。モノマネメイク。

濱口:そやねぇ。

有野:考えるのも大変やしね。

濱口:しかも、お金もらわれへんわけやもんな、そこでやったって。

鈴木:そう。でも、やっぱりただ面白いだけじゃ、もう売れないよね。

濱口:何?

鈴木:ネタが面白いとかだけじゃ売れなくて、たぶんいろんなことをやらないと。あと、いろんな資格。最近話題のしゅんしゅんクリニック(P)って知ってます?You Tubeで話題の。

有野:『(さんまのお笑い)向上委員会』で。

鈴木:そうそう。しゅんしゅんクリニックって、あいつもチーム入江なんだけど。

有野:あ、そうなんや。

鈴木:入江が可愛がってて、売れる前から「こいつ医者なんですよ」つって、元医者で。

有野:本職でしょ?

鈴木:医者を辞めて、一回芸人になったつって、したら、それがしゅんしゅんクリニックって医者のあるあるネタで売れるっていう。You Tubeで。

有野:辞めたのに。

鈴木:そう。医者を辞めて、医者のあるあるネタで芸人で売れると(笑)。じゃあ、医者やってろよっていう話。

濱口:ほんまやね。

有野:そのまんまのほうがええのにな。

鈴木:だったら医者のままのほうがいいんじゃねぇーかって。よーく考えてみって。医者を辞めて医者のあるあるネタで。やっぱ芸人になりたいんだって。

濱口:憧れの職業やってんな、そこが。

有野:でも、学祭いっぱい呼ばれたんでしょ?

鈴木:そうそうそうそう。やっぱ、これから芸人さんは面白いだけじゃ絶対無理ですよ。

 

有野:(メール)放送作家に憧れている高校2年です。高校卒業後、放送作家コースのる専門学校に行こうかと思っているんですが、学費のことで悩んでいます。鈴木さんの周りで学校を出ないで作家になった人とかいますか。そういう人はどうやって仕事を始めたんでしょうか。

鈴木:今はめちゃくちゃあるけど、俺らの頃もあったのかな、わかんない。太田プロフェッショナルのネタ見せに放送作家になりたいって言いに行ったから。

でも、一番多いよ、放送作家コースみたいなの。

濱口:入るべきなのかな。

鈴木:いや、絶対…辞めたほうがいいなと思っちゃうけど。(笑)

濱口:みんなドキッ!としてやろうな。

有野:アニメの人らもアニメの業界の中で一回専門学校行くっていうのは、親は納得するって。一回学校にいくから、そこで勉強するんだって思うけど、実際は2年あんのやったら、すぐ職場に入るほうがいいって。その間にいろんな、この職は向いていないから声優さんのほうがいいなとか選べるから。

鈴木:俺、放送作家ってなくなってく職業だと思うんですよ。

有野・濱口:おー!

濱口:何で?

鈴木:予算も下がったりとかいろいろになっていくと、究極はナスDだと思うのよ。出て、演出して、編集するっていう、ユーチューバーにも近いけど。

有野・濱口:ユーチューバーや。

鈴木:あれが究極ですから。だって、予算が下がっていったらさ、キャストフィーを払わなくて、ディレクターが面白いものを撮ってくれたら最高じゃない。あれは究極だとしても、俺は、AbemaTVとかってやる時に、演出とか作家とか、どっちもやるんだけど、今後、たぶんそっちのほうがいいですよ。

濱口:俺らも作家できなあかんようになってくるってことや。よゐこも。

鈴木:それは無理ですけど。(笑)

濱口:どういうことやねん! 傷ついてるぞ。またついたぞ、傷。

鈴木:でも、若い子なんか、絶対これから作家の子なんて編集できないとダメですよ。

有野:なるほどね。

濱口:そうか、作家さんだけはあかんねんや。

鈴木:だから、ユーチューバーのことを結構テレビの人って意外と見下したりとかするんだけど、編集めっちゃ上手いから。だって、みんな編集が辛くてしんどいんだもん。

有野:編集したくないもんな、演者からしたら。

濱口:俺、やれって言われたら無理やもん。

有野:当たり前や!

濱口:傷ついてるぞ。(笑)

鈴木:だから、今、放送作家とかになるよりも。

有野:ディレクターコース?

鈴木:とか、そういうほうがいいんじゃないかなって思うけど。

濱口:未来が拓けるんだ。

鈴木:うん。

濱口:うわー、びっくりしてるやろうな、いま通ってる人たち。

鈴木:なんかまとまっていっちゃうと思いますよ。いろんな仕事が。

有野:業界の何に憧れてるのかとかやね。

鈴木:そう。職業が作家とかじゃなくて、職業“鈴木おさむ”みたいな。自分です、自分。今、格好いいでしょ?(笑)

濱口:カッコいい。職業“鈴木おさむ”。

有野:職業“よゐこ”。

鈴木:ダサい!(笑)

濱口:一時、俺、カッコええな思うて言うてたんや。職業“よゐこ”。

有野:職業“よゐこ”って言ったの?

濱口:言うてた時期あった、俺は。黒歴史

有野:ウソ!知らなかった。

鈴木:職業“鶴光”。(笑)

有野:なんで笑ろてんねん。なんで濱口もおさむも笑ろて。

濱口:俺、職業“鶴光”、無理無理無理。(笑)

有野:二代目鶴光へどうぞ。

濱口:無理無理無理。

鈴木:二代目鶴光いいじゃん。俺、笑うわ、濱口さんが二代目鶴光。

有野:エロいこと言うていいねんで。

濱口:ああ、そうか。それ、ええな。

 

 

2本目のネタ

 

大竹まことゴールデンラジオ!「大竹メインディッシュ」 2009年1月15日

 

大竹:1回やったじゃない。1回やった時の感触はどうだ? 1回やってから、最後3組残るよね? あの時やった感じは自分たちでどうだったの?

若林:2本目を全く用意してなかったんで。

春日:そうなんです。考えてなかったんで。

大竹:あ、そうなの?

春日:ええ。

若林:そればっかり考えましたね。だから、稽古しないですぐできるネタ2本しかなかったんで。

光浦:あらららら。

若林:どうしようと思って。

春日:だから、後から言われるのは、決勝の決勝、もう一回やる時に、1番手を選んでドン!てやってたらよかったんじゃない?って言われたんですが、3番じゃないと時間が。

若林:何のネタをやるか。

大竹:稽古しなくちゃいけないし。

若林・春日:そうなんですよ。

若林:タクシー乗った時点で夢叶えたみたいな顔で放心状態になっちゃってて、1本目終わってもまた放心状態みたいになってるから(どうしようと思って)。

光浦:ウケたしね(笑)。ああ、気持ちよかった~。

若林:そうなんですよ。

大竹:帰ってきて、噛んでもウケたって威張ってなかった?コイツ。

若林:そうなんですよ。噛んで笑えるのは俺だけだ、みたいなこと言ってましたからね(笑)。

光浦:ははは(笑)

春日:あれがなかったらえらいことになってた。

若林:いや、あれないほうがよかったわ、あんなの。

大竹:でも、春日君はもともと噛みやすい体質なんだよ。

若林:そうなんですよ。

大竹:だから、ああいう芸風がたぶん生まれたと思うんだよね、俺はね。

若林:そうなんですよ! 本当に。

春日:そうでございますね。

大竹:噛みやすいからしっかり作っておかないと、間違ったら、アタタタタって噛んじゃうから。

若林:ははは(笑)

大竹:変なこと言うより、ある程度、だから、漫才で、普通、漫才だったら「はい、どうも~」って始まるわけじゃない。だけど、春日君は、はなから形象を作って入ってくるわけじゃない。役者さんが入ってくると同じことでしょう。

若林:ははは(笑)

春日:そうでございますね。

大竹:役を作って入ってきた。そんな漫才今まで見たことないわけ。

光浦:そうですね。

大竹:いま、ネタばれしちゃったけど。

若林・春日:ははは(笑)

大竹:俺、審査員の側からすればね、「はい、どうも~」って入ってきて、なんやかんややって、ちょっとやってみましょうでネタでやったりして役になる。そうじゃないんだから。「はい、どうも~」の前に、階段を下りる時から役で入ってくるじゃない。

春日:ええ。

大竹:たぶん苦肉の策だと思うよ。

春日:ハハハハ(笑)

光浦:へえ。

若林:いや、ほんともうそうですね。

大竹:苦肉の策なんだけど、でも、今まで漫才のはなから形象の中にいながら漫才をやった人は、俺たち審査員は見てないんだよ。

若林:(笑)

光浦・春日:はあ。

大竹:だから、そういう意味でも目新しさというか感じちゃうわけだよね。

光浦:そうか、そうか。

大竹:それからまた蒸し返すようだけど、俺は審査員のほうにいて。

光浦:審査員、オードリーに投票したのは、大竹さん、中田カフスさんのお2人。

若林:そうなんですよ。

大竹:それはね、評価いろいろ分かれるところだと思うよね。

若林:ええ。

大竹:確かに現場では、正直に君達よりかNON STYLEのほうが笑いはとってた。

春日:そうでございますね。

若林:はい。

光浦:テレビで観てるとわかんないっす。全然わかんないっす。

大竹:わからない。だけど、現場だとそうなの。だから、NON STYLEが会場の雰囲気から、現場で全部総合すると、そっちのほうに入れるという。

光浦:風が吹いてたんだ。

大竹:風も吹いてたし、その気持ちはよーくわかる。だけどもね、俺はこいつらのネタが好きだったのね。それはなぜ好きかというと、ネタの中に、春日が指だけで、腕だけでね、「はい、お客さんいなくなった」と。「はい、お客さんまた出てきた」と。それで、春日が、今までマイクの前で喋ってるのに、こっちにいた春日があっちに移動するのよ。お客さんの中を。それを腕2本でお客さんに出して、戻して、春日の移動を指だけでやって、しかも「ウィ」という変な声で。しかもだよ、こんないい加減な状況を一瞬のうちに客に共有させるんだ、こいつら。

春日:ウィ。

大竹:ウィじゃねぇーよ!(笑)

春日:すばらしい。

若林:(笑)自分が作ったみたいな。

大竹:そこら辺は俺は評価はとっても高いとこなんだけど、それはだって、若林が作ったんだろう?

若林:もちろん、そこはそうなんですよ。今この録音のテープを関係者に配りたいですね、録って、大竹さんの。2本目の選択を間違えたって、いろんなところで言われるんですよ。

春日:そうなんでございますよ。

光浦:へえ。私、別に面白かったし。

大竹:全然間違えてないよ。

光浦:間違えてないと思うよ。

若林:同じパターンをお客さんは待ってたからっていって。で、待ってるだろうなと思うと、また違うことをやりたくなっちゃう性格なんで。

光浦:それが正解じゃない?

大竹:それが正解だよ。

光浦:こっちが正解ですよ。

大竹:こっちが正解だよ。

若林:それが余計だって言われちゃって。

光浦:同じようなネタやったら最悪のパターンがあったかもよ。3位になってたかもよ。

若林:お前、なんも考えてなかっただろう? 1本目と2本目の間(笑)。

春日:言わなかったら、俺もなんか一緒にやってみたいな感じの雰囲気でいけただろう、今!

若林:お前なんも考えてなかったわ(笑)。

春日:まあまあ、そうなんですけどね。私は“春日”をやるだけでしたから。

光浦:ははは(笑)

 

 

カジサック×西澤

 

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カジサック:ダイアンとキングコングってM-1被ってたりするやん。2007年と2008年かな。(2008年は)優勝したんや、NON STYLEが。俺、めちゃめちゃ悔しかったのね。グワーッなってたんや。西澤もグワーッなってたやん。(笑)

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西澤、そんななってた?

カジサック:めちゃめちゃなってたよ。この時の西澤の心境を聞きたいなと思って。えげつない顔してたから。

西澤:あ、そう。でも、してたんやと思う。というのは、2007年で初めて決勝に行けたんすよ。

カジサック:スカウトのネタやったね?

西澤:そう。ずっと最初から出てるんすよ、M-1は2001年から。2008年がめちゃくちゃやったの。ほかの賞レースもあるやんか。ほかのはもういいと。M-1だけに照準絞って、M-1さえ獲れば全てひっくり返るから、M-1だけ。めちゃくちゃ単独やって、ネタ作って。ずっとネタ詰めて。ほんで2008年、決勝行くんやけど、別に全然当たり前やろうと思ってたから、俺。俺どんだけやってる思てんねん。

カジサック:おっしゃー!とかじゃなく。

西澤:全然なかった。

カジサック:えーっ!すごー。

西澤:優勝しか目指してへんからと思てたんですよ。

カジサック:めっちゃカッコええやん。

西澤:それぐらい2008年はやったの。ほんで決勝行ったんやけど、最初くじ引きあるやんか。順番1番引いてもうた。

カジサック:そうなのよー。

西澤:それが俺、一番ショックやった。

カジサック:いや、ショックよなあ。

西澤:あんだけやったのに、神様が「お前ら優勝させへんで」って言われてるようなもん。

カジサック:言っちゃえばね。

西澤:うぅわあと思って。

カジサック:凹んだ?

西澤:凹んで。それでもまだイケると思ってたから、俺。それぐらいやったと思ってたから。2008年は。

カジサック:うわー、鳥肌立った。凄いなあ。

西澤:1番でも中川家さん優勝してるし、まだイケるって、まだ思ってたんや。ほいで、結局、1番トップバッターであかんかったんやけど、その時優勝したのがNON STYLE。その時に、あんだけやったのに優勝できへんのやと思うて、んな、もう俺、次、2009年もう一回あれ以上のことやるの、ちょっと無理かもしらんなと、ちょっと思った時のこの顔やった。

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カジサック:ハハハハハ(笑)

西澤:ほんまに。

カジサック:もうちょっとちゃんとした顔作る練習せなあかん。

西澤:ハハハ(笑)

カジサック:あれ、あまりにも周りに失礼な顔してた。俺ら。

西澤:それだけマジっていうことやから。

カジサック:まあ、そやで。本気やった。俺もハゲるぐらい本気でやってたから、だから、西野に対しても凄い腹立ったし。なんかもう、バタバタ喜んでた、西野。手叩いて「おめでとう!」言うて。

西澤:おかしない?それは。

カジサック:西野ってほんま異質やから、見られようによっちゃイタいとか言われてるけど、ただただいい奴っていう面もあるから。

西澤:わかるよ。喋ったらめっちゃええ奴。

カジサック:そこがマックス出たのよ。NON STYLEが獲ったこと。俺ら、当時って、同期に獲られるほうが俺はイヤやってん。

西澤:わかるよ。

カジサック:それだったらオードリーにいってほしかったというか。

西澤:うんうん、わかる。

カジサック:でも、西野はそれないのよ。石田と仲よかったし、友達がM-1グランプリ出て、友達が優勝したみたいな。

西澤:自分も出てんのに。

カジサック:出てんのに! だろう?

西澤:ハハ(笑)

カジサック:もし津田が同じことしてたらどう思う? 津田が「おめでとう!」言うて。

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西澤:そこもやってる?

カジサック:やってんねん。津田が「おめでとう! すを差し上げます!」みたいなことやってたら。

西澤:それはめちゃめちゃ注意するよ。

カジサック:ハハハハ(笑)注意?

西澤:これに対してね。

カジサック:あ、そっち?

西澤:祝福はええけど、なんか変なんしてた。

カジサック:そっちかい!

これ、おもろい話で、NON STYLE石田もこの話した時に、同じようなこと言ってたな。その年、俺ら賭けてた、みたいな。そこのタイミングがみんな一緒なの。

西澤:なるほどね。

カジサック:賭けてた時期が。これが奇しくも同期なのよ。ああ、おもしろい。

 

カジサック:最後に、どこで諦めた? これ、アカンのちゃうかな思った時。2008年のトップバッターでサンタクロースのネタやね?

西澤:そうです。

カジサック:面白いネタですよ。それをバーやってる時に、どの辺で、これヤバいなと思うた?

西澤:ええーっ?

カジサック:俺は、ちなみにヒーローインタビューのネタっていうのやったんですけど、開始1分で心折れたんすよ。

西澤:へえ~。

カジサック:違う! この感じではスタジオを飲むことはできない。M-1てスタジオを飲んだもの勝ちやんか。もうこれ飲み込めない。でか過ぎて、口に入れても無理!ってなんたんが開始1分ぐらいだったの。どこだったの西澤?

西澤:その~全く覚えてない……。

カジサック:ハハハハハ(笑)

西澤:怖いぐらい思い出されない。出てたんかなていうぐらいの記憶。